ZAKURO〈ザクロ〉

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ZAKURO〈ザクロ〉

よろしくお願いします 「自身の書きたいものを書いてきます」

最近の恋愛に対しての「レベル」を求める人間に対して思うこと

 スペックを求めたり、顔のレベルとか性格のレベルとか求めるのなんなんだ? そんなの求めてあちこちウロウロしたところで疲れるだけじゃないか? 1番足りていないのはレベルを求めることに我慢ができない人のレベルじゃあないか? 片方が整ってなくて、片方が整ってるカップルだけを見ただけで文句を言う奴に限ってはガチで「我慢のレベル」が足りていないと思うのだが…。 そうやってわざわざ文句を言ってくる時点で恋人なんてやって来ないんだよ。 恋人が欲しいなら「自分を見つめ直せ」 我慢をしろ、広い心を持て。

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ラムネ瓶

 −小さな悩みをラムネ瓶を飲んだ時に忘れられるか−  −大きい悩みを友達と共にラムネ瓶を飲んだ時に忘れられるか−  −ラムネのビー玉を取り、どこに飾り、どう可愛がるのか−  −瓶と顔をあげて、空をあおぐといつもとどんなふうに景色が変わって見えるのか−…… 結露したガラスは、今までつちかってきた練習という過程で汗をかいてきた人に似てる。 ガラスは未来をうつして、ラムネは「夏」をうつす。 1年の夏が終わったら、つぎまでラムネには会えない。 たとえ夏以外で飲んだとしてもそれは、夏とは違う顔をしたラムネ。 ほんのりと寂しささえも感じられる。 次も同じ天気、同じ場所で些細な時間を過ごしたい。 「彼女」はそう呟いた。  そして、寂しさに包まれる感覚のもと、ほんの期待を馳せた日から三ヶ月後…。 季節は秋、紅葉は地面に絨毯(じゅうたん)を作っていく。 だんだん年末へと刻が進んでいってるのが、儚い葉の散りで感じられる。 悩みを抱える少女は現在(いま)、紅葉の木々が横二列に並ぶ公園のベンチで携帯に収められた写真を眺めていた。 一本のラムネの写真が場所や景色はどれも違うが、多く収められている中とある写真が目に止まる。 片方のラムネはお店の外に設置されている木製の丸テーブルに寝かせられているが、それに寄りかかるようにして空のラムネが斜めに置かれている。 両方に日の光がささっておりラムネ特有の透明さが味方して、絶景に磨きがかかっている。 しかし、これは誰といた写真なのかは思い出せないそう。 月日を確認すると、これはかなり前、中学2年生の頃に撮ったものらしい。 そこからは一本のラムネだけがずらりと並べられている。 いまになって、しっかりと誰と撮った写真なのかわかるように記録しておくべきだった。 …と、少しばかりの後悔を抱く。 誰かわかるまで頑張って知人や遠く離れた友達にメールで聞いて回ろっか…と、ゆるく且つ適当な案を出す。 そうと決まればベンチから立ち上がり、カバンをぶら下げる。 秋の温かい風に吹かれながら、そしてその風に浮かれながら歩いていると…。 不注意が災いしたのか段差で片足をくじき、そのまま顔面から木の下に積んであった落ち葉へすっ転ぶ。 幸運にも、落ち葉がクッションの代わりをしてくれたため大事には至らなかったが…。 「恥」と「幸先の悪さ」だけは、どうやら大事に至ってしまったようだ。 周りには冷たく刺すような視線、グループであざ笑う人などなどがいる。 (大人だし、すこしぐらいは周りを見て行動しよう) ゆっくりと立ち上がりながら服についた土などの汚れを手で払っている時、横から1人の女性が心配してくれたのか、ポケットティッシュを両手で持ちながら近付いてきた。 「先ほどは大惨事…でしたね、これ!よかったら使ってください。」 申し訳なさそうに受け取って二枚、ティッシュを取る。 そんな中そのティッシュからは、ほのかに落ち着く香りを振りまいて彼女を包み込む。 