桜華
7 件の小説「第4回N1」 奇跡の姉妹
ミラは、妹であるエマを、素直に愛することが出来ない。 エマは美しい容姿や心だけでなく、ピアノとヴァイオリンの才能までも持っている。 それなのに、ミラには楽器を演奏する才能がひとつもなかった。与えられたのは歌だけ。 ミラは、両親に才能を認めてもらえるエマが、羨ましくて堪らなかった。いくら努力しても、両親は見向きもしてくれなくて、ただエマに対する嫉妬の感情だけが大きくなっていた。 『今日も私は何も出来なかった。 私には、エマに勝てるものが何もない。 私だって、毎日頑張っているのに。』 ミラの日記は、そんな内容ばかりだった。 ー ー ー 冷たい風と雪が降り注ぐ頃。 エマは、街で行われた小さなコンサートで、ヴァイオリンを演奏した。 ミラは楽器の音すらも聞きたくなくて、コンサートには行かなかったが、両親が笑顔で帰ってきているのを見て、エマが大活躍していたのだとすぐに分かった。 夕飯を食べている途中も、両親はいつものようにエマを褒めた。 「エマのヴァイオリンの演奏、すごく良かったわよ〜!」 「お父さんも、聴いていて心が落ち着いたよ。エマは本当に自慢の娘だ!」 ミラが早く部屋に戻ろうと思い立ち上がると、エマはこう言った。 「ありがとう。だけど、お父さん、お母さん。どうして私のことばかり話すの? 私は姉さんの歌の方が、何倍も素敵だと思うわ」 「ーーそんなことないわ。エマの演奏の方がずっと素敵よ」 ミラはごちそうさま、と小さく言って、自分の部屋に戻った。 部屋のドアを閉めた瞬間、エマの素直な言葉が心に刺さり続け、ミラは涙が止まらなくなった。 地球と金星は姉妹のような惑星と言われている。だが“奇跡の星”と呼ばれるほど、地球は生き物に適している環境なのに比べて、金星は地表の温度が高くて、到底暮らしていけるような環境ではない。 きっと、その違いと同じだとミラは考えた。エマは人を惹きつける演奏をしているけど、私の歌には魅力がない、と。 「……っ」 考えれば考えるほど溢れてくる、暗い気持ちを紛らわすために、ミラはひたすらに好きな曲を歌った。 音が外れたり、声が震えたりすることがあっても、気にせずに歌い続けた。 ーーすると、「姉さん」とミラを呼ぶ声が聞こえた。 ミラが歌を中断してドアを開けると、エマはミラを真っ直ぐな瞳で見つめながら、ゆっくり話し始めた。 「私、姉さんの声も、表現の仕方も全部大好き。だから、お父さんとお母さんの言っていたことなんて気にしないで! 私は姉さんにずっと、歌っていてほしいわ!」 ミラが呆然としていると、エマは「歌の途中だったのに、邪魔してごめんなさい」と言って、部屋に戻ってしまった。 ミラはエマが行った後、また歌を歌い始めた。 この時のミラの歌声は、今までとは比べられないほど自信に満ちていた。 ミラは十五分ほど歌うと、机の前に座り、日記を書いた。 『今日はとても不思議な一日だった。 今までエマに嫉妬していた気持ちが嘘のようになくなった。 これからも歌を続けたい。 誰かのためではなく、自分のために。』 ー ー ー 翌日。またエマがミラの部屋にやってきた。 エマは少し照れくさそうに言った。 「あのね、姉さん。私最近、作詞作曲をしているの。それで姉さんに歌を歌ってもらいたくて……」 ミラは満面の笑みで「もちろん歌うわ!」と答えた。 ミラがエマの部屋にいくと、レコーディング機器とピアノ、ヴァイオリンがあった。 「姉さんなら歌ってくれると思って、前に買ったおいたの!」 「そうなの? ありがとう…………この歌詞、エマが書いたの? とても私好みの歌詞だわ」 「姉さん、褒めすぎよ。そろそろお話は終わって、一緒に曲を作りたいわ」 「そうね、分かったわ」 それから二人は毎日、一緒に音楽をするようになった。 ー ー ー 一ヶ月後。ミラとエマはひとつの曲を完成させた。 曲名は“Planet”。 この曲には、〈惑星はそれぞれ異なる特徴を持っていて、美しさがある。それは人や動物、植物も皆同じだ〉という意味の歌詞が書かれている。 両親もすっかりミラの歌の虜になり、「今まで見てあげられなくてごめんね」と謝った。 ミラは「謝ることなんてないわよ! お父さん、お母さん、私に歌をくれてありがとう!」と言った。 ミラとエマは“Planet”でデビューすると、街だけには留まらず、国中で大人気となった。 『今日はエマと一緒に、音楽ユニットとしてデビューできた。 もうきっと、エマを羨ましがることはない。 私にはエマの隣に立てる、歌があるから。』 ミラがデビュー日に書いた日記には、そう書かれている。 後に世界中で有名になり、奇跡の姉妹と呼ばれるようになることは、まだ誰も知らない。
[小瓶の手紙]片方のラブレター
貴方とは、小さい頃から少しふざけ合ったり、意見が一致したりするところがあって、話しやすいな、なんて思っていた。 ただ、それだけだったのに。 いつからか、なんて覚えていない。 気づいた時には、貴方と話すだけで、なぜか緊張するようになっていた。 この気持ちの正体を知った時、私は貴方との関わりを断とうとしていた。貴方に迷惑をかけてしまいそうだったから。 でも、貴方は今までと変わらず、私と仲良くしてくれたよね。 優しくて、人気者だけど、少し抜けてるところもある。 こんな私のことも“親友”だと言ってくれた。 だから私はここで、貴方への“この想い”とお別れをするね。 貴方のことが大好き。 これからも、私と“親友”でいてね。
一緒に小説書きませんか?
