宵
6 件の小説拝啓、天使になった君へ
「私、余命I年なんだって」透き通るような声で彼女は言った。僕は、食べかけたアイスを床に落としてしまった。すぐに状況を把握できなかった。いや、したくなかった。彼女は続けた。 「私、やりたいことあるんだ。まだ見ぬ世界を見てみたいんだ」あまりの発言で終始混乱した。I年後には、君はいない。 彼女にとって大事なI日が終わった。 僕は、テレビをつけて、天気を確認した。 「速報です。」アナウンサーは、静かな声で告げた。 「女子高生が何者かに刺されたとのことです。」悲惨な事件に可哀想だと見ていた。次の瞬間、だった。 「刺されたのは、東高校の石谷加奈さん17歳です。」足に力が入らず、うずくまった。嘘だと言い聞かせながら。今日は、学校を休むことにした。1通のラインが来た。それは、幼馴染の優衣からだった。(おい、聞いたか2年3組の石谷加奈が殺されたって、可愛かったのに告っとけば良かったー)やっぱり、君は−もうこの世にいないんだ。そう、確信した。加奈の家に手紙を出すことにした。帰ってこないであろう手紙を。 拝啓、天使になった君へ
あきのヒカリ
人は儚く素晴らしい。生きているだけで。 これは、あるロボットあきとひかりの話。 1 「よし、これで、これで完成だ!!」誰もいない研究室で大声をあげている三村博士は、 15年間も及ぶ感情のあるロボットps5を研究し、ようやく完成したのだ。 「失礼します。お茶を持って参りました。」この研究室の掃除をしたり、料理をしたりと、世話係のメイドがノックをし、入ってきたのだ。彼女は、とてもスタイルがよく、目はパッチリとしているが、実は、これもロボットなのだ。 「おぉ、はるさんありがとう。」と三村博士。 「ようやく、完成したんですね」 「あぁ、そうだ。これを姪のヒカリにプレゼントにするんだ」 2 「こんなプレゼントいらないわ!」とヒカリが三村博士から貰ったプレゼントに言ったのだ。彼女は、母の死後人が変わったのだ。 「名前を、、つけてください。」ps5は言う 。「お願いだ。名前をつけてやってくれ。」三村博士も言う。 「もう、しょうがないわね。んー、、、そうね、、、」ヒカリは、いらないと言ったが3分まで考えていたのだ。 「あき、、そう、あなたの名前は、あき。それでいいでしょ。」 「私の名前は、あき。とても、素敵な名前です。これからよろしくお願いします。」 この出会いが、ヒカリの人生を大きく変えるのだった。 3 「大変だ〜。」と痩せっぽっちの男が汗かきながら走ってくる。 「ついに、あの三村博士が感情のあるロボットを作った。」 「何!?それは、本当か。」横水博士が言った。彼は、三村博士のライバルと思っており、手が荒くて、性悪だ。 「ふふふふふふ、ははははは。」急に笑いだし、周りの人たちもシーンと静まり返った。 「何がおかしいのですか。三村に抜かされてしまったというのに。」身を乗り出した研究者のひとりが言った。 横水博士は、恐ろしい目でその研究者を睨んだのだ。 「抜かされてなどいない、ここからだ。三村のパソコンを乗っ取れば私の勝ちだ。」勝ち誇ったように笑った。 「さぁ、早くそのデータを奪っておいで」 「ちょ、ちょっと待ってください。それは、不可能だと思います。」研究者の中村が手を挙げ震えながらも声を出し言ったのだった。 「なぜ?」と、横水博士が言った。 「だ、だって、あの研究室に何ヶ所もセキュリティが貼り付けられ奪えることは、まず不可能だ。だから、ぼ、ぼくは、いい方法を思いつきました。三村博士の孫ヒカリをさらうのはどうでしょう。そうしたら、自らここへ足を運ぶことになります。」と、中村。 「ほぅ、これは名案だ。