みたらし
8 件の小説私とあなた
私とあなたは似てる 夢がないとこも 好きが分からないとこも 友達がいないとこも もう1人の私みたいと笑うと、彼女も笑った だから分かり合えたし、これからも繋がれると思った ずっとなんて、それはありえないのに 死ぬまで一緒なんて、無理だよってある日彼女に言われた それは、希望に満ち溢れた妄想でしかない。彼女は哀しそうに私を見つめる、その顔がとても私の心を苦しめた 彼女と私に違いがあるとするなら、彼女は誰も信用してないってところだろう 分かり合えてると思っているのも私が彼女に対する偶像崇拝なようなもの、私の片思いにすぎない そう思うと胸がキュッと締め付けられた。
天使なような彼女
初めて会った日、これが一目惚れかと思った。 僕は授業が退屈で保健室でサボろうとした。そこで天使なような彼女に出会った。 綺麗な輪郭と雪のような白い肌、伏せた目には長いまつ毛が目立つ。憂い雰囲気を纏う天使。 「あ、あの見過ぎです。」 彼女は照れくさそうに両手で顔を覆い隠す。 「天使が照れてる。」 「え??」 それから数ヶ月保健室に通い詰めた。 恥ずかしがり屋で可憐な立ち振る舞いをする彼女に余計、僕は惹かれた。 「卒業式近いね。」 三学期に入り、そんな話題が出た。 「そうだね。」 「私、一応3年生なんだよね。」 「え!?先輩!?」 僕はか細い手足の彼女を見る。顔も幼く身長もかなり低い。 「先輩に見えないよね。」 「可愛い容姿で先輩に見えない先輩も俺はすきです!」 彼女は驚いた顔をし、「そういう事じゃないんだけど」とクスクスと笑い出す。 僕はどういう事か分からず「わ、笑わないで!」と恥ずかしくなった。 「やっぱ君と話すの楽しいな。これ、私の電話番号。卒業しても話そ!」 彼女の綺麗な手から渡された小さい紙には数字が書かれていた。僕は嬉しすぎて泣きそうになってしまうのを堪える。 これは僕と天使のような先輩の恋物語だ。
メモリー
思い返せば、恥ずかしいことばっかな人生だった。 学生の頃は注目されたくて大きな声を出したり、意味不明な発言してお馬鹿キャラ演じたり。みんないじり甲斐がある私を気に入ってくれた。 社会人になり、友達とは疎遠になった。私は社会に対する立ち振る舞い方が分からず、おどおどしっぱなしで、学生の頃が恋しくなった。みんなどうしてるのかな。 私は久しぶりに仲が良かった子に連絡を取ってみた。 「久しぶり!元気してる?」 「久しぶりー。めっちゃ元気!いま会社のみんなでバーベキュー中!そっちはどお?」 正直、とてもうらやましいと思った。それと同時に自分が惨めに思ってしまった。学生の頃はみんなの人気者の自分が大好きで仕方なかった。でも社会に出てからは私なんて誰にも必要とされてない気がして気持ちがずっと沈んでいた。 「めっちゃ順調!会社の先輩方に愛されてますわ笑」 咄嗟に嘘をついてしまった。私がここで暗いことを言うのは私の今まで積み重ねてきたものが崩れてしまう気がした。 「さすがですこと笑 バーベキューに戻るからまた今度話そう。」 そうして会話は終わった。 私って今まで何をしてきたんだろう。みんなに愛されたい、見てもらいたい一心で過ごしてきた。でも、誰も今は見てくれていない。子供っぽい自分が恥ずかしくて下唇を噛み締めた。 その時ピコンと新着でメッセージが届いた。 さっきの友達がグループに連絡したみたいだった。 「今度みんなで飲みに行こう」 私は深く息を吸って息を吐いた。それを3回繰り返し、「いいね」と連絡をした。 私は昔の自分が大好きだった、でもそれと同じくらい友達も大好きだ。 過去の思い出の中の自分が恋しくなっても、時間は戻ってくれない。でも大好きな友達とはこれからも関われる。 さっきまで悩んでた自分が馬鹿らしくなってしまった。 学生の頃の自分なら、 「悩む時間勿体無いから踊ろう!」とか言うのかな、と笑った。
シミ
