抹茶

8 件の小説

抹茶

永遠の18歳です!!駄作ですが気に入ってくださると嬉しいです!

運命の赤い糸

運命だと思った ようやく見つけた、俺の運命の人だと 彼女は本を読んでいた いらない風景描写につまらない言葉 ダラダラと続く色気のない活字 そんな本でも、彼女は楽しそうに読んだ 誰に何をされようと 気にせずに自分の世界を構築する彼女が とてつもなく好きになった 自分の好きなものを好きだと言えるその姿勢が とても美しかった 何故か目が奪われるような子だった 黒い髪が太陽の光を反射し 少し茶色っぽく見える艶やかな髪 彼女は言っていた “この髪は自慢”なのだと 母譲りの自慢なのだと そう話す姿は女神のように美しい笑顔だった 彼女に愛される人はそれはもう幸福だと 彼女にしたわれる人はそれはもう胸を張れるだろうと 誰も彼女の魅力には気づかないが俺は知っている 世界で1番美しいのは 彼女だということを 世界で1番慈悲深く優しいのは 彼女しかいないということを

2
0

初めまして

俺にははるか昔の記憶がある 俺は昔忍者で恋人もいた だけど恋人を目の前で殺されてしまい俺もその後殺されてしまった。 それからというもの、何度輪廻転生を繰り返しても彼女とは会うことが出来なかった。 なぜ? 俺はそんなに酷いことをしてしまったのだろうか それともこういう考えを持っているからダメなのだろうか どれだけ考えても答えが出ることなんてなく 「はぁ、会いたい」 「誰にだよ」 聞かれてしまった 1番聞かれたくないやつに聞かれてしまった 「全部聞こえてんだよ」 「…事実だろ」 「失礼な」 こいつは俺の最初の人生の時からの親友で何故かいつも関わりを持ってしまっている 何故だ? まぁ、そんなことはどうでもいい 今世でも多分彼女に会うことは無いだろうと思うから 「なぁ、放課後カラオケ行かね?」 「あぁ、行こうか」 昼休みになり当たり前のようにこいつと過ごす 「あ、飲み物買ってくるわ」 「俺も行くー」 2人揃って足並みを揃え中庭の自販機に急ぐ 着いた時には先客がいた 茶色の髪のボブの子で背は低めの女の子と 今で言うウルフカットの黒髪の女の子 何故か、茶色の髪の子に惹かれた 「おーい、どうした?」 「…なんでも」 その声に気が付き2人の少女が振り向く 目が、あった 彼女は目を見開き俺に近づいてくる かく言う俺も目を見開きフリーズしてしまう もう、会えないと思っていた 彼女は俺の目の前で止まった 口をもごもごとさせながら何かを言おうとしている 「初めまして、」 そんな彼女を無視して、気がついたら俺は彼女にそう言っていた 彼女は悲しそうな顔をしながら言葉を返そうとする その瞬間 「400年以上前から、ずっとあなたのことが好きでした」 「俺と、付き合ってください」 その言葉を聞いた途端、彼女の目には涙が浮かんでいた その後彼女は泣きそうな声でこう言うんだ 「喜んで」

5
1

生きて

僕と君は常に一緒だった それはまるで長恨歌の一説にある文のように 『天にあっては願わくば比翼の鳥となり、地にあって願わくば連理の枝とならん』 有名な中国の詩 どちらも夫婦の例えとされるもの なのに君は、僕を置いて遠くにいつまでしまったね 君は僕の事が嫌いだったのかな? 君が遠くへ行ってしまった時僕は泣けなかった だってどうせすぐに会えると思ったんだもの なのに君は、、、 最後にあんな呪いの言葉を残して行ってしまったね 僕は君が憎いよ あんなに大好きだったのに… 今は憎くて憎くてたまらない 頼むよ、また君に合わせてくれ 願わくば、何時までも君のそばにいたかった どこに行ってしまったんだい… いや、本当は分かっているんだ… 君はもう帰ってこないんだろう 君は僕の事が嫌いで、憎くて… 大切で愛していたんだろう? 分かるよ、僕にはね 君のことならどんな事でも… 僕も、君の事がずっと、ずっと 大っ嫌いだった けどね 大っ嫌いな君がとても愛おしくて、大好きで… 愛していたよ 僕達は双翼 そして枝 2人で1つなんだ 僕が生きていれば君も生きていることにならないかな? 1人になってしまえば、なり損ないになってしまう 頼むよ、僕が悪かったから 頼むから 君のそばに居させておくれ 愛しているよ、愛おしい君