さぁ、おまえたち三村の孫をさらうのだ。ふふふふはははは」研究室に響くぐらい大きな声で豪快に笑ったのだ。 4 「今日の夕食は?」 とヒカリ。 「今日は、タコのカルパッチョでございます。」優しい声であきが告げると、 「はぁ?今タコって言った?私は、タコが嫌いなのタコの臭みがね。本当に最悪。」そう言い、テーブルにひいていたマットをあきに投げつけたのだ。 「し、失礼しました。タコの臭みは、最小限減らすように私からも言っときます。」とあきは、急いで調理室まで走っていった。 タコのカルパッチョができ、嫌々ながらもヒカリは、食べた。やはり、まだあきに無関心なのだ。 「どーーーーん」急に雷が落ちて、家の電気が全てくらくなったのだ。 「キャーーーーー」 ヒカリは、雷が嫌いだったので床にうずくまっていた。 「大丈夫、大丈夫よ。心配ない。わたしがついているから。私を信じて。」 とあきはヒカリの肩をさすり優しく抱きしめた。 少し、時間がたち電気が着いたのだ。 ヒカリは、我に変えあきに抱きついていたことを知り、すぐ逃げようと思ったが足を止めた。 「ありがとう、、」と、ヒカリは恥ずかしながらも小さい声で言った。 「いいえ、怖かったですよね。いつもいつも、お母様が亡くなって以来」静かな声であきは言ったのだ。ヒカリは目を見開きなにか言おうと思ったが止めて、あきの話を聞いた。 「ほんとに残念だと思います。でも、今は、私がいます。大丈夫、私が着いています。」 ヒカリは、我慢の限界か大きな声で言った。 「感情を持ってないロボットに私の何がわかるの。ほっといてよ。」とヒカリは、あきを突き飛ばし家から出ていった。 「ヒカリ様!」あきは、叫んだ。心の中で後悔という言葉が浮かんだのだった。 5 「私の何がわかんの。最低。」と涙目になりながら、その言葉を繰り返し、薄暗い外で歩いていた。 すると、後ろから怪しい陰が、それに気づいたのかヒカリは全速力で走ったが前の方にも誰かいたのだ。そして睡眠薬を飲まされ、意識を失った。 6 「大変です。ヒカリ様がぁ、ヒカリ様がぁ。」と、泣きながら、三村博士の研究室に行ったのです。事情を説明し、急いで探した。公園にもいない。近くにあるお店にもいない。 「もしかして、、」閃いたように、三村博士が言った。 「横水博士のところかもしれない。あいつは、よくヒカリと遊んでいた。」急いであきと、横水博士のところに行った。 「はぁはぁ、、三村だ。開けてくれ。」息を切らしながらインターホンを押す。すると、応答もなく、鍵が開いた。 「よくここまで来てくれたな。感謝する。」作り笑いをしながら三村博士とあきを向かい入れた。その横には、ヒカリ倒れていたのだ。 「ヒカリ!」 「ヒカリ様!」三村博士とあきは、同時に名前を呼んだ。 「んんんよく寝た。ここは、どこ?」と、ヒカリは起きた。 三村博士とあきは胸を撫で下ろした。 「起きてしまったか。まぁいい。結果的に人質にしたにはいい役目だ。」睨みながら笑って言った。 「そんなことをして何が欲しいんだ」三村博士は、睨み返した。 「お前の、研究データだよ、あの感情ロボットのな。こいつを傷つけたくなければその研究データをよこせ。」ヒカリにナイフを突き立て言った。 「おじさん、、たす、けて」震えながらもヒカリは助けを求めた。 「わ、分かったあげよう。だから、ヒカリを返してくれたのむ。」土下座をしながら、頼んだ。 「ふん、許してやろう。」データを手にした横水は、狂ったように笑った。 「これで、、私は、あははは」 急にサイレンの音が聞こえ、ドアを強く叩くを音がした。そして、ドアがいつの間にか壊され、研究室に何者かが入ってきた。 「ロボット取締役員の伊藤です。