るち

15 件の小説
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るち

高校二年生 百合小説を書くのに今ハマってます

すべて私の計画通り

「彼氏できた」 夕暮れの帰り道。 いつもよりも弾んだ声でりずが言った。 「え?あ、そうなんだ。おめでとう」 咄嗟に言ってしまった。 全然おめでたくない 「美波〜さては寂しいんでしょ〜」 ころころと笑いポニーテールを揺らしながらふざけたように言う そんなりずに無性に腹が立った 「今度会わせてよ」 ぶっきらぼうにいった 「いいけど〜惚れないでね?」 惚れるわけない 2日後りずの彼氏だと言う男にあった サッカー部の見るからに好青年で爽やかな男だった。 「はじめまして。いつもりずから聞いてます」 無駄に明るい笑顔が癪に触る 「りずのどこが好きなんですか?」 「えぇーいっぱいあるけど笑顔がかわいくて誰にでも優しいとこかな」 照れながらその男が言う この男がりずのなにを知っているというのだろう 「もーやめてよ恥ずいじゃん」 そう言って軽く男の肩を叩くりずのほっぺも耳もりんごのように赤くなっていた 「じゃ俺部活行くからまたな」 男を見送るりずの恋する瞳とふっと吐き出された吐息が今まで見たことがないくらい美しくて少し恐ろしかった どんどん知らないりずになっていくみたいだった 「ねぇあの人のこと好き?」 嘘だと言ってほしかった 「うん。好き世界でいちばん」 頭が鈍器で殴られたみたいだった りずのいちばんはずっと私だった そうじゃなくなったなら私はーー 「振られた」 泣き出しそうな顔でりずが言った ちょうど彼氏を紹介してから一ヶ月ちょっとたったとこだろうか 「は!?なんで!?」 「他に、、、好きな人ができたって」 ぽろぽろと大粒の涙を流すりずはこの世でいちばん美しい 「なにそれありえない!私がりずのいちばんの味方でいるから。ね?泣かないで」 広げた腕にりずが飛び込んでくる りずからは甘い女の子の香りがした 「うん。ありがと。私にはやっぱり美波しかいないよ。大好き。世界でいちばん」 「うん。私も」 胸の中に顔を埋めたりずを見る 笑いを堪えながら強く抱きしめる これが私の愛の在り方 すべて私の計画通り

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すべて私の計画通り

とりかご

僕はここに囚われている 朝の重苦しい目覚め 今日が何日かも曖昧だ ずっと眠っているような感じがする 机の上に広げられた参考書だけが僕を現実へと引き戻す 「駿、起きてるの?」 耳障りな母の声 呼んでもいないのに部屋へと来る 思春期男子の空間を切り裂くように無理やり入ってくる こういうところだ 「駿、まだ寝てたの?早く勉強しなさい。あなたは賢くならなければいけないのだから。 いい?良い大学に入って良い企業に勤めるため。これも全部駿のためなんだからね?」 僕はあと何回このセリフを聞くのだろう 自分は専門学校出身のくせに何をわかりきったように言うのか 「早く降りてきなさい。朝ごはんできてるわよ」 あぁ本当にうるさい でも僕は反抗しない きっと自らこのとりかごにいることを心の隅で望んでしまっている だってこれ以外の生き方を僕は知らない シーツの暖かさに僕はいつまでも浸かっている だから僕はまだ眠る

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永遠に続きますように

あなたの寝顔を見る あなたの横顔を見る あなたの写真を撮る あなたの笑顔を見る あなたの泣き顔を見る あなたをずっと見ている あなたとくだらない会話をする あなたと大喧嘩する あなたと仲直りのケーキをいっしょに食べる あなたの美しさに溺れる この時間が永遠に続けばいいのに 一生あなただけ見ているから お願いだからどこにも行かないで ずっと私と一緒にいて

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リナリアに願って

「莉亜かーえろっ」 まっすぐで癖のない茶色い髪が揺れる 「うん。帰ろ」 私の髪は縮毛矯正した人工的なまっすぐさをもっている 前を歩く梨奈は制服のスカートを少しも曲げず、ダサいカーディガンもしっかりと着ている だけど誰よりも美しい 私が同じように着てもどうももさついてしまう 「今日ねー担任の先生がねー」 たわいもない会話も梨奈が話すと明るく変わってしまうから本当に不思議だ にこにこと笑う表情は家の庭で母が一生懸命育てているひまわりのようだった 「あー恋したーい」 夕日に向かって梨奈がさけぶ 「なんで恋したいの」 ちょっとした質問のはずが妙にトゲトゲしく言ってしまった 梨奈は少し考えるそぶりをして、 「んー華の女子高生だし、楽しそうじゃん恋人がいるの」 ころころと楽しそうに笑う その顔がなんとも言えないほど憎たらしかった 「ま、できるかわかんないけどーいい人落ちてないかな〜」 能天気な感じにも無性に腹が立った 私がいるのに

