病葉
7 件の小説チューインガム
昨日柳の下にいた幽霊が、今朝起きると横に寝ていた 白く透き通るような感じの美しい女であった キスしようとしたけれどできなかったので、代わりにチューインガムを噛んだ
あじさい
あ アルファが欲しくて じ じっと見つめるウインドゥ さ サイフはノーというけれど い イタ車は痛車というけれど
天人五衰
バベルの塔の取らぬ狸 ー安部 公房 木が木じゃない 足がある 木々迫る 猿は去る 去る猿は追わず 牧神のパン屋が バンでパンを売っている 売りに行こうとしたら そのバンがパンクして パンは喰うしかなくて 羊もない そんな牧神の午後 永劫の時の中では 百年も万年も同じことと 万年床で天人午睡 牧神が踊る 天人も踊る ねえはんは涅槃にいく そこは時のない 保養地で 永劫の時も一瞬に過ぎて その時迄 休める処 あとがきです 意味不明な・・・ いや、別の話を書いていたら、横道に外れまして まったくね 読み専なんだけど偶に変なのをこちらに、です
短歌かな?
春はHal エウロパの春 金木犀 錦秋の秋 禁酒の秋 あとがきです 意味不明ではありますが 本人は短歌のつもりで 連想ゲーム的に綴ってる
愛の終わりは蛙の厄日
女がひとり、池の端、木の根元に座って幹にもたれていた 雨が降っていた 濡れた地面と時に落ちてくる雨粒を気にする様子がなかった 別れよう。忘れよう。もう会わない でもあの人のこと以外、何も考えられない どうすればいいのだろう 女はそう呟いて、虚な視線を池の水面に向けた 蛙が一匹、ぴょん、ぴょんと跳ねてくるのを捕まえると、後ろ脚を持って逆さ吊りにし、顔を上を向けて口を大きく開け、その中に蛙を落とした。そして噛みもせずに呑み込んだ あたしのどこが嫌なのだろう 怒ると目が細くなるのが怖いという やってる時、ハアハア言ってる唇の間から牙が伸びてそこから毒液が滴るのが見えて怖いと言うけど、あれに毒なんかない 何度も処女を捧げたのに いや、そんなのは一度でいいんだ、とあなたは言うけど 男の人は処女が好きだというから、たんびに処女だったのに、血が生臭いとか、その血に毒は無いんだろうなとか、いちいち洗うのが面倒くさいとか、文句ばかり 元が蝮なんだからしょうがないのに 蝮の化身だから、あなたに生命を救われたから恩返ししようと、精一杯美人になってあなたに抱かれたのに あなたはあまり嬉しそうじゃなかった 蛙がまた一匹、ぴょん、ぴょんと跳ねてきたのを捕まえると、後ろ脚を持って逆さ吊りにし、顔を上を向けて口を大きく開け、その中に蛙を落とした。そして噛みもせずに呑み込んだ そういえば、前に二人で池の端に座って月を見ていた時、あなたにもたれて幸せだったけど、傍に蛙がいたから捕まえて口に入れたら、あなたはすごく嫌な顔をして、蛙を食べるのか? てきいたけど、だって元々が蛇だもの 後で、キスしてって言ったら、気持ち悪いから、絶対に嫌だと言われた 蛙が三匹、ぴょん、ぴょんと跳ねてきたのを順に捕まえて、一匹づつ呑み込んだ なぜ蛙を食べちゃいけないのよ、人を人種や食物への趣向で差別してはいけないわ それから、部屋に行った時、蛇避けの御守りやお札が貼ってあった事があった なによ? てきいたら、友達のお土産だなんて 嘘だわ わたしを追い払いたいんだわ 助けられた恩返しをしたいだけなのに、あの人はなぜあんなに冷たいのかしら 愛してるのに 蛙がニ匹、ぴょん、ぴょんと跳ねてきたのを順に捕まえて、一匹づつ呑み込んだ やけ食いだわ 会ってくれるし、抱いてくれるけど、わたしを愛しているからじゃない 怖いからだというのね わたしの愛が迷惑だというのね 嫌なら嫌でいい、嫌いなら嫌いでいい、はっきり言って❗️ あなたの目を見てそう言ったら あなたは青い顔をして、震える声で そんなことはないよ て言ったけど ・・・ 蛙が何匹も、ぴょん、ぴょんと跳ねてくるのを順に捕まえて、片っ端から呑み込んだ もういいわ 二度と決してもうあなたには会わない 会うもんか 泣きながら、涙を溢れさせながら、蛙を呑み込み続ける蝮娘だった あとがき 読み専だけど、ツキイチくらいは投稿しようとおもいました
帰れ米太
米太と云う名の男がいて、私の彼氏であるのだ こめたと書いて、べーたと読む 普段はべーた、べーたと呼び捨てにしている ある夜、米太と会う約束をしていたら、米太の兄から電話が掛かってきた 母親が危篤だから、すぐ帰れ、と伝えて欲しい 直接電話した方が早いのに、と言ったら、あの馬鹿、こんな日に限ってスマホを忘れやがった そろそろ待ち合わせの時間だわ、と部屋を出て、エレベーターに乗った 一階を押す 5~4~3~2~1と表示が点滅して、扉が開くと、そこに米太がいた 思わず、叫んだ 「帰れべーたー、母さんが危篤だって」
飛行機雲
恋人よ 空に一筋 飛行機雲 歩いて上を 会いに行きたい