海月

39 件の小説
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海月

高校二年の海月(くらげ)です! 多ジャンルの小説をたくさん書きたいと思うので、気軽にリクエストをお願いします! 毎日受け付けております👍 プロセカ、一緒にやりましょう!🩵🧡💛🩷❤️💙 「Dark Clover」フレンドコード:549149525832708097 ※サムネやアイコンのイラストは、ChatGPTやピクルー、フリー画像などを主に使用しています。

心の隔たり 第6回N1

あの頃、私たちの間には『見えない壁』があった。 握手を交わすことも、肩を寄せ合うこともためらわれた。友人と笑い合う時間は画面越しになり、家族で囲む食卓にも静寂が増えた。誰かの温もりを感じることさえ、遠い昔の記憶のように思えた。 人との距離は、物理的なものだけではなかった。心の距離もまた、少しずつ広がっていった。「会いたい」と思っても、簡単には言えない。「大丈夫?」と聞かれても、本当の気持ちは隠してしまう。見えない壁が、私たちの間にそっと立ちはだかり、互いの存在をぼんやりとした影のようにした。 その壁の原因となった『疫病』で亡くなっても、まだ元気だった頃に見た顔が最後となってしまい、二度と顔を合わせることはなかった。 けれど、壁の向こうには、同じように手を伸ばしたい人がいることも知っていた。画面の向こうの笑顔や、届いた手紙の文字、遠くから聞こえる声が、その証だった。中には、自分たちでその壁をぶち壊してやろうと言わんばかりに、人々に笑顔を届けるために立ち上がる者もいた。その行動は、『疫病』に苦しむほとんどの人々を笑顔にした。その瞬間、壁の隙間から、新鮮で心地よい風が吹いてきた気がした。 そして現在。あの分厚い壁は、もうそこには無い。今日も人と人が、手を繋いだり、会話を楽しんだり、いつもの日常を楽しんでいた。 作:海月

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心の隔たり 第6回N1

今、自分にはストレスが溜まってると思う。友人関係、成績、家族…。あらゆる場面でネガティブになり、どんどんと自分の中でストレスが溜まっていく。ふと、ストレス発散というワードが思い浮かび、色んな発散方法を試してみた。…でも、発散できなかった。ある日、学校の保健だよりの見出しに、こんな事が書いてあった。 『涙を流すことによって、ストレスが発散される。』 その文章によれば、涙には身体にあったストレス物資が含まれており、泣くことで気持ちが少しすっきりするらしい。でも、自分は何故か涙が出ない。どんなに感動的な映画を観ても、良かったとは思うが涙は出なかった。今、自分にはどれだけストレスが溜まっているのだろう。自分の心に、じっとりとしたストレスがまとわりつき、涙が出ないほどに虚無と化していた。 作:海月

