春風 ゅぃ
11 件の小説(2)
私も皿を洗い、御手洗に行き、部屋に戻った。20分くらい部屋で休み、また照盛弥(てもろみ)荘を出た。ちょうど、髙地さんが帰ってきたので、鍵を返した。 また図書館に足を運んだ。朝と同じように司書さんに挨拶をして奥の学習スペースの端に座った。やはりみんなお昼を食べているのか、人は少なかった。 2時間程、本を借りたり課題をしたりを繰り返していると、声をかけられた。 「あの、すみません、。」 「ここ、いいかな?」 いつも様々な声を聞いて歩いている私にとっては、素敵な出会いだった。通常の声フェチより、少し曲がっている声フェチ。 「どう…ですか、? 嫌ですよね…すみません、。」 「あ、いえ!大丈夫ですよ。」 「ありがとう。」 満面の笑みで少しあざとく笑うその男性はすらっとしていて身長が高く、黒縁メガネを掛けていて、The インテリっていう感じの人だった。その前に声がどタイプすぎたので、その人をじーっと見つめ少しニヤニヤしてしまっていた。 「………、何か、付いてます?」 「え、ぁ、ぃゃ、あ、すみません!!なんでもないです、!すみません、」 「…そうですか。」 やはり声がどタイプ過ぎる。その声でアナウンサーしていて欲しい。歌ったら凄い響きそう。耳が溶けると思います。 頭の中で色々考えながら、キーボードを打った。凄い速さで打っていたようで、周りの人達みんなビックリしていた。 「ふは、大学生さんですか?」 「え、……そうです?」 「やっぱり。参考書とか色々あるので。」 「あ、場所取ってますよね!すみません!」 「大丈夫ですよ。僕の方こそ、陣取っちゃうかもしれません。」 やはり静かに笑う彼は女性っぽく見えた。女性でしたらすみません。少し二人で話していると、ベシッと頭を叩かれた。 「沢ちゃん、佐部さん。ここ図書館。お喋りする所じゃないの。お喋りするなら一階行きなさい。」 司書さんだった。我に返り、周りを見渡すが誰も居なかった。うるさくて帰っちゃったのかな…。 「沢……ちゃん?」 「…あっ、すみません。自己紹介すれば良かったですね、!」 「沢浜夢雨(むう)です。弥島(やじま)市出身です。」 「弥島市って…お砂糖作りが盛んなところ。」 「そうです、よく知ってらっしゃいますね。」 「一応高校教師なので。」 そう言って教員免許をサッと見せる。国語担当らしい。この声で音読して貰えたら本当に耳溶けますよ。授業中録音しててスマホ触ってるのバレて怒られたい。 「少し遠いところなんだけどね。ここ出身で。でも離れたくないから、ここから通ってるんだ。」 「高校教師…。凄いなぁ。」 「沢浜さんはどこの大学なの?」 「あ、通信制なんですけど、佐波大学です。」 「お!頭いいとこだ。ねぇねぇ、今度からも少しお話しない?」 「…はい?」 「あ、ダメだよね!まだ時間が浅いのに。」 「あ、いえ、大丈夫なんですけど、ここに、何日くらい来てらっしゃるんですか?」 「週四かな。結構昼から来てるかな。」 佐部さんは「ごめんね」と言うと少しスマホを触り始め、私もパソコンを触り始める。少し間が開き、15分程経った頃。 「…………あっ!」 佐部さんが急に大声を出して、司書さんがこちらを睨みつける。佐部さんはこちらを向き、「思い出した!」と満面の笑みで言う。その行動が子供っぽくて可愛らしい。 「……………どうされました?」 「沢浜さんって、よく司書さんとお喋りしてる人だ!笑顔が可愛くて聞き上手で、本をいっぱい借りる大学生!!」 「……………………。??」 「………………はっ、あ、ごめん!!キモかったよね、ほんとごめん。」 早口で物事を言ったと思えば肩で息をしていて顔の前で手を合わせごめんなさいのポーズ。その後ろでは少し怖い顔をした司書さんが新聞紙を持って立っている。