3話

ープラマイー  俺は小さい頃から何でも屋にいた。父親が何でも屋で働いているからか、俺はよく何でも屋に預けられていた。裏稼業をやっている奴らが営む店の割にそこの人達は皆優しかった。俺は暗殺術や護身術など色々なことを教わった。その頃から何でも屋で働くことを決めていた。そして何でも屋に入る時、マイナスという名を貰った。表社会での名は捨てる。それは何でも屋に限らず裏の世界で生きる奴らでは常識である。表社会で生きるのをやめた証として、この名はつけられる。それは記号や動物の名前など色々とある。俺は同時期に入ってきた奴がプラスだからという理由でマイナスだ。  そんなんだから神足琰郎という普通の名で呼ばれることに多少の違和感を覚えてしまう。プラスは神足仁と命名された。 「田立中学校に父親の都合で転校っていう設定だ。本部がもう手続きは済ませてあるから、来週の月曜日には行くぞ」 「学校かー。ワクワクすんなぁ。はしゃぎ回るぜ」 「はしゃぎ回るな。ていうか、プラスは十七歳だろ。そんなに学校が楽しかったのか」  俺は義務教育を受けていない。色々なことは何でも屋の人達が教えてくれたからそこまで困ることとかはなかった。 「行ったことねぇよ。いや、あるにはあるが……」 「あ、そうなのか……」
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