柚月
6 件の小説もしも許されるなら
君のことを考えるだけで、この胸は高鳴る 君の笑顔を見る度に、この心は満たされていく 君の隣は不思議と居心地が良いの もしも許されるなら 君と二人きりの世界に行きたい 君を独り占めしたくてたまらない こんなに誰かを好きになったのは初めてなの こんな気持ち私どうすればいい?
これが僕らの日常茶飯事(R18BL)
僕は東条 凛。高校二年生のれっきとした男子だ。 僕の通っている高校はいわゆる全寮制の男子校だ。 生まれ育った家には三年間必要な時にしか帰らない。 僕がどうして男子校を選んだかって言うと…。 僕は、男が好きなのだ。 物心ついた時から好きになる人はみんな男で。 そして、高校生になった今。 僕に、初めての恋人が出来た。 「りーんーっ!おはよー!今日も凛は可愛いねっ」 この無駄に明るく、そして爽やかなイケメンが瀬名 晶(せなあきら)。 一応、僕の初めての恋人だ。 後ろからぎゅっと抱きしめられて、思わず体がビクッとした。 振り解くのも面倒だし可哀相なので、僕はそっと回された腕に左手を置く。 「…あきちゃんは今日も無駄にうるさいね?それから、朝から抱き着かないでよ、恥ずかしい」 「う〜ん、今日も絶妙なツンデレ具合がたまんない…キスしたいキスしたいっ!ね、してもいい?」 いくら付き合ってるとは言え、朝から公衆の面前でイチャつくのは流石に恥ずかしい。 僕はあきちゃんの腕をやんわりと解くと、くるっと振り向き向かい合う体勢になった。 そしてあきちゃんの額に思いきりデコピンを食らわせる。 「いった!りん〜今のは酷くない?!俺、キスしたいって言っただけなのに…ぐすん」 「…道端でキスは恥ずかしいから、するなら、その…学校終わった後、僕の部屋でしよ?」 きっと今、僕の顔は耳まで真っ赤になっているだろう。 恥ずかしくてあきちゃんから視線を逸らし、俯いていると…。 「そんな誘い方するなんて、ずるいな…きっと俺、キスだけじゃ気が済まない。それでもいい?」 いつになく真剣な表情で訊いてくるあきちゃんに、僕は胸が苦しくなるのを感じた。 「…うん。あきちゃんがしたいなら…僕は構わないよ。」 こんな他愛もないやりとりが、僕らの日常茶飯事。 でも、いつも放課後はもっともっと激しくて恥ずかしいこともいっぱいしてる。 きっと、今日だって………。 そしてあっという間に授業が終わり、放課後になった。 あきちゃんは何やら“準備”があるらしく、僕らは一旦解散した。 「準備って何だろ…なんか、嫌な予感しかしないな…。」 自室でぼんやり漫画を読んでいると、部屋の外から足音が聴こえてきた。 そして、その足音は部屋の前で止み、代わりにノックの音がした。 「りん、晶だけど。入るよ?」 扉越しのあきちゃんの少し低めの声に、思わず息を呑んだ。 今日はどんないやらしいことをさせられるんだろう…。 僕の頭の中はそんな邪な妄想でいっぱいになっていた。 「あきちゃん…まさか今日は、これ使うの?」 あきちゃんが準備してきたもの−−−−それは、いやらしい形をした男性用と思われるバイブ。 「そうだよ〜これだけでイっちゃうりんが見たくて。」 あきちゃんは僕の顔の前でバイブのスイッチを入れる。 目の前でぐねぐねと淫らに動くバイブを見せつけられ思わず生唾を飲み込んでしまった。 「ふふっ、りん、めちゃくちゃ物欲しそうな顔してんね?…りん、とりあえず服、自分で脱いで。」 「ん…分かった…。脱いだら、ちゃんといつもみたいに気持ちよくしてね…?」 あきちゃんは僕から求めて欲しいのか、僕から少し離れてジッと僕の服を脱ぐ様子を眺めている。 衣服を全部脱ぎ終わった所で、あきちゃんがゆっくりと近づいてきて僕の頬に触れた。 そして、ゆっくりと唇が重ねられる。 口内をねっとりと舐め尽くすような濃厚なキスに下半身が徐々に疼いてくるのを感じ、僕は思わず体を捩らせた。 「…ん、ふっ…ふふ、りんってばキスだけでこんなに勃たせて…えろい体してるよね。」 「や…っ、言わないで…あきちゃんのせいでしょ…?ね…お願い、触って…?」 あきちゃんの言う通り、僕自身は既に硬くそそり勃ち先端からは先走りがトロトロと溢れていた。 でも、あきちゃんは僕の勃起したモノには触れずに、代わりにまだ閉じたままの秘部にいきなりバイブを突っ込んできた。 そして、手慣れた手つきでバイブのスイッチをオンにし、設定を強にする。 「えっ…あぁっ!ひぁっ!あっあぁ…んん、あきちゃ…っ…痛いよ…!」 「痛いのが好きなんだろ?りんのお尻、このバイブ、気持ち良さそうに飲み込んでるよ…?」 違うって言いたいのに、言えなかった。 悔しいけど本当に痛みが快感になってるのか、気持ち良すぎて既にイキそうだから。 「んー、でもこれじゃありんの一人エッチ見てるみたいだし…あ。