その瞬間バシンッと音がして、ぎゅっと目を瞑ると、「あっ、、だぁ、」と目の前から声が。 「静かにしてください。さっき言いましたよね?『ここは図書館です』と。忘れたんですか?あの頭が良くて記憶力のいい佐部さんが?忘れるわけないですよね?忘れたのであればもう一回言わせて頂きますよ?『ここは、図書館です』。赤ちゃんでも分かりますよ。」 「……すみませんでした、」 「まぁまぁそんなカッカッしなさんな。」 「館長さん、!?」 「久しぶりだね、夢雨ちゃん。今日は急用が入ってここはもう終わりだよ。勉強したければ一階でしなさい。」 司書さんが佐部さんの頭を新聞紙で叩くと、正論を放ってきた。その後すぐに館長さんがやってきて、状況を察したのだろうか。そう言って周りの方達に 「みなさーん!今日はここまででお願いします!この後急遽予定が入ってしまい、ここが使われることになってしまいました。なのでキリのいいところで切り上げて帰っていただけると嬉しいです!」と言った。 「あー、、終わりみたいだね。どうしたい?僕はまだ一階で話したいんだけど…。」 「んー、すみませんが、今日は帰らせて頂きます、」 「そうだよね。ごめんね、引き止めちゃって。おやすみ。」 佐部さんはそう言って鞄に教科書を突っ込み、逃げるようにそそくさと帰って行った。私も帰ろうとすると、館長さんが私のところにやってきてこう言った。 「急にあんな大声出してごめんね。耳大丈夫だった?」 「大丈夫です。ありがとうございます。それでは、おやすみなさい。」
(1)
その日はいつも通り朝から長玻(ながはわ)市立盛知(もろち)図書館の三階、学習スペースの一番奥の席に座り、講義で出された課題を終わらせていた。 お昼の時間になり、パソコンやノート等をカバンに詰め込み、一度外に出る。大きく背伸びをして歩き出す。向かっている方向は自宅のアパート。図書館のすぐ近くにある「照盛弥(てもろみ)荘」の一階右端が私の部屋だ。 長玻市自体が山奥の方にあり、照盛弥荘はそのもっと山奥の自然豊かな丘の上にある。何故そこに一人暮らしをしようと決めたのかというと、見晴らしが良くて長玻市を一望できる。そして、朝日夕日共に見えやすいから。 でも誠に残念ながら、後二年でこの照盛弥荘はなくなる。それは、入居者がここ三年増えないからだ。見晴らしも良くて自然も豊かで静かで過ごしやすい照盛弥荘がなぜ人気がないのか。それは皆分かっている。山の麓に少し大きいマンションが建てられたからだ。 それにより、毎朝楽しみにしていた朝日が見られなくなったのだ。少し悔しかったが、ここからは出たくない。でも、毎朝太陽を一番に浴びることが出来ないからなのか少し体内時計が狂ってしまった気がする。 「ただいまー。」 「おかえりなさい。ご飯食べに帰ってきたの?」 「はい、そうです。」 「さっき灰川さん達とグラタンを作ったんだけど、食べる?」 「いいんですか?」 「もちろん!おいで。」 大家の悠地さんに誘われ、共有リビングルームに来た。そこには、灰川さんと峰橋さん、七灘さんがグラタンを食べながらお喋りをしていた。 「あ、夢雨(むう)ちゃん!グラタン食べに来たの? 隣おいで?」 「今日はね、灰川さんが息子さんから貰ったエビを使ったんだけど、夢雨ちゃん食べれる?」 「大丈夫です、アレルギーないです。」 「沢ちゃん昔エビフライ大好きだったのよー!」 「灰川さんが揚げるエビフライとても美味しかったんですもん!」 「そうだったかしら? 沢ちゃんにそう言って貰えて嬉しいわ〜!」 灰川さんとは小さい頃から顔見知りで、ずっと遊んでもらってた。家が近くて、「一人暮らしする」って言ったら心配で「着いて行く」って。 灰川さんの揚げるエビフライはお店のよりも格段と美味しい。ソースは手作りで衣も少しパラパラっとしているのよりも少しゴツゴツしている衣を使って、綺麗に作ってくれる。