白崎ライカ

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白崎ライカ

アニメ、ファンタジー、剣戟アクションが好きです。 自分の好きな時に書いてるので、 不定期投稿です。 温かい目で見て下さると作者は喜びます! 使用しているイラストは画像生成AIで作成したものです! カクヨムでも連載を始めました! よろしくお願いします〜

カクヨムで連載中!

皆さん、お久しぶりです! 白崎ライカです! 現在、活動場所をカクヨムに移して活動中です! 「コード:ジニア」のブラッシュアップ版、「聖なる戦いのその果てに。」も連載しているので、是非遊びに来て下さい! アカウント名はノベリーと同じ「白崎ライカ」です! Xアカウントにも遊びに来てくれるとさらに嬉しいです! よろしくお願いします!

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カクヨムで連載中!

これからはカクヨムで活動します!

皆さん、こんにちは! 白崎ライカです! これからはカクヨムで活動をしていきたいと思います! よろしくお願いします! ノベリーにはたまぁーに詩とかを投稿するかなと思います(多分きっとmaybe)!

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これからはカクヨムで活動します!

あとがき

皆さん、こんにちは! 白崎ライカです! ここまで「霊能探偵 ー続ー」を読んで下さり、誠にありがとうございます! さて、次からどうしようという話なのですが、決心しました。 これからは「カクヨム」をメインに活動をしていきたいと思います! よろしくお願いします! ノベリーには詩とかをたくさん投稿していこうと思います! 「聖なるその戦いのその果てに。」はカクヨムで連載します! (ノベリーでも連載するかも…) それでは、またどこかで会いましょう! Xも始めたのでよろしくお願いします!

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あとがき

霊能探偵 ー続ー 最終ファイル「霊能探偵」

「悠斗さん!」  サユキが咄嗟に僕を抱き止めてくれた。 「ありがとう……サユキ……」 「大丈夫ですか?」 「うん……なんとかね……」  サユキは地上に降り立った。  そこには数十人の陰陽師。大地さん。大天狗がいた。続いて稲荷さんも降りてきた。  僕はサユキの膝に頭を乗せられて横になった。 「悠斗さん……やりましたね」  大地さんがそう言ってきた。 「ええ、大地さん。陰陽師の皆さん。大天狗。稲荷さん。本当にありがとうございました。おかげで三目八面を祓えました」 「なに言ってるんですか。僕達はほとんど何もしていないですよ。悠斗さんのおかげです。こちらこそ、本当にありがとうございました」  彼はそう言って頭を下げてきた。 「ありがとうございました」 「ありがとうございました!」  ふと、陰陽師達も頭を下げてきた。まさか零明流の継承者である僕に陰陽師達が感謝の意を示すとは想定外だった。  僕が固まっていると、サユキが僕の顔を覗き込んできた。 「悠斗さん。