おはなのはたけ
7 件の小説嘘をつく。
※BLです。苦手人はスワイプしてね。 「坂井、俺は恋人を作る。」 幼なじみ坂井との一緒の下校中に俺は宣言した。 坂井は俺の初恋だった。 自覚したのは最近ではじめての恋という気持ちにおどろいたし混乱もしたけど、月日が経つにつれて認めざるおえなくなった。 けど坂井は本当に凄いやつなんだ、幼なじみだから分かるのは本物の秀才。 勉強も、運動も得意で男女問わずモテるのだから本当に抜け目も何も無い。 だが、俺は勉強も運動もできたとして友達でいられても暗い俺には恋人として坂井には釣り合わない、しかも坂井の恋愛対象は男は入っていないかもしれない悔しいが。 だから、坂井を諦めるために俺は恋人を作ろうと思った訳だ。 そんな訳で、俺は 「坂井、俺は恋人を作るぞ。」と高々に宣言したわけなのだが。 坂井の反応は思っていた感じと違くて、俺の想像だと 「頑張れよアキラ。」くらいのクールな反応だと思っていたのだが 実際は足を止めて沈黙だった。 まぁ、突然こんな事を宣言されたら困るよな、当たり前か。 すると、坂井は「アキラ、俺の家に来て欲しい。」と突然言った。 そこから、坂井の家に着くまでずっと沈黙だった。 「お邪魔します。」 「上がって。」 部屋に入り、俺の好きな飲み物を無言で出された。 「あ、ありがとう。」 恋心を自覚したのは最近だったため部屋に入ったのは数え切れないほどだがついドキドキしてしまう、しかも偶然だと思うが俺の好きな飲み物を出してくれるのにさえドギマギしてしまった。 そして、坂井はおれに笑いかけ、問いかけてきた。 「それでさっきの続きだけど。」 「…」 「恋人ってどういう事かな。」 そう言った顔があまりにも迫力があり驚く。 「あの坂井。」 「二人きりだろ、名前で呼んでくれ。」 また目が笑ってない顔でそう言った。 「…蒼」 今度はニコッと目も笑った。 「うんアキラ、それで?」 「恋人作る話だよな、そのまんまの意味だよ。」 「へぇ、」 「で、誰なんだアキラの好きな奴は。」 「は、」 それは、お前だよ!と言いたいが流石にな。 我慢して「それは、居ない」と答えると 坂田は沈黙した。 そして、何もないまま帰った。 後日も何も蒼とは進展もなく、ただ隣にいるポジション。 本当に進展の無いこのままの状況ではダメなのでそろそろ恋人を作りに掛かろうと思う。 その為、俺はある友人と話をしに行く。 その友人とは中学校の同級生の悠だ。 悠は、蒼とも仲が良かったが俺にもまぁまぁ仲良くしてくれた。 そして、待ち合わせの日になった。 待ち合わせをしていた喫茶店では、店員さんが俺たちの席を見て騒いでいた。 「本当にお前はモテるな。」 「それほどでも無いよ。」 「はっ、謙遜し合う中でもないだろう。」 「謙遜じゃなくて事実だものあの中の人達の目は君を捉えている人も多いよ。」 「んなわけないだろうが。」 「…うん、きみ高校になって告白された事はあるかな。」 「ないが。」 「驚いた。」 コイツは絶対にバカにしてる。 「まぁ、この話は置いておこう。」 そして、真剣に話を聞く姿勢に悠がなった。 「本題は何かな。」 相変わらず鋭いな。 「んん、本題なんだが…。」 「俺と付き合ってくれないか。」 「…え?」 「いや、正確には付き合ってるごっこ。」 「いや、そのもし恋人がいれば断って欲しいのと、他にいい人がいたら紹介して欲しい。」 「うん、話が読めないねだって君は蒼が好きだろう。」 だよな、何故俺は当たり前の事を説明しないんだ…しかも、悠は俺が蒼のこと好きなの気付いているし。 「すまない、ちゃんと説明する。」 そして、俺は悠に俺の心情を話した。 蒼が好きだけれど、諦めきれなくて蒼に恋人作る宣言したことをしっかり話した。 そして、恋人と言っても恋人役の人と一緒に過ごして蒼の事を忘れよう作戦をしたいと頼んだ。 すると、悠は突然大爆笑だった。 「君達、高校生になっても変わらないね。」 「変わらない?」 「こっちの話だよ。」 「でも、何で僕が恋人役?」 「頼める友達悠ぐらいしかいないし、」 「なるほどね、まぁ、恋人役としてぼくの友人を紹介させる訳にはいかないからね、期限はひとまず一ヶ月かな。」 