「ずっと見てるから」 俺のことをストーキングしてきた女が警察に捕まった時最後に俺に向かって言った台詞は一年経っても俺の脳裏に刻まれている。人は人を忘れるとき“声”から忘れていくらしいが今もその女の声を俺は忘れることが出来ない。 「これで荷物整理は終わりだな。」 俺はストーカー女の事を忘れるためにコツコツ貯めていたお金で新しいアパートに越して来た。もう一年前の話だがいまだにつけられている気がしてならなかったのだ。 あれ?こんなとこにシミが出来てる。 ふと、壁に手を当てる。小さいシミで下調べの時に気づかなかったのだ。 まぁ、いいか。と俺は畳にひっくり返った。もう不安で眠れないとか帰り道後ろを気にすることがなくなるのだ。ゆっくり深呼吸をし、眠りについた。 目を覚ますと、朝になっていた。職が無い、俺は二度寝をしようと寝返りをした時昨日見つけたシミがチラッと見えた。 あれ?シミがデカくなってる? 立ち上がりまじまじとシミを見る。ほんの少しだが、広がっている。事故物件とは聞いていたが、まさか本当にこういう事があるんだなと心臓がドクドクと脈打つ。 でも、このくらいなら大丈夫だ。そう思い、また眠りについた。 その矢先に体が固まった、体を動かそうとするが動かず、声を出そうとするが声が出ない。これが金縛りか、と頭で理解した。耳鳴りで鼓膜が破けそうだ。目を開けて自分の体を見たら俺の手を握りしめる老人がいた。心臓が止まりそうになった。この世のものでも無いものが見えてしまったと頭が混乱している。早く終われ、終われ!そう強く願う。 ハッと目が覚めた時には老人もいなく、ただ疲れて汗をびっしょりかいている自分がいた。その後、すぐ金縛りのことを調べたが老人はただの幻覚だったみたいだ。ため息を一つ付き壁を見る。また心臓が止まりそうになる。あんな小さかった壁のシミは大きな目の形になっていた。 ほんの短時間でこんなシミに…?そんな俺の頭に「ずっと見てるから」と言うストーカー女の声がした。驚きと恐怖で膝から崩れ落ちてしまった。 俺は学生の頃の知り合いで霊感があるというやつに頼ることにした。 霊感がある知り合いが壁を見て早々言った言葉は「あー、これ怨念連れて来ちゃったね。」だった。 「怨念…?」 「ストーカーされてたんだよね?その方の想いが強すぎたんだね。シミがその怨念を吸い取ってこんは風に形になったんだよ。あと、他の弱かった霊も怨念の影響で活発になってきてる。お前、ここの家と相性悪いから引っ越した方がいいよ。」 そう言って知り合いはそそくさと家を出て行った。知り合いが嘘を言ってるようにも見えなかった俺は怖くて血の気が引いていくのを感じた。霊が怖い?いいや、女がここまで憑いてきているのが怖い。そう思ったらシミに目が行く。こっちをじっと見ているシミの目があの女と重なる。ゾッとした。 「今日はありがとう。」知り合いを見送った俺は家に帰る他無かった。近所には泊まる場所がない。その前に金がない。 家についてシミを見ずに携帯を開こうとした、 「ずっと見てるから」 壁から声がした。あの女の声だ。俺は後ろを見たくなかったが振り向いてしまった。あの女の顔がくっきりと壁に染み付いていた。
もし、生まれ変われるなら
ぽかぽかしていた。 家の外の大きい木が好き。起きたら、お母さんが木の下で絵本を読んでくれる、ヘレン・ケラーは私の大好きな絵本。 お母さんの膝の上に頭を乗っけて眠りながら絵本を聞くのが好き。 家に戻るとジェリっていう大きな私のお友達と一緒に遊ぶの!ジ ェリは賢いから隠れんぼも鬼ごっこもすぐ見つかるし捕まえられるしつまらない…。でも、一緒にいるだけで幸せ。 夜になるとジェリが私と一緒に寝てくれる。お母さんとは別室だから寂しい。でも、もう12歳だから我慢。ジェリにも頼らずに眠れるようになるのが私のいまの目標! 早く大人になりたいな。素敵な絵描きになって旅に出たい。家から見えるあの大きな山を越えたら何があるんだろう。楽しみだな、旅に出るのが。 こんな温かい平穏な毎日が大好き。 ……。 俺は目を覚ましたくなかった。幸せの夢のあと現実に引き戻される感覚が重くて辛かった。 時間を確かめて、荷物を用意して、洗濯物を外に出し、ニュースを付けながら服を着て出勤する。 8時にやっと家に帰れて、風呂に入りご飯を作り食べ、服を洗濯機にぶっ込み、テレビをつけて消し、疲れて寝る。 でっかいため息が出た。もうめんどくさいよ、毎日つまんないよって言葉が出た。 夢に出てきた少女の「好き、幸せ」がとてもうらやましかった。早くこの世界から消えて生まれ変わりたい。そうだな、 もし生まれ変われるなら−