まだ始めて三ヶ月ほどしか経っていないのですが……誰か一緒にコラボ小説書きませんか? 上、中、下に分けて書きたいので、二人募集します。 一緒に書いてくれる方はコメント欄にコメントを残して下さい…! ↓↓↓まだ続きます↓↓↓ もし、三人以上コラボしてくださる方がいらっしゃいましたら、先にコメントしてくれた二人と一作品仕上げてからコラボすることにします…! コラボに関しては以上です…! コメント待ってます…! 期限はありません❌ いつでも気軽にどうぞ☺️ 【コラボメンバー】 一作目 ・透さん ・黒影イズナさん 『これまでのあらすじ』 緋園アイはごく普通の女子高生。可愛いものが大好きで、勉強も友達との関係もそれなりに上手くいっている。 だが最近、そんな“いつも通り”の生活が退屈だと思い始める。 ある日、アイは不思議な夢を見る。 ピンクの壁紙が貼られた、広い部屋の中にいる夢である。 部屋の中にはガチャガチャ、ぬいぐるみ、クレーンゲームなど、アイが好きなものが全て揃っていた。 アイはその夜、夢の中を一人で楽しんだのであった。 それから暫く、アイは夢の中限定のピンクの部屋で、楽しい時間を過ごしていた。 だが一週間ほどたった頃だろうか。 「つまんないなぁ」 そう呟いたのであった。 ー ー ー 次の日。アイの夢の中には〇〇が現れた。 ただ、この日の夢は少し違っていて、いつものピンクの部屋ではなかった。 そこは自然に包まれた夜景が広がる、美しい場所であった。 月明かりを頼りに自然の中を進むアイ達。 初めは暗い道を進むことを恐れていたものの、周りを見渡しているうちに景色に見惚れ、少しずつ歩き出した。 「……」 アイ達は言葉を発することはなかった。それほどまでに景色に見入っていたのだ。 川に橋の如くかかった丸太の上を歩けば、ポツンっ、ポツンっ、と灯籠が流れてくる。 灯籠はまるで蓮の華のようで、魅せられてしまうほどに綺麗でーー。 気づけば優しい気持ちで包まれて、二人して川に身を投げていた。 暖かい。温かい。心地いい。ふんわりで。 ずっとこのままで居たい……。 そんな気持ちでいっぱいだった。 だが二人の気持ちは楽しい、ではなかった。 不思議な感覚なのに安心感がある。 言葉には表しきれない、初めての気持ちだった。 ー ー ー 目が覚めるとまだ夢の中にいるかのような感覚だった。そもそもあれは夢だったのだろうか、と考えるほどに。 そんな不思議な感覚のまま、アイは学校に行った。 昨日の夢は何だったのか。 なぜ突然空間が変わったのか。 そもそもあれは夢なのか。 考えるほど謎が深まっていく。 ぼーっとしながら席に座ると、〇〇がアイの方に駆け寄ってきた。 「おはよーアイ!」 「おはよ〜……。ねぇ、ちょっと変な話だけど、昨日夢の中でウチら一緒にいたんだけどさーー」 「マジ⁉︎ ぁあしも夢ん中で一緒にいてさ、トウ、ロウ?だっけ?がめっちゃ綺麗だったよ!」 「え、嘘っ、ウチも同じ夢だったんだけど……」 「えっマジ⁉︎ じゃあぁあしら夢ん中で記憶的な?感じあったぁとかじゃなくて純粋に夢をシェアしてた的な?」 「そーゆーことか、も。ねぇじゃあさ、あれってホントに夢なのかなぁ?」 二人の話は次第に盛り上がっていった。 「分かんない、とりまそーゆーことがあるのかググってみてるけどないわ」 「うん、でしょうねww……それはそうとさ、ウチはちょっとからあぁいう夢見てて、その時はピンクピンクって感じで、ザ・ウチが好きなものみたいなとこだったんだよね〜」 「えぇ〜いいなぁ。ぁあしも行ってみたかったぁ」 「でも段々飽きてきちゃってぇ……」 「飽きるほどいたの⁉︎ うらやましー」 「あっ! そうそう! つまんないって思ったら次の日あそこに変わって〇〇と一緒にいたんだよ!」 「夢って飽きたら変えられんの?」 「分かんないw ここまで来たら夢なのかなんなのかも分かんなくなってくるよね〜……」 「ね、なんなんだろうね……」 キーンコーンカーンコーン 「あっヤバいチャイムなっちゃった!」 二人は急いで授業の準備を始めた。 ー ー ー
イマジナリーラブ
突然ですが、私は恋をしています。 相手は、クラスで唯一、私と仲良くしてくれる男の子。 休み時間、彼は優しい笑みを浮かべて、 私と一緒に話してくれます。 他のクラスメイトは、そんな私のことを見て、 ヒソヒソと何かを言っています。 だけど私はなんとも思いません。 彼と話している間は、周りのことが気にならないくらい、 楽しい時間ですから。 ……当然、ドキドキもしますけどね。 ー ー ー そして、数ヶ月後。 遂に私は想いを伝えることにしました。 「貴方のことが好きです。付き合って下さい」 心臓は、どくん どくんと高鳴って、手足は震えている。 返事が来ない間に、風がいくつ吹いたのでしょうか。 緊張して、顔を上げられない。 だんだんと、汗もかいてきてしまう。 勇気を出して彼の方を見てみるとーー ーーそこに彼はいませんでした。 クラスメイト達