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質問に答える海月 #1

初の質問コーナーです! 僕に聞いてみたいことがあったら、コメ欄で質問をお願いします!(個人情報以外) 海月

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質問に答える海月 #1

ナイトメア・ゲーム Day1

そしてゲームは、そのローブを着た人物の合図で始まった。 「よし、みんな! 急いでパズルを終わらせよう。途中で行き詰まったら、誰かを呼ぶんだ!」 そう叫ぶのは、挑戦者の一人、レンだ。冷静沈着な論理派の彼は、プログラマー出身で、パズルの解読に長けている。もし彼がPlayerなのであれば、かなり有利になるだろう。 「分かった。でも、中にはImpostorもいるから、そいつらに気をつけながら作業して!」 レンに続いて、ヒカリもそう言った。そうして、皆はそれぞれ別の方向へと向かった。 この館の寝室のような部屋に入ったミツキは、早速パズルを発見した。 〈Lv.☆☆☆★★ この知恵の輪を解き、それをこの鉄の棒にくくりつけなさい。〉 「...どういう事?」 星2つにしては、難しすぎる。そう思いながら、ミツキは知恵の輪を手に取ってみた。廊下にいるハヤトとトウマは、二人で行動していた。ハヤトが笑いながら言う。 「やっぱり、誰かが一緒だと心強いな! とか言って、俺を殺すんじゃねえぞ?」 「そう、ですか...。」 冗談を言うハヤトに、トウマは少し戸惑った表情でメガネを押し上げた。トウマは、他者と関わるのが苦手なのだ。その廊下の隣の浴室にいるカナデは、白く濁った水の中に腕を突っ込んでいた。 「ん〜...。どこに鍵なんてあるんだ?」 彼女も、パズルをやっている途中らしい。その時、カナデは何やら気配を感じ、後ろを振り向いた。 「...誰?」 そこには、誰もいなかった。不思議に思いながらも、パズルを続けようと、浴槽に向き直る。その時だった。カナデは後ろから頭を掴まれ、その浴槽の水に顔を突っ込まれた。 「ーーッ⁉︎」 ぶくぶくと、水が泡立つ。必死に抵抗しようとするが、相手の力は強い。水中で息ができず、声もでない。 ーーImpostorだ。 そう確信した彼女は、唯一自由な脚を使い、相手を蹴った。 「ぐっ..!」 相手が少し怯んだ隙に、カナデはありったけの力を振り絞り、浴槽から顔を上げた。 「ぶはっ、!」 何者かは慌てて顔を隠し、逃げようとした。それを見たカナデは、呼吸を荒くしながらも、ブザーボタンを押した。鋭いアラート音が響き渡る。 《緊急招集。会議室へワープします。》 その瞬間、全員が会議室へワープされ、モニターに文字が映し出された。 《通報主:No.8カナデ、死亡者:0人》 「カナデさん、どうしたんですか...って、びしょ濡れじゃないですか!」 スミレが、口に手を当ててそう言う。カナデは、先ほどの恐怖と、殺されなかった安堵感で涙しながら、さっき起きた出来事を話す。 「...さっき、浴槽でパズルを解いている途中、襲われかけた...。」 『えっ⁉︎』 その言葉に、全員がどよめいた。ルカがカナデに尋ねる。 「お、襲われかけたって...どうやって⁉︎」 「浴槽に入ってる鍵を探すっていうパズルで、水の中に手を入れて探してたんだけど、突然、頭を掴まれて水に浸けられたんだ...!」 ようやく呼吸が落ち着いたカナデ。スミレが寄り添い、背中をさする。 「怖かったですよね...。あの、やっぱり単独行動は危ない気がします。皆さんで、ペア行動するのはどうですか?」 「ペア行動?」 ツカサがそう言う。 「はい。そうすれば、Impostorから襲われる事も無く、パズルを解ける気がするんです。」 「でもよ、それじゃあパズルをするペースが落ちたり、逆にImpostorの的が大きくなるだけじゃないか? 同時に殺されたら余計不利になるぞ。」 そうツカサが反対の意を示すと、レンが指摘する。 「なんでそんな事言うんだ? ペア行動すれば、通報の精度が上がってPlayerが有利になると思うが。それとも、お前にとって不都合な点があるのか?」 「は⁉︎ 違ぇよ! そもそも俺は、同時に殺されて通報もできないって言ってんだよ!」 レンとツカサが言い争うので、ルカがそれを止める。 「落ち着いて。証拠もないのに疑ったってしょうがないだろ。とりあえず今は、カナデさんの話を詳しく聞いた方がいいと思う。」 カナデが顔を上げる。 「カナデさん、貴女を襲った人物は、どんな顔をしていたか分かりますか?」 「えっと、その時は目に水が入ってて、相手の顔は はっきり分かりませんでした...。」 「そうですか...。では、相手の服装は分かりますか? その、服の色とか。」 「服の色?」 カナデは周囲を見渡し、こう言った。 「...黒っぽかったです。」 「なるほど。」 ルカは頷くと、周囲の人物を見る。黒い服装をしているのは、トウマ、ツカサ、ハヤトの3人だ。ハヤトは自分が怪しまれていることに気づき、焦り始めた。 「おい、俺じゃねぇぞ⁉︎ 俺は元から、トウマと一緒に行動してたんだよ。なあ、トウマ?」 「え? ああ、そうだよ。」 トウマも頷くが、ハヤトの発言に、レンがつっこむ。 「ちょっと待てよ。それって、二人で犯行に及んだ可能性だってあるんじゃないのか?」 「んなわけねぇだろ! 怪しいのは俺らだけかよ⁉︎ ツカサって奴だってそうだろ? どこにいたのか知らねぇけどよ!」 「だから俺はやってないって言ってんだろ!」 再び始まる口論。その時、天井から声が聞こえた。 《会議時間、残り15秒。投票をしてください。》 だが、投票をすると言っても、証拠がまだ不充分だ。ルカがこう言う。 「とりあえず、トウマ、ツカサ、ハヤトの3人に警戒して、パズルを続行するしか無いな。」 「なんで俺が疑われなきゃいけないんだか...。」 ハヤトはそう言いながらも、投票をスキップした。 《投票結果、今夜の処刑は実行せず。次の夜は、1分後に開始します。》 すっきりしない不安を抱えたまま、挑戦者は会議室の出口で待機した。 to be continued… 作:海月