0
0

世界、動け(下)

桜の花が咲く頃 ようやく俺の親友が来た 「ごめん、待たせたな」 「本当だよ、君にだけは僕のところに来て欲しかったからね」 「来てくれて、良かった」 すると彼は話し始める 「俺、大学受かったよ」 「おめでとう!頑張ってたもんね」 「本当は2人ではいるはずのとこだったけど」 「僕は、受かるかどうかなんて分かんなかったよ」 「凄い先輩が居てさ、俺、そこでもう1回頑張ろうと思ってて」 「うん!頑張れ」 すると喋る声が止まり 「なんで、お前だったんだろうな」 そうつぶやく声が聞こえた 神様は気まぐれだ その気まぐれで命を落としてしまった人は5万といるだろう 「神様は、人ではないからね」 「今でも思い出せるよ」 「お前の声も、顔も、匂いも、何もかも」 そんなに覚えてくれるのは君だけだった 「もう、忘れてくれていいんだよ」 「忘れられなかった、」 「なぁ、親友」 一拍おき彼は続ける 「俺、不安だよ」 「僕がずっとそばにいるさ」 「お前が居なくなってから、世界は何故か普通に回るんだ」 「怖くて仕方がない」 世界とはそういうもの たった一人、僕が死んだくらいでそんなに悲しんでくれるのは君ぐらいだ 「もう、君の世界を動かさないと」 「お前がいないと、俺達の世界はずっと止まり続けたままだ」 「…なぁ、親友」 「なんだい」 彼は悲しい顔をしながら口を止めた 何故だろう、言いにくいことなのだろうか そんなことを考えていると 「愛してるよ」 僕は驚いてしまった まさか、君からそんな言葉が出るとは思っていなかったから 僕が1番欲しい言葉 「僕も、愛してるよ、親友」 君の愛と僕の愛 多分それは違うけど 僕の体が桜の花になりながら崩壊していく 風によって僕は天国に連れていかれるだろう すまないね、親友 そばにいると言ったのに なんて神様はせっかちなんだ もう少しだけここにいさせてくれてもいいだろうに もう少しだけ君の傍に あぁ、こんな体だと、君に触ることも出来ない ならせめて僕を感じて欲しい 崩れかけた体で君に触る 柔らかな風が君の頬に触れるだろう 愛しているよ親友 誰よりも 愛する隣人、お元気で

1
0

世界、動け(上)

俺にはたった一人の親友がいた 大切で大好きな親友が… 優しくて、マイペースで …けど人のことばっかり気にするやつだった そんな奴でも所詮は人間だった 体が耐えられないほどの衝撃を与えられれば簡単に死んでましまう 「もう、慣れたな」 いつもは2人でバカをしながら歩いていた帰り道 今は一人 夕日の光であいつの顔がほんのり赤く染まるのも 夕日の逆光であいつの体が輝いて見えることも もう二度とない 「なんで、お前だったんだ」 俺の親友が何をしたと言うんだ とっくのとうに枯れたはずの涙が、あいつを思い出すことでとめどなく流れてくる ゆっくり静かに まだあいつの墓参りに行けていない あいつが居なくても世界は普通に回っていくし 学校も普通にある この世界にはまるで 『あいつなんて居なかった』ように 俺はあいつと過ごす名前のつかない平々凡々の日常が、とてつもなく愛おしく、恋しい 今でも時々思い出す あの時俺があいつの代わりになれていたら 俺なんかよりもよっぽど生きる価値のあるやつだから なのに、そんな事は不可能で… 冷たい風が俺の頬を撫でる そろそろ俺も、現実を見なければいけないのかもしれない 世界は動き、回る けれど俺の、あいつの 俺達の世界は 依然、止まったままだった

