如月 織兎
68 件の小説シルバーウィーク
暇だから、ダラダラします。 クラスメイトは、映画を見るとか約束している。 僕は、約束しても 裏切られそうです。 期待して損するのが僕なんで。 ゲームしてもいいな。 すぐに飽きるだろうけど。 アニメ見ても良いな。 選ぶのに時間が掛かりそう。 はー、何しよう。 なんもすることないから なんか想像しとこっかな。 好きな子とのデートとか。
再会の池
気が付いたら池の前に立ってた。森の奥深い場所。脚が痺れるまで走っていた。森の中はシーンとして、冷たすぎる風が吹いている。誰もいないと思ってたが、どうやら先客がいた様だ。彼女は、僕の少し右の方にいた。黒い髪が風でゆらゆらと揺れていた。僕は,彼女を見てすぐに気が付いた。彼女は寂しそうに池の方を見ていた。 「どうかしたのですか?」 気が付いたら声をかけていた。彼女は僕がいたことに気がついていなかったようで「わあっ」と声を上げた。 「すみません。」 彼女は頭を下げた。小さな子供の様に高く可愛らしい声をしていた。 「大丈夫ですよ。ここは落ち着きますね。」 彼女は辺りを見回してから言った。 「確かにいいところですね。」 彼女は少し黙り込んだ。その間,風がビュンビュンとなりここにいる僕たちを攻める様に聞こえた。 「ここの都市伝説って知ってますか。」 「いえ、知りません。」 「話してもいいですか。」 僕は都市伝説をあまり信じないほうだし、都市前説を聞かないタイプだ。しかし、真剣そうな顔で見つめる彼女を見て、なぜだかその都市伝説が気になってしまった。 「はい。」 彼女は、池の方を見つめると話し始めた。 「昔、病気で妻を亡くした男が石につまずいてこの池に落ちたらしいんです。この池をとても深くて暗かったが、少し経つと光が彼を照らし始めた。そこに現れたのが死んだ妻だったっていう話です。その話があるからこの池は再会の池と言われているんです。」 その話を聞いてなんだか本当にあった出来事の様に感じてしまった。奥の方に看板らしいものがあった。そこには彼女の言った『再会の池』と書いてあった。 「その後、その彼は?」 「冬の寒さで亡くなったと言われています。」 それを言い終わると彼女は涙を流し始めた。 「えっ」 僕が何かしてしまったかもしれないと思った。 「ごめんなさい」 それ以外僕は、何も言えなかった。目の前に泣いている人がいるというのに。 「実は、私少し前に彼氏を亡くしているんです。池の中に入ったら彼に会えるかもと思ってここに来たんです。」 よく見れば彼女に手は震えていた。この話は都市伝説だが、彼女は本当の事の様に信じている。池の中に入れば死ぬかもしれなくきっと怖いのだろう。涙で彼女の顔はぐしゃぐしゃになっていた。僕は、深呼吸をしてから、彼女の顔の涙を拭き取った。 「泣かないでください。彼に会いに来たんでしょ。どうせなら笑顔で会いましょ。」 僕は、無理やり笑顔を作った。こんな僕ができるのはこれくらいの様に感じた。 「…僕も一緒に行きます。」 「えっ」 「1人より2人の方が怖くないでしょ。」 僕は、言ってから少し後悔をした。会うのなら2人っきりの方がいいかもしれないと感じた。 「すみません。こんなこと言ってしまって。」 僕は、顔が真っ赤になった様に感じた。恥ずかしさと、ここに居ては、邪魔だろうと思い僕はこの場を去ろうとした。すると、彼女は僕の袖を強く掴んだ。 「下手したら死にますよ。」 今は秋だが今日は冬の様に寒い。確かに池の中に入れば凍死するかもしれない。 「いいんです。ここに来たのは死場所を探していてついた様なもんですから。」 今日この森の中に来たのは訳があった。会社の上司には責められ,同期にはいじめられ、友達は俺を避け、心のどこかでどんどん苦しくなっていた。そんな現実から逃げたくなってしまったんだ。彼女は、ずっと黙り込んだが、決意をしたように言った。 「ありがとうございます。」 彼女は申し訳なさそうな声で言った。 死ぬことは怖くない。今いる現実の方がよっぽど怖い。彼女と僕は池に、一歩足を踏み入れた。
夢
ゆっくり休もう。 もう、少し寝よう。 何も考えたく無い。 ゆっくりと、ゆっくりと 眠りにつこう。 眠る時、 僕は、綺麗な夢を見たいと思う。 綺麗で仕方ない 君の夢を見ていたい。
13年
