14 件の小説
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ふじといいます。 小説、エッセイぽいの書きます。 よろしくお願いします(*¨̮*)

世界の片隅で、君だけが私の声に振り向いた。

君を忘れたい。 大嫌いな君を、私の世界から消し去りたい。 私の中から、君の名前が、君の声が、君の言葉が、君の背中が、 消えてくれない。 既読のつかないメッセージ。 フォローを外されたプロフィール画面。 嘘つき。嘘つき嘘つき嘘つき。 これからもって、言った。 なんの一言もなかった。 信じていた。 信じなければよかった。 大好きだった。 出会わなければよかった。 君が私の心に入ってきたから。 君が私の声に振り向いたから。 君が未来の話をしていたから。 君が悪いんだって、心の中でどれだけ君を責めても、 嫌いになれない。 忘れられないから。 だから私は、君のことが忘れられない私のまま、 君のいない世界を生きていくよ。 そしていつか、君のことを嫌いになりたい。 君を乗り越えていけるようになりたい。 いつまでも泣いてはいられないから。 だからどうか、どうか。 私の知らない世界で、幸せになってね。 その幸せそうな笑顔を、二度と私に見せないでね。 君が笑っていてくれることだけを、願っています。

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世界の片隅で、君だけが私の声に振り向いた。

仮面舞踏会

初めはみんな、素顔で生きていると思っていた。 演じているのは自分だけだと思っていた。 だからこそ、素顔を愛してもらえていいよなと、人を妬んでいた。 それは違った。この世は仮面だらけ。 仮面が割れた者は、後ろ指を指されて行き場を失うのだと知った。 少なくとも私はそういう世界で生きてきた。 だから私は演じた。 誰よりも分厚い仮面を纏った誰よりも素晴らしい役者であろうと。 仮面に色を塗りたくり続けた。 新しい傷を負うたび、新しい色を塗った。 滲むことも色が落ちることもないように、分厚く。 それが私の正解だった。 でもその正解は、代償なしでは続けていけないと気づいた。 仮面がなければ愛してもらえない、その孤独と隣り合わせで 生きていかなければならない。 怖かった。ひたすら寂しかった。 でもある日気づいたんだ。 この世が仮面でできているなら、こんな思いをしているのは 私だけではないのだと。 だから私は、生きる。 私の孤独を埋めてくれる誰かを探すのではなく、 誰かの孤独を埋める誰かになるために。 孤独を背負って、真っ暗でひとりぼっちな世界を背負って、 生きていく。 その先の未来に、 私の孤独が報われることを願いながら。

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仮面舞踏会

私の世界は。

声をあげて泣ける人が羨ましかった。 思ったことを言ったら誰かが傷つくことも考えずに 好き勝手言える人が羨ましかった。 妬ましかった。 泣けていいね。つらいって言えていいね。 味方がいていいね。私はあなたが羨ましい。 私は、全部自分のせいだってわかってるから、 人より恵まれてるってわかってるから、 何のせいにする資格もない。 差し伸べてくれた手を振り払ったのは私。 人を信じて頼る勇気がないのも私。 私の首を絞めているのも私。 周りは、他人は、何も悪くないから。 だからこれからも、私の世界には誰もいない。いなくていい。 人様に迷惑かけて、もらった優しさを全部無駄にした。 どうすることもできずに気持ち悪い笑みを浮かべたままの 醜い私に、居場所なんてない。 私の世界に、人様を入れる資格はない。 真っ暗でひとりぼっちの世界で、みんなの幸せを願っているから。 そうやって、きっとこの先もずっと、 自分という存在を受け入れてくれる人を、 心のどこかで待っている。