良かったですね」  そして笑ってくれた。  それに釣られて僕も口角を綻ばせる。 「私達はいつでも力になる。彼岸と此岸の均衡を守るためにな。貴殿には本当に頭が上がらない。今回もよくやってくれた」 「いえいえ、そんな……当然のことをしたまでですよ」 「その“当然のこと”が本来の人間であれば中々できないものだ。だからこそ貴殿は凄まじいのだ」  大天狗はそう言ってくれた。 「では、私はこれにて失礼する」  大天狗は翼をはためかせて何処かへと飛んでいった。 「では、我も帰るとするかのう」 「稲荷さん。ありがとうございました」 「何度も言うとるじゃろう──」 「『早う立派にならんか』ですよね。雛黒さんに誇れるように。分かっていますよ」 「……」  稲荷さんは頬を綻ばせる。 「なら、我から言うことは何もない。さらばじゃ。またいつか」 「はい。また」  僕はそう返した。 「稲荷様。本当にありがとうございました」  サユキもそう言った。 「うむ」  彼女は青い火玉になって消えていった。 「それでは僕達もこれで、あ、お二人のこと、事務所に転移させますね」 「あ、ありがとうございます」  大地さんはそう言って霊符を取り出した。 「転移・急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)」  次の刹那、気づいた時には僕達は事務所のソファに座っていた。 「帰ってきた……のか」 「そうみたいですね」 「サユキ、本当にありがとう。助かったよ」 「悠斗さんを支えるのが、私の役目ですから」  彼女はそう言ってくれた。 「そっか」  僕は彼女の膝から立ち上がり、身体を伸ばした。 「うーんっ」 「コーヒー、淹れますか?」 「お願いしても良い?」 「勿論です!」  彼女はすぐにキッチンに向かって行った。  ***  三目八面を祓ってから一週間の時が流れた。  僕は事務所の屋上にサユキを呼び出していた。 「悠斗さん。どうかしましたか?」 「サユキ……」  僕は彼女の方を振り向いた。  しばらくの間、沈黙が場を支配する。  僕は意を決して口を開いた。 「──結婚しよう」  僕はそう言い放った。 「──へ?」  彼女は気の抜けたような返事をする。  そしてすぐにゆでだこのように顔を真っ赤に染める。  それに釣られて、僕の顔も熱くなる。 「それって、プロポーズですか?」 「うん。そう。どうかな?」 「そんなの──」  ふと、彼女は僕に口付けをした。 「勿論、オーケーです! こちらこそ、よろしくお願いします」  彼女は涙を流しながら笑って答えてくれた。 「サユキ、ありがとう」  僕は彼女の手を握った。  サユキはさらに僕の手を反対の手で覆ってくれた。 「『ありがとう』はこっちの台詞ですよ」 「ふふ、そっか」 「はい!」 「それじゃあ、戻ろうか。依頼人が来てるかもしれないからね」 「そうですね!」 「今度一緒に婚約指輪、買いに行こうね」 「はい。よろしくお願いします!」  僕達は手を繋いで屋上を後にした。  これからも数々の事件が僕達の元にやってくるだろう。もしかすれば、綾羽市以外の自治体からも依頼が来るかもしれない。だが、僕達は負けない。絶対にだ。決して邪悪な霊や怪異には負けず、必ず困っている誰かを救う。   それが霊能探偵だ。  