「うっ、悠すまない。」 「君が謝るなんて珍しいね。」 「…」 まぁ、取り敢えず悠に恋人役になってくれた。 一ヶ月間、悠と出来るか不安だが恋人らしいことをして蒼の事を考える暇なんて無くそう作戦決行だ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 容姿です。 主人公アキラ ・顔いい。・モテない。←性格暗いから? ・蒼がすきだから悠に恋人役を頼んで1ヶ月間蒼の事忘れよう! ・身長は普通に高い。 主人公の好きな人(坂田蒼) ・クール・イケメン ・なんでも出来る・アキラの幼なじみ・身長はアキラより少し高いくらい 主人公の友達(悠) ・良い奴。 ・アキラと、蒼の中学の同級生 ・ハンサム系 ・身長は3人の中で1番高い
みゃー子とさよ姉さん
※登場人物は猫とかえるです。 最近、みゃー子(妹)の様子がおかしい気がするの、なんかぼーとしてるしとにかくいつもと違って変なのよ。 「ねぇみゃー子、さいきんなんかあったの。」 「なんでもないわ、さよ姉さん。」 明らかに慌てて気を逸らすものだから私はついからかいたくなりましてね。 「さては、好きな殿方でも出来たのでしょう。」 私は冗談半分で聞いたものですから、 まさかほんとに居たとは思いませんでした。 「えぇ、実は。」 しかも。顔を真っ赤にして言うもんですからそりゃあもう驚きましてね。 妹にも春が来たかと思うとワタクシはとても嬉しかったです。 ですが、ちょーとボケっとした妹ですから殿方とやらがどんな奴か気になったので聞いてみたんです、そしたらお向かいの方だって言うんですわ。 向かいの人間とは私達姉妹の幼なじみアキラの家でして、そいつは兎に角ちゃらい?んです。 それはもう。毎日女を口説くほどには。 まさかと思い睨みつけるように窓の外を監視をしようとしましたの、ですが妹が 「そんなにあの人の事を見ないでくださいまし。」 と恥ずかしそうに言いました。 いつの間にやら妹を誑かしていたのでしょうか。 窓をまた睨みつけるように見ていたのですわそしたら妹が、 慌てて泣きながらこちらに向かってきまして 「さよ姉さん辞めてくださいまし、カエル様が大層驚きになられてしまうでは無いですか。」 「は?」 か、カエル様? 話を聞くと、アキラの友達だといいまして、暫く、あきらの家に滞在してるのだと、私はとんだ早とちりでしたわ。 「みゃー子ごめんなさい、私てっきりアキラが貴方のことを誑かしてるのかと思って。」 「そんな、ねぇさん、気にしないでください。」 にこっと、みゃー子が笑った。 「みゃー子にも春が来たのですわね。」 「ええ、へへ。」 「あと、誤解があるようですから言いますけど、アキラが誑かそうとしているのはさよ姉さんですわよ、アイツは回りくどいですから。」 「そんな、冗談はよして下さい。」 この子は、まったくもう。 「本当ですわ、だってアイツはちょっとクソですがねぇさん以外に興味が無いんです。」 は、本当に何を言っているのかさっぱりなのですが。 私があきらの話を締めようとすると、チャイムがなった。 「おーい、みゃー子」 あきらの声だった。 なんですの、噂をすれば。 みゃー子は玄関に向かった、私も心配なので少しあとについていった。 すると、そこにはアキラではなく…… 存じ上げませんわ……。 「え、カエルさん…。」 「や、やぁ、みゃー子さん。」 カエルさんはスーツを着ていて、その隣にはアキラが立っていた。 すると、アキラは私に気づいたのかニコッと微笑み、まぁ、茶でも出してよと言わんばかりに目配せをしていました。 ほんとに、コイツは食えない人ですわね。 そして、私はカエルさんに挨拶を済ませました。 そして、2人をリビングに座らせて私とアキラは邪魔になるだろうから居間にいました。 アキラから事情を聞くと来週には故郷に帰るのだというから最後に沢山みゃー子とお話したかったそうです。 因みにみゃー子とは図書館で見掛けたらしく、その時とても綺麗な方だと思ったらしかったのですが、勇気が出ずにそのまま。 ですが、その帰り道に家が隣なことに気づき、図書館でまた会った時に話しかけたことが始まりらしいですわ。 