前のお盆に祖父が言った。 「後、13年後に私はもういない。」 祖父がそう明るく話した。 私の祖父は仕事熱心な人だ。 朝早くから起きて、仕事に専念する。 そんな祖父も後13年すれば、90歳。 結構の長生きな方である。 だけど、そんな90歳になったら、死んでしまうと余命宣告な事をいう祖父には、少し切れた。 私からすれば、もっと生きて欲しいと。 しかし、祖父は速くに奥さん・・ 私の祖母を亡くしている。 愛するものを無くしてからも、 ずっと一生懸命生きたんだ。 祖母に会いたい。 そんな気持ちも詰まっているのでは無いのかと、 祖父の事を何も分かっていない 私は思った。 祖父は、その後昔話を沢山話し、 気づけば、12時になっていた。 「もう寝なさい。」 私は、頷き従兄弟と一緒に寝室に向かった。 祖父とは、別の家に住んでいるので、 祖父からの「おやすみ」を聞くのは、お盆の時くらいだ。 あと13回しか聞けないのかと思ってしまう。 お盆が過ぎて、もうすぐ敬老の日。 私は、何をしてあげればいいだろうか。 私は、祖父の事を考えた。 私は、思い出した。 敬老の日には、絵を描いていた。 私は、紙とペンを出し、 絵を描こうとした。 やっぱり書けない。 13回のカウントダウンが始まる様に 思ってしまったから。
嘘つき泥棒と・・
私が昔あった出来事。 「R君、付き合ったらしいよ。」 母が言った。 Rは、私の幼馴染。 親同士が仲が良く、小さい頃はよく一緒に遊んだ。 そして、私の約10年の片思いをしている相手だ。 「そうなんだ。」 私は、目から出る涙をぐっとこられた。 「もしかして、R君の事好きだった。」 母が聞いた。 「・・・ううん。好きじゃ無いよ。」 私はこの一瞬で嘘をついてしまった。 本当は、好きなのに。 だけど、それを言ってしまうと彼の恋の邪魔をしてしまう様に感じた。 私は、嘘つきだ。 嘘は、「泥棒の始まり」という言葉がある。 私は、嘘つきな泥棒。 そして、彼は私の・・・・ 「初恋泥棒」だ。
インフルエンザが過ぎ去るまで
学校の6時間目、数学で難しい問題が出た。あっ、分かった。僕の手は勝手に動く様に感じた。それをみていた先生が前に答えを書く様にと言った。書き終えると、クラスから、色々な声が聞こえてくる。 「すごい」、「難しかったのに」。 僕は、少し嬉しくなった。耳元が赤くなっている感じがあり、急いで席に戻った。椅子に座ろうとした瞬間だった。 「あんなんで喜んでいるなんて。」 後ろからそう聞こえた。振り返らなくても声で分かる。aさんだった。どうやら僕は、子供の様に思われたのだろうか。確かにそうかもしれない。 「だけど、喜ぶことが悪いことなのかな。」 僕は、ハッとした。いつの間にか口に出してしまっていた。後ろから、 「ちぇっ」 と舌打ちが聞こえた。 「本当にイラつく。」 なんだか心が重く、ヅキヅキとした。別に僕は何も悪い事をしていないと思ったが、相手に嫌な思いをさせてしまったみたいだ。僕は、謝ろうとした。だけど、 「ごめん」 という言葉が、僕から離れず、言う事ができなかった。 次の日、教室に入ると、雰囲気が昨日までとは違った。 「おはよう」 と声をかけても皆んなが無視をする。体調不良なのかな。最近インフルエンザが流行っているしな。だけど、なんでだろう。胸がぎゅっと締め付けられる。鞄を机に置こうとした時、僕の目には恐ろしいものが映った。机に落書きがされている。見つめているだけで苦しい。呼吸と心拍が速くなっているのに気がついたのは、ちょっと経った後だった。 逃げたいー 気づくと、足が勝手に動いていた。僕は、教室を飛び出した。歩いて来ている人とは逆方向に向かっていた。本当に僕って馬鹿だな。なんでこっちに走っているんだろう。だけど、足は止まらない。ずっと、ずっと走っていた。 学校を取り出した後も走っていた。息は上がっているのに、走る前からの息苦しさで上がっているのか分からなかった。すると、図書館が見えて来た。図書館の中に入っていった。何も考えたくなかった。現実から逃げたくなった。 「はぁ、はぁ」 図書館に入った瞬間、僕の足は止まった。走ったことでの息苦しさがあとからやって来た。苦しい、苦しい。もうとっくに限界は来ていた。僕はその場に倒れ込んだ。 目が覚めると、知らない部屋の中にいた。青い空が描かれた壁に温かみのある木の床、そして僕が今さっきまで寝転んでいた。緑の小さなソファー。此処は一体何処なんだろう。 「あっ、起きた?」 一人の女性が部屋の中に入ってきた。 「君、玄関の前で倒れてたんだよ。体調、大丈夫?」 「あっ、はい。」 僕は、立ちあがろうとした。今日は家に誰も居ないかな変に思われないだろう。 