拝啓、天使になった君へ

拝啓、天使になった君へ
「私、余命I年なんだって」透き通るような声で彼女は言った。僕は、食べかけたアイスを床に落としてしまった。すぐに状況を把握できなかった。いや、したくなかった。彼女は続けた。 「私、やりたいことあるんだ。まだ見ぬ世界を見てみたいんだ」あまりの発言で終始混乱した。I年後には、君はいない。 彼女にとって大事なI日が終わった。 僕は、テレビをつけて、天気を確認した。 「速報です。」アナウンサーは、静かな声で告げた。 「女子高生が何者かに刺されたとのことです。」悲惨な事件に可哀想だと見ていた。次の瞬間、だった。 「刺されたのは、東高校の石谷加奈さん17歳です。」足に力が入らず、うずくまった。嘘だと言い聞かせながら。今日は、学校を休むことにした。1通のラインが来た。それは、幼馴染の優衣からだった。(おい、聞いたか2年3組の石谷加奈が殺されたって、可愛かったのに告っとけば良かったー)やっぱり、君は−もうこの世にいないんだ。そう、確信した。加奈の家に手紙を出すことにした。帰ってこないであろう手紙を。 拝啓、天使になった君へ
宵
宵です。 好きな飲み物 メロンソーダ ちょこっと小説を書いています。