結構ロマンチックですわね、これは正直応援しちゃいます。 「ちなみに、つかぬ事をお聞きしても。」 「はい、どうぞ。」 「カエルさまは、とってもいい方なのは分かりましたわ、ほんとに素敵、ですがおモテなさるのかしら。」 アキラは少し顔をひくつかせた。 「な、なんでだい。」 「そりゃあ、あなたみたいに何人もの女性を誑かす人なら速攻口も挟みますし、手も出ますから。」 アキラは溜息をつき、そこは大丈夫だと言った。 「いや、相当カエルのことを気に入ったみたいだね。」 「いや、まあ、妹が好いてる方ですし。」 少し、沈黙が流れる。 すると、リビングから足音が聞こえてきてみゃー子が 「カエルさんと散歩に行ってきます。」 「あら、そうなのね。」 「楽しんでね。」 カエルとみゃー子は会釈して仲良く話して出かけて行った。 すると、アキラは突然 「なぁ、俺ってチャラい。」 なんて、当たり前のことなんでしょう。 「まぁ。」 「まぁ、それは置いといてアイツら付き合うのかね。」 「分かりません。」 「まぁ、君はそういう経験なさそうだからな。」 なんだ、コイツ、当たり前にみゃー子とカエルが結ばれるのが分かるような言い方。 「ふん。」 「拗ねるなって。」 ニヤニヤとからかってくるが、 アホが、デートなんぞ私もした事くらいあります。 私は溜息をついた。 「私は、あなたみたいにデートの経験は豊富では無いけれど、わかる事はあの二人は本気で好き同士だから、貴方は分かったつもりになるのは失礼だと思うわ。」 アキラはビックリした顔をして、少し微笑み 「へぇ、誰だろその人。」 と言い放つ。 「は?」 「デート経験豊富じゃないって事はデート自体はした事あるんでしょ。」 「舐めないでちょうだい。」 「舐めてなんかない。」 少し、きまづい雰囲気になりどうしようかと考えていると 「ただいま帰りました。」という声が響いた。 「あら、おかえり。」 2人は、手を繋いで帰ってきたようでニコニコしていた。 「あのね、お付き合いする事にしたの。」 「遠距離恋愛ですが絶対に寂しい思いはさせません、どうかよろしくお願いします。」 カエルさんは座り、頭を下げた。 「頭を上げてください。」 カエルさんもみゃー子も緊張が走ってるようだった。 「は、はい。」 「みゃー子を泣かせたら許しませんからね。」 私は微笑んだ。 「は、はい!」 カエルさんはとても嬉しそうに頷きました。 みゃー子のあんなに幸せそうな顔を初めて見ましたわ。 この2人の幸せを引き裂こうなんて輩が出てきたら私がとっちめてやりますわ。 そして、みゃー子とカエルさんは見つめあっていました。 もう、すっかりラブラブね。 そんな事を考えていると、トントンと肩を叩いてくるアキラはニヤニヤしていた、どうせ賭けに買ったとでも思ってるんでしょうね。 全く、でもこの男がいなかったらみゃー子とカエルさんは想いを伝えずに終わっていただろうから感謝、ですわね。 そうして、みゃー子とカエルさんはお付き合いを始めたのでした。
営業の恋
百合です。※さり視点。 「私のあやはわがままを何だって聞いてくれるし、ダメなことはダメって言ってくれるから、ガチ恋とかしないでよね!!。」 「さり、うるさいよ。」 「だって…。」 「さり以外に浮気なんてしないから。」 「あーん!!あや〜ちゅきちゅき〜。」 「さり、やめなって。」 私達は場所構わずそんなことをしているカップル。 カチッ パソコンを閉め、タバコを一服する。 「まぁ、世間では、ね。」 私達はそれなりに人気なSNS活動者。 あやさり 大学の後輩先輩で結成した。 あやのクール系、さりのガーリー系の 系統の違う同士の仲の良さが人気になりだらだらと続けて今は2年目に入った。 本当は、動画以外だとあやを引っ張る事の方が多い気がするけれど、それはさておき今は少し問題発生中だ。 まぁまぁ続いた私達だけど最近あやがプライベートで忙しいらしい。 その為、撮影の時間が大幅に減ったので1回話し合いをする事にした。 私は、あやを自分の部屋に呼び出した。 「…あや、最近どうした。」 そして、タバコを吸いながらさりの返答を待った。 息を吹き、煙が登る。 しばらく無言の中。 「あの、さりさん私は、」 「うん。」 「わ、わたしは…」 …… 「何?」 「動画投稿辞めたいです……」 「は?」 思ってもみない返答で驚いた。 「どうして?」 「……」 「私の事嫌いになった?」 「違います!」 即答… 「じゃあどうしたの」 「……さりさんが……」 「うん、嫌なとこいいな?」 「さりさんが好きだから……」 か おったまげた。
