TikTok小説家、東真直の自己紹介。2022/2/10
Noveleeをお楽しみの皆様、初めまして。TikTok小説家の東真直(あずままさなお)と申します。突然こちらにお邪魔したぼくですが、ちゃんと自己紹介を行ったことがなかったので、改めてこの場をお借りして、それに変えさせて頂ければと思います。ちなみにサムネの画像が金髪なのは、事実ぼくの髪が一部だけ金髪だからです。それでは本題に入ります。
TikTokで文章を書くなんてことを始めたのは、今から約2年前。当時はまだ小さなベンチャー企業の会社員でした。会社を辞めることは決めていて、辞めた後の自分に何ができるのだろう。そう思ったとき、ぼくにあったのは文章、声、動画編集、そしてSNSの知識でした。当時の職はYouTuberのマネージャーだったもので。
それら自分が持っている武器を総動員した結果、TikTokで小説を書く、というスタイルに行きつきました。現在はTikTok小説家として、日々500~1000文字前後の短編を動画化して投稿しながら、小説の執筆と販売、それらを行う自分の出版社『株式会社東仁社』の社長として経営なんかもしています。
TikToker、小説家、経営者。三足の草鞋を未だ履きこなせてはいませんが、どれも自分が選んだ道なので、それなりに楽しくやっています。
そんなぼくはここ最近、深刻なスランプに入っています。正直なところを申し上げますと、今こうして物語ではなく、日記のようなものを書いているのも、そのスランプ故だったりするのです。そしてぼくはスランプの原因が、なんとなくわかっているのです。恐らく、この一言に尽きるのでしょう。
「上手く書こうとし過ぎてる」
ぼくがこれまでTikTokで活動してこれたのは、文章が上手いからでも、声が良いからでも、当然イケメンだからでもありません。自分より文章の上手い人間も、物語の才能も、イケボもイケメンも数え切れないほどいます。そんな中で、こんなぼくが有難いことに19万人もの読者の方々に恵まれたのは、彼らの苦悩や想いを物語を通して、代弁してきたからです。
自分の口では言いづらいこと、誰にも相談できないこと。そんなどこにも向けられない心を、ぼくの物語を通して、昇華してくれているのではないかと思っています。ぼくの読者の多くは中高生です。彼らが共感し、共鳴し、ときに尊敬したり好きになったりしてくれた、ぼくが書いた物語の登場人物達は、彼らに語りかける、ぼくの分身のようでもありました。ぼくもかつて、そのように悩んできました。そして今、25歳になった今でも悩み続けています。歳を重ねたところで、悩むことにそう大差はありません。
閑話休題。
上手く書こうとし過ぎている。つまりは、ここ最近のぼくは『小説としての巧さ』ばかりに気を取られ、肝心な若い彼らの心を動かすことが、疎かになっていたように思うのです。伏線を貼り、綺麗な文章を書き、上手いと言わせて、だからなんだと言うのでしょう。そんな小難しい小説よりも、彼ら彼女らの心に必要な何かを、書かなければならなかった。きっと学生のときの自分は、そういう物語を求めていただろうから。
ぼくは小説を書きますが、しかし小説がほとんど読めません。昨年を通して読んだ小説は、1.2冊だったかと思います。買ってはみるし、読んでもみるけれど、どうしても活字が読めません。ぼくは、活字の読めない小説家なのです。でもだからこそ、ぼくの読者には同じように小説を普段読まない人も多くいます。「小説は普段読まないけど、東さんの小説なら読める!」そう言ってもらえるのです。それが何より嬉しく、同時に自分が中高生の時、自分もそんな本に出会っていれば、読書をもう少しできたのかな、なんて思ったりします。
上手い小説なんて、書けなくていい。
綺麗な文章なんて、書けなくていい。
そんなものは、世に溢れかえるほどいる真っ当な小説家の方々にお任せすればよいのです。ぼくは下手でもいいから、小説が読めない人だって読める小説を。活字が読めない人だって読める文章を。それが、TikTok小説家としての使命のようなものであるとすら、思うのです。それなのにぼくは、上手くなろうとした。自分が書ける幅が広がること、表現の選択肢が増えることは悪いことではない。けれどそれらは「どうだ上手く書けただろう!」と威張る為にあるのではなく、あくまで伝える為の手段に過ぎないということを、忘れてはならなかったのです。
長々とした自己紹介、というよりは自分の中の整理となってしまいましたが、ここらで終わりにしようと思います。最後にもう一度、ぼくの自己紹介を簡単にしてから、終わろうと思います。
ぼくの名前は、東真直。
TikTokerでも無ければ、小説家でもない。
職業、TikTok小説家。