Kazato

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Kazato

曲作ったり書いたり弾いたりしてる人

「すまない、ちょっと借りるぜ」 そう言って俺は左隣の席に座っている知らないおっさんのおでこに、卵をコツンっとぶつけて割り、牛丼に乗せた。 おっさんは突然の出来事に声も出せず狼狽えている。 するとおっさんの右隣の席に座っていた白衣を着たお姉さんが 「ごめんなさい、少し借りますね」 そう言っておっさんのおでこにコツンとぶつけ卵を割る。 おれは卵牛丼の上に醤油をかけようと思ったが、困った事に醤油が見当たらない。しょうがないな。 「すまねえおっさん」 そう言って俺はおっさんの甘辛いタレがかかったネギ牛丼のネギだけを自分の牛丼に乗せ勢いよく食べ始めると おっさんの目から涙がポロポロと溢れ始める。 すると白衣を着たお姉さんが 「あ〜勿体無い勿体無い」 と言って、スポイトでおっさんの涙を採取し、すぐさま小瓶に入れ栓をした。 そう、俺たちはおっさんの汁を調達する秘密結社。 これを使って世界征服を行うつもりだ。

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便器

遂に私は小便マスター1級の資格を手に入れた。あまりの嬉しさに、ソワソワしてしまい、なにかしでかしたくて昨夜初めてビデのボタンを押してしまった。 「遂に手に入れたぜ!一級!如意棒の操作はバッチリだぜ!」 そう呟いた後、早速小走りで自宅のトイレに向かい、便座を上げズボンを下ろす。 狙いをしっかり定め 「発射!」 と高らかに叫んだその瞬間 ピーンポーン と耳障りな自宅のインターホンが鳴り、パニックに陥った私は如意棒の操作を誤ってしまった。 便器の横には日本海ができており、完全にやらかした。しかしトイレの光のせいか、日本海はキラキラと眩い光を放っており、イルカの親子の幻覚が見えるぐらいとても綺麗に見える。 私はため息混じりに「ワオ… オーシャンビュー…」とそっと呟いた。

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便器

牛丼

秋の空気を感じながら男は牛丼特盛を頼む。 卓上に綺麗並べられている調味料全てを少しづつ、また丁寧に牛丼に振りかけ、最後に優しくそっと紅生姜を乗せ終えると、男は悲しげな表情でこう言った。「俺、かけれるものは全部かけるんすよ…」 店内は深夜1時とは思えないぐらい賑やかで、酔っ払い、大学生の笑い声が響き渡る。私は間髪入れずに、口からドの音と鼻からソの音で「汁だくですか?」と尋ねた。男は今にも涙が溢れ出しそうな瞳で沢山の調味料がかけられた牛丼を見つめながら「そうかもしれないね」と呟き、はにかんだ表情で牛丼とセットでついてきた味噌汁の蓋を開ける。その瞬間カウンターから 「287番でお待ちの方〜」と明るい声が店内に響き渡る。 どうやら私のネギ玉牛飯特盛チーズトッピングが出来上がったらしい。私はすぐに立ち上がりズボンのチャックを高速で上げ下げしながらカウンターに向かと小さな異変に気付いた。 「ちょっとちょっと困りますよ、私が頼んだのは温玉です。これ生卵ですよね?」とソの音で店員さん伝えた。 「失礼しました!しかしお客様、うちの生卵は和歌山県産で、普通の生卵と黄身の大きさが違うんです。」 「知らないよ!さっさっと作り直して!」 「申し訳ございません。分かりました。」 憤慨したまま私はズボンのチャック上げ下げしながら元の席に戻ると男は震えた手でまだ牛丼に調味料をかけ続けていた。

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牛丼