失恋以上の友情。
冬の日差しが濃い日、風だけが冷たくて嫌になる下校時。 そんなくだらない日に私は幼馴染に告白された。 幼馴染の名前は壮太。 いつもは、涼しい顔で我関せずな感じなのに、今日は顔を赤くして下を向いていた。 「私に好きな人いるの知ってるでしょ、だから付き合えない。」 私が冷たく突き放すと 彼は、顔を上げて 「うん、まぁ知ってる、知ってて言った。」 真顔でそんな事を言うから私は少し驚いた。 「そう…まぁ、そういう事だからごめん。」 「うん」 幼馴染の突然の告白に気まずいと思っていた所に声がした。 「おーい2人とも。」 遠くの方にはもう1人の幼馴染の華恋がいた。 ダーと駆け寄ってきて。 「2人とも何話してたのー!」たったったーと元気よくこちらに跳ねてきた。 「んー?秘密」 やっぱり、華恋といると顔が自然に柔らかくなってる気がする。 「えー!ヤダヤダヤダ!」 「もう、駄々こねないでよ」 華恋はむーと口を膨らませた。 「…そういえば、華恋今日デートじゃ無かったけ?」 壮太が華恋に話を振った。 「今日は、急遽辞めになったんだあっちがバイトあるの忘れてたーってさ。」 「相変わらずだね。」私は呆れた声で言った。 「ほんとだよね、でもそういう所が好きなんだけどねぇ〜!」 華恋はニッコニコで言った。 「…」 「あっ!アニメ始まるんだったもう行かなきゃだ~!」 「また、明日ね!」 「…うん、華恋バイバイ。」 そういって嵐のように華恋は去っていった。 私達は、手を振って華恋の後ろ姿を見つめていた。 「私、もっと早くこの気持ちに気づきたかった。」 「ん?」 「貴方みたいに、好きな人が誰を好きでいても告白すればよかったなって。」 自然と涙が出そうになった。 壮太は少し考えて 「なら、俺はもっと早く告白してれば良かったな。」 「?」 「お前が、華恋を好きだと自覚する前に告白しとけば良かった。」 私は一瞬呆然としてバシッと壮太を叩き 「バカ!」 「いきなり叩くなよ。」 なんて言い合って笑った、この空間はとても心地良い。
私のバレーボール
私には、幼なじみがいる。 名前は晃(あきら) そいつは、ライバルであり、バレーボール仲間だった。 家も、近くでよく遊んでた。 そして、中学は地元にお互い進んだ、嬉しいことに地元の中学は男女共に県大会常連校だった。 小学校の卒業式のあと晃が、 「俺は、バレーボールで全国行く、お前は続けんの。」なんて、生意気なこと言ってた。 私は、ついムカついて 「当たり前、私だって全国行くから。」 そんな事でバチバチしてた。 中学に入ってからは、友達もできてバレーボールも充実してた。 晃は1年からレギュラー入りできたと、淡々と言ってきて悔しかったから私も必死で練習した。 そして、秋の大会でレギュラーに選ばれた。 早く帰えって家族に報告しようとしていたけれど、赤信号になって立ち止まっている時に 男の子が前を駆け抜けていった、すぐ真横には車が来てた、なんか電話してるしやばいなと思って咄嗟に前に出て男の子にタックルした。 私は男の子を庇って事故にあった。 幸い命は助かった。 その後は、3ヶ月くらい部活を休んだ。 そして、ようやく親の許可が降りて復活、部活のみんなは優しくしてくれてついに1年生最後のレギュラー発表で、そこに私の名前が呼ばれた。私はセッターだったのだが家でずっとボールを触ってたし体力、精神以外は特に支障はなかった。体力が無いのは堪えたが。 だが、ある日 「なんで、あいつがレギュラーなんだろ」 て、声が聞こえてきた。2年の先輩で最初はそこまで気にしてなかったがほんの数週間で私に対する悪口は同じ1年にも広まって皆私を無視し、陰口を言った。 なんか、もう嫌だなって思って辞めた。 晃からは、私を泣きそうな、悔しそうな顔で理由を聞いたりして引き留めようとしてきたけど私からしたらもう手遅れで、 「ごめん」しかいえなかった。 最後には、「分かったと」晃はただそう呟いた。 私は、クラスには仲のいい子がいたからなんとか過ごせた。 やっぱり、バレーボールの個人練習は日課だから離れられないけど、もうバレーはやらない。 ー続くー