本当に一流シェフっていうくらい美味しい。 「今少し揚げようか?」 「いえ!そこまでして頂く訳にもいけませんので!大丈夫です!」 「そう?では、散歩に行ってくるわね。ごちそうさま。」 「いってらっしゃい、灰川さん。あ、夢雨ちゃん。」 「はい、どうしました?」 「僕、少し買い物に行ってくるから、出る時鍵、お願い出来る?」 「分かりました、いってらっしゃい!」 「いってきます、ありがとね。」 髙地さんが買い物に出かけ、灰川さんが散歩に行き、七灘さんが部屋に戻り、峰橋さんと二人きりになった。峰橋さんは黙々とグラタンを食べながら、新聞を読んでいて、少し気まづい。 「あ、沢浜さん。」 「…はいっ、!」 「…どうしました、?」 「いえ、なんでもないです、すみません!」 「大学、どう?単位取れてる?」 「多分、取れてます!ちゃんと、出してるので!」 「そっかそっか、なら良かった。」 (気まづい、峰橋さん食べ終わってるけど食器下げないのかな、。) 「…………沢浜さん。ここ来て、何年経つんだろうねぇ。」 「僕が住み始める頃にはもう既に居たから…」 「もう6年ほど経ちますかね…。」 「そんなに経つんだなぁ。僕はまだ3年なのに…。なんでここ、住み始めたの?」 「えっと…、実家が長玻市より少し遠い、3県跨いだ県の弥島(やじま)市ってとこなんですけど、中学校の修学旅行で長玻市に来て、自然が近くて、朝日夕日共に綺麗に見えて、空気が澄んでて、別世界みたいだなって思ったんです。」 「確かに日本一って言われてるもんね。」 「それで、ちょうど照盛弥荘近くで迷ったんです。動けなくなってたら、悠地さんが助けてくださって、スマホも没収されてたので代わりに連絡してもらって助けてもらったんですよ。」 「悠地さんっていくつだっけ?」 「確か……30手前だったと思います。」 「え、それ何年前?」 「7年前ですね。なので…ここに来るちょうど一年前です。」 「凄いねー…。」 「来た時ここ気に入った?」 「はい!だからここに決めたんです。」 笑顔でそう返事をすると、峰橋さんは笑顔になって「良かった」と一言言って、皿を洗い部屋に戻った。峰橋さんって、長玻市出身なんだな。途中の会話でそう思った。だから誇りに思ってる顔をしていたんだ。
(0)あらすじ
図書館の一角、あなたの声に惚れました。 「ここ、いいですか?」 「え、あー………はい、大丈夫です!」 「ありがとう。」 私はその声に一目惚れした。 久しぶりに浮上しました。 お久しぶりです、春風ゅぃです。 リアルに少し充実しすぎてて、色々触れられていない状態に陥っております。 自分、少々飽き性なところがあり、それと日が空いたことにより、あの小説が描きにくくなってしまいました。 この小説は他のところで一応、書きだめしていました。と言っても、五話までしか掛けていないのが現状です。 なのでと言いますか、このアプリには非常に残念ながらあまり浮上できなくなってしまいます。まぁ、今もそうなのですけども、。 待っていた方は居ないでしょうけども、これからはまったりと更新して行けるように頑張りますので、ぜひ読んでくださったら嬉しいです。 また、これからもよろしくお願いします。
遅すぎるあけおめです、
お久しぶりです、皆さん。 待ってくださっている方は一人もいないであろう春風が久しぶりに来ました。 今年入って初めてこのアプリ開きました(笑) 後、あけましておめでとうございます、 今後は、多分、低浮上になります。 まぁ、今までも低浮上だったんですけど💦 結構日、経ちましたよね、、 ︽ ここから雑談です ︾ ちなみに今日、最近母がハマっている(名前を伏せるため絵文字で表します)J⛄️さん、J💎さんのデビュー日らしいんです❣️ 私は最近、J🌀さんに改めて興味を持っています✨ その中でも、❤️さんがお気に入りですかね、🤔 土曜日にドラマも出てらっしゃる方なんですけど、幅広い活躍を見せてらっしゃる方で本当にすごいと思います👏 あ、私が申し上げることではないですね、すみません💦 それでは、長編作品の方を書き進めさせて頂きます。時間をもう少し頂いてもよろしいでしょうか?現実世界で色々ありましたので…😞 後…、プリ小説では常に浮上していますので、いつでもお声掛け下さい🙌