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霊能探偵 ー続ー 最終ファイル「霊能探偵」

霊能探偵 ー続ー ファイル49「三目八面と最後の戦い・下」

「全く、仕方がないのう」  ふと、声が聞こえてきた。  聞き馴染みのある声だった。  間違いない。 「稲荷様!」  私は声のする方を見た。  そこには青白い火玉に乗って空中にボバリングする九尾の少女の姿があった。 「サユキ、牛鬼の件以来じゃな」 「来てくれたんですね……!」 「これほど凶悪な怪異が現れたんじゃ。神として見過ごすことはできんよ」  稲荷様はそう言って笑った。  そして五本の指で天を穿つようにモーションを取る。 「火焔蓮華」  妖術を行使した。  三目八面の足元に炎が発生し、奴の進行速度を鈍らせる。 「道は作った。後は主の出番じゃ。四代目」  彼女はそう言った。  途端、稲荷様の横から悠斗さんが姿を覗かせた。 「はい。ありがとうございます」 「大天狗も足止めしているのじゃ。これでかなり祓いやすくなったじゃろう。ほれ、さっさと行ってこい」 「分かりました」  彼は浮遊霊陣を操作して三目八面の最後の一つの目に飛び降りた。  ふと、着物の帯に差していたトランシーバーから声が聞こえてきた。大地さんからだ。 「こちら、土御門大地です。大天狗様の助力もあって、目を潰すことに成功しました」  私はすぐに応答した。 「こちら、サユキです。私も目を潰しました。あと一つです」 「分かりました。僕達陰陽師は変わらず足止めに努めます」 「はい。よろしくお願いします」  そうしてトランシーバーからの着信は切れた。  あと一つだ。  それで祓える。 「悠斗さん……」  私は両手を握って祈りを捧げた。  悠斗さんは霊刀を上段に構えた。 「零明流剣術・朧桜!」  そして霊刀を振るった。  しかし三目八面は最後の足掻きを見せた。瞼(まぶた)を閉じて、悠斗さんの斬撃を防いだのだ。 「くっ……!」  彼の霊刀だけでは分厚い瞼を斬ることは不可能か……。  私は咄嗟に氷の刀を悠斗さんに目掛けて投てきした。 「悠斗さん! これを!」  サユキから氷の刀が一振り渡された。  僕はそれを片手でキャッチする。 「──ありがとう。サユキ」  僕は霊刀と氷刀を上段に構えて渾身の力で振り下ろした。 「零明流剣術・朧桜・双撃!」  牛鬼の首を落とす際に使用した技だ。この剣技であれば、たとえ三目八面が目を閉じていたとしても効果があるはずだ。予想通り、僕の放った斬撃は三目八面の最後の目を瞼ごと斬り裂いた。  これで三目八面を祓えるはずだ。  だがしかし、三目八面の体躯が崩壊することはなかった。 「何だと……⁉︎」  確かに全ての目を潰した。  それなのに、まだ三目八面を祓えないというのか。 「ふむ……どうやら、まだ妖力が残っているようじゃな。厄介な相手よの」 「そんな……一体どうすれば……」  サユキはそう溢して俯く。  くそ……。  どうすれば良い?  考えろ……考えろ!  ふと、僕は霊刀を見た。  そうだ。僕の全霊力を込めた一撃なら三目八面の体躯を斬れるはずだ。  僕はトランシーバーでサユキと大地さんに連絡を取った。 「サユキ、大地さん。今から、僕の全霊力を込めた一撃を放ちます。念の為、離れていて下さい」 「わ、分かりました」  大地さんはすぐにそう返答してくれた。 「──悠斗さん、大丈夫ですか?」  ふと、サユキはそう訊いてきた。 「また僕が落ちても、助けてくれるでしょ?」  僕はトランシーバーを口元に当ててそう言った。 「……分かりました。悠斗さんを受け止める準備をして待ってますね」 「うん。ありがとう」  そうして会話を終えて僕はトランシーバーを切った。  僕は斬撃を浴びて、目を潰された三目八面の瞼の上に立った。幸か不幸か、稲荷さんの炎と陰陽師達の足止めによって、三目八面は動いていない。それだけが唯一の救いだ。  僕は霊刀を納刀し、霊刀に全霊力を込めた。 「零明流剣術・奥義・──っ」  そして閃光の如き速さで刀を抜刀した。 「天穿神荷大蛇(あまうがつかみなりのおろち)!」  青い刀から巨大な大蛇が具現化し、三目八面を噛み砕く。 「ギャアアアアアッ!」  三目八面は断末魔を響かせる。  続けて強力な斬撃が浴びせられ、三目八面の体躯は一刀両断された。奴は黒い塵となって消滅した。  僕は脱力感に苛まれ、崩壊を始めた三目八面の体躯から落下した。

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霊能探偵 ー続ー ファイル49「三目八面と最後の戦い・下」

