愛の終わりは蛙の厄日

愛の終わりは蛙の厄日
 女がひとり、池の端、木の根元に座って幹にもたれていた  雨が降っていた  濡れた地面と時に落ちてくる雨粒を気にする様子がなかった  別れよう。忘れよう。もう会わない  でもあの人のこと以外、何も考えられない  どうすればいいのだろう  女はそう呟いて、虚な視線を池の水面に向けた  蛙が一匹、ぴょん、ぴょんと跳ねてくるのを捕まえると、後ろ脚を持って逆さ吊りにし、顔を上を向けて口を大きく開け、その中に蛙を落とした。そして噛みもせずに呑み込んだ
病葉
病葉
読専なんですが