その香りで、何か思い出しそうなもどかしい感覚にかられる。 「この香りはね、アロマの香りなのよ!よくマッサージ店とかで気分をリラックスさせる時に使われてるものね。」 すると何か気になったのか、とっさにそのマッサージ店で購入したものなのか聞き出す。 「あぁ、これ?私が買ったんじゃないわよ私の“友人”に買ってもらったものなの。」 その友人は誰なのか…申し訳なさそうな姿勢で問う。 女性はこころよく誰なのか教えてくれた。 [千崎(ちさき) みどり]…それがその友人の名だ。 その名前を忘れないように、スマートフォンを取り出しメモアプリに記入する。 「私の友人のことなんて知って、どうするのぉ?」 メモアプリから、写真を開き二本のラムネへ移り女性の方に見せる。 この片方の子が誰だったか知りたいからと伝える。 「そうなのね…私は他人だから勇気づけられるような事はいえないけど、いつか見つかるといいわね!」 大きくうなずいて、感謝を述べたあと深いお辞儀をする。 「うん!頑張るのよ!大事なご友人だからね。よしそれじゃ私はここらへんでじゃあね!」 そのまま横を通り過ぎていき、綺麗な姿勢で去っていく。 その前向きに生きていく姿に思わず笑顔になって、両手をがっしりと胸の前で握ってやる気を全身と心の底から引っ張りあげる。 「絶対に見つけてあげる!」…と聞こえてきそうだ。 そして…その日から月日をおおきくまたぐこと。 約8ヶ月後の「夏」。 また、夏が戻ってきた。 でもまだ…「みつけられてない」。 誰なのか、いつどこで出逢った人なのか…。 夏になったら会えると思っていたのに「会えない」。 一つの「人物の名」だけを信じすぎていたのかもしれない。 「千崎 みどり」は今もいるだろう。 そんな根拠なしの考えが甘かったんだ。 わたしの頭の悪さが働いて、チャンスを逃しちゃったんだ。 この子が幸せなら…。 この子が不幸なら…。 考えたい…考えたくない。 そんな二つの感情と思考がケンカをしてしまったこの8ヶ月間。 −小さな悩みをラムネ瓶を飲んだ時に忘れられるか−  −大きい悩みを友達と共にラムネ瓶を飲んだ時に忘れられるか−  −ラムネのビー玉を取り、どこに飾り、どう可愛がるのか−  −瓶と顔をあげて、空をあおぐといつもとどんなふうに景色が変わって見えるのか−……。 いま、彼女はあのときと同じ場所でラムネを「一本」少しずつ飲んでいた。 「会えない」という結果が頭にこびりつき気がつけばラムネには「水」がついていた。 涙がとまらず…。 その涙を手で拭ってラムネを大切そうに握ったから…。 もう「会えない」。 それは…。 「この子」が「その子」と「会えない」。 過去に少なくなっていたラムネは彼女の命日を…。 −−表していた−− そして…その日…。 「彼女」は帰りの駅について電車を待っていたら、熱射病にかかってしまった。 もうまもなく電車が到着するとアナウンスが響き立ち上がったらフラフラとしてしまい、そのまま…。 電車のけたたましい汽笛と、ブレーキの音が轟いたら…。 彼女が助かることはなく、そのまま帰らぬ人となってしまった。 悲しい知らせはその日のニュースにもなり、この夏に命が散ったことを知った「あの子」は…。 供養のため、ラムネを一本持って彼女の墓に寝かせて置く。 「ごめんね…ごめんね…」 激しい悲しみが込み上げてきて、ほとんど言葉になっていない「ごめんね」を連呼する。 ついには言葉を発せなくなり、その場で泣き崩れて墓に数えれないほどの涙を落とす。 悲哀と後悔の空気がその場をくるみ、こだまする。 すると…気持ちが届いたのか、それとも気のせいであろうか。 耳元でラムネのビー玉がカラカラとなっている。 それだけでなく、無意識かおいたラムネを手に取ってラムネ越しに天を仰ぐと…。 ラムネから見えた景色が「いつもと違って見えた」。 どこか落ち着くような懐かしいような。 二人が今まで一度は感じたあの気持ち。 二人はいつまでも…[ラムネのように透明な恋人]