霊能探偵 ー続ー ファイル48「三目八面と最後の戦い・中」

 僕達は綾羽市警本部を後にした。 「悠斗さん、サユキさん。僕の『占法』で三目八面のいる地点まで転移します。僕の『占法』であれば向かったことのない場所でも一定以上の妖気があれば転移できます。良いですか?」  大地さんがそう提案してきた。 「ありがとうございます。それで行きましょう」  僕はそう返した。 「サユキもそれで良い?」  隣を歩く雪女の助手に僕はそう尋ねた。 「はい。大丈夫です」  サユキは笑顔でそう答えた。 「それではお二人とも、手を」  大地さんは片手を差し出してきた。  僕はその手を握る。  そして僕はサユキに手を伸ばし、サユキは僕の手を握った。 「行きます」  大地さんは片手で霊符を持ち、「転移・急急如律令(きゅうきゅうにょりつりょう)」と詠唱した。  次の刹那、僕達の足元に青い陣が形成される。  視界が青い光に包まれると認知した時には、僕達は三目八面の元にやって来ていた。  三目八面は家屋を押し潰しながらゆっくりと前進していた。  僕達は奴の足元へと転移していた。  真上には奴の八つのうちの一つの頭が垣間見える。赤い瞳がギラリと僕らを見る。他の瞳は別の顔に付いているのだろう。 「ここは僕がなんとかします。お二人は他の目を潰して下さい」 「分かりました」  僕はそう返した。 「よろしくお願いします」  サユキも続けてそう返す。 「零明流霊術・浮遊霊陣」 「創成・氷吹雪」  僕達は各々術を行使して宙に浮遊する。 「それでは」  僕はそう言い放ってその場を後にした。 「はい。任せて下さい」  悠斗さんとサユキさんは他の目を潰しに向かった。  ここは僕が片をつけるのだ。 「霊装・影丸・急急如律令」  僕は霊符を愛刀に変形させる。 「火焔烈火・急急如律令」  刀身を肥大化させ、炎を纏わせる。  そして僕を見つめている瞳に刃を突き立てる。  辺りを見渡すと、陰陽師達が術を行使して三目八面をどうにか足止めしていた。しかし、それも三目八面には効いていなかった。その証拠に三目八面は未だ進行中だ。 「くそっ……」  これでは狙いが定まらない。  しかし次の刹那、強風が吹いた。 「な、何事だ⁉︎」 「新手の怪異か⁉︎」  陰陽師達はひどく動揺していた。  それは僕もだ。  果たしてそこにいたのは、黒い翼を生やし、赤く長い鼻を持つ天狗だった。大きな葉の扇を持ち、風を発生させている。  僕はすぐにそれが何者なのかを悟った。 「大天狗様……」  閻魔大王より彼岸と此岸の均衡を守る任を承った怪異。いや、神に近い存在だ。助けに来てくれたのか。 「私が風で三目八面を足止めする。そのうちに貴殿らは目を突け」  大天狗はそう言い放った。とても静かで深みのある声だった。 「ありがとうございます!」  僕はそう礼を告げた。  そして肥大化させた影丸で三目八面の一つの目を突いた。 「ギャアアアアアッ」  三目八面は悲鳴を上げる。  これであと、目は二つだ。 「大天狗様。ありがとうございました」  僕は空中にボバリングする大天狗様に礼を告げた。 「──神として当たり前のことをしたまでだ」  彼はそう言って再び強風を発生させた。  後のことは悠斗さんとサユキさんに託す。 「頼みましたよ。悠斗さん。サユキさん」  僕はそう呟いた。  大天狗様が風を起こして三目八面を足止めしてくれている。  今のうちに他の目を潰さなくては。  私と悠斗さんは浮遊し、他の目を探した。 「あった! サユキ、十九時の方向だ!」  悠斗さんがそう教えてくれた。 「分かりました」  私は足元の吹雪をより強くし、三目八面に近づく。  彼が指し示した場所には確かに大きな赤い瞳があった。 「創成・氷刀」  妖術で氷の刀を生み出す。  さらに私は『封魔刀』を抜き、炎刀と氷刀を水平に構えた。 「封魔・花蓮咲!」  そして太刀を振るい、炎と氷の斬撃を浴びせる。 「ギャアアアアアッ」  三目八面は悲鳴を上げる。  目を潰すことに成功した。 「封魔・焔咲!」  さらに私は炎の斬撃を放つことで三目八面にダメージを与える。祓うことはできないが、多少なりとも奴の動きを鈍らせることができるはずだ。案の定、三目八面は進行速度を落とした。しかし完全に動きを封じることは叶わなかった。

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霊能探偵 ー続ー ファイル48「三目八面と最後の戦い・中」