ハンドクリーム
休日、ハンドクリームを買いにドラッグストアに来た私はクラスメイトの子を見つけた。 その子もハンドクリームを買いに来たのかハンドクリームをじっと見ていた。 「こんにちは、山田さん。山田さんもハンドクリーム買いに来たの?」 「あ、あの。はい!」 オドオドしながら山田さんはじりじり後ずさる。声かけちゃダメだったかなー…。山田さんいつも1人でいるから、1人でいるのが好きだったのかな…。 「邪魔してごめんね。買い物の途中だったよね。」 「え、邪魔じゃないですよ!嬉しいです!三木さんもハンドクリームを…?」 私の名前…。覚えててくれてるんだ。 「うん!私、このハンドクリームお気に入りなんだ。」 私はシトラスの香りのハンドクリームを手に取る。 「あ、シトラスいいですね。」 山田さんはにっこり私の顔を見た。笑顔の山田さんめちゃくちゃ可愛いなー。 「山田さんは何にするの?」 「えっと、迷っているんですよね。よく分からなくて、手荒れが最近酷いので手荒れに効くものにしたいんですけど。」 「私が買うこれ、手荒れに良く効くよ!」 私がジャーンと山田さんの目の前にハンドクリームを見せる。 山田さんは戸惑っていたが、私の自信満々の顔を見てふふと笑った。 「じゃあ、私もそれ買います。」 買い物を終え、ドラッグストアから出た私は少し寂しくなった。学校で話しかけていいのかな、嫌がるかな、と悶々と考える。そんな私と同じく山田さんも同じ気持ちだったみたいだ。「また明日学校で話してもいい…ですか。」「私もまた話したいと思ってたの!山田さん。ううん、さなちゃん!また明日話そ!」 次の日、さなちゃんからは微かにシトラスの香りがした。
選択肢がある君へ
私が飛び降りる時、君は私を見送ってくれた。 何も言わず、私を見つめる。目をそらさずに。 目が覚めた。ぐちゃぐちゃの部屋が目の前に広がっている。私は君に電話をかける。 「私、死ぬね」 君は、 「うん、分かった」 と言った。 支度をして、車を出す。崖に来た。 電話をまたかける。 「君も一緒に飛び降りよう。」 「そうするつもりだった。いま、どこ?」 「良かった。そのまま繋げたままでいて。」 スマホをぎゅっと握りしめ私は身を投げ出した。 目が覚めた。私はテレビがつけっぱなしだった事を知り絶望した。 スマホを開きメールアプリを開く、そして君に送る。 「死にたい」と。 「死なないで」「生きて」「いまどこ?」と返ってきたが無視をしてベランダから飛び降りた。 目が覚めた。ご飯が炊ける音がした。ご飯を食べよう。その後、スマホを開き、ライブ配信を始めた。タイトルは「死にます。」君はすぐライブ配信を見に来てくれた。チャットが送られてくる。「どうせ死なないw」「いいぞーw逝ったれーw」 多分、録画もされているだろう。私は目を瞑り唇を噛みしめ屋上から足を踏み出す。 目が覚めた。私は君に問いかける。
0話
