ごめんね、僕は君を手放せない

ごめんね、僕は君を手放せない
赤く染まったベッドに二人きりで寝そべっている。 君はもう起きることはないのかもしれない。 僕が殺した。この手で、君を。 だって好きだったんだ。君の事がずっと…。 だから手に入れたかった。どんな手を使ってでも。 真っ青になった君の頬を優しく撫でる。 ぴくりとも動かない君の身体。酷く、冷たい。 「ごめんね…でも、僕は君を手放せない。」 僕の頬を一粒の涙が流れ落ちて、その涙が君の頬に落ちた。 その唇がもう二度と僕の名を呼ばなくても。
柚月
柚月
創作が好きな30↑女子。 オリジナルの詩や短編小説を書いていきたいです。