霊能探偵 ー続ー ファイル47「三目八面と最後の戦い・上」

 それは唐突にやって来た。    大きな地震が起こった。  僕達がテレビを付けると、そこには巨大な怪異が映っていた。八つの大きな頭を持ち、そのうちの三つの頭に一つずつ赤い瞳が付いていた。頭の側面から手が生えており、ゆっくりと日本列島を横断している。間違いない。三目八面(さんめやづら)だ。とても巨大な怪異だ。土蜘蛛や牛鬼とは比べものにもならない。テレビの映像はヘリコプターが地上から三目八面を映しているものだった。奴の足元には家屋が小さく立ち並び、その巨体を思い知らされる。報道番組の見出しには「三目八面が出現。東北地方を横断している模様」と書かれていた。 「悠斗さん……」  隣でテレビを見ていたサユキが僕に声をかける。 「うん。行こう。僕達で三目八面を止めるんだ」 「分かりました」  その時、スマートフォンが鳴った。  見ると、赤城刑事からの着信であった。 「悠斗。テレビ、見てるか?」 「はい。三目八面ですね。見るのは初めてです」 「──祓えるか?」 「──分かりません。でも、やるしかありません」 「そうだな。俺達も援護する」 「いえ。警察の方々は逃げて下さい。今回ばかりは相手が悪すぎます。死者を出したくありません」 「だが……」 「──お願いします」  僕はそう言い切った。  少しの沈黙が場を支配した後、赤城刑事は口を開く。 「──分かった。だが、警察もできることはするさ。一度綾羽市警本部に来てくれ。トランシーバーを渡す。それで連携を取れるようにする。今回ばかりは陰陽師の奴らも動くだろう? どうせなら、そいつらとも連絡を取れた方が良いだろう?」 「そうですね。分かりました。ありがとうございます」 「おう。綾羽市に三目八面が来ていないのが救いだな。作戦を立てる時間がある」 「ええ、本当です」 「それじゃあ本部で待ってる。陰陽師も連れてこい」 「分かりました」  そうして僕は赤城刑事との連絡を終えた。  そしてすぐに大地さんに電話をかけた。以前、土御門裕太の事件の際、連絡先を交換していたのだ。  彼はすぐに電話に出てくれた。 「悠斗さん。こんにちは。三目八面の件ですよね?」  どうやら説明は不要らしい。 「はい。そうです」 「『陰陽連』でも話題に上がってます。僕に討伐要請が来ました。 他にも陰陽師達がどうにか三目八面を足止めしている状態です」 「そうですか……分かりました。ありがとうございます。陰陽師の方々には引き続き足止めをお願いします。それで大地さん。一度綾羽市警本部に来てもらうことはできますか?」 「はい……場所さえ分かればですが……」 「場所は今から地図アプリで送ります。そこに来て下さい。警察からトランシーバーの支給があります。それで連携して戦いましょう。三目八面を祓うには三つの“目”を潰す必要があります。なので、連携して戦う方が何かと都合が良い」 「分かりました。すぐに向かいます」 「ありがとうございます。それでは、また後で」  僕はそう言って電話を切った。 「サユキ、話、聞いてた?」  僕は雪女の助手にそう訊いた。 「はい。綾羽市警本部に向かうんですよね」 「うん。すぐに向かおう。大地さんと一緒にトランシーバーを受け取る」 「分かりました」  僕は刀袋を持ち、サユキは『封魔刀』を腰に差して探偵事務所を後にした。  綾羽市警本部にやって来た。  既に大地さんは現着していた。  綾羽市警本部のエントランスに彼はいた。 「大地さん」  僕は白い狩衣(かりぎぬ)を身に纏い、黒い長髪を後ろで束ねた陰陽師に声をかけた。赤いルビーのような瞳が僕とサユキを見る。 「悠斗さん、サユキさん。お久しぶりです」 「こちらこそです」  僕はそう返した。 「大地さん。ご無沙汰してます」  サユキも続けてそう返した。  僕達が一通り会話を終えると、建物の中から赤城刑事が出て来た。 「よう、悠斗。サユキ」  彼は僕達にそう挨拶してきた。  そしてすぐに大地さんの方を見る。 「お前が陰陽師か……初めて見たわ」 「こんにちは。はじめまして。土御門大地です」  大地さんは頭を下げてそう挨拶した。 「おう。よろしくな。早速で悪いが、これを持っていってくれ」  赤城刑事はトランシーバーを三つ手渡してくれた。 「それでうまく連携してくれ。俺達にはこれぐらいしか支援できない」 「いえ、十分です」  僕はそう返した。 「それでは、僕達は三目八面を祓いに行きます」 「おう。行ってこい」  赤城刑事は僕達を送り出してくれた。