化け物だあれ
最近、幼なじみの優里香の様子がおかしい。 「それさ、小さい頃から食べてるけど美味しいの?」 「美味しいよ、食べたことあるでしょ。」 すると優里香は、チューインガムをじっと見ていた。 「1ついる?」 欲しいのかと思い聞いてみる。 「ううん、要らないなんか美味しくない」 そういって彼女は複雑そうな笑顔をしていた。 家で2人でゲームをしてる時も 「健人は好きな人居るの?」 「居ないよ」 「そっか。」 「だったらさ、私ばっかと居ちゃダメだな。」 そういった彼女は一瞬悲しそうな顔をして笑顔に戻った。 この、すきなひと事件の後からは彼女作れと猛攻撃を喰らった。 流石に嫌だったのでなんでそこまで彼女を作れとうるさいのか聞いてみる事にした。 すると、彼女は 「秘密だよ、」と笑って見せた。 やっぱり、昔はもっと男勝りだったななんて思いながら俺はふーんと受け流した。 だが、その日は突然だった。 夏休みの真っ最中、風がそよそよとふく気持ちが良い日に、縁側で太陽に当たっていた時、ふらっと紙があるのを見つけた。そこには“もう、やめて“と書かれている。 誰かのイタズラだろう、と思った。 じっと、紙を見つめていると、ガサゴソと音がした。 「何してるの。」 そこには、優里香がいた。ゆりかの家は俺の家の隣で茂みを抜けるとすぐお互いの家がある。 「別に、ただなんか紙があってさ。」 「ふーん、見せて欲しい。」 「いいよ。」 「…」 その紙を見た時優里香は黙り込んだ。 どうしたのか、聞いてみたかったが、俺が言い出す前に優里香が 「ちょっと出かけよっか。」 と言ってきた。 その後は、昔遊んだ公園の近くや川の近く他にも昔遊んだ様々な所へ連れてかれた。 その途中で、こっちに来てと神社にも行った。 「疲れたから、ここで休憩しよーぜ。」 「分かった。」 「あーあ、疲れた、水ー!!」 なんか、優里香が昔の言葉遣いに戻った気がする。 「チューインガム、ちょーだい。」 優里香はそう言った。 「……」 「美味しくないんじゃ無かったの。」 「……あ。」 「まぁ、いいけど。」 はい、とチューインガムを渡すと 優里香は無言で噛み始めた。 「美味しい……」 「良かったね。」 「ようやくだ、」 「何?」 「ようやく、貴方と結ばれる」 優里香は不気味な笑顔でこちらを見てきた。 「優里香?どうしたの。」 すると、優里香はケロッとした顔でなんでも無いと言った。 その後は普通に家に帰った。 家に帰っていつもの調子でメールを送ってきたので普通の優里香に戻ったと安心したが、 どうにも、あの不気味な笑顔が頭に残る。 優里香の事だから厨二病にでもなったのか、そんな事を考えて眠った。 次の朝、母親に起こされて優里香の家に向かった、優里香のお母さんが泣きながら出迎えてくれた。 案内された場所では、優里香が白い顔をして眠っていた。 首には赤い跡がある。 ようやく、今朝母親が言ってたことを理解出来た。 優里香は自殺したらしい。 優里香の母親いわく、自分が寝る前に 「まざっちゃダメ、混ざったらダメ、」と変なことを言ってたらしい。 今朝優里香を起こしに行った際に自分で首を絞め付けて死んでいたそうだった。 俺は、後日神社に行った。 ここで、優里香に違和感を感じたのは何故かと神社に行ったら何かわかるんじゃないのかなと思った。 お参りして、特に何も起きるわけもないと思い帰ろうとした時、 コンっと声が聞こえた気がした。 「今、声聞こえました?」 そこには、綺麗な女の人が立って微笑んでいた。 「あ、えっと、はい。」 「……そうですか、貴方ここの神社の話知っていますか。」 「狐の話ですか?詳しいことは分かりませんけど……」 「そうです、この村に2人の許嫁がおりましてそれはもう、仲が良くこの神社にお参りに来てたそうですね。」 