久山 八海
4 件の小説武道s“
2×××年、日本は窮地に陥っていた。 野球やサッカーなどのスポーツが人気になる一方で相撲・柔道・剣道などの武道は衰退していた。それに比例し警察官のレベルが落ちていった。無敵の人と呼ばれる通り魔や路上で暴れる外国人に対し、弱体化した警察官では制圧する事が出来なくなっていた。拳銃を使う事はままならず、逆に負傷する警官が続出。国民からの信頼は地に落ちていた。 そこで、警察や企業や自治体が協力し、ある学校を立ち上げた。それがここ「国立武道学園」あらゆる武道を極める学園である。今、この学園に足を踏み入れた少年は後に言う「我ながらよく生きてたわ」
心霊スポットに行かない理由
俺は中学生の時に柔道部に入っていた。 忘れもしない。二年生の肌寒い秋に黒帯を取るための昇段試験へ向かい、その帰りに時間が余ったので先輩や他校の友人達と近くの公園で野球をする事になった。負けたチームの罰ゲームを考えた際に、今いる公園から自転車で10分程の場所に有名なホラースポットのレンガ作りの元ホテルに入ると言うものだった。 結果は自分のいたチームが負けた。 ホテルへ向かい嫌々ながらも先頭に立ち建物に入る。窓やドアは無く枯れ葉が建物内に入っていた。 入って直ぐは何も無かったが、2階に続く手すりに手を掛けた瞬間、強風が吹きガサガサと大きな音を立てて枯れ葉が舞った。すると後ろに居た友人達がダッシュで入口へ走り出したので自分も入口へ向かい走った。日が沈みかけていたので帰る事になり自転車を走らせていると。少し前を走っていた1人が歩道の段差に乗り上げ転び、バスに轢かれかけた。もう1人がホラースポットの呪いだと言い始め怯えた為、1番家が近かった先輩の親に送って貰い、残りは自転車で帰った。そして半月が経った頃に、肝試しをしたメンバーの1人が肺炎になり入院した。更に1ヶ月後 もう1人が練習試合で足を折り。もう1人も練習中に壁から出ていた釘が背中に刺さり。そろそろ俺かと内心怯えていた。 ある日更衣室に財布を忘れて取りに戻る際、道場の手前にある坂を下っていると、いつもは見えるロープが見えず、驚いた俺は減速せずにロープを左手で咄嗟に掴んでしまった。その摩擦で左掌と指を火傷してしまった。その後は特に何も無く日常に戻った こうやって自分の持ちネタとして何度も話すうちに ある事に気づいた。実はそのホテルは火事で廃業になっており、死人も出ていたそうで、手を火傷したのは、肝試しで手すりを握ってしまったからではないのかと思ってしまった。
正夢
「人生は一度きり」なんて言葉があるが、本当にそうだろうか? 私は昔から時々、正夢を見る。生活をしている中でふとした景色が夢の中で見た景色である事を思い出す。 なんて事ない日常から、少し変わった出来事まで実際に目に映った瞬間に「あっこれ夢で見たな」となる。 そんな事を繰り返す中で正夢が起こる理由を考える内に、一つの説に至った。それは 「人間は同じ人生をループしているのではないか」という説だ。 一本の太い道があり、その道につながる細い脇道が複数延びていて、それを何度も通る事で魂に刷り込まれて見るのが正夢ではないのだろうか。
特殊警察0課
「あぁ、お母さん。私は・・・死ぬかも知れません!!」 「柳井さんこの書類よろしく」交通課の書類整理を手伝っているこの女性、年齢21歳、見た目はセミロングの黒髪に太くも細くもない普通の体型である。普段は別の課の書類整理や電話番をしているが、月に2・3度程自分の本来の持ち場である課へ戻る。 ここは警察特殊刑事課通常0(ゼロ)課。警察署の裏にある別館にこの課はあった。今日は所長の紹介で、3人の女子中学生が課の部屋に来ていた。 その対面のソファーには30代前後の真っ白な髪をした男が座っている。この男は課長の「白神」である。 学生達を見ると目の下にクマを作り、酷く怯えているようだ。 「今日はどういった相談で?」柳井が話をきり出す。 すると右端の少女が今にも泣き出しそうな声で話し出した。 「全員ここ2週間、夜になると部屋の窓を叩かれているんです。それで最初ストーカーかイタズラかと思って警察に通報したんですけど・・・」 話を聞くに現在も現象は続いていると言う。 ただ張り込みをしていた警官数人によると、いずれの部屋の外に怪しい人間は目撃出来なかったそうだ。その報告書に目を通した所長がこの課に通したらしい。3人共、特に人間関係に問題があった訳でもなく心当たりも無いそうだ。 「例えばどこか変わった場所に行ったとか、変なものを見たとかない?」少女達は首を横に振る。すると白神が口を開いた。 「その日何か学校でしなかったか?」落ち着いた低い声で質問をするとしばらくしてから左の少女が何かを思い出したのか、視線を左右に動かした。 「何をしたんだ?」白神は変化を感じ取り問い詰める 「ミナコさん・・」ボソリと呟いた。 どうやら彼女達の学校に伝わるものらしい。内容はよくあるコックリさんに酷似したもので3人で行い、10円玉と髪の毛を使用すると言う物で質問に答えてくれるらしいが質問の途中で教師から帰るように注意され手順を踏まずに辞めてしまったとの事だった。 「よくある降霊術の一種だな。やる人間が多いがほとんどの場合失敗するか無意識で10円玉を動かすが、どうやら成功した上に儀式を中断した事で憑かれたって所か」「助けて下さいお願いします!!」少女達は泣きながら頭を下げた。 「大丈夫!ここはその為の部署だから!!」 ここは特殊刑事課0課。現代科学では説明出来ない事件を解決する為の部署である。 続く