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霊能探偵 ー続ー ファイル47「三目八面と最後の戦い・上」

霊能探偵 ー続ー ファイル46「海の中の浮遊霊・下」

 電車を乗り繋ぎ、僕達は例の海にやって来た。  空は曇天だった。 「なんだか、既に強い霊気を感じます」  隣を歩くサユキがそう溢した。 「確かにそうだね」  それは僕もだった。とても強い霊気を感じる。目を瞑って神経を集中させなくても伝わるほどに。やはり怨霊か地縛霊の類なのだろうか。 「よし、それじゃあ海に入ろう」 「はい」  僕達は海に入るため普段着の中に水着を着て来ていた。各々服を脱ぎ、水着姿になる。僕は白いパーカーを砂浜に放り投げ、サユキは白い着物を綺麗に畳んで地面に置いた。  僕は霊刀の鞘を足でスライドさせて抜刀する。  そして海に入る。  曇天の日の海水はとても冷たく、チクチクと肌を突く。  ザブザブと迫り来る波に抗いながら僕達は進んでいく。  やがて霊気が一番強い地点までやって来た。沖だ。足元から砂の面が離れる。確かにこの沖で足を掴まれて仕舞えば一巻の終わりだ。最悪の場合、溺死する。枝木さんの友人達は幸運だったのかもしれない。命だけは無事なのだから、それだけで良しとするしかない。たとえサーフィンがトラウマになったとしても生きてさえいればどうにかなる。そう考える他ない。  ふと、海中で泳がせていた僕の足を何者かが掴む。  ──来たか。  僕は海の中に引き摺り込まれる。  果たして僕の足を掴んでいたのは、白装束(しろしょうぞく)を身に纏っている浮遊霊だった。ボロボロの天冠(てんかん)を頭に巻いている。容姿はいつぞやの船幽霊に似通っている。しかしまさか地縛霊でも怨霊でもないとは。その証拠に霊気は強いが、邪悪な気は微塵も感じない。もっと早く気づくべきだった。だが、浮遊霊であれば祓うのは簡単だ。  僕は霊刀を振るい、奴の腕を切断した。 「ギャッ」  浮遊霊は悲鳴を上げる。海中であっても聞こえるほどだ。   足を掴んでいた腕を斬り落としたため、僕は自由になる。  僕は泳ぎながら浮遊霊の間合いに入る。  そして霊刀を逆手に持ち替え、奴の体躯を串刺しにする。  ──零明流剣術・枝垂柳・弔。 「ギャァァァァァッ」  浮遊霊は断末魔を海中に響かせながら、黒い塵となって消滅する。  今回はサユキの力を借りるまでもなかった。 「ぷはあっ」  僕は海面に上がり、酸素を肺の中に目一杯取り込む。 「はぁはぁはぁ」  荒くなった息を整える。 「悠斗さん!」   サユキが泳いで僕の元に近づいてきた。 「大丈夫ですか? お怪我は?」 「なんともないよ。ありがとう」 「──霊はどうなりましたか?」 「なんとか祓えたよ。これでもう事件は起きないはずだ」 「そうですか……良かった……」  サユキは胸を撫で下ろす。 「心配かけてごめんね。僕は無事だから、安心してね」 「はい。本当に良かったです」  サユキは笑顔でそう言った。 「よし。それじゃあ上がろうか。曇りの日の海は寒くてしょうがない」  僕は肩を掴んでブルブルと震える。 「確かにそうですね。私は特に平気ですけどね」 「──雪女だから?」 「多分?」  彼女は首を傾げた。 「雪女って寒いのに強いもんね」 「そうかもしれませんね」  本人はあまりよく分かっていないようだった。 「とにかく早く上がろう。このままだと凍(こご)え死ぬ」 「悠斗さんに何かあってはまずいですね。早く上がりましょう」  僕達はそうして砂浜に戻ってくるのだった。

