風鈴まこ
3 件の小説悲しみと憎しみ
憎らしい人ほど、元気で長生きするものです。
甘い夢
20歳の頃、バイクをブンブン乗り回していたツッパッた16歳の男の子に片想いの恋をしていたんです。 彼の夢を見た。 彼は言った。 「もしかして、俺のこと好きなの?」 「…うん。」 「なんだそうだったんだぁ。じゃあ俺が働いているホストクラブに遊びに来なよ。」 ホストクラブになんて行ったことない。 そんなお金もない。 でも1時間くらいでワンドリンクならなんとかなるかも…。 そう思ってお洒落をして彼のいるホストクラブに出かけた。 私はお金がかかりすぎることに注意を払っていた。 こんなド田舎にホストクラブがあったのね…。 夢の中の私はあの頃の若さのまま、スリムで化粧のりも良く彼に「綺麗だ。」と言われて嬉しかった。 夢の中の彼はセクシーだった。でも滑稽でもあった。 お店で彼がキスをしてくれた。 炭酸とフルーツの甘味のカクテル味の彼の唇が私の唇に触れた。 二十歳のあの頃は彼に会えた日はただただ嬉しくて、ちょっと話せただけで、顔を見れただけでうれしくて…でもプライドが邪魔をして告白だなんてとても出来やしなかったよ。 今の私は四十九歳。彼は四十五歳になっている。 どうしているかしら。 あの頃はツッパッていた彼も今はお父さんになっているのかしら? 今でも会いたいと思うけれど、何だか恥ずかしくて…。
うまれかわり
はあ〜ビバのんのん。ええのう、ここ極楽浄土の虹の湯は最高じゃわい。 そうじゃ、そうじゃ、人生はキツくて辛うて、虹の湯ほど癒される音泉天国じゃてぇ、 はぁ、お先にご挨拶ですが、私は神さん、仏さんからまた生まれ変わりなさいと言われました。 虹の湯は最高の極楽温泉でしたが、明日でお別れです… 私は今度はトルコ人としての人生を歩みゆくそうでございます。 トルコ人!! 日本人としての人生もキツく辛いものでしたが、トルコ人として生きるとはまたどのようなものでしょうなぁ… トルコですか… 戦争とか飢饉とかなければいいのですが… そうですなぁ… 戦争がないのが一番です… 日本人としての辛い人生を生き抜いてやっとここにこれたと思ったのに憂鬱です… 人生は辛い。ここ虹の湯にのんびりと浸かっている時こそ極楽天国ですのに… トルコですか…あっしは今度はアメリカ人に生まれ変わる言われましてねぇ、どんなものか…。 生まれかわりは嫌じゃ 生まれかわりは嫌じゃ 極楽天国の温泉、虹の湯が一番ええわ… ほんまに神さん仏さんはなんで辛い辛い人生を何度も何度も繰り返すように命じるんかのぅ… 人生とはほんまに辛い修行じゃ…。 “”