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私の世界は。

願っていた。

きっとまだ幼かった頃から、私が願っていたこと。 幸せになりたかった。強くてかっこいい私になりたかった。 愛してほしかった。 家族に愛されているんだからそれで充分だったのに。 世の中にはもっと苦しい思いをしている人がたくさんいるのに。 私はこんなに恵まれているのに。 それでも自分を愛せなかった。 多数の肯定より、少数の否定ばかりを鵜呑みにした。 だから自分を許せなかった。 私はきっとずっと願っていた。 幸せだと心から思える日を。 強くなったと、かっこいい自分だと思える日を。 私を愛してあげられる日を。 私がいちばん愛してほしいのは、他人なんかじゃない、 私自身だったんだから。

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願っていた。

小さな作品

長い時間をかけて考えた。 そして今日決めたことをここに残しておこうと思う。 誰の目にも止まらない、誰の心にも残らない、そんな作品を。 誰かの手をとることもない、そんな詩を。 さあ、何から書こうか。 そうだなぁ。 じゃあまず、自分の幸せは諦めること。 たった十数年生きただけでも、そう決めるには充分すぎたよ。 つぎに、ひとりぼっちでも強くいること。 孤独をつきつけられた瞬間も、今までと何が違うと笑っていたい。 そして、欲はできる限り捨てること。 持っていても役に立たないものだからね。 それと、マイナスな感情以外を全力で表に出すこと。 そうすると楽しく生きてる人間に見えるだろうからね。 最後に、自分を受け入れてくれる人間はこの世にいないことを 心の底から理解したうえで、ありったけの愛を人にあげること。 自分は愛されなくても人を愛していたいっていう僕の身勝手だよ。 申し訳ないが、意見は受け付けられないんだ。 間違った考え方をしていることはわかっているからね。 それと同じくらい、言いたいことも想像がつくんだ。 「自分を愛していない人に、人を愛することはできない」 「ひとりじゃないよ」 「幸せになれるよ」 「泣くとすっきりするよ」 「「「頑張れ」」」 聞き飽きたよ。 僕にひとりじゃないと言った人間は、僕を罵った人間だ。 僕に愛を説いた人間は、僕を知らない人間だ。 人を信じられない、正しいことを受け入れられない、 それが僕の弱さだ。 僕のほうを向いてくれている人を見ることができない、 それが僕の間違いだ。 もう苦しみたくない。楽になりたい。 だから僕は諦めた。 諦める幸せを知ってしまったから、僕は逃げたんだ。 時間から。やるべきことから。人から。愛から。人生から。 ごめんね。 もう手遅れだよね。 でももういいんだ。 世界中の人が僕の考えを、生き方を罵っても、 僕はそれでも生きていかなくちゃならない。 それが、 まだ人生を知らない、生き方も知らない、愛も幸せもわずかしか 知らない、そんな僕の 小さな作品だ。

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小さな作品

願ったところで。

もう疲れた。 悩むことも頑張ることも放棄して、どこか遠くへ逃げよう。 逃げてしまおう。 でもひとつだけ、逃げるなら君と一緒がいい。 景色も音楽もいらないから、君に隣にいてほしい。 君がいてくれたらほかには何もいらない。 君さえいてくれたら、何も願ったりしないから。 だから神様、私の願いをひとつだけ聞いてください。 この人だけ、私のそばにおいてください。 そんなことを願ったりして、だんだんと夜にのまれていく。 決して叶わない願いだけが、星になっていくように。 あぁ、だめかなぁ。 どれだけ君を想っても、想われることはない。 もう逃げてしまいたい。 君からも、世界からも。 私を受け入れてくれる場所へ、逃げてしまいたい。 ひとりぼっちは怖いくせに。

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願ったところで。

報われなくても。

私は、愛してほしい人には愛されない人間だ。 どれだけ一途に人を愛そうと、報われたことなんてなかった。 私を見てくれた人は、今までひとりもいなかった。 向き合ってくれた人も、いなかった。 恋愛は、私には向かないものなんだと思って生きてきた。 そう思うしかなかった。 そう思っている時の自分は、いくらかましな人間に見えた。 そんな私が、今までの誰より好きになった人が、君だった。 君は向き合ってくれた。私とも、私の想いとも。 それが嘘だとしても、いいと思った。 報われなくても、いいと思ったんだ。 私はきっと、一生報われることはない。 でもそれでもいい。 君を好きだと言う私の顔は、今までの誰と付き合った頃より 幸せそうな笑顔をしていたから。 報われなくても、愛させてほしい。 愛してくれなくても、愛しているから。 君のことも、君を好きになった私のことも、 私は愛していたいから。