ここに、違法を行っている者がいるとのことで、、横水、お前だな。」厳しい目で横水を見つめた。 横水は、慌てて外へ出た。 「ま、待て。」と伊藤は、横水を追いかけた。急な出来事だったので一同目を丸くしてみていた。他の、横水の研究室にいたものは逮捕された。 「助けに来てくれたの?」とヒカリは、言う。優しい笑顔で頷いた。 「感情のあるロボットって本当?」 「うん」 「そうでした。どうもロボット取締役員の田中です。三村博士の感情のあるロボットps5があると聞きました。そのロボットは、こちらで預からせてもらいます。」 その言葉に3人は目を見開いた。このことをわかっていた三村博士は俯いたままだった。 「なぜ、なぜみんなだまってるの?やだ、」と今にも泣き出しそうな顔でヒカリは叫んだ。 「なぜ?なぜ、預からないといけないんですか?」 「それは、そのps5いつか争いが起きるかもしれません。あなたの身に何が起こるかもしれません、だから預からせてもらいます。」 「嫌だ、なぜなの」 「だから、このps5が、」と言いかけた時。 「ps5じゃないわ。彼女は、列記とした私の世話係のあきよ。そんな名前じゃない」 「なら、ご自分の身に何が起こってもいいと?あなたのせいで国民が危険に晒されてもいいと?」 さすがに、ヒカリは何も言えなかった。 あきは、身を乗り出すように言った。 「私、行きます。」 ヒカリは目を見開いた。 「言っちゃダメだよ。今まで悪いことを言ったけどあの時、雷が怖くてうずくまっていたら優しく抱きしめ励ましてくれた。でも、私は、素直になれなかった。お願い行かないで」泣きながらあきのドレスの裾を引っ張った。 「あなたは、あなたは、自分の母親を恨んでいました。でも、本当は、違うんですよね。だってあなたの母親の名前は、あきこだから。私もあなたのそばにいたいです。でも、あなたが私のせいで危険にさらされるのはもっと嫌です。あなたは、強い子です。これからも、強く生きてください、私を忘れないでね。」そう言って、ロボット取締役員の人達に連れていかれた。 私は、ただただ泣いていた。 7 3年後。私は、三村博士の弟子としてロボットの研究を進めている。色々と大変だが、あきのことを思い出すとなんでもできるような気がする。私にもロボットが作れるようになり、メイドロボットを作った。 「エミ、少し外の空気を吸ってくるから、留守番よろしく」と言い、外に出ようとした。 「行ってらっしゃいませヒカリ様」エミの姿が一瞬あきに見えた。優しく微笑んでくれたあきを思い出し、「うん」と大きな声で言い、外に出た。今日もいい事あるかな、ねぇあき。 8 人は、喜怒哀楽があるからこそ美しい。 共に笑いあったり、泣いたり、怒ったり全てが生きる証となっている。 人とロボットは共存することが出来るのでしょうか? (Fin.)
私の人生
人生は、美しい?馬鹿げている。私の人生は、クソだ。変な男に捕まり、子供ができ、逃げて女手一つで暮らす。その時私は15歳だった。でも今、人生は儚く美しい。嫌な時は、いっぱいあった。でも、この子がいてくれた。ありがとう、、、
ランデブー。
暗くて静かな場所。月は、私たちをスポットライトかのように照らす。乱れた髪。林檎のように真っ赤な唇。私は、貴方とランデブー
美術室。
天色の時、誰もいない美術室。クーラーが効いてないので、古びた扇風機が変な音を出してうごいている。窓の外には、君が一生懸命サッカーをしている姿が見える。私は、無意識に、鉛筆をはしらせ、君を描く。やっぱり私は、好きだ。
一軒家で君を失う
「もう別れよ」という言葉に私は頷いてしまった。 マンションの屋上、満月がスポットのように私を照らす日 私は、そこで彼との最後の電話を交わした。