−風邪日和3−
また風邪をひいた これで何回目だろうか 今回は昨日の大雨だ なぜ、そんなにも風邪を引くのだろうか 僕の体制がダメなのだろうな、 嗚呼、また時間が減ってゆく
日常(三)
買い物が終わり、現在の時刻は六時半。少しスーパーに長居しすぎちゃったかな。 「まきにぃ!ゆきにぃゆきにぃ!」 『ん?あ、兄さんおかえり。』 「ただいま、真輝。柚葉迎えに行ったの?」 『ううん、買い物出たら会ったの。それで一緒にスーパー行ってきた。』 「荷物持つよ、頂戴。」 『いや大丈夫。僕だって子供じゃないんだから。』 「いや、重くないの?」 『兄さんは柚葉と手繋いでて。』 「はーい」 「柚葉、今日楽しかった?」 「んーん、楽しくなかった。」 「え?」 「小学校の準備だって。」 「あ〜…」 後ろでそんな話し声が聞こえる。 「真輝〜」 『ん〜?』 「ランドセルって買った?」 『ん〜母さんに聞いてみる。』 「はーい」 僕はそう言って二人の少し遠くで電話を手に取った。 『あ、母さん?』 「真輝どうしたのー?」 『あ、いや、柚葉のランドセルって買ったかな〜って。』 「麻依のがあるでしょ?」 『色が嫌いなんだって。』 「百合のは…親戚さんにあげちゃったし…」 『今度百合姉連れてモール行ってくるよ。』 「でも大会で忙しそうよ?」 『あー…そっか』 「まぁ、兄弟で話し合いなさい。」 『はーい。それじゃあね〜』 『兄弟で話し合えって。』 「買いに行くか麻依姉の使うか?」 『うん。って寝てるの?』 「うん、さっき寝ちゃった。」 『電池切れだと思うから、少し急ごう。』 「うん」 少し笑って兄さんは言った。少し寂しそうな目をしてた。 『兄さん?』 「いやぁ、お前らが大人になってくんだなって思って、」 と涙を流しながら言う兄さんに僕は抱きついた。兄さんの背中の柚葉は少しビクッとなってまた寝た。 『兄さんほんと涙腺弱い』 「だってぇ〜、、」 『ただいまー!』 「おかえり真輝。」 『あれ父さんなんでいんの!?』 「仕事が早く終わってね。母さんはまだ会社にいるみたい。」 『、そっか。ご飯手伝って!』 「うん。」 父さんにはご飯を手伝ってもらい、兄さんは柚葉の相手、じいちゃんとばあちゃんは茶の間でお笑い番組を見ている。百合姉は麻依姉と勉強会。楓は僕の背中でぐっすり中。今日もたくさん遊んだんだね。 「真輝?真輝?」 『ん?あ、どしたの兄さん。』 「泣いてるけど、今日学校で何かあった?」 『え?』 「お前達最近よく泣くよなぁ。どうした?父さんが話聞いてやる。」 『ううん何もないよ!』 『ただ…』 皆幸せそうで楽しそうで、母性が生まれてくるだけだと思う。 「ただいまー!ケーキ買ってきたよー!」 「わーい!」 「やったー!」 「ショートケーキ?チョコケーキ?それとも…チーズケーキ!?」 「あれ楓は?」 『僕の背中でぐっすり中。』 「姉二人は勉強中?」 『そうそう。今回のテスト落ちたら…冬休み学校なんだって。』 「わー!やだー!だから高校行きたくないんだよー!」 「ゆきにぃだいじょうぶ、?」 『弟に心配されてやんの。』 「うるせぇ!」 「幸人。」 「ごめんなさい。」 「父さん圧やばすぎて小さくなってるじゃん。」 『百合姉これ運んで。』 「はーい。」 『麻依姉は?』 「明日の準備したら来るって。」 