4話

ープラマイー 「潜入成功、どうぞ」 「なんのごっこ遊びだよ……どうぞ」  何事も、という訳ではないが問題なく転校することはできた。俺とプラスは双子という設定のおかげか同じクラスに割り振られ、幸運な事に席も近くなのだ。 「見ろよ、あの校庭の広さ。小学校とは全然違ぇ」 「いちいち驚くなよ……。お前のせいでこっちまで変な目で見られてるんだよ」  自己紹介の時まで遡る。俺は基本的な自己紹介の仕方を調べ、実践した。ありふれた、印象の薄い生徒を演じた方が、今後もやり易いだろうと思ったからだ。しかし、プラスと言えば……。 「俺は初めて中学校に来た!お前らは幸せ者だぞ!親に感謝するんだな!」  と叫んだ。今でも忘れない。全生徒の思考停止した目を。
テヘペロ
テヘペロと言います。不定期更新