「はあ、」 「そこに、その2人を羨ましく思った狐が出てきます、その狐は神様にお願いしました、どうかあの娘になれますようにとね、すると神様はバレないようにするなら1ヶ月だけなら許そうと言うのです。」 綺麗な女の人はにこりと微笑んだ。 「それで、狐はよろこんで取り付いた、でも男にきずかれなくてずっと娘に取り付いてたいと願うんですよね。」 「ええ、そうです、狐は神様との約束を破ったのですよ。」 「だから、2人の娘は死にました。」 「狐を信じた娘が悪いのか、それとも約束を破った狐が悪いのか、、なんて、そりゃ狐が悪いわよね」 そう言ってケラケラと笑った。 そして、真顔に戻り俺の頬に手を当ててこう言った。 「まぁ、私は二人の女を誑かしたお前も悪いと思うがね、」 「は?」 「同じ、苦しさを味わいな。」 俺は、自分で首を絞めた。 「最後まで、二人の好意に気づかないなんて気持ちの悪い男だねぇ……」 女は微笑み目の前から消えた。 −−終わり−−
月の光に負けてしまう
「ねぇ、死んだ後ってどんな世界なの。」 首を傾げた彼女は私にそう言った。 私は、 「何もないしんじゃったらなにもない真っ黒っておとうさんは言ってたよ。」 「……昌にも会えないって事。」 「うん。」 彼女は、俯いて泣き出した。 「やだ、おばあちゃんになっても、一緒に居たい。」 「嬉しいな。私も」 そう言うと、涙を流しながら良かったっと安堵の笑みを浮かべた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 一生あの空間の夢を見たい。 親友は、私を残して逝ってしまった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 親友は私を1人にした。 「愛花の馬鹿野郎。」 事件にあったらしい。抵抗した跡があったらしい。それは分かるのに証拠は残っていない。意味が分からない。 クソだ、クソッタレ。 私を愛花に依存させたのは愛花だから、 責任を負いなさいよ。私が死ぬまで。事件だと、愛花を攻める必要も無いけど、悲しくてイライラする。だけど、あいかに怒りをぶつけても 「愛花は、この世界に居ない。」 私は涙を流して、机をドンッと叩いた。 孤独。 …元々は私には、愛花ともう1人友達がいた。そいつとは、愛花の死後大喧嘩をして引っ越していった。 あいつのことだ、ひょろひょろといきとるんだろ。 もう、なんでも良くなった。夏休みだし、暇だし、死んでやろうかと思うよ。 せっかくなら、川で死んでやろう。 ちなみに、私は一人暮らしだ。 両親は、中学生に入って交通事故で死んだ。 生憎、両親は親戚とは縁を切っていた。理由は知らない、だけど、優しい人達だった。だから、周りの親戚の圧力があったのかな〜なんて変な妄想をしてた。 あとは、たまに父の方は不可解な行動をしていた気もする。 まぁ、そんなに目立つような事では無かったのは確か。私が気にしてもって感じだ。 そんなことをブツブツ考えていたら、川についた。満月よりも少し前の月があった。 よし、我が人生に終わりを告げよう。 会いに行くよ、「おとうさん、おかあさん、愛花」私は飛び込もうとした瞬間に、誰が腕を掴んだ。 「死にたいの。」 そういって腕を掴んだ人物は、月光に照らされてキラキラと輝いていた。 そして、その人は愛花に似ていた。顔ではない。愛花違う系統の美人だが、あまりにも、雰囲気が。 私は、思わず美人の頬をぶっ叩いた。 自分でも意味が分からなかった。本当に混乱していた。 「えぇ、 」っとその女の人は笑いながら呟き 「晶ちゃん、ってばどうしたの……」と顔を覗いてくる。 その瞬間私は一瞬で私がしてしまった過ちに気づいた。 「ご……ごめんなさっ…。」美人の顔を思いっきり殴ってしまった。 「いやいや、こっちこそごめんね、急に話しかけて。」 「あ……あのっ」 「どした?」 「うち来てくださいっっ!!」 美人の顔に傷をつけた私は、アタフタしながら美人を家まで引っ張ってきた。 「え……」っと美人は動揺していたがこの際どうでもいいや。とにかく美人に傷をつけた罪は重いぞ。