テヘペロ

4 件の小説

テヘペロ

テヘペロと言います。不定期更新

4話

ープラマイー 「潜入成功、どうぞ」 「なんのごっこ遊びだよ……どうぞ」  何事も、という訳ではないが問題なく転校することはできた。俺とプラスは双子という設定のおかげか同じクラスに割り振られ、幸運な事に席も近くなのだ。 「見ろよ、あの校庭の広さ。小学校とは全然違ぇ」 「いちいち驚くなよ……。お前のせいでこっちまで変な目で見られてるんだよ」  自己紹介の時まで遡る。俺は基本的な自己紹介の仕方を調べ、実践した。ありふれた、印象の薄い生徒を演じた方が、今後もやり易いだろうと思ったからだ。しかし、プラスと言えば……。 「俺は初めて中学校に来た!お前らは幸せ者だぞ!親に感謝するんだな!」  と叫んだ。今でも忘れない。全生徒の思考停止した目を。 「で、どうやってバラバイ見つけんだよ」 足を机の上に乗せるな。 「お前には言ってなかったか。大型はリーダーじゃなかったんだ」 「リーダーじゃねぇのかよ」 「どうやらバラバイってのは団体を仕切る者がいないらしい。大型によると、俺はリーダーじゃねぇ。俺が捕まれば他の奴に連絡が入る。お前らのこともな、だってよ」  大型の所持していた情報はバラバイメンバーの呼び名とメンバーの特徴だった。  学校に潜入しているのは猪、女王、雨の三名だとまとめてあった。 「その三人の特徴と一致する人物を探し出す」 「そして俺がやる」 「別にどっちでもいいがな」  チャイムが鳴る。俺達の学校生活が始まった。

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3話

ープラマイー  俺は小さい頃から何でも屋にいた。父親が何でも屋で働いているからか、俺はよく何でも屋に預けられていた。裏稼業をやっている奴らが営む店の割にそこの人達は皆優しかった。俺は暗殺術や護身術など色々なことを教わった。その頃から何でも屋で働くことを決めていた。そして何でも屋に入る時、マイナスという名を貰った。表社会での名は捨てる。それは何でも屋に限らず裏の世界で生きる奴らでは常識である。表社会で生きるのをやめた証として、この名はつけられる。それは記号や動物の名前など色々とある。俺は同時期に入ってきた奴がプラスだからという理由でマイナスだ。  そんなんだから神足琰郎という普通の名で呼ばれることに多少の違和感を覚えてしまう。プラスは神足仁と命名された。 「田立中学校に父親の都合で転校っていう設定だ。本部がもう手続きは済ませてあるから、来週の月曜日には行くぞ」 「学校かー。ワクワクすんなぁ。はしゃぎ回るぜ」 「はしゃぎ回るな。ていうか、プラスは十七歳だろ。そんなに学校が楽しかったのか」  俺は義務教育を受けていない。色々なことは何でも屋の人達が教えてくれたからそこまで困ることとかはなかった。 「行ったことねぇよ。いや、あるにはあるが……」 「あ、そうなのか……」 「小学校低学年で退学よ」 「逆に何したら低学年で退学するんだよ」

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2話

ープラマイー 「バラバイは十五人で構成された人身売買集団だ」  マイナスは感情の感じられない声色で淡々と言う。いつから俺のバディはペッパー君になったんだ……。いや、ペッパー君の方がまだ可愛げがある。 「奴らの主なターゲットは子供だ。リーダーである大型の言った通りだな。そして奴を拷問した結果、構成員の内三人が田立中学校にいることが判明した」 「学校にか?」 「あぁ。子供をターゲットにする連中が中学校にいるというのは納得がいく。健康体の若々しい臓器が大量にあるんだからな。選び放題だ」 「思考がもうバラバイだ。お前バラバイの才能あるな」 「嫌だわ。まぁそれでだな。俺達に次の任務だ」 「なんだよ。早くやっちまおーぜ」 「田立中学校に潜入してバラバイを始末しろだってよ」

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1話

ープラマイー  五歳か六歳ぐらいの頃、俺は蜂の群れに飛び込んだ。  昔の記憶だからか、ハッキリとは思い出せないが確か棒切れで蜂の巣を叩いたのが原因だろう。その場からすぐ離れると蜂の巣から黒い小さな点が一つ出てきた。よく見ると蜂の巣は凹みができていて、そこからウジャウジャと黒い点が湧き出てきた。それが蜂だと気づくやいなや、俺は駆け出していた。脳内では特撮の戦闘bgmが流れ、憧れのヒーローと姿が重なる。まぁヒーローというよりは悪役側なんだが、そんなことは当時の俺は考えていなかった。迫り来る黒い群れに棒切れを振り下ろす。その時は只々、蜂を倒すことしか考えいなかった。  古い記憶の映像を止め、目を閉じて、開く。目の前にはノートパソコンがあり、「オオスズメバチ完全根絶」という大きな見出しが映し出されている。ウェブニュースを見ていたらこの記事が目に留まり、昔の記憶を思い出したのだ。 「プラス、おいプラス!ぼーっとしてねぇでさっさとやれ」  マイナスの声にやるべき事を思い出す。ノートパソコンをいじる。画面が次々と切り替わりお目当てのファイルを見つけ出す。人身売買専門団体、通称バラバイのメンバー情報だ。このパソコンの持ち主もそのバラバイの一員であり、リーダーだ。この男の家に乗り込み、メンバー情報の回収が俺達の仕事だ。USBメモリを差し込み、データを抜く。マイナスの方を見ると戦闘中のようだった。 「な、なんなんだよお前ら。人の家に勝手に入ってきて」 「入る時にお邪魔しますって言っただろ」 「誰も許可してねーよ。てか、俺になんのようだよ。俺が何したってんだよ」 「マジかよ……思い当たる節はないのかよ」 「……特に」 「バラバイ!お前が仕切ってる団体についてだよ!」 「お前ら……何でも屋か」 「あぁそうだよ。なんでもかんでもやってやるの何でも屋だ」  何でも屋のCMのフレーズが脳内で再生される。 「来るとは思ってが……何が目的なんだ」 「バラバイの殲滅、が一応の目標。で今はバラバイメンバーの情報をゲットする事だな」 「殲滅!?ふざけるなよ。金持ちは狙ってねーよ」 「ちゃんとターゲットの人間関係調べとくんだな。お前らが狙った子の親は金持ちと知り合いでよぉー。金持ちもその子のことを可愛がってたらしくてな、財産全部くれる代わりにバラバイを殲滅してくれって。泣けるだろ?」 「クソが」  バラバイリーダー、大型雑破はキッチンに走り込み、包丁を取り出す。一瞬のことにマイナスは反応できていなかった。 「あーあ。大人の臓器よりも子供の方が売れるんだがなぁ」  嫌味なのかなんなのか、大型はそう言うと踏み出した。来るぞ、と思う。脳内で次の展開が予想される。まず、大型が包丁を突き出す。それをマイナスは軽々と避け、大型の背後に回る。そして床に押し倒して拘束。実際にドタンと大きい音が鳴るとそこには大型を取り押さえているマイナスがいた。包丁を握る手を踏みつける。痛みに苦しむ声が部屋に響き、包丁が離される。包丁を遠くに蹴り飛ばし、攻撃手段をなくした後は、ガムテープで手足をぐるぐる巻きにした。大型の肩に肘を置き電話をかける。本部に繋がったのを確認すると 「任務完了でぇす」  と言った。

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