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はじめまして

はじめまして! 高校二年生るちです! こういう時って何書いたらいいかわからないですね笑 私は百合小説を書くのに最近ハマってます! もちろんそれ以外の恋愛ものも好きです 好きなことは小説を読むことと散歩と音楽を聴くこと! 苦手なことは絵を描くことと球技全般、、、 mbtiはenfjです!結構ふらふら変わります、、、 めっちゃ新参者ですが私の小説がたくさん見てもらえたらうれしいです! いつもいいねやコメントくると飛び跳ねてます、、、

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青春はキャラメル味

「青春ってレモンの味がするんだって」 箱からキャラメルを出す途中 突然横を歩いていた桜子が言った  「ほんとかな?」 「まぁ色んなことがあるし、恋とか。甘酸っぱいってことじゃない?」 「そういうことかー」 納得したような表情になる さっき渡したキャラメルはもう彼女の口の中でとっくに溶けてしまったようだ 「恋かーいいなぁ私もしたい」 ぐっと桜子の長い手が青い空に伸ばされる 「桜子もそんなこと思うんだ」 普段は全く恋愛に興味なんてなさそうなのに ざわざわする 「そういえばキスもレモンの味がするって言うよね」 「たしかに」 白く長い足が止まる 「してみる?」 大きな茶色い瞳が私を覗きこむ ぐらぐらと胸の奥がゆれる 言葉が出て来ない 開きかけた口がやわらかにふさがれる 桜子の甘ったるい匂いが脳を支配する たった一瞬だけれども永遠のように感じた すっと唇が離される 「瑠美甘い」 「さっきキャラメル食べたから」 必死に平静を装う 「レモン味は嘘だね」 ころころとなんでもないように笑い明日の時間割の話をする あまりにも自然な桜子に無性に腹が立った 「桜子は、、、初めて?」 くるりと振り返る 「どうだと思う?」  にやりと笑った 意地の悪いやつだ 「でも、 整った顔がぐっと近づく 「私はキャラメル味のほうが好き」 いつもの屈託のない笑顔で言った ああ、ほんとに 聞こえないように小さな声でそっと言う 「私もキャラメル味のほうが好き」

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夏めく二人

「ああ百合香。あなたはどうして百合香なの?」 階段の3段上で莉愛が言う 「ロミオとジュリエット?劇の練習?」 しれっとスルーして言う 「もー無視しないでよー。そーだようちのクラスの文化祭の出し物」 むっと頬を膨らませて言う 普段は大人びた彼女もこういう顔をすると一気に幼く見える 「なんかくじ引きで配役決めたらジュリエット役引いちゃって」 上手く仕組まれたくじ引きだと思った まぁ莉愛以上の適任はいないだろう 少し茶色がかった長いストレートの髪 大人びていてまさに清楚を具現化したような顔 ころころ変わる表情 きっとジュリエットが実在していたらこんな感じなのだろう 「責任重大じゃん。本番見に行く」 「ほんと?で今からちょっと練習付き合ってよ」 キラキラ輝く瞳で言われたら断れない 「ああ百合香。あなたはどうして百合香なの?」 さっきと同じセリフ 「台本通りじゃなくていいの?」 「だって百合香はロミオじゃないじゃん」 すっと息を吸う 「では私も百合香という名を捨てましょう」 3段の段を挟んで私たちの視線が交わる 遠くの方で野球部の掛け声が聞こえる 許されない関係の二人の視線を開いていた窓の枠に止まっていたセミの声が遮断する 「上手いじゃん」 挑発的な笑みを浮かべた莉愛はジュリエットには見えなかった きっともっとジュリエットは幼く純粋だ 「それはどうも」 だけどあの階段の下から見る莉愛はとても美しかった ロミオもバルコニーの下からジュリエットに魅了されていたのだろうか でもここにロミオがいたら間違いなく莉愛の虜になっていただろう ジュリエットより魅力的だ 「ね、帰りアイス買って帰ろ」 莉愛がいつもの無邪気な笑顔に戻って言う 「いいよジュリエット」 「莉愛って言ってよ〜恥ずいじゃん」 莉愛のロミオは誰なんだろう 高身長だが私よりは幾分か小さい莉愛がなんだか遠く大きく感じる 夏の大きな入道雲を背に夏服を着た莉愛がふわりと振り返る。それと同時に彼女のスクバについた大きなリボンもゆれる 「ああ百合香。あなたはどうして百合香なの?」 「いつまでやってんの」 ころころと笑う彼女を見て私もふっと笑う 「許されない恋って大変だね」 ぽつりと口から出る くるりと莉愛が振り向いてあの挑発的な表情で 「でもその方が燃えるよ」 そうだよ知ってる だから聞こえないように言った 「ああ莉愛。あなたはどうして莉愛なの?」