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ナイトメア・ゲーム Day1

ナイトメア・ゲーム Day0

今夜も、この不思議な館に10人の挑戦者がやってきた。全員一人ひとり、個別の室内で椅子に座らされている。その時、全員の目の前に、音もなく人物が現れた。黒いローブを着て、黒い仮面を被り、正体が分からないその人物が言う。 「ようこそ皆様。この度は、我らが開催する、ナイトメア・ゲームにご参加いただき、誠にありがとうございます。あなたには今から、人狼ゲームをしてもらいます。」 ここから挑戦者は、他とは異なる説明を受けていた。 〈この人狼ゲームにおいて、あなたは『Player』です。館内に設置された70項目のパズルを、他の挑戦者と協力して70項目を解いてもらいます。ただし、挑戦者の中に、Playerを騙ってあなた方を殺害する人狼、『Impostor』がいますのでご注意ください。ここであなたに、次のアイテムを差し上げます。まず一つ目が、全員共通で所持する、『ブザーボタン』です。こちらは何回でも使用可能で、死体を発見したり、気付いた点があるときに押すと、会議室まで全員をワープさせ、緊急招集ができます。その会議で投票をするかしないかを議論していただき、票が集まった挑戦者を業火で処刑します。処刑で残った骨が、人間の正常な骨格であればPlayer、別のモンスターの骨格であればImpostorです。二つ目のアイテムは、Player限定の『フットプリント・ルーペ』です。こちらは連続で30分まで使用可能で、床を覗くと、足跡が浮かび上がり、犯人捜しの手がかりとなります。パズルを全て完了させる、あるいはImpostor全員を炙り出し、処刑したら、あなた方の勝利となります。〉 《この人狼ゲームにおいて、あなたは人狼ー『Impostor』です。パズルに夢中になっているPlayerを、バレないように全員殺害すれば勝利です。ここであなたに、次のアイテムを差し上げます。まず一つ目が、全員共通でーーー『ブザーボタン』です。ーーー。二つ目のアイテムは、Impostor限定の『カモフラージュポーション』です。これはおひとり1つ限り使用可能で、飲むと30秒間姿を消すことができます。三つ目は、こちらもImpostor限定の『チェンジセット』です。こちらも1つ限り使用可能で、他の挑戦者の姿になりきることができます。ただし、自分で脱いだり、ブザーボタンが発動した時は、チェンジセットはすぐに無効となりますのでご注意ください。それでは、同じImpostorのお名前と顔写真をご確認ください。》 〈《賞金は、生き残ったチームの方に、おひとり500万円を差し上げます。それでは、エントランスへお集まりください、ご案内します。》〉 挑戦者はエントランスへ案内され、ここで初めて、顔を合わせる。 No.1 レン♂ No.2 ヒカリ♀ No.3 ルカ♂ No.4 トウマ♂ No.5 スミレ♀ No.6 ミツキ♀ No.7 ハヤト♂ No.8 カナデ♀ No.9 ツカサ♂ No.10 ユウ♂ この中に、Playerを欺くImpostorが、3人いる。 賞金と生死を賭けた、闇の人狼ゲームが、今、始まるーー。 to be continued… 作:海月