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ラムネ瓶

バトルシーン1/2「バッドノベル(粗悪小説)」

 わたしは、東京都青梅市北側に位置する家賃2万と心底不安でしかないオンボロ住宅で、朝から晩まで小説をはやく完成させられるよう筆を走らせている。 しかし…「さいきんは若者が小説を読まなくなった」…という小説家にとっては大がつく問題に直面してしまっている。 なにか小説を書く上で“気持ち悪さ”を伝えられれば…。 読者から悪い意味でも良い意味でも、店で並べられた時に一秒でも…目に留まるような小説を作らなければ。 “明るい小説”よりも、“暗い小説”は脳内にこびりつく。 人間の脳内に仕掛けられた“複雑”をどう解くか。 逆手に取るじゃあないがうまいこと使えば最上級の小説を実現できる。 それを探しによく今いる市から、未体験の場所へ遠征することも少なくない。 ノスタルジックな感情や、重々しい歴史を刻み込んだ場所で何かアイディアを掴もうと試行錯誤している。 ちなみにだが、現在は若者の街とよく散々言われている「原宿」へ来たばかり。 改札を出てからでも見える、元気な若者の集まり。 このような人だかりははっきり言って大の嫌いなのだが、これも創作のキーとなりうるなら耐えられる。 「?……これは、どこから…どこへ向かうんだ?」 人や車が多すぎて進もうにも、道が見えないから中々進むことができない。 人に聞くのもおかしい気がした、だからここは竹下通りを歩いている人と合わせる。 「あの通りを…そうだな、1時間はせめていようか。」 人波に飲まれる覚悟をもち、いざアイディアあふれる竹下通りへ。

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バトルシーン1/2「バッドノベル(粗悪小説)」

人生

「俺は俺なりの人生を歩んでいくッ!!お前ら赤色の他人には関係ないッ!何か用があるのなら“直接”俺に会いに来い!!俺はいつでも待っててやるからよ!」 仲間を殺され、恋人、家族を失ったヒトリの殺人鬼が大声で叫んでいた。 すでに殺した犯人の家で。 彼は正義感という“薬”に脳を焼かれた哀しき戦士だ。

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人生

自分に、鋭利な注射を

 人には偉そうに言い、自分のことは自覚、または理解できていないこんな自分の頭に鋭利な反省という名の注射を…。 私のこの頭の自己中というガンに終わりを…。 私の人生に鋭利な注射を刺さない終わりを…。

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いじめ

 いじめてくる奴らはすべて、「家族」と「友達」もいない自分だけしかこの世に取り残されていないかわいそうな人種だと思えば楽になれる気がする。 たとえ酷い言葉を投げかけられても、全部そいつの過去か今までやってきたことがブーメランとして返ってきている。 猿以下の知能を持っている生き物にわざわざ目や体や自身のプライドをむける必要なんてない。 お前はお前らしい生き方をしろ!

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仲間

挑発に乗るやつ三流、喧嘩買う奴二流、仲間と上り詰める奴一流。 仲間を大事にそして、自分も大事にできる奴らこそ最高すんだからな

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百合が好きな方、手を挙げて

「はいっ!」 「はいっ!」 気分が上がってる方、手を挙げて 「ハイっ!」 「ノー」 否定している方、調教してあげて 「はいっ!!!」

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GRIEFで登場する器具①「心との不接続」

 被験者(被害者)となる人の四肢を機械で拘束し、正しい順番で解除しないと被験者の四肢いずれかに向こう側が見える切り傷を拘束している機械の中の10本のカッターにより入れられる。 そして、外す人は一つ解除する毎に体内のどこかに仕掛けられた爆弾が作動しぶっ飛ぶので最大で5人の人間が必要となる。 制限時間は30秒。 ちなみに解除する方法はチェーンソーで機械の拘束具を切り落としていくこと。 もし時間内に成功しなかった場合、機械に空いた穴からカッターが勢いよく出てきて被験者をズタズタに切り刻み玉ねぎのみじん切りのように跡形もなく始末される。 相手と自分との「心との不接続」が起こらぬよう励むことだ。