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未読スルー

1日待っても 3日待っても いつまで待っても既読にならない でも2週間ぶりに既読になってリアクションだけ返ってくる それだけで喜ぶ私は 今日もあなたに振り回される

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夏めく二人

「ああ百合香。あなたはどうして百合香なの?」 階段の3段上で莉愛が言う 「ロミオとジュリエット?劇の練習?」 しれっとスルーして言う 「もー無視しないでよー。そーだようちのクラスの文化祭の出し物」 むっと頬を膨らませて言う 普段は大人びた彼女もこういう顔をすると一気に幼く見える 「なんかくじ引きで配役決めたらジュリエット役引いちゃって」 上手く仕組まれたくじ引きだと思った まぁ莉愛以上の適任はいないだろう 少し茶色がかった長いストレートの髪 大人びていてまさに清楚を具現化したような顔 ころころ変わる表情 きっとジュリエットが実在していたらこんな感じなのだろう 「責任重大じゃん。本番見に行く」 「ほんと?で今からちょっと練習付き合ってよ」 キラキラ輝く瞳で言われたら断れない 「ああ百合香。あなたはどうして百合香なの?」 さっきと同じセリフ 「台本通りじゃなくていいの?」 「だって百合香はロミオじゃないじゃん」 すっと息を吸う 「では私も百合香という名を捨てましょう」 3段の段を挟んで私たちの視線が交わる 遠くの方で野球部の掛け声が聞こえる 許されない関係の二人の視線を開いていた窓の枠に止まっていたセミの声が遮断する 「上手いじゃん」 挑発的な笑みを浮かべた莉愛はジュリエットには見えなかった きっともっとジュリエットは幼く純粋だ 「それはどうも」 だけどあの階段の下から見る莉愛はとても美しかった ロミオもバルコニーの下からジュリエットに魅了されていたのだろうか でもここにロミオがいたら間違いなく莉愛の虜になっていただろう ジュリエットより魅力的だ 「ね、帰りアイス買って帰ろ」 いつもの莉愛の無邪気な笑顔が言う 「いいよジュリエット」 「莉愛って言ってよ〜恥ずいじゃん」 莉愛のロミオは誰なんだろう 高身長だが私よりは幾分か小さい莉愛がなんだか遠く大きく感じる 夏の大きな入道雲を背に夏服を着た莉愛がふわりと振り返る。それと同時に彼女のスクバについた大きなリボンもゆれる 「百合香あなたはどうして百合香なの?」 「いつまでやってんの」 ころころと笑う彼女を見て私もふっと笑う 「許されない恋って大変だね」 ぽつりと口から出る くるりと莉愛が振り向いてあの挑発的な表情で 「でもその方が燃えるよ」 そうだよ知ってる だから聞こえないように言った 「ああ莉愛。あなたはどうして莉愛なの?」

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恋のキューピッド

美月 「ね!久世くん、やっぱ美月のこと好きだって!」 親友の莉奈が嬉々として言ってきた。 「え?ほんとに?」 「ほんとだって〜」 その嬉しそうな顔にずきりと心臓が痛む 「でも私に恋人ができたら寂しくない?」 寂しいって言ってよ 「うーん。でも私にとっては美月の幸せがいちばんだから」 まだずきりと痛む 「もう付き合っちゃおっかな」 なにけ何気なく言ってしまった 「え?ほんと?」 びっくりした顔をして莉奈は言った。 「うん。本気」 何よりこの気持ちを忘れたい 「そっか。がんばってね!」 いつもの笑顔で笑った やっぱり私のことなんとも思ってないんだ わかっていたのにどんどん苦しくなる あぁ 言えばよかった 莉奈 3日後美月と久世くんが付き合った 側から見てもまあお似合いな二人だ 久世くんはずっと美月に片想いしていたらしい 幸せそうな二人を見ると少し胸が痛む 自分からけしかけておいておかしな話だ あれから美月と話すときはなんだかぎこちない 「あ、莉奈」 美月がこちらを見る あの美しい黒い瞳が私を捉える 「美月、、、と久世くん」 俺はおまけかよ〜とヘラっと笑う久世くんのが声なんて聞こえない 二人の組まれた腕を見るとなんとも言えない気持ちになる 「田村ー」 美月が先生に呼ばれる 「ちょっと行ってくるね」 その背中を久世くんは愛おしげに眺める 「ありがとな山下。俺が美月を好きって言ってくれたんだろ?」 そうだった。でもあんたのためじゃない。でも 「ほんと感謝してよねー」 悟られないように気丈に振る舞う 「ただいま久世くん行こっか」 幸せそうな美月の笑顔 あぁ 言えばよかった

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