「もう帰るの?家に誰かいるの?」 「いえ、家には誰も居ませんが。」 「さっきまで、倒れていたんだからもう少し休んだ方が良いよ。お水飲む?」 彼女は、すでに手に水を持っていた。 「・・・すみません、頂きます。」 僕は、水を受け取った。水は今の時期には、冷たかった。けれど、なんだか落ち着く様な気がした。 「私も君くらいの時の時期に此処に駆け込んだんだ。」 「あのー、此処は何処ですか。」 「図書館の今は使われていない部屋。昔は相談室だったらしいよ。」 「そうなんですね。」 彼女はずっと笑顔でいた。こんなに自分に優しくしてくれる人なんて生まれて初めてだった。 「もう帰ります。」 「分かった。着たくなったらいて良いからね。」 彼女の声はとても優しかった。足を動かそうと、しても動かない。心では帰ろうと思っているのに。なんでだろうか。僕は、学校の事を思い出した。僕は卑怯者だな。今ある現実から逃げてしまって。 「最後に一ついいですか。」 「うん?」 「逃げたくなったら、どうすればいいですか。」 彼女は、首を傾げながら考える。少し経つと彼女の口から答えが出てきた。 「インフルエンザってあるじゃん。だけど、時期が終われば、去っていく。その時は皆んなマスクをしたりと対策をするじゃん。だから、自分を守れる場所に居ればいいんじゃ無いかな。」 その言葉は、僕の心に強く刺さった様に感じた。教室であった出来事での胸の痛みが少し和らいだ様に思った。 「あの・・」 「うん?どうしたの?」 「・・・・やっぱり、もう少し此処にいても良いですか。」 声は思ったより小さかった。 「うん、良いよ。ゆっくりしていって。」 その一言になんだか安心した様に感じた。インフルエンザだって、時期が過ぎれば収まっていく。僕は、ゆっくりと座った。逃げてしまった罪悪感は、少し残った。
夏がどんどん終わってく
夏休みの終わりかけ。 少し前までは、18時でも明るかったのに、 今は18時だと暗くなる。 「あぁ、どんどん冬になっていくんだな。」 そう思うと、少し寂しくなる。 夏の間は沢山の事があった。 蚊に9箇所ほど刺され、 深夜2時に起こされる。 親友とプールに行き、 浮き輪から水に落っこちる。 本当に大変忙しい夏だった。 だけど、年を重ねて行くに連れて、 夏の楽しさを忘れてしまうのは、 「嫌だ」 と思ってしまう。 夏をこんなに本気で楽しめるのは、 いつまでだろうか。 夏がどんどん終わってく 夏がどんどん終わってく。
2人の夏の花火
夏祭りの夜。いつもじゃ着ない浴衣を着て神社の鳥居の前に1人景色を眺める。目の前を見ていると、沢山の光で照らされた屋台が次々に並んでいる。私は暗闇の中に1人。携帯を鞄から取り出しラインを開く。一人の通話履歴を眺める。一番最新のところに『ごめん、別れよう。』とおとといの日付がついたメッセージを眺める。君の為に買った浴衣も君に見せれずに終わってしまった。ごめんね浴衣。心の中でづきづきした気持ちが心に残ってしまった。せめて、この浴衣を着てあげたいと感じてしまい此処まできてしまった。鳥居の前に10分。待ってもきてくれない彼を待ち続けてしまう自分がいた。待ったらきてくれるかもしれない。このデートで終わるかもしれない。そう心の底で期待してしまっていた。 「お待たせ」 声に釣られて前を向く。声が聞こえた時点で彼ではない事は分かっていたが、体が瞬時に動いてしまった。声の正体はクラスメイトの前田君だった。学校じゃあ見かけない彼を私服は、いつもと違い少し派手なTシャツを着ていた。彼の手元を見ると、一個のコーラの入ったペットボトルを持っていた。 「はいっ、どうぞ」 「あっ、ありがとう。」 そういえば喉が乾いていたな。私は、コーラを飲んだ。炭酸が口の中で弾ける。 「ねぇ、今から一緒に屋台回らない。」 「えっ」 「その素敵な浴衣姿にうっとりしてしまって。」 私はこくりと頷いた。彼は手をぎゅっと握った。心臓がバクバクと高鳴りを上げた。私は咄嗟に手を離してしまった。 「ごめんね、急に手なんて繋いで。手、繋がない方がいい?」 「うん、だけど誰かと繋がってないとはぐれそうで怖くて。ごめん、やっぱり私には無理だ。」 私は、帰る方向に歩き始めた。 「待って。」 彼は、ポケットから何やら赤い紐を取り出して、私の手に結び始めた。そして、自分の手にも結んだ。 「これで、離れ離れにならない。」 彼は、優しい顔で言った。私は、とっさに顔を背けた。