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ナイトメア・ゲーム Day0

事故ったら異世界に転生しちゃった⁉︎ #RQ FINAL

ーー昔、俺が住んでいた村が、モンスターに襲われた。そんな時、父ちゃんがモンスターと戦ったんだ、このブラッドクラッシュで。でも、村は守れたけど、父ちゃんは酷い怪我をして...。父ちゃんが死ぬ直前、泣きじゃくる俺にこう言ったんだ。 『カイ...父ちゃんはもう、死んじまうみてぇだ...。今度はお前が、この村を守るんだぞ。このハンマーを使いこなせるようになって、母ちゃんや、村の人たちの笑顔を、絶対に崩すな...!』 ごめん、父ちゃん。ハンマー、壊しちまった。もう戦えない。そっちに行っても、父ちゃんと合わせる顔がねぇわ。 ーーあぁ...。やっぱり、ついてくるんじゃなかった。それに、レオンを守りきれなかった。やっぱりウチは、姉さんみたいに強くなれない。練習、頑張ったはずなんだけどな。てか、なんでウチ、魔法使いとして産まれたんだろう。 〜〜〜 「みんな、起きて‼︎」 「!」「...!」 真那の声が、この広場に響く。 「私は絶対、リリスや王様、そしてみんなの未来や世界を守り抜く。何度転生しても!」 ーーはぁ、情けねぇ。こんな所で諦めるなんて。 その時、カイがむくっと起き上がる。 「...父ちゃん、少しだけ力をくれ。」 カイは、その壊れたハンマーの柄を振り上げる。その時、割れ目から、赤い液体がにじんできた。 「俺はぜってぇ、強くならなきゃいけねえんだよ。その前にまず......!」 ハンマーの柄から、大量のマグマが溢れ出てきた。そしてそれは板のように固まって、巨大な剣へと変化した。〈ラーヴァ・ブレード〉だ‼︎ 「お前をぶっ倒してやる!!!」 レオンも勇気を出して、アリアを起こそうとする。 「アリア! もう少し頑張ろうよ! ねえアリアーー」 「うるさい、分かったから! レオンはあいつの動きをどうにか止めて。いくわよ!」 「アリア...!」 再び立ち上がる4人。魔王も冷静に対応する。 《何度来ても同じだ。蹴散らしてやる!》 魔王の手から、蛇のような電撃が這い出てきて、それを鞭のように振るう。 〈ボルトウィップ〉! 寄せ付けないように、魔王は勢いよくボルトウィップを振り回す。しかし、カイはラーヴァブレードを握り、そのウィップをぶった斬った。 《な...ボルトウィップが切れただと?》 「焼き尽くしてやる‼︎」 ごおごおと、炎が舞う音がする。そこへ、アリアも突進してきた。 「直接攻撃できなくても、動きを封じれば、攻撃もいづれ当たる!」 四本のスターリスピアを出現させ、魔王の四肢を狙う。魔王はそれを避けようとするが、うまく身体が動かない、いや、暑い。 〈フィーバーフロア〉! カイのラーヴァブレードから放たれる熱波で、魔王の動きが鈍くなったのだ。見事、スターリスピアは命中し、魔王の四肢を固定した。 《ぐぅぅっ! 小癪な...!》 魔王がなんとかしてそこから脱出しようとするが、今度は身体に強い衝撃が走った。レオンが、ボルトオーブを投げつけたのだ。 「へっへー! 今度は当たったぞ。やっぱり、僕の攻撃の方が強いもんねー!」 《クソ...動けん!》 魔王が顔をしかめる。チャンスだ。 「今だ、マナ!」 「いっけぇぇぇぇ‼︎」 「頑張れ、マナ!」 真那は震える手で剣を握り、魔王に向かって走る。そして、高く飛び上がり、勢いよく剣を振るったーー‼︎ * 3人は爆風に飛ばされ、周囲に土埃が舞う。カイは立ち上がり、目を凝らした。倒せたのだろうか。 「マナ...!」 やがて霧が晴れ、真那の姿が見える。ところがーーー。 「...え?」 「マ、マナ...?」 「なに、してるの?」 真那は、剣を振るう手が、魔王の首を斬り裂く寸前で止まっていたのだ。魔王は、その光景を見て、震える声で呟く。 《な...何故だ...。何故殺さない...?》 その時、真那は黙って剣を地面に突き刺し、魔王に渾身の平手打ちをした。バシン、と頬を弾く音が響く。 《う...⁉︎》 戸惑う魔王に、真那が叫んだ。 「いい加減にしてよ! もう、こんなの辞めようよ‼︎」 涙ぐむ真那だが、怒りの表情が出ていた。 「あなた言ったよね。このネザルムを広くしていきたいって。大きな国にしたいって! それは別に悪いことじゃないよ。でもさ、そうやって誰かを傷つけないといけないの? 