最後の戦い
「辞めろ!」激しい怒号が廃墟と化したマンションに響く。「勝てる勝算はあるのか?」鬼のような形相で必死で俺を止めようとする。「あれを倒せなければどちみち俺らは死ぬんだ。」冷淡に慎重に話すが、その声は微かに揺れていた。「今やれる奴がやらないでいつやるんだよ!」すると【A】は黙り込んだ。そして小さく頷いた。「行くぞ、」今から始まる。そして、これから終わる。最後の俺らの戦いだ。例えそれが破滅の道を辿るとしても。
「さぁ第二グラウンドだ。」あの異形、アースを倒せばこれ以上異形が生まれない。「行くぞ!」気合いの入った言葉が仲間を駆り立てる。「雷電電解!!」【D】が行き良いよく全てをチリに変える電撃を放つ。「全てを変えてでも倒す!」その顔はまるで雷神の様な本気の顔だった。そして雷電はアースに当たり体の半分ほどが浮き彫りになった。だが、反動で【D】は倒れてしまった。その一瞬の隙を狙うかうように鋭い攻撃が【D】の貫く。「D!」まずいまずい!腹部が貫通した。確実に致命傷に近い。てか致命傷だ。どうする!?助けるか?しかし助ける余裕はこっちにもっ!「気にせず戦え!」【D】が最後息を使い俺に叫ぶ。今の俺には【D】の言葉に従う以外最善の手が分からなかった。そして【D】は笑って逝った。「このチャンスを逃すな!」涙を堪え、今にも止まりそうな体に鞭を打ち前へはしりだす!ここで立ち止まっていては全て水の泡だ。「ーーっ」「奴の核を出せれば良いんだろリーダー!」【腐食】が走りながら話しかけてきた。「あぁそうだが何か案があるのか?」【腐食】は自慢気な顔で笑った。俺にはそれが勝てるという合図には見えなかった。どこか苦しそうだったからだ。そして【腐食】はアースの方へ飛び込む。その瞬間全てを理解した。「おい!待て!」その言葉は届く事なく【腐食】はアースに触れると腐食し始めた。みるみるうちにアースが腐食されて行く。それと同じがそれ以上の速度で【腐食】の体も腐食されて行く。「それ以上やったらっ!」そう叫ぶと、「楽しかったすっ」その言葉が返ってきた。その言葉にはどこか悲しく、勇気を貰える言葉だった。その言葉を聞いたの同時に【腐食】は全身が腐食されていた。そして【腐食】は足から崩れていった。もう動くことはなかった。俺は高く跳ね、アースの頭上まで跳ぶとゆっくりと目を開き、鬼の様で落ち着いた顔つきで「破滅連天!」肉限では見えないほど早い速さで大剣を振り、アースを八つ裂きにした。そして傷の隙間から核が見えた。その核には微かに腐食が着いていた。俺はその核を目掛けて今撃てるいや、人生で最大の技を撃つ!「崩壊滅殺!!」行ける。傷が再生して行く。だが、それ以上に早い速さで切る。そして剣が核に入る。俺は手に全神経を意識した。「これで終わりだぁあああああ」その瞬間核が二つに切れた。
遂に終わりだ。これで異形の時代は終わりだ。あぁ終わりだ。俺はアースを打ち、全身の力が抜けて地面に激しく激突した。もうすでに動ける体では無かったのだ。無理矢理体を動かしていたからだろうか、地面に激突するのと同時に俺の意識はそこで途切れた。
白い天井。清潔な匂い。次に俺が意識が戻った場所は病院だった。どうやら医師によるともう少し遅かったら死んでいたそうだ。警察や公安からは事情聴取を受けた。公安によると今回のアース討伐のよる被害は少なくとも710名の死亡と10,100名以上の軽重症者が出たと聞いた。内、公安対策課が2名殉職。異形狩人が5名死亡したと、公安第四課課長から聞いた。結果は沢山の人が死んだがこれ以上異形が発生しなくなった。しかし、いい友を無くすのはやはり心が痛むな。もう一人だけお見舞いにきた奴がいた。アナグラムがお見舞いに来た。アナグラムは一つだけ俺に言った。「今回の事が正しいのか間違っているのかは正直分からなかった。だけど、これ以上異形を発生させなくしたのは事実だ。」慰めかなんかのつもりだったのだろうか。俺はアナグラムが病室を抜けると、今更ながら泣き崩れてしまった。アナグラムも言ったとうりこれが正しかったかは分からない。だけど今は勝利の余韻に浸らせてくれ。
1season END
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カテゴリー: SF
投稿日時: 2022/11/9 23:11
東井タカヒロ
自由気ままに小説投稿