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霊能探偵 ー続ー ファイル46「海の中の浮遊霊・下」

霊能探偵 ー続ー ファイル45「海の中の浮遊霊・上」

 ある日の午後。  探偵事務所に依頼人がやって来た。 「あの……ここって『白神探偵事務所』で合ってますか? 怪奇事件専門の」  そう訊いてきたのは日焼けした男性だった。 「はい。そうですよ。ご依頼ですか?」  僕はそう尋ねた。 「はい……良いですか?」 「勿論です。こちらのソファにどうぞ」  僕は彼をソファに通した。 「ジャスミン茶です。良かったら飲んで下さい」  サユキがすぐに依頼人の元にジャスミン茶が入ったカップを置く。 「あ、ありがとうございます。えっーと、着物、お好きなんですか?」  彼はサユキにそう尋ねた。  サユキの服装を不思議に思った?  まさか、綾羽市の住民ではないのか? 「ああ、はい。私は雪女なので。これが一番肌に合うんです」  サユキはそう返した。 「雪女……本当にいたんだ……」  彼はそう呟いた。  サユキは首を傾げつつも僕の隣に座った。 「失礼ですが、お住まいはどちらですか?」  僕はそう訊いた。 「千葉県の鴨川市です」  やはり、彼は綾羽市の住民ではない。牛鬼の件以降、僕の元に綾羽市以外の住民が依頼にやってくることが増えた。陰陽師が霊や怪異、霊能者の存在を公表したのがかなり効いているのだろう。 「そうなんですか……ありがとうございます。それで、ご依頼というのは?」 「あ、はい……実は、僕はサーファーなのですが、最近サーファー友達が相次いで“事件”に巻き込まれることがありまして……」  僕達は詳しく話を聞くことにした。  依頼人の名前は枝木拓也。二十八歳。生粋のサーファーであり、よく海で波に乗っているようだ。彼の言う“事件”と言うのは、サーフボードに乗っていると海の中から生えてきた腕に足を掴まれて海底に引き摺り込まれるというものだ。 「既に四人も被害に遭っています……命に別条はないのですが……かなりトラウマになってしまったらしく、それからはサーフボードを見る度に発作を起こすらしいんです」 「そうですか……おそらく怨霊や地縛霊の類でしょう」 「やっぱり、そうなんですかね……」 「ええ、残念ですが、そうなります」 「あの……除霊していただくことって可能ですか?」 「勿論です。僕達で良ければいくらでも力になりますよ」  僕はそう言い切った。  僕の言葉を聞いて、彼はぱあっと表情を明るくした。 「ありがとうございます。よろしくお願いします」 「はい。任せて下さい」  僕はそう言った。 「ご友人達が事件に巻き込まれた海はどこですか?」 「あ、えっーと、この辺りです」  彼はスマートフォンを取り出して、地図アプリで件の海の場所を指し示してくれた。  僕は即座に海の場所を記憶する。 「分かりました。ありがとうございます」  僕は立ち上がり、霊刀が入った刀袋を持つ。 「僕達で例の海に向かいますので、枝木さんは帰宅してもらって構いません。わざわざご足労ありがとうございました」 「そんなっ……お礼を言うのはこっちの方ですよ。除霊、よろしくお願いします」  枝木さんは頭を下げてそう言ってきた。 「はい。勿論です」  僕は短く返した。 「よし、サユキ。行こう」 「分かりました」  彼女は『封魔刀』を帯に差した。  そして僕達は枝木さんが指し示した海に向かうのだった。  