誰かを困らせてまで、国を大きくしたいの⁇ そんなのおかしいよ‼︎」 魔王は、自分の頬をさすりながらも、真那の目を見ている。 「ちゃんとこのネザルムを立派にしたいんだったらさ、自分の力で大きくしていけばいいじゃん! 充分な力持ってるはずだよ! それなのに足りないからって、他人を傷つけてまでエネルギー吸い取るなんて事、しなくてもいいよ‼︎ あのモンスター達だって、こんなの望んでないよ!!!...分かってよ......。」 「マナ...。」 カイが小さく呟く。レオンやアリアも、何故、真那が剣を振るわなかったのかが、ようやく分かった気がした。魔王は、その場に立ち尽くしている。先ほどのような無表情ではなく、どこか悲しげな表情をしていた。その時、入口のほうで、声が聞こえた。 《魔王様ーー‼︎ ここは我々にお任せください! すぐに、奴らの始末をーー》 《待て。》 すると、魔王はモンスターたちにこう言った。 《皆の者、話を聞いてくれ。私は今まで、君たちに酷いことをさせていた。》 《え...。》 モンスターたちがどよめく。 《世界を支配することで、ネザルムを安定させようと考えていた。だが、それでは本当の意味でネザルムを導くことにはならない。...これからは、私たちだけの力で、このネザルムを守るんだ。だがやはり、私だけでは力不足だ。だから...》 魔王が優しく微笑み、モンスターに手を差し伸べる。 《一緒に、歩んではくれないだろうか。》 その言葉に、モンスターは号泣し、何度もうなづいた。 《魔王様...! はい、分かりました! このペルーダ、どこまでもついていきます!》 こうして、魔王は姫と王様を解放し、他のエネルギー源も、全て返却された。 * リリス姫は真那に抱きつき、こう言った。 「マナ〜! 助けてくれて、ありがとう! もう大好き!」 「私も大好きだよ、リリス!」 カイが、感心したような表情で呟いた。 「いやー、まさか魔王を倒さず、説得させるなんてな! さすがマナだな!」 「ちょっと、やめてよー!」 レオンが目を輝かせる。 「本当にかっこよかったよ、マナ!」 アリアも優しく微笑む。 「どうなるかとは思ったけど、本当に良かったわ。ありがと、マナ。」 すると、カイが何かを思い出したかのように言った。 「そういえばマナ、この前、願い石の話をしたよな。あれ、魔王が全部持ってたらしいぞ。」 「えっ⁉︎ そうだったの? それは今どこに...」 「あそこにあるんだけど...使うか?」 真那は一瞬迷った。異世界での冒険は彼女に多くの出会いと成長をもたらした。この世界で得た仲間たちとの絆を考えると、ここで別れるのが辛いと感じる自分もいた。しかし、元の世界に帰りたいという思いもまた、彼女の中にずっとあった。深く考えた末、真那はついに、意を決して言った。 「使う。元の世界に帰る。」 「分かった。じゃあ、願い石、持ってくるな。みんなも呼んでくるよ。」 数分後、村の人々が集まり、真那を囲んだ。真那は、その青く澄んだ空のような色をした願い石を握り、皆に別れを告げた。 「みんな、短い間だったけど、お世話になりました! リリス、カイ、レオン、アリア......」 真那は目に涙を溜めながらも、にっこりと笑ってみせた。 「ーー元気でね。」 「じゃあな、マナ!」 「ありがとう、楽しかったよー!」 「またね、マナ。」 「マナ〜! 貴女も元気でいてね〜!」 そして、真那は願い石に向かって、言った。 「私を、元の世界へ戻してーー!」 〜〜〜〜〜 「真那? 真那! 起きて、朝ごはん食べるよ!」 聞き慣れた声が聞こえ、真那は目を覚ました。そこには、真那の母親がいたのだ。あれは、夢だったのだろうか。そう思いながら、母親に返事をした。 「ん〜...分かった。」 「トースト焦げちゃうから、先行ってるよ? ほら、支度しておいて。」 真那がベッドから身を起こそうとした時、ふと、脚に何かが当たったので、布団の中を覗く。そこにあったのは...。 「願い石...!」 夢じゃない。それを見て、真那はようやく理解したのだ。 日常生活に戻った真那は、異世界での経験を胸に、新しい自分として日々を過ごす。自分が勇気を出せば、どんな困難にも立ち向かえるという自信が湧いていた。そして、時折窓の外を見上げては思う。 「みんな、元気にしてるかな。また会える日が来るといいな。」 その記憶と成長は彼女の中で生き続けるのだった。 Fin. 作:海月 スペシャルサンクス:藤咲ふみ様