『明日?明日は土曜日だけど?なにかあったかな…』 「デートじゃないか?」 『じいちゃんこういうことだけ喋るのやめようよ〜』 「真輝〜何かやることある〜?」 『麻依姉?』 「ん〜?」 『彼氏できた?』 「ド直球…。」 とか言いながら兄さん小さく大爆笑。その横で兄さんに水を渡す可愛い柚葉。隣で何故か泣きそうになっている父さん。麻依姉の横に唖然として立っている母さん。何も表情も変えず真顔でテレビを見ているじいちゃんとばあちゃん。僕の後ろで着々とフライパンを洗う百合姉。また背中で寝落ちした楓。 そして、勘付かれたような顔をして焦っている麻依姉。 その瞬間はやってきた。 「あ〜いるよ?」 この言葉で家中は凍りついた。
日常(二)
僕の帰る時間は皆よりも早い。いつも4時過ぎには着くし、4時半に帰ってくることは無い。 帰ってきたら手を洗って、それから…何だったっけ。 「ただいまぁー!」 『おかえりー!』 おばあちゃんとおじいちゃんが楓を連れて帰ってきた。 「学校、楽しかったかい?」 『んーまぁまぁかな。理科あったし。』 「ははは!真輝は理科嫌いだもんなぁ!」 『楓、ゲームセンター楽しかった?』 「うん!楽しかった!!おじいちゃん飴取るの上手いんだよ!」 『おじいちゃん、楓にキャンディあげたでしょ?楓は虫歯になりやすいんだから、あげちゃダメって言ったよね?』 「だけど、、楓が、、食べたいって、言ったから、、、」 『食べたいって言ったとしても。』 「はい、ごめんなさい、、」 「真輝、買い物行かないでいいのかい?」 『あ、やば!!行ってきまーす!』 「いってらっしゃーい!」 「真輝も大人になったのぉ、」 「楓、歯磨きに行きましょう?」 「はーい!!」 いつもはここ辺りで柚葉に会う。なんだけど…いない。あ、そっか今日は火曜日か。 『みんな大人になっちゃうなぁ…』 「まきにぃどうしたの?」 『ん?おかえり、柚葉。』 「今日ね、12時で終わりだったんだよ。誰も来てくれなかったから、あんりちゃんの家に行ってたの。そしたらぁ、『もうお客さん来るから帰ってくれるかな』って言われたから、帰ってきた。」 『なんでそれ、おじいちゃんおばあちゃんに言わなかったの?』 「言ったら『分かったよ』って言ってたけど来なかった。」 『あちゃぁ〜、…』 『あ、一緒に買い物行く?』 「グミ買って!」 『いいよ、行こう。』 それから10分ほど歩いてスーパーに着いた。カゴを持ちフラフラしていると、柚葉が居なくなっていた。 それから少し探していると、お菓子コーナーでグミを何種類も抱えている柚葉を発見。 『柚葉?』 「あっ」 『今隠したもの、お兄ちゃんに見せて?』 口をとがらせながら渋々見せてくれた。 『これ、なに?』 「ぐみ、」 『お兄ちゃん何種類も取ってきていいなんて言ってないけど?』 「…。」 『後、「お兄ちゃんと買い物に来た時はおてて繋いで離れないようにしてね」って、お母さんに言われなかった?』 「いわれた、」 『だよね?お母さんとの約束守らないのならば、もう連れてこないよ?』 「やだ、」 『やだじゃないでしょ?』 「ごめんなさい、」 『ふふっ、いいよ。何味食べたいの?』 「ぶどうと、りんごと、みかん!」 『マスカットは食べないの?』 「たねある、」 『ふふふ、グミに種はないよ。』 「ない?」 『うん、ないよ。』 「かう、」 『うん、分かった。4種類?』 「ご!」 『え?』 「ひひっ、これも!」 『わぁ、お兄ちゃんの嫌いなイチゴだぁ〜。』 「すききらいダメだよ?」 『妹に言われちゃぁねぇ?』 「食べるの!」 『はい、カゴに入れた。次、野菜行こっか。』 「うん!!」 柚葉の嫌いな野菜もね。やっぱり、小さい子ってニンジン苦手なのね。僕も昔苦手だったし。 「まきにぃ?ニンジン入れるの?」 『うん、ニンジン食べないと大きくなれないよ?』 「大きくならなくていいもん!」 『ふはっ、じゃぁ柚葉の好きなキュウリとトマト入れていいよ。』 「やったー!」 これが我が家の夕方の日常。
