あやかし新婚日記 六日目「夏祭り」

あやかし新婚日記 六日目「夏祭り」
「紗代さん。夏祭り行きませんか?」  突然の提案だったが、私は「夏祭り」という言葉に胸が高鳴るのを感じた。  夕飯時だった。献立はサバの味噌漬けにご飯と卵の豆腐のお味噌汁。春明さんはお味噌汁を二、三回啜ったのち、私にそう言ってきたのだ。 「夏祭り……ですか?」 「はい。今度人間界の方で開催するらしくて、よかったら一緒にどうですか?」  緑色の瞳を潤わせて彼はそう訊いてきた。よく見ると頬が少し赤くなっている。勇気を出して誘ってくれたようだ。これは応えなくてはならない。それに夏祭りは私も経験したがことがない。楽しみと言えばとても楽しみだ。 「わかりました。是非一緒に行かせて下さい」 「本当ですか? よかった……急に誘ってしまったので断られるのも覚悟のうちだったんですけど……よかったです」 「そんな、春明さんのお誘いを断るなんてするわけないじゃないですか。お祭り、楽しみにしてますね」 「はい。ありがとうございます」
白崎ライカ
白崎ライカ
アニメ、ファンタジー、剣戟アクションが好きです。 最近はノリと勢いで詩をよく書いています! 自分の好きな時に書いてるので、 不定期投稿です。 今更ですが、誤字癖があります。 どうか温かい目で見て下さると作者は喜びます! 使用しているイラストは画像生成AIで作成したものです! よろしくお願いします〜