なんでこんなにドキドキしているんだろう。 屋台を回っていたら、いつの間にか花火の時間になっていて、近くの花火が見える野原に人が集まってきた。だけど、前田君は人とは違う方向に向かっている。彼曰く「こっちの方がいい。」という。人混みを離れてからようやく安心できる気がした。 「河瀬君。」 「うん?」 彼は足を止めて、私の方を向く。 「今日はありがとう。」 「別にいいよ、なんなら急に誘った僕の方こそごめんね。」 「ううん。」 私は、ゆっくり息を吸ってから言った。 「前田君が今日来てくれなくたら、私ひとりぼっちだった。」 「僕もだよ。」 「えっ」と声を漏らしてしまった。 「ついたよ。」 彼は足を止めた。あたりを見渡すと神社の前だった。後ろからは、花火の音が聞こえてくる。階段の上に彼が上がろうとする足につられて私の足も歩き始めた。階段の中段くらいまで登ると「振り返って」と言われたので振り返った。 「わぁ〜」 花火が綺麗に見えた。赤、黄色とどんどん上がり、消えていく。 「ねぇ、気になった事があるんだけどさ。」 「うん?」 「私がコーラ好きなのも、私が人混み苦手なのも知っていたんだよね。」 彼は驚いたようにした後照れくさそう頭を抱えながら言った。 「君の事が好きだったんだよ。」 「えっ」 信じられない。私の事を好きだって言ってくれる人は居なかった。 「だから、急に君を誘った。君と一緒の時間を過ごしてみたかった。僕の勝手な気持ちで君を連れてしまった。」 「・・・」 「・・・ごめん。急にこんなこと話して。」 彼は、その場を立ち去ろうとした。 「待って。」 私は、彼の服を引っ張った。自分でもどうしているんだろうと思った。だけど、体が勝手に動いていた。 「私の隣にいて欲しい。」 「・・うん。」 彼は、何も言わなかったが、花火が終わる間一緒にいてくれた。その間、私はずっとドキドキしていた。この夏私は、別れと出会いを同時に経験した。
第1章②
家を出て数分歩くと、中学校が見えてきた。 「はぁー、大きい。」 三つの校舎が並んでいる4階建の学校。今日から此処に通うと思うと、ドキドキしてきた。門を抜けて歩いていると、木々が並んでいる。まるで、木のトンネルをみたい。生徒が多くいて、制服のスカートがゆらゆらと揺れている。 「すみませーん。」 後ろから、トントンと突かれた。振り返ると、1人の男の人がいる。背が高い、先輩かな。 「はい。」 「君、中1。だったら、玄関はあっちだよ。」 彼は私が向かっていた方向とは、逆を指差した。 「すみません、ありがとうございます。」 赤い顔を手でそっと隠しながら会釈した。 「大丈夫、よかったら案内するよ。」 「いえ、大丈夫です。では」 私は、その場を去っていった。 「大きくなったな。」 彼がそう言ったように聞こえたが、気のせいだろうか。 大きな看板に1年生玄関と書いてあるのが見えた。ほっと息をつく。玄関の前には、多くの中1がクラス表の前に集まっていた。中には、友達と円になって肩を組んでいたりしている人もいた。 「えっと、私のは」 1の1から順番に見て行く。 「あった、1の3、4番か。」 少し下を見ると、ある名前に目が入った。 「河瀬・・葵。」 もしかして、、、なんてわけないか。私は、下駄箱の方に歩いていった。兄なわけないよな。
第1章①
目覚まし時計のアラームがなっている。夢を見るのは好きだ。だけど、朝が来て現実の世界に引きづられるのは嫌いだ。だけど起きないといけない。そんな世界に私は生まれたんだから。今日もまた重い体を起こす。早起きしたって起こしに行く人なんていないけど。服に着替えてから下に降りた。キッチンに行くとジューと卵を焼く音が聞こえてくる。 「おはよう、純恋ちゃん」 風香さんが振り向く。もう髪が真っ白になるほどのおばあちゃんだが、笑顔が綺麗な方だ。 「おはようございます。」 私は何も言わずに風香さんの隣に立った。 「手伝います。」 「いや、いいよ。新品の綺麗な制服が汚れちゃたら大変だよ。今日は私がやるね。」 「すみません。」 私は、椅子を引き座った。テーブルの上には、今日届いた新聞が置いてあった。手に取り中身を見た。2枚目の部分には殺人事件の情報だった。 「この殺人事件そう遠くない所で起こっているね。」 「まぁ、こんな田舎ではそんな物騒な事起きないよ。」 風香さんが朝食の乗った皿を机に置いた。 「まぁ、早く食べなさい。遅刻するわよ。」 風香さんは来ないの・・・なんて言えるわけないか。私は、小さな口で食べ始めた。