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事故ったら異世界に転生しちゃった⁉︎ #RQ FINAL

よく、こんな言葉を耳にする。 「それでは、良い夢を。」 ここで言う『夢』とは眠っている間に見る、ぼんやりとした意識のなかの映像の事をさす。ただ、睡眠の中でも、夢を見る睡眠もあれば、夢を見ない睡眠だってあるんだ。どちらかと言えば、後者が好ましい。夢なんて、所詮は想像に過ぎず、現実に変化は1ミリも出ないんだ。そんなもの、見たってどうしようもないじゃないか。夢を見ずに、良質な睡眠の方が、現実でも役立つし、快楽も得ることができる。夢なんて必要無いんだよ。 そう思いながら布団にもぐり、翌朝、僕は叫びながら目が覚めた。顔は歪み、涙が溢れていた。夢なんて、必要ない...必要ないんだよ......。 作:海月

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事故ったら異世界に転生しちゃった⁉︎ #RQ 第九話

ついに、ネザルム城への潜入に成功した真那たち。中を慎重に歩き回り、拐われたリリス姫と王様を探す。ハンマーを構えながら、カイがぼそっと呟く。 「...誰も居ないな。てっきり俺は、兵士とかがいるのかと思ったんだが。」 それからしばらく歩き回っていると、やがて広いスペースに辿り着いた。するとーー。 「...あー‼︎」 レオンが静かに叫ぶ。真那がこう尋ねる。 「どうしたの?」 「あれじゃない? マナが探してる姫!」 「えっ...あ! 本当だ!」 天井を見上げると、鳥籠のような檻に、目を閉じたリリス姫と、その王様と思われる人物が囚われていた。 「すぐに助けないと...!」 真那がそう言った時だった。 《 待 て 。 》 「...っ!」 低い声が響き、真那たちは驚いて後ろを見る。そこにいたのは、深緑のマントを羽織り、肌は灰色で、黄緑色の瞳の男だった。 《お前らか、この魔界ネザルムにやってきたのは。私の部下から連絡があったのだ。》 「...誰、あなた?」 《我が名はマルヴェリウス。このネザルムの王だ。》 「!」 今、目の前に魔王がいる。そう実感した真那に、怒りがこみ上げてきた。真那は魔王にこう言う。 「あの姫と王様を解放して。あなたの目的は何なの?」 《目的? 教えて欲しいか。》 魔王はニヤリと笑い、マントをひるがえす。 《私はな、世界中の誰よりも強く、世界中の何もかもを支配したいのだ。そうしてこのネザルムも、より広げていく。だがそのためには、まだ力が足りない。だから、世界中の至る所に存在するエネルギー源を掻き集めていたのだ。それが目的、といったところか。》 魔王は、握りしめた拳を見つめ、欲深い表情を浮かべる。その言葉に、カイが叫ぶ。 「は⁉︎ ふざけるなよ。自分勝手にも程があるだろうが。そんな理由で姫と王様を渡すわけにはいかねぇ!」 《...貴様。誰に口ごたえしているんだ?》 魔王が両手を広げると、腕に緑色の電撃が走る。 《そんなにこの人物が惜しいか? ならばーー》 その時、魔王の手から稲妻が飛び出し、地面を削った。 《貴様らが、私の力となれ‼︎》 魔王はその手を振り上げ、電撃が真那たちを襲う! 「危ない!」 バリバリと、地面が削られる音が響く。真那たちはそれをかわすと、戦闘体制になった。レオンが叫ぶ。 「僕の技を真似するなー! 絶対、僕の方が強いんだからな!」 手をかざし、ボルトオーブを生成した。そしてそれを思い切り投げる。黄色い電気がバチバチと弾けながら、魔王に向かって飛んでいく。しかしーー。 《笑わせるな。》 魔王はそのボルトオーブを、それよりも強力な雷で打ち壊してしまった。アリアも、魔王に攻撃を仕掛ける。 「レオン、離れて! いくわよ!」 スターリスピアを出現させ、魔王の胸部を狙ったが、軽々と避けられ、手から電撃を放つ。 「キャアァァ!」 アリアはその電撃を喰らってしまい、その場に倒れた。 「アリア‼︎」 それを見たレオンが、倒れたアリアに駆け寄る。意識はあるが、相当なダメージを喰らってしまったようだ。カイは炎を纏ったハンマーを振り回し、魔王に攻撃する。 〈フレア・プレス〉! 何度も攻撃される魔王は、電気で斥力を発動させ、カイを吹き飛ばした。 「うおぉっ⁉︎」 《貴様は特に癪に障る。消え失せろ!》 魔王は、レオンのボルトオーブの10倍もの大きさの電気球を出現させ、カイめがけて思い切りぶん投げた。 「おいおい、マジかよ...!」 焦るカイだが、ハンマーを使って、それをはね返そうとした。ところがーー。 バキッ‼︎ 電撃に耐えられなくなったハンマーが、音をたてて割れた。 「ーーは?」 電気球の攻撃は防げたものの、カイは、壊れたハンマーの柄を呆然と見つめていた。魔王はそんなカイにお構いなく再び攻撃し、カイはなす術もなく倒れた。 「ウ...ソだろ...? ブラッドクラッシュが...っ。」 その様子を見てしまった真那は、焦り始めた。アリアとカイがダウン。残るは彼女とレオンのみだ。真那も先程まで、魔王との攻防を繰り返し、剣をもつ手が痛んできた。レオンも体力はあるが、アリアがやられたショックで、メンタルが弱っている。 「ど、どうしよう。このままじゃ、みんな...!」 弱々しくレオンが呟く。その時、真那は覚悟を決め、皆に向かって叫んだ。 「みんな、起きて! このままアイツの思うままにしていたら、この世界が壊れちゃう!」 レオンが、にじむ瞳で真那を見る。 「私は、どうしてこの世界に迷い込んじゃったのか分からない。でもこれは、この世界がきっと、私を必要としているんだよ!」 アリアが、苦しそうな表情を浮かべながらも、顔を上げる。 「私は絶対、リリスや王様、そしてみんなの未来や世界を守り抜く。何度転生しても!」 カイが目だけを動かし、叫ぶ真那を見つめる。 「だからお願い! 私に協力して‼︎」 to be continued… 作:海月