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GRIEFで登場する器具①「心との不接続」

GRIEF 六話 「改変」

 改変  私の前職は建築関係の仕事だった。 腕がいい作業員と周りからよく褒められていた。 だが、どこか嘘のようにも聞こえてきたせいで全て信用していなかった。 が、立地はよく大変な作業をしていたとしても辛い気持ちにはならなかった。 新しめにできた会社でもあった為ガラスの先に広がる緑と、ウォーターサーバーなんかも常備してあった。 この頃の生活を二文字で言うなら最高に尽きる。 …こんな会社ではあるが、本当は評判が星一の最悪企業であった。 私の会社が手がける建物には地震耐性があるらしく、建ててほしいと言う人が多かった。 その一方で実は地震耐性などはなく、ただただ幾つもの膨大な金をむしり取るだけの悪質な会社であった。 そのせいで四年もしないうちに倒産してしまう。 今になって思い返せば倒産して当然だった。 しかし、当時はまだ若造だったからか稼いだ金より金が生む愛が勝ると思っていた。 そんな綺麗事に翻弄されて、金はかつかつなまま生き延びてきていた。 それからというもの人生が一気に酷いものとなり今に至る。 「……もうこんな名刺はいらないな。」 あんな思い出達とはおさらばするため、前職の名刺をバラバラに引きちぎり設置されているゴミ箱に捨てる。 「そろそろ…頃合いか。」 その後、パッとしない気持ちのまま西風に振り回されながら酒を交わし続けた。 その帰り道、西風は私の肩に手を回し回っていない呂律で私に喋りかけてくる。 「……もう無理するな黙って歩け。」 西風はふざけたような笑い声を出して、一歩踏み出した瞬間ふらついてしまう。 その拍子に足が絡まって二人仲良く倒れた。 「くっ…おい西風すこしは気をつけろ!っておいおい、大丈夫かお前立てそうか?」 問いかけても反応がないので不思議に思い、体を仰向けにさせ呼吸を確認する。 「呼吸はあるって事はまさか…眠ったのか?おいおい、こんなとこで寝るなんて勘弁してくれよ。」 仕方なく彼を背負ってそのまま駅へと向かう。 それにしても、体重五十二kgの男一人を背負っているものだから腰にかなりの負荷がかかってしまっている。 重い足取りで一歩ずつ、振り子のように横にフラフラとしながら前進していく。 背骨から伝ってくる痛みを不規則な呼吸で紛らわし、地面に落とさないよう腕に精一杯力をこめる。 限界が近づいてきた頃、目と鼻の先に腰を下ろせそうなベンチを見つける。 「あ!あそこにいけば。」 しかし、あと一歩のところで背丈の高い若い男と、さらに若い女が共に座ってしまった。 「くっそ、座られた…!」 二人はベラベラとくだらない話を交わしていて、こっちに気がつく気配が微塵もない。 「本当、どいつもこいつもメンタル弱えな馬鹿なんじゃねえのマジで。」 今この場にいるのは私と西風だけだが、よくもまあ公共の場であるのにも関わらず、他人を蔑視する事を大声で言えるものだ。 「マジでさ、俺そういう奴らは余裕で潰せるなんなら殺せる。」 腕を組んで隣の女へ偉そうに言った。 「…あの人の血液はアルコールで出来てるのか?」 このままいても仕方ないと思い、距離を離して消えてくれるか様子見するため後方へ回ろうとした時、男が近寄ってきた。 「邪魔なんだよ、なんなんだよさっきから俺たちを見やがってよ…ったくキメエな死ねや、先に言っとくが俺は口だけの馬鹿は大っ嫌いだからな。」 西風をベンチへ連れてってください…と女に伝えて連れて行ってもらった。 「覚悟しとけよ、てめえみたいなジジイなんぞ俺にかかれ…。」 最後の一言を言い切る前に真前まで歩き近づく。 「おい、テメェ近えんだよ!きっしょいなほんとによ。」 口が歪むほど右手の指すべてで強く塞いで無理やり黙らせる。 「彼女さんは一体何歳なんですか、歳次第では法に触れることになりますよ。」 私の右手を離せと言わんばかりに強く叩いてくる。 「しっかりと大人らしく、男らしく謝るなら見逃してあげます。」 質問に答えるどころか、爪を立てて皮膚を抉ってくる。 「…言葉で答えるのが正解です、爪を立てるのが正解ではありませんよ?そのくらいわかって下さい。」 爪が肉を突き始め、血がだらだらと垂れる。 奥にいる女がこの光景を見てしまい、顔が真っ青になる。 「私も鬼ではないので素直に謝ってくれれば、それでいいです。」 いよいよ片手に力が入りづらくなってきた、早いところ答えを出してほしい。 痺れが切れそうになった時、勢いよく手を振り払われて腹を蹴り上げられる。 しかも運悪く、先ほどの晩飯を吐き出しそうになってしまう。 