なんでも願いが叶う世界。 あなただったら何を願う? 「もう、起きる時間だよ。起きて!」 お母さんが私の布団を剥がす。 「どうせ起きたってする事ないんだし寝かせてよ〜」 私はお母さんが取った布団を引っ張る。綱引きのようにお互い力を入れ合って、私が負けた…。私は気だるげにベッドから立ち上がり朝食をとる。 どうせ、起きたって本当にする事がない。大昔は学校というものがあったみたいだが、“神様”が現れてからは学校は少なくなり今はもうなくなってしまったみたい。 「じゃあ、チア。私たち行ってくるからね〜!」 「うん〜」 お母さんとお父さんの働きに出かける背中を私は見守るの。ここまでが日課だ。 内心、親が馬鹿で仕方がない。 “神様”が現れてから世界は変わった。 働きたくない。−お金は神様が出してくれる。 顔を良くしたい。−顔を可愛くもかっこよくも神様は変えてくれる。 美味しいものが食べたい。−山ほど神様が美味しいものを出してくれる。 でも、生命に関することは神様は叶えてくれなかった。ある程度の擦り傷は治せるけど、大きい怪我や病気は神様は治してくれなかった。 それで昔の人がひらめいたのが、知恵を欲しいと願えば医学について知る事が出来るんじゃないか!だった。知恵を欲しいと願って知恵を手に入れた人は最初は良かったがだんだんと頭が悪くなっていった。 そうだ、神様はなんでも願いを叶えてくれるが願いが大きい分、頭が悪くなる。 それに気づくのが遅かったせいで今は。 私はお母さんが用意してくれた昼ごはんをバスケットに入れ、ピクニックをしに外に出た。 外は猫や犬、ジェットコースターやほうきで空を飛ぶ人がいっぱいだ。 自由でうらやましいな〜!私も神様に願いを叶えて欲しい!でも、お母さんがダメって言うからな…。 お母さんとお父さんのご先祖様は神様に願いを叶えてもらわずに医者として働いてきたとお母さんから聞いて育った。 「だから、私も医者に…」 医者は年々減っている。そりゃ、そうだよね。私たちはこんなに勉強してるのにみんなは自由に暮らしてるんだもん。医学の本だってこんなボロボロ。昔の人のお古ばっか。 「チアちゃーん!」 そんな事を考えていたら、同い年の友達のニアが私に手を振りながら駆け寄ってきた。この子も私と一緒の医者の家系に生まれて来た子だ。 「ニア良かった。ちょうど私、ニアをピクニックに誘おうと思ってたんだ。」 「ピクニック!?いいね!行こ行こ!近くに森があったから、探検したかったとこなんだよね!」 と目を輝かせながら言う。森?森なんかこの辺に無かったけど、誰かが願ったのかな?そんな事を思いながらニアと歩いているとフラフラ前を歩いていた女の子が両手を握り「お腹いっぱいにご飯を食べたいです、神様」と願った。たちまち、女の子の目の前にはご飯がたくさん現れ、そのご飯を手で掴みガツガツと食べ漁っている。 願いを叶えてもらう条件、両手を握り最後に神様をつける、これだけで簡単に願いは叶ってしまう。 ニアがその様子を見て、辛そうな顔をしていた。おかしいな、いつものニアなら私に「神様ってすごいね」と言ってくるのに。そう思ったら「チアちゃん、あたし大丈夫だから!」と私の手を掴み、下手くそな笑顔を私に向ける。隠し事がある事が丸分かりだ。 その後のピクニックは楽しく終わった。いつものニア通りだった。引っかかるのは「またね、ニア」「またね…チアちゃん」帰り少し元気がなかったことくらいだ。 家の前に歩き方さえ分からなくなってしまったのだろう人が倒れていて邪魔だったのでどかして家に入った。 家に入るとお母さんとお父さんが暗い顔をしてリビングにいた。私に気づいてないのか、会話を続けている。咄嗟に隠れてしまった、私は聞き耳を立てた。「まさか私達だけになってしまうなんてやっていけるのかな。」「まだ、10歳のニアちゃんもいるのに…神様に頼るなんて。」 私は今の会話、今日のニアの不審な様子もあって全部理解した。ニアの家族、馬鹿になるんだ。この町の医者家族は私の家だけになるのか。私は静かに自分の部屋に戻った。 “神様”が現れて世界は変わった。 馬鹿ばっかになった。でも神様に頼るしかない世界にもなってしまった。馬鹿になる人は決して馬鹿じゃないと私は思う。馬鹿になりたくなくて悪足掻きする方が馬鹿なんじゃないかと、最近私は思う。 ニアは街中で見る、神様に願いごとをする人の姿に怯える時があった。ニアは強がりだ。森に入る前も足が少し震えていた。 怖くても叶えたいものがニアにはあったのかな。 「お母さーん、今日のご飯なに〜?」