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報われなくても。

感情なんてあるから。

感情なんてなければ、私は幸せだったんだろうか。 もしなかったとしても、私はきっと笑顔を作れただろう。 感情なんて、なんのためにあるんだ。 あったって、邪魔なだけのがらくたなのに。 だから私は、感情のオンオフをコントロールできるようにした。 つらいときは、感情をオフにする。 笑わなければいけないときは、感情をオンにする。 でも変だった。 まるで強い力で、身体中を締め付けられているみたいだ。 心臓を握りつぶされそうな感覚がしていた。 苦しいと思った。 でもそれすらも、いらないと思った。 感情がなければ、傷つくこともきっとない。 感情がなければ、恋愛なんてしたいと思わなくてもいい。 感情がなければ、人を愛したり信じたりすることもない。 それがきっと私にとっての幸せなんだ。 そうであるはずなんだ。 そう信じて生きてきた私の足跡を、私までもが 否定してしまったら、私にはもう何もなくなってしまう。 お願いだから、もう何も感じなくしてほしい。 人間など愛したくない。 人間など信じたくない。 人間などでいたくない。 生きたいと思いたくない。 生きたいなんて思わなければ、 きっと死ねたのに。 きっと楽になれたのに。 きっと、幸せになれたのに。

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感情なんてあるから。

幸せだと思えたらよかったのに。

四人でいる時も、ひとりで後ろを歩いている。 何人でいようと、いつもひとりぼっち。 会話していても、笑っていても、悲しくても、ひとりぼっち。 話してもらえるだけ幸せだと思えたらよかったのに。 生きていることを幸せだと思えたらよかったのに。 死にたいと思ってしまうのは、きっと悪いことだ。 生きていたって何も価値がないと思ってしまうのは、 きっと間違いだ。 弱みを見せないことが美徳とされるこの国を恨んでしまうのは、 きっと筋違いだ。 私がすべて間違っている。 周りがすべて正しい。 そう思ってしまうこともきっと不正解だ。 肌が黒い。目が小さい。脚も太い。背も小さい。華奢でもない。 頭も悪い。声も汚い。歌も下手。外国語だって話せない。 走るのも遅い。運動もできない。愛想もない。笑顔が気色悪い。 勇気もない。自信もない。優しさもない。希望もない。 私にいったい何があるのだろう。 あるとしたら汚い心と、醜い外見だけだ。 誰か教えてくれと願ったところで、意味はない。 誰にも迷惑をかけずに生きられたなら。 周りを明るくできるような存在になれたなら。 誰にも嫌われないなんてことができたなら。 みんなが私を愛してくれたなら。 完璧になれたなら。 私は生きたいと思えただろうか。 この傷だらけで穴だらけの人生を、幸せだと思えたなら。 私は笑えたのだろうか。

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幸せだと思えたらよかったのに。

私の心は世界のどこかに

人に嫌われるのが怖いと思うのは悪いことでしょうか。 人にどう思われるかがすべてだと思ってしまうのは 悪いことなのでしょうか。 それだけで世界が回っているわけではないことも知っている。 それでも不安で、今日も私は下を向く。 私の心は何を思っているのでしょうか。 私の心は何を感じて、何を怖がっているのでしょうか。 私の心はどこにあるのでしょうか。 探しても見つからなくて、聞いても誰も答えてくれなくて、 結局また探して。 誰に愛されているのかもわからなくて、自分のことも愛せない。 でも、それを無視して明日は来る。 だから私は、今日も探している。 自分を愛せる方法を。 人を信じる方法を。 この息苦しい世界で、生きていく方法を。

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私の心は世界のどこかに