−風邪日和2−
また風邪をひいた 寒さで震えと腹痛、頭痛が凄かった 今お流行りのウイルスではない 今日は遅刻した上に、体調不良で早退 凄いコンボだな…としみじみ思います それでは皆さん、おやすみなさい💤🌙
日常(一)
僕はいつも六時半に起きる。学校の準備をして、下に降りる。母さんと父さんの部屋を覗いて、二人がいないことを確認する。理由は“仕事にちゃんと行っているか”。たまに遅れる日もあるからね。 現在の時刻は六時五十分。そろそろ姉さん達が起きてくる頃。 「おはよー。真輝今日も早いね〜」 『麻依姉おはよ。それいつも言ってるよ?』 「あれ、そうだっけ?」 麻依姉は天然さん。おっとりしててマイペース。その麻依姉に抱かれて出てきたのは、弟の楓。楓も麻依姉と似て、マイペースさん。でも少し早とちりさんでもあるんだ。 「まきにい、おはよぉ、」 『おはよ、楓。麻依姉よろしくね。』 「はーい。楓、洗面所行くよー。」 「はぁーい!」 『朝から元気で何よりです。』 「おはよー俺今日朝練あったんだった。忘れてたわ。」 『兄さんおはよ。できてるよ。弁当はいる?』 「んー欲しい!」 『じゃあ、詰め込むからちょい待ってて。』 「あ、柚葉起こしてくる?」 『んー、起こしてきて。いつものしといて!』 「はーい!」 幸人兄さんはバスケ部のエース。そこそこイケメンで性格もいい。中々モテてるらしい。見たことないけどね。バレンタインにはチョコレート沢山貰うみたい。そのチョコどこで消費してるんだろう。家に持って帰ってきてるの見たことないんだよね。 「柚葉!遅刻するよ!」 「やぁだ!やぁだ!行きたくない!」 今日も駄々こねてますか。 『麻依姉!柚葉のことお願いできるー?』 「大丈夫。さ、柚葉。お兄ちゃんのご飯食べに行こ?」 「ぐすっ、いぐ、」 あらま。百合姉の力凄いな… 「おはよ、真輝。」 『おはよ、百合姉。麻依姉〜!準備してきていいよー!』 「大丈夫、もう終わってる。」 『さすがっす。制服着さしといて!』 「はーい。」 『兄さん終わったよー!』 「おっけー!じゃあ行ってきまーす!」 「『いってらっしゃーい!』」 兄さんが行ったら、ちびっ子達のご飯。 『元気にいただきますと言ってちゃんと食べてね〜。』 「いただきまーす!」 『はい元気がよろしい』 ちびっ子二人がいただきますして食べ始めた。その二人を挟むように姉さん達も挨拶をして食べ始める。 いつもの日常だ。 「真輝ー!あんたも食べなー!」 『あ。』 「もしかしてあんた忘れてたの〜!?」 『えへへ、はい、、』 完全に忘れてた…大袈裟に言いますけど、これも日常です。 『…ふふっ、』 「どうしたんよ、気持ち悪い。」 『やめてよ』 「みんな学校大丈夫?」 おばあちゃんが部屋から出てきた。おじいちゃんも連れて。二人とも病気にかかることもなく、ずっとピンピンしてる。 そして、僕らは慌ててご飯を口にかきこみ、鞄担いで学校に行く。柚葉の幼稚園のお迎えはまだだから、おばあちゃん達に任せて家を出る。 これが我が家の朝の日常。
説明
これは10人家族・谷浦家のお話だ。 家族構成は、 祖母・春江 祖父・典湧(のりわき) 母・紀江(のりえ) 父・幸眞(こうま) 姉・百合 姉・麻依 兄・幸人 主・真輝(まき) 妹・柚葉 弟・楓(かえで) このお話の主人公は谷浦真輝。 小学六年生十二歳。 誕生日は五月二十七日。 素直で家族思いで家事をなんでもこなしちゃう優しい子。 性別は中性。医者にも分からないらしい。 こんなお話に興味はありませんか? ぜひ、時間があるときに見て行って下さい。