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事故ったら異世界に転生しちゃった⁉︎ #RQ 第九話

折セカ サイドストーリー 〜霧島 海月〜

「あーダメだー、こっから先なんも思いつかん。」 机にどすんと突っ伏し、神高二年の霧島海月(きりしま くらげ)はそう呟いた。自分から難しいテーマを考案して作曲しようとしたのだが、案の定、行き詰まってしまったらしい。彼は高校一年の時に作曲にハマりだし、何曲か作ってみて、たまに自信がある曲は、SNSに上げたりして楽しんでいる。 「結構いいのが思いつきそうなのになぁ…あいつにも聴かせたいのに。」 ため息をつく海月。彼が作曲したものを聴いて、初めて褒めてくれたのは、幼い頃からの親友、明星 輪虎(あけぼし わこ)だった。 ーー海月、やっぱお前の作る曲は最っ高だ。 そう言ってくれたのを、海月はずっと嬉しく思っていた。また、輪虎が楽しむ顔を見たい。そう思いながら、今も作曲を続けているのだ。 「とりあえずこのテーマはやめて、なんか短い曲でも作るか。今回はそれだけにしよ。」 海月は、作りかけの曲のファイルを閉じ、新規ファイルを作成した。 「何にしよっかな? …そうだ! 最近freccia di luceみたいな感じの曲作りたいって思ってたから、それっぽい曲作ろ!」 海月が軽めの曲を作る時は、パソコンではなくタブレットを使う。楽器ツールの一覧を眺め、じっくり考える。 「…バイオリンか。いいね。」 楽器を選ぶと、表示された鍵盤を適当に叩いてみる。 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ 「……」 黙々と鍵盤を叩いていると、やがてメロディーが出来上がった。 ♪ ♪ ♪ ♪〜 「お! いいじゃん!」 海月は、一つのメロディーが完成すると、次から次へと楽器を増やしていく。時折、海月は鼻歌を歌いながら音を確認していく。そして、2時間後。 「できた…!」 ようやく短い曲が完成した。再生ボタンを押す。 ♪ ♬ ♩ ♪ ♪ ♬ ♪~ 「おお…いいね!」 満足した海月は、保存ボタンを押し、そのファイルをミュージックに変換し、輪虎に共有した。 「あいつ、なんて言うかなー♪」 海月はわくわくしながら、好きなコーヒーを飲みにリビングへと向かった。 作:海月 ☆プロセカにあるサイドストーリーみたいなのを書いてみました! 是非、真似してみてください✨ さて、海月が作った曲はどんなものなのか? LINEオプチャのノートに掲載しますので、そちらも見てみてください!