そうだ、俺の舐めてよ!」 「えっ…!?んぅっ!んむ…んんぅ…っ」 お尻にはバイブを挿れられ、口にはあきちゃん自身を咥えさせられている状況に僕の羞恥心は極限まで達しそうだった。 それでもあきちゃん自身でイカせて欲しくて、僕は夢中で舐め続けた。 「んっ…りん、そろそろ俺のが欲しいんじゃない?素直に欲しい、って言えたら挿れてあげるよ?」 今日のあきちゃんは普段の数倍エッチで変態だ。 でもそんなあきちゃんに僕の体はすっかり開発されてしまい、今では全身性感帯になってしまった。 「ん…あきちゃんの硬くておっきいの、僕のナカにちょうだい…?」 「…っ、よくできたね、りん…可愛いよ。お望み通り挿れてあげる…っ!」 あきちゃんはそう言うと僕の中に入っていたバイブをゆっくりと引き抜き、あきちゃん自身を入口に押し当てる。 そしてずぷぷ…という淫らな水音を立てながら僕の中に入ってきた。 「あっ…!あぁっ…ひぁ、あん…っ、あきちゃんの、奥まで当たって…気持ちいい…っ」 「っく…!あんま煽らないで…イキそうになるから…っ」 ずちゅっずちゅっぱちゅんぱちゅんっぱんっぱんっ 卑猥な水音が部屋中に響いていて、僕はたまらなく興奮してしまった。 「あっぁ…!あきちゃん…っ、もう…イっちゃう…!…んんっ…」 僕はあきちゃんに抱き着くと体をビクンビクンと震わせながら絶頂に達した。 数秒後、僕の後を追うようにあきちゃんも僕の中にその精を放った。 「りん…体、大丈夫?痛かったろ、その…いきなりあんな玩具突っ込まれたんだし…」 「…めちゃくちゃ痛かった。けど…気持ち良くなっちゃったから…僕はあきちゃんを責められない」 いつもよりハードなセックスの後、僕とあきちゃんは同じベッドで寄り添いながら話していた。 あきちゃんは僕の髪を優しく撫でるといつもみたいに僕の体をぎゅっと抱きしめてくれた。 「ごめんな?今度からは優しくするって約束するよ。」 「…僕はもっと激しくても大丈夫…むしろ、酷くされて興奮しちゃったから…もっと濃厚なのもしてみたい」 言った後で恥ずかしくなりあきちゃんの胸に顔を埋める。 すると僕を抱きしめる腕に力が込められた気がして、僕はそっと顔を上げあきちゃんを見つめた。 「…りん、今のでまた勃っちゃったんだけど…も一回いい?」 「…あきちゃん元気すぎ!今日はもう終了ですっ」 「え〜そんなぁ〜!」 完
僕らは確かに恋をしていた。(BL)
「ねえ、リョウは好きな人っている?」 煙草を吸いながら無邪気に訊いてくる君。 僕は曖昧に微笑み返すだけしかできない。 だって僕は君のことが好きなんだから。 君は吸いかけの煙草を口から離すと突然僕の顎をクイッと掴み荒々しく唇を重ねてくる。 「んっ…レンくん、いきなり何すんの…」 「リョウが答えないから。好きな人居ないならキスくらいいいでしょ?」 さっきまで無邪気に笑っていたのにいきなり真顔で見つめないでほしい。 レンくんはいつも僕の心を容易く奪ってしまう。 夢中になる。こんなチャラくていい加減な人を好きになっても良い事なんか何一つないはずなのに。 どんどん、好きになってしまう…。 「…レンくんが好きって言ったら、レンくんはどうする?」 上目遣いで見つめるとレンくんは数秒黙り込んだ後、再びキスをしてきた。 優しく啄むようなキスを何度もされ、僕の胸は高鳴っていく。 「リョウ、好きだ。だから俺のモンになれよ…」 そう言って抱き締めてくる君が、愛おしいと思った。 この先ずっと一緒に居られるかはまだ分からないけど。 でも、今この瞬間。僕はこの人の傍に居ることを選んだ。
ごめんね、僕は君を手放せない
赤く染まったベッドに二人きりで寝そべっている。 君はもう起きることはないのかもしれない。 僕が殺した。この手で、君を。 だって好きだったんだ。君の事がずっと…。 だから手に入れたかった。どんな手を使ってでも。 真っ青になった君の頬を優しく撫でる。 ぴくりとも動かない君の身体。酷く、冷たい。 「ごめんね…でも、僕は君を手放せない。」 僕の頬を一粒の涙が流れ落ちて、その涙が君の頬に落ちた。 その唇がもう二度と僕の名を呼ばなくても。 その瞳がもう二度と僕を映さなくても。 …君は一生、僕だけのもの。
ほんとはね。
ほんとはね ずっと思っていたんだよ。 いつも感じていたんだよ。 貴方の中に僕は居ないって事も 貴方には僕は必要無いって事も 全部、解ってて気づかないフリをしてた。 でもね…それでも僕は傍に居たかったの。 貴方が好きだから 大好きだから… 一方通行の恋で構わないから 貴方の近くに居させてください。
花のように笑う人
君が笑うと僕も嬉しくなる 君が泣くと僕も悲しくなる 君の笑顔を守りたいと思った その花が咲いたような笑顔を できることならずっと隣で 見ていたいんだ…