すでに喉まで差し掛かってきていたが、吐き出すギリギリのところで堪える。 「こっち来いクソ野郎!」 わざと挑発に乗ろうとするも、少しでも下手に動けば、うつむかせた口腔から下方向に反吐の滝が流れてしまう。 「も、もういいじゃん!早く家に帰ろうよ。」 男が後ろを振り返って、優しい声色で待つように言う。 幸いにもあの女が気を逸らせてくれたおかげで、左ポケットにあるスマートフォンで録画機能を開始することができた。 「先帰ってて大丈夫だよ!俺は、コイツぶちのめしてから帰るから。」 私は二人を見下すように睨み、腹から駆けのぼってくる吐き気を呼吸で必死におさえる。 「早いうちに証拠を録って、ここから去ろう。」 それにしても、私とあろうものがここまで精神が使い回されて菌だらけのボロ雑巾のようになる予定など立てていなかった。 今のこの出来事、前々から絡まっているこのゲスい糸を断ち切り、私は自由になるんだ。 スピードは何事にも優先されるべき存在であり、信頼されるべき味方でもある。 「私は…こんなとこで立ち止まらないぞ…私は無敵なんだ。愛は“無敵…そして、絶対”と表裏一体……。」 「さっきからコソコソ独り言うるせえぞおっさ…んっ?うげっ!け、警察!?」 −何故、サツがきたかは知らんが、勝った…勝ったぞ!私は…ツイている!− 「そこの突っ立ってる君、署まで来てもらうぞ言い訳などは聞かない。」 「や、やっべえおい!逃げるぞモタモタしてねーで早くしろ!」 女と共に駅の中へ逃げ込んで行き、警察はその後を追いかけていく。 「こんな所でとめてくんじゃないよまったく……。」 ぽたぽたと血を下に垂らしながら前に歩いていく。 「大丈夫ですか!こ、こちらに!」 「ご迷惑をかけるだけなので…気にしなくていいですよ…それに警察のあなたもやるべきことが他にもあるでしょうから……わざわざありがとうございます。」 すると、警察はすこし困惑するも無理しないでくださいと言うと彼を立たせようとする。 「勝手なこと…!てか西風はこんな状況でも起きないのかどんだけ呑気なんだ…!」 まわりに聞こえないぐらいの声量で文句を垂らす。 西風は起きないわ、警察は余計な気遣いしてくるわで思うように事が進まない。 「あの…すみません私よりあの逃げた人らを追ってくれませんか?ケガは知り合いに包帯とかを買ってもらうので…だ、大丈夫…です。」 若干の人見知りを装っては手を離すようお願いする。 「そ、そうですか?…。」 そういうと、やっとこさ手を離してもらった。 「では、この辺で…この後大事な用事があるので急がせてもらいますよ。」 振り返ると、そのまま西風の方へ走っていく。 「おい、西風さっさと起きないかそのベンチだぞ。」 その後もいくら呼びかけても反応がない、しかし呼吸はあるので死んではないようだ。 「また担がないといけないのか?はあ…これからはコイツには酒だけは嗜ませないようにしておこう……。」 駅内へ担ぐのが面倒と思いつつも、このままここに寝かせておくわけにはいかないので、ゆっくりと駅内へ担いで進む。 そして、ホームに着くともう人はまったくおらずもしかしてと時間をみたらとっくに終電になっていた。 脳みそと価値が猿以下な男に絡まれなければとっくに自宅へ着いていて、バラバラの部屋で寝床につけていた。 「西風……は〜べつに悪くないか、本調子に戻ったら酒だけはやめておけって釘刺すだけでいいだけだし、なにしろコイツもストレスが溜まってたんだろうし。」 前屈みになりながら頬杖をつきぶつぶつ言いい、何気なく腕時計を見る。 現在の時刻は0時26分…。 「…ふ〜〜っ、それにしてもどうしたものかこのままここにいてもくたびれるだけだから…そうだネットカフェかどこかに泊まるか。」 スマートフォンを取り出し、パスコード“147580”を入力する。 「しまった通知切るのを忘れていたな、重要なメールはどれだか…仕方ないこれは自分のせいだな、あとでゆっくり返すとしよう。」 すると、横から二人の男子が話し合いながら前を通り過ぎていった。 その二人に鈴守はとある疑問と、既視感を抱く。 「あの二人どこかでみたような気が…たしかそれなりに有名なバンドだったような……。」 左肘をそのまま膝に下ろし、顔を彼らへ向けて手で口を覆う。 「まあいいか今はそんなことを気にする時じゃないし。」 彼らから視線を外し、スマートフォンに視線を動かす。 その途端、とある人からのメッセージを目にする。 “鈴守さんいまから署へ来てください、とある話があります”

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GRIEF 六話 「改変」