2
0

もしもの話

夢を見たんだ 昔見た本に登場する役の夢 私は蜘蛛になっていた 根暗で陰気を漂わせている私にはお似合いかもしれない役 そして貴方は蝶 明るく、いつもまわりを照らしている貴方にとても似合っている役 私はあなたを見ていた 空高く自由に飛べるあなたを 貴方は私を見ていた 誰からも喋りかけられない私を 紫の綺麗な蝶が 真っ黒で光すらも飲み込む蜘蛛を 貴方は私にこう言ったの 「貴方、1人で寂しくないの?」 そして私はこういうの 「寂しいわ、けど仕方ないのよ」って これが蜘蛛に生まれてしまった私の宿命なのだから それから貴方は私を見なくなった そして私も貴方から目を逸らした 見なくなることは、不可能だったけど 時は経ち そこには何も無くなった あるのは草木と花々 そして、薄くはられた私の細い糸 そこには私しかいなかった するとね 糸に何かが引っかかったの そこにはいつの日か見た美しい紫の蝶が引っかかっていたの 私は言ったのよ 「このぐらいの糸、直ぐに抜けるわよ」 「何故、動かないの?」 彼女はね 「貴方、このままだと餓死してしまうんでしょ?」 「なら、私を食べて」 私はその瞬間理解したの 私は彼女の事が好きなんだと 彼女は私に好きな子を食べろと言っている そんなこと、出来はしないわ けど口からはそんな言葉は出なかった そこで目が覚めたの 貴方なら、どうしのかしら 貴方が蜘蛛で私が蝶なら 私の事を愛して、食べてくれたかな?

10
0

幸運の印

僕がいつも登校する道のりには黒猫が居る。 何故かじっとこちらを見ていて僕が歩くと着いてくる。 一定の場所まで行くと黒猫は止まりまたこちらをじっと見てくる。 黒猫は不運の印だと聞くが正確には 《黒猫が通り過ぎる》事が不運だと言う 元々黒猫自体は幸運の印なんだそうだ 「お前はいつも僕に着いてくるね?」 そう呟きながら僕は黒猫のアゴ下を撫でる 下校時の癖になってしまった。 その黒猫は誰かが飼っているのか、首輪は着いていなかったか痩せている様子もない身綺麗な猫だった 「なにか僕にあるのかな」 僕は黒猫にそう聞く まぁ当然猫なのだから 「なぁお〜ん」 鳴き声しか発さない 「お前は不思議な猫だね」 次は頭を撫でようとすると 「あ、おい!」 黒猫が一人の少女の所まで走っていった 飼い主なのか分からないがつい、声を出してしまった。 その声に気付き少女が振り向く 茶色い肩までの髪 ほんのり色づく唇 大きい瞳 僕の目にはそう見えた 僕のクラスの委員長が手を広げ猫を抱く 優しい微笑みを黒猫に向け黒猫もそれに答えるように優しく鳴く ずっと見ていると委員長と目が合った 「えっと、、、図書委員会の…」 「あっ、えっと、どうも」 「この子のお世話をしてくれたの?」 「お世話なんてそんな大層なものじゃ…」 いい切る前に黒猫が鳴き言葉を遮ってきた 「この子も喜んでいるみたい、ありがとう」 「い、いえ…お気になさらず」 「それじゃぁ、また明日」 「はっはい!!また明日!」 メガネの奥に見える綺麗な瞳が、夕日にあたって紅く見えた まるでリンゴみたいな…綺麗な その時委員長が俺に微笑む その瞬間音がした 僕が、彼女に 恋に、落ちる音が… 幸運の印の黒猫が僕の前の少女に抱かれて進んでいく それは通りすぎるんじゃなくて僕の視界にずっと移ろうとしているような 黒猫が導いてくれた幸運 「これが、幸運…」 ありがとう、黒猫 僕、少し頑張ってみるよ

11
1

不確かな希望に縋ったら

現在のこの環境は最悪だと思う 1人の少女を集団でいじめ あるものは笑い、あるものは殴り、あるものは蔑み そして少女は…泣いていた そりゃそうさ、俺だってあんな環境下に置かれたら泣くに決まってる 彼女はよく耐えた方だと思う 可哀想な子、それが「佐藤理咲」という少女の存在意義だった 何せこれは…彼女の、俺の、物語なのだから 彼女を虐めている彼らは作者に操られている。 泣いている彼女は『無理やり』泣かされている そして俺も『言わされて』いる 誰が、いつ、どうしてなんて事1登場人物の俺にはよくわからない。 わからないが、それがどうしても虚しい お前らはそのこんな価値のないただの言葉だけの登場人物に感情移入し、泣き、笑い、蔑む 虐めなんて最低だという奴がいる けど助けようとはしない 何故だ?最低だと思うなら助けるべきだろ ただの文字だから?文字は助けられないってか? そんな事しらねぇよ 頼むよ、助けてくれよ 俺たちをこんな操られて言葉を連ねるだけの人生から解放してくれ 頼むよ。 頼むから。 誰か タスケテ

8
1