グリーン・ソイ・ビーンズ

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グリーン・ソイ・ビーンズ

かなりメモ

⚫︎やはり、怪異のように扱われるのは良い気がしない。人間だと思われていないのではないか。形而上の、自分の意識が生んだ逃げることのできない頭に張り付いた何かだと思われているのではないか。人が生んだ妄想は人間ではない。後付けの設定が形作る中身のない外側だけのもの。要素の足し算でできた、空白部のある怪異・妄想。ゼロから積み上げられた人間とは違うのだ。穴が空いたもの。怪異がいるのも結構。妄想することも結構。しかし、私自身が怪異扱いされるのは自分の過去の積み重ね、すなわち江口実という人間を否定されているように感じる。 【メモ】怪異扱いされるの嫌なのになぜ怪異とか言われているのか。その原因に違和感。怪異と言われても気にかけなさそう。  江口君はプレッシャーやその苦しみで動けなることも無い。行動が乱れることも無い。悩むことがあっても時間をかけすぎない。自分の感情をわざわざ深掘りしない(←これっていいことなのかな)。 なんか気持ちよく無いのはキャラの性格がおかしい、軸がぶれている、何が言いたいのか分からないのあたりが原因かな。これ全てに当てはまっててくんないかな。そうすればこれを意識するだけで気持ちいいものが作れる。

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没メモ

 銃剣なんか装備したフランス兵が押し寄せてきて街を破壊した。歯向かうスペイン人が次々と絡まり合う。馬乗りになって相手を破壊する。赤子を抱えた女性が槍を持つ。大砲を扱う。女性に乱暴をするフランス兵。どこまで行っても同じだった。飢餓に苦しんだ。腐臭が身体中に張り付いてまわり胃の中身が無くなってもなお吐いた。フランス兵と鉢合わせるかも知れなかったが、地獄ではないところを求めて朝から晩まで彷徨った。1人で眠っているフランス兵がいたから斧で襲った。フランス人もスペイン人も同じだと思い、自分の住んだ街をフランス兵の服を着て攻めこんだ。すぐ気づかれると思っていたが気付かれるよりも先に戦争が終わった。顔馴染みのフランス人に案内されながらフランスに滞在することになった。 【メモ】  過去を語るような口調だと味気ないし面白くもないので後から進行形にします。

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メモ

 彼は己の欲や気分について私たちに気づかれないように振る舞っている。少しくすんだ白の、バロック彫刻のような肌も相まって人間らしさがさらさら感じられない。しかし、彼が人に心無いことを言うことはなく、むしろ心の仕組みを知っているかのように人をうまく扱うから恐ろしくも私には魅力的だった。  彼には十分な能力があったにもかかわらず何の責任者にもなろうとしなかったのは、他人を自分の領域内に入れたがっていないように見えた。私たちはあくまで他人であり仲間ではないらしい。彼が無欲な人間なのかもしれないし機械的なことを繰り返しているのが好きなのかもしれないが、普段の言動からも境界線を引いているのだと確信している。  私が彼と初めて会った時、彼の職業は税理士事務所の下っ端サラリーマンだった。その時は最近成長してきた都市にある創業60周年を迎えた会社の取材のために訪れていたような気がする。彼は一見特徴の無い人間で、第一印象は目標と呼べるようなものも持っていなさそうなヘラヘラ人間だ。そしてどこか無責任そうな。しかし、ただの一社員がここまで頭に残ったことは私にとって初めてのことだった。今思えばその時から私は彼が隠していたカリスマ性に惹かれていたのだろう。  どうしてかは分からないが、あの時僕は彼に着いていけば、自分が本来知ることができなかったはずの世界を観れると信じ、その時の職や恋人まで捨て彼と共に人を騙しながら世界で生きていくことを選んだ。実際その通り様々な景色を見ることができたし仲の良い友人も多くできたため後悔も全くないが、最近死の気配が強まってきているように感じ、記録を書き残したいと言う気持ちになることが増えた。彼に着いて行かずにあのままライターをしていれば、これほど早く死の気配を知ることは無かっただろう。  ちなみに、人を騙すなんて言ったが、騙さずに誠実に生きればそのあとの人生が決められていく社会の中で気ままに生きるための手段なのだから、一般的な詐欺師とは違う。それにちゃんとその国々の資格も取っていたのだから、詐欺師の中でも教養のある努力型詐欺師である。 【以下没】でも場所が思いつかなかっただけなので全然文章として面白いハズ。是非読んでね。 ⚫︎彼と直接話したことがない人はたいてい彼を「そこらにいる普通の人」くらいに認識していた。私も始めそうだったし、何ならどこか無責任なやつだと思っていた。実際の彼は他人に自分を悟らせないために、実力まで隠していただけの、トウメイ人間の紳士ヤロウだった。 ⚫︎このように書いていると、「その”彼“のような人間なんて珍しくないだろうに、勝手に作者が幻想を抱いているだけなんじゃないか」と言う人も出てくるだろう。だが私はその時から「気まぐれに世界を転々としている(いい意味で)孤独な実力者」だと確信していたのだった。 ⚫︎「3/14 誰かと共に歩けば良いのに何故1人で進むのかと常に思っていたのもあって、彼が退職するタイミングで僕も連れて行ってくれと頼んでみると意外にもOKが出た。なおさら今までパートナーを作らなかったその心がわからない」 「3/15 昨日の疑問について  少し考えれば分かることで、彼にとっては一人旅も二人旅も同じようなものなのだろう。」 ⚫︎彼は胸を張って姿勢良く、どんな仕事にも丁寧に向き合っていた。いつも通り無機質な笑顔を貼り付けて。その姿はやりがいを感じているようにも見えなかったし疲れているようにも見えなかった。とにかく感情がわからなかった。しかし、マジマジと見ようとしない限り彼の無機質さには気づかないだろうし、会社でもそれに気づいている人は少数のようだった。彼は人付き合いが良く、分からないことも聞けば丁寧に教えてくれるらしい。悩みがある人にも適切な距離感で相談に乗っていたようだ。悪口を言うこともなく、もちろん気分を態度に出すこともなかった。時々ジョークを言うようだったが、普段の話し方からは気品と教養が感じられ、まさに紳士だった。どうして第一印象がヘラヘラ人間だったのか、今なら分かるがその頃は自分の性格を疑った。  そのように性格も完璧のようだが、あちらから話しかけてくることのない姿勢や24時間365日同じような無機質を貼り付けているアタマが不気味だった。無機質さの正体は、中に機械が入っているのかと思うほどの人間としての温かみのなさだったのだろう。今も彼が私に心を開くことはあまりなく、距離のある話し方をしてくる。

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