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霊能探偵 ー続ー ファイル45「海の中の浮遊霊・上」

霊能探偵 ー続ー ファイル44「戦場の跡地で」

 牛鬼を祓い終えた僕達は山を降りた。僕は再び霊力切れを起こしてしまったため、サユキに抱きかかえられながら山を下った。  そして地上に降り立つ。 「稲荷さん、大天狗、ありがとうございました」  僕は改めて助太刀に来てくれた彼らに礼を告げた。 「本当にありがとうございました!」  サユキも頭を下げてそう礼を告げる。 「サユキー、相変わらずお主は可愛いのうー」  稲荷さんは彼女に頬擦りをする。 「あのー、稲荷さん……」 「主の礼はいらん。サユキのだけで十分じゃ」  どうやら、かなりサユキに心酔しているようだ。以前から分かっていたことだが、稲荷さんはサユキに何か特別な感情を抱いているように見える。恋愛感情とはまた違った感情だ。とても言葉では形容し難い。  僕が稲荷さんに頬擦りされて頰を赤く染めているサユキを見ていると、大天狗が口を開いた。 「今回はいつぞやの酒呑童子の件の礼だ。貴殿が気にすることはない」 「それでも、お二人が助けに来てくれなかったら、僕達は確実に死んでいました。本当にありがとうございます」 「いや、だからな……」  ふと、稲荷さんが口を開いた。 「これ大天狗。せっかくこやつがここまで誠意を見せておるのじゃ。甘んじて受け入れんか」 「稲荷……しかしだな。私は本当に借りを返しに来ただけであってな……」 「なーに、特に後ろめたいことでもないじゃろうが。細かいことは気にするな」  稲荷さんはそう言い切った。 「ぬう……分かった。貴殿のその礼、甘んじて受け入れよう」 「はい。ありがとうございました」 「それでは、私はこれにて失礼する。さらばだ」  大天狗は黒い翼をはためかせ、どこかへと飛び去っていった。 「さて、サユキにたっぷり頬擦りしたことじゃし、我も帰るとするか」  稲荷さんはそう言った。 「稲荷さん、本当にありがとうございました」 「何度も言うが、主の礼はいらん。早う強くなれ。雛黒に誇れるようにな」 「酒呑童子の時も、同じことを言ってくれましたね」 「主に言うことはそれしかないからの。では、それじゃあな」  稲荷さんは青白い火玉に戻って消えていった。  相変わらず神出鬼没な神様だ。  しかし今回は本当に神々に救われた。彼らが助けに来てくれなければ一体どうなっていたか。考えたくもない。 「悠斗さん……」  ふと、稲荷さんから解放されたサユキが僕の元にやってきた。 「サユキ。サユキもありがとう──」  彼女は僕の胸に額を擦り付けてきた。 「サユキ?」 「──生きてて良かった」  サユキは僕の背中に手を回し、涙を流した。 「悠斗さん、死んじゃうと思ったから……生きててくれて、本当に良かったです」 「サユキ……」  僕は彼女の氷色の髪を撫でた。 「ごめん。心配かけたね」 「『死んでも良い』なんて、二度と言わないで下さい。次言ったら、氷漬けの刑です」  彼女は僕を抱きしめる力を強くしてそう言った。彼女なりに本気で心配してくれていたのだろう。ひんやりとした彼女の体温がそう教えてくれる。痛いほど気持ちが伝わってくる。 「うん。もう絶対に言わないよ。本当にごめんね」 「──分かってくれたなら、良いんです」  サユキは僕から離れた。 「それじゃあ、帰りましょうか」  涙を拭いて、笑顔でそう言ってきた。 「うん。そうだね」  僕は彼女の笑顔に呼応して口元を綻ばせる。  そうして僕達は島の港で待機してくれているフェリーの元に向かうのだった。  

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霊能探偵 ー続ー ファイル44「戦場の跡地で」