深潭 涅色

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深潭 涅色

小説を書かせて頂いています。少しでも小説から、感情が伝わるように心を込めて、贈らせていただきます。

何事にも、理由はあるらしい。

自分でもくだらないと思えるつぶやきを投げ、スマートフォンのボタンを押した。 肌に悪いため、今日も早く寝ることにする。肌荒れは女子に禁物だ。 うちの学校の制服はダサいから、スカートは折って短くして、髪は少しバレない程度にパーマをかけた。薄めにメイクをして、あからさまに校則破りをしないようにして、毎日過ごしている。 私はおしゃれをすることにこだわりを持っている。人それぞれ、譲れないものがあるのと同じような事だ。 でも。クラスのあの子。 いつも猫背。暗い顔。意見を言わない。声が小さい。エトセトラ… 見ていてとても疲れる。私ははっきり行って、その子が嫌いだ。譲れないものがないように見える。 はっきりと意見も言えないから、察しないといけない。空気が重くなる。 別に、“人それぞれ“だから、こだわりを持たないのがこだわりという人もいるだろうし、あの子のような人もいる。 しかし、人を受け入れる許容範囲もまた、“人それぞれ“なのだ。 何でも、言ってしまえば、“個人差“なのだ。 人は必ずしも人と仲良くなれる訳では無い。なんでも出来る訳では無い。それもよく考えた上での、“嫌い“。 どうしようもないし、どうしようとも思わない。私はあの子が嫌いなのだ。 でも。なぜ。 あの子の事で、こんなにも理由付けするのだろう。 嫌いなら、嫌い。好きなら、好き。 それでいいんじゃなかったっけ。 いつからか私は、なんにでも理由を求めるようになっていたみたいだ。 あとがき こんばんは。深潭です。 あなたは、物事の理由を自分の中で考えたりするだろうか? どこかで聞いた事のある、 “何事にも、理由がある。” 本当なのか。 直感は、感覚は、気持ちは、確かな理由にならないのか。 必ず根拠が、事実が、必要なのだろうか。 今宵は何も考えず、瞼を閉じて寝てください。 あなたがこの話の続きを待ってくれると信じて。

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何事にも、理由はあるらしい。

人の順位と自分のプライド

スマートフォンは画面を光らせている。時刻はもう深夜だ。それでも下へスクロールをする。 寝られない。寝不足だ。かと言って寝たい訳でもない。クマのついた瞼を擦って、スマートフォンを投げた。 明日はきっと。いい日に。そう願って仕方なく瞼を閉じた。今日は心地よく眠れそうだ。 翌朝。眠い眼を無理やり開かせるように顔を洗い、朝食を食べていつも通り学校へ向かう。 学校にはカーストという否が応でも、そこに見えなくても、感じ取ってしまうヒエラルキーのようなものがある。 周囲からの視線や人間関係、彼氏彼女の有無、性格、外見、センス… 全てこのカーストに組み込まれ、順位をつけられる。その中で同じクラスの生徒達と仲良くし、気を使い、悪く言ってみてしまえば、押さえつけ合うのだ。 放課後も、クラスメイト全員の気持ちが以心伝心するかのように、同じ気持ちでいるような気がして嫌気がさす。 外見もよく、性格もいい。彼氏彼女がいて、何時でも人気な“一軍”の人達は、誰とでも仲良くがモットーのように見える。私にはその姿が八方美人で誰にでも良い奴だと思われたいだけに見える。 “二軍”の人達は、上っ面だけは立派に繕う、裏でのモンスターのようだ。 “三軍”は、コソコソしているように見える。もっと堂々とすればいいのに、声が小さい。意思表示も薄い。一緒にいてイライラする。 とかく私以外の存在が煩わしくて仕方なく感じる。そうは言えども、私もカーストに入っているのだ。自分は入っていない意識でも、何処かしら周囲の人にカテゴライズされているはずだ。 自分は上から目線で他人をカテゴライズして、悪く言う。しかし、それを自分にやられていたら、そう考えると気分が悪い。 周囲が怖い。 そう思い始めたのはいつからだろうか。 あとがき こんばんは。深潭でございます。 連載で始めさせていただきます。 私の文章がどこまであなたの心に染み込むか、それをここまで書いた時、ふと思いました。実際、どうなのかは私は知る由もないのですが。 なので、どうか、あなたがこの話の続きを待ってくれると信じて。

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人の順位と自分のプライド

挨拶

あなたは知っているだろうか。 この世の全てを。 そう問いかける私も知らない。 知る方法もない。 何故問いかけたか。 それもあなたは知らない。 この世の全てに絶望した人の気持ちも、あなたは知らない。 あなたが知らないことで、損なわれたものもあれば、得たものもあった。 先程から、何の話をしているか分からない…? これは失礼。 名乗りもせずにあなたに問いかけた私はとんでもない不届き者だ。 しかし、ここは1つあなたに許しを請おう。 では、名乗らせていただきます。 私は、深潭 涅色。 この世の全てとは言わずとも、あなたの見聞を広めたり、感情を伝えたりする案内人である。 もしあなたがこれを望まないなら、これを閉じて他の方の元へ向かうといいでしょう。 さて、残ってくれたあなたに、私はいつまでも、ついて行きます。 是非私の話を聞いて、見て、感じて。 そこから何を得たか、失ったか、考えてみることをお勧めします。 私の話が面白くなかったなら、それはなんとも成長と言えるでしょう。 ここまで回りくどい言い方で悪かった。 私の話を聞きたいと願ってくれたあなたのために、私はこれから話をしよう。 では、御機嫌よう。

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