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折セカ サイドストーリー 〜霧島 海月〜

Virtual Fighters! #RQ

20XX年。大手ゲーム会社が、新作ゲームを発表した。その名もーー『Virtual Fighters!』。この時代、ゲームの空間に出入りすることができ、五感を味わいながら楽しめるのは既に実現している。本ゲームでは、自分の実力のみで、世界のプレイヤーとマッチングし、拳で格闘をする内容となっている。ルールは簡単。HP500のプレイヤーを、肩から腰までの胴体を殴ってダメージを与え、相手のHPを0にした者が勝利となる(なお、頭部への攻撃をした場合、ペナルティとして、10ダメージが与えられる)。1v1から4v4まででき、協力プレイも可能だ。ダメージの入り方は、攻撃の威力によって異なる。1v1ではランクマッチというものが存在して、そのプレイヤーの強さによって、低い方から順に、D、C、B、A、S(super)、P(pro)、G(god)に分けられる。そのランクによって、豪華景品などが貰えるイベントも存在するのだ。 さあ、ルール説明はこれくらいにして、とある一人のユーザーのプレイを見てみよう。大昔の騎士のような格好をしたアバターのユーザーネームは『tatsu1010』。最大の連勝数は18、現在Sランクを持っている。 「さあ、今日も特訓がてら、VFでもするか!」 『tatsu1010』は得意気に言いながら、ゲームを起動する。そして早速1v1でマッチングをすると、数秒もしないうちに、目の前にプレイヤーが入室してきた。その黒いスカーフを身につけている青年の頭上には、『KZM.moon』の表示が。するとどうやら、その二人は知り合いのようだ。 「お? 霞真じゃねぇか! お前もやってたか!」 『ああ。最近、任務が来ないから、そのせいで身体が鈍るといけないからな。』 「実は俺もそうなんだ。でもちょうどいいな。久しぶりに一緒にトレーニングしようぜ!」 そうして二人は、同時に『準備完了』のボタンを押した。アナウンスがかかる。 《Are you ready…? Fight!!》 「おらぁぁぁ!」 『ハァァァッ!』 二人は同時に飛び上がり、殴りにかかる。最初に攻撃を仕掛けたのは、『tatsu1010』だ。大きな拳で『KZM.moon』の胸部を殴ろうとしたがーー。 『...ぐっ! はあ。まだだぞ!』 「やるじゃねぇか、お前。片手で守るとはな!」 『KZM.moon』は、右手だけでその拳をガードした。そしてそのまま手首を掴み、身体を持ち上げ、地面に叩きつけた! 《20damage!》 「うおっ⁉︎」 痛覚は制御されているものの、『tatsu1010』にはかなりの衝撃が伝わった。 「やったな〜? お返しだッ!」 『tatsu1010』は『KZM.moon』に向かって突進し、足蹴りをした。バランスを崩し、そのまま転んでしまう。 『だっ!』 「お前は不意打ちには弱いからな。そこが改善点だ!」 『tatsu1010』は、転んだ『KZM.moon』の背中に、思い切りかかとを落とした。 《100damage!》 『ぐああっ!』 『tatsu1010』の攻撃は、一発一発にインパクトがあるため、ダメージがよく通る。対する『KZM.moon』は、連続的な攻撃やトラップ、瞬発的な攻撃を得意とするが、大きな決定打を与えることはあまり多くはない。 『...油断した。だが、勝負はここからだ!』 『KZM.moon』は首の関節を鳴らし、『tatsu1010』に向き直る。 「かかってこい、霞真!」 『tatsu1010』も、そう叫んだ。 * 《40damage! 50damage! 25damage! 80damage!》 ゲーム開始から10分後、『tatsu1010』のHPは120、『KZM.moon』のHPは110になった。 『やるじゃないか、龍也。』 「はは、お前もな。だが、だんだんあれが来るんじゃないのか?」 『tatsu1010』がそう言った途端、アナウンスが流れた。 《あと1分で、HPのカウントダウンが始まります。》 『...!』 そう、このゲームにおける重要なルールがもう一つある。ゲーム開始から11分が経過すると、そこから1秒ごとに1ダメージを喰らうシステム、『カウントダウン』があるのだ。この場合、もしこのまま誰も攻撃できないでいると、先に『KZM.moon』のHPが尽きて負けてしまう。『KZM.moon』の表情に、焦りの表情が見えてきた。 『まずいな...このままでは...っ。』 そうしているうちに、カウントダウンが始まった。みるみるうちにHPがすり減っていく。 《1damage…1damage…1damage…》 『KZM.moon』は首を大きく横に振り、『tatsu1010』に向き直る。 『関係ない。龍也のHPを少しでも減らせば勝てるんだ。行くぞ!』 「そう来なくっちゃな!」 その時だった。『KZM.moon』は、大きく息を吸い、身体が斜めに傾いたと思ったら、目にも留まらぬ速さで走り出したのだ。 「なっ⁉︎ 速えぇ‼︎」 急な動きに『tatsu1010』が戸惑っている間、横腹に何かが触れた。 《10damage!》 『遅いぞ、龍也!』 「え⁉︎」 もう一度言うが、このゲームに特殊なスキルなどは無く、『自分の実力のみ』でバトルを臨まなければいけないのだ。『tatsu1010』は、まるでナイフで切り刻まれるかのようにHPを削られていく。 《10damage! 7damage! 11damage!》 一回ごとのダメージは決して大きくはないが、『tatsu1010』のHPは、いつの間にか15になっていた。 「くそ、まるで見えねぇ...!」 『tatsu1010』が周りを見回していた時、彼の懐に、『KZM.moon』が入り込んでいた。『tatsu1010』を睨むその瞳は黄色く、まるで獲物を狙っているようだった。 『...終わりだ。』 そして『KZM.moon』は、『tatsu1010』の胸部を思い切り殴った。 《50damage! GAME SET!!》 「うわあぁぁ‼︎」 『KZM.moon』の頭上に、『P』の文字が浮かび上がった。 『これで、50連勝だ。』 それを見た『tatsu1010』は、座りながら笑った。 「はは...お前強すぎるだろ。さすが、俺らのリーダーだな。」 『まあ、龍也のプレイも中々だった。久しぶりに焦ったよ。』 「くっそ〜。次はぜってぇ負けねぇ。もう一回やるぞ!」 『ああ。』 二人は、『再戦』ボタンを押した。 いかがだっただろうか? いつものゲームで遊ぶのもいいが、どうせ遊ぶなら、身体を動かして、エキサイティングなバトルをするのも悪くない。次はキミの番だ。対戦の切符を持って、リングに立とう。 Fin. 作:海月 ☆リクエストしてくださったフォロワー様、ありがとうございました!✨ ※この物語はフィクションです。この物語に登場したゲームが、今後開発されるとは限りません。

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