makono

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makono

高校生です。 あまりなれていないので、おかしなとこもあると思いますが、笑ってみてください✨

regret −rinka①−

 −rinka①−  教室に響く、紙に字を書く音。先生が授業する声。この先生の授業は面白くない。そんなことを考えていると、シャーペンの芯がバキッと折れた。いつまで勉強すればいいのだろう。いつになったら、私を認めてくれるのだろう。私を、私の全てを受け入れてくれたのは、あの人たちだけだった。会いたい…また、話を聞いてほしい。もう戻れないことは知っている。でも…会いたい…  −5年前−  テストは100点を取るのが当たり前、休日に友達と遊ぶことができないのも当たり前だった私は、クラスで浮く存在だった。そんな私の昼休みは決まって、1人で図書館で勉強していた。この学校の図書館は暗くてジメジメしてて、カビ臭いから誰も来ない。友達のいない私にとって、ここはお城だった。なのに…最近1人の女の子が、図書館にやってくるようになった。  どのくらい経っただろうか。彼女は本を読みながら、涙を流していた。話しかけようか、そのままにしようか、しばらく悩んだ私はそのまま図書館を出た。彼女は誰だろう。なぜ泣いているんだろう。この時からかもしれない。彼女に親近感を抱き始めたのは。

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regret −rinka①−

regret 人物紹介

設定  小さな町で出会った、少年少女達が成長した、アフターストーリー。上手く行っていた人間関係が途中で崩れ、そのままバラバラになってしまう。仲良く過ごしたあの日々、ゲラゲラ笑ったあの頃に戻りたい少年少女達は、再び再開できるのか?   登場人物 如月 向日葵 〜himari kisaragi〜    S高校の通う、1年生。自分を変えてくれた仲間達に感謝している。向日葵みたいに、明るく笑うので、あだ名は、ヒマワリ。 八神 夕 〜yuu yagami〜  F高校に通う、1年生。自分のことを馬鹿にせず、いつも寄り添ってくれた仲間達が、大好き。優しく、イケメンだが、優柔不断。あだ名は、ユー。 東雲 鈴蘭 〜rinka sinonome〜  D中学校に通う3年生。勉強の成績はトップクラスだが、親には認めてもらっていない。唯一認めてくれた、仲間達しか友達がいない。あだ名は、読み方を変えてスズ。 早乙女 竜 〜ryu saotome〜  T中学校に通う、3年生。野球少年で、嫌われていた自分を受け入れてくれた、仲間達の仲が悪くなったのは、自分のせいだと思っている。あだ名は、リュー。      

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regret 人物紹介

regret −yuu①−

 −yuu①−  違う街。違う場所。慣れない環境での生活を選んだのは自分なのに、時々夢を見る。一緒に帰った帰り道。ギャーギャーはしゃいだ公園。もう戻れねえのかな…あの時の俺らには。野球帽をグッとかぶる。  あの時の俺は、とにかく馬鹿だった。今も変わらないけど、中途半端で、すぐすねて、情け無かっった。でも、小さい時からずっと、野球だけは真剣にやり続けてきた。いつからだろう。野球以外のことを考え出したの…きっと、あいつらのせいだ。    −6年前−    休み時間、鬼ごっこで意地でも捕まりたくなかった俺は、とにかく真剣に走った。走って走って、休み時間の終わりを告げるチャイムがなるまで、捕まらなかった。やっとチャイムがなって、走って帰ろうとしたら、自分の足と足が絡まって、勢いよくぶっこけた。膝から流れる血が止まらない。掃除の時間をサボれるから、保健室で手当してもらおうと思い、保健室に向かった俺は、アイツにあった。キサラギ ヒマリ。同じクラスの、目立たない奴。まさかこいつも、掃除サボるのか?そう思った時、向日葵を見て驚いた。  泣いてる…? きっと、いつもみたいに女子に何かされたんだろう、別に興味ないし、詳しくは聞かなかった。向日葵は、泣いてるくせに「先生がいないから」そう言って、俺の怪我を手当してくれた。多分、泣いてないように見せたいみたいだけど、目は腫れてるし、顔も赤い。でも、手当ての仕方は上手くて、全然痛みを感じなかった。  「ありがとう。お前、こう言うの上手いんだな。」 それだけ言って保健室を出た。  その日からだ。アイツに、向日葵に興味を持ったのは。        

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regret  −yuu①−

regret −himari①−

 −himari①−  古い街並み。静かな商店街。昔は栄えてたであろうこの道も、今は子供の笑い声しか響かない。今通っているこの道も、あの公園も全部あの時のまま、私の中で止まっている。戻りたい。あの頃に。彼らに出会ったあの頃に戻りたい…  あの頃の私は、目立たない普通の子だった。クラスの子とは、言葉を交わすし、ケンカもしない、勉強もそこそこできた。しゃしゃり出ていくこともないし、誰かの前に立つような人間でもなかった。そんな私が変わるきっかけになったのは、きっとあの時からだろう。         −5年前−    いつも通りの朝だった。いつも通りご飯を食べて、いつも通り学校で1日過ごした。いつもの帰り道で、前でゲラゲラ笑いながら帰るクラスメイトを見て、馬鹿だなって鼻で笑った。でもちょっと、羨ましい。あんなに楽しそうに、笑い合ったり喧嘩しあったりする友達は私にはいなかった。いいな…そう思いながら、歩いていると、前に足が現れた。驚いて顔を上げると、クラスメイトの男子の顔が、目の前にあった。 「えっ…」 避けようとすると彼が私に言った。 「なぁ、向日葵っていつも1人だよな。いつも1人で過ごして、1人で帰るの?」 本当は友達が欲しいし、一緒に誰かと帰りたい。でもそんなことを言えなかった。 「そうだよ。1人の方が落ち着くし、気が楽だから。」 「へー、そうなんだ。でも1人でいるよりも、もっともっと楽しいこと、俺が向日葵に教えてやるよ。きっともっと、楽しくなるはず。じゃ…また明日。」 手を振る彼に何も言えないまま、彼は帰っていった。でも、その時の彼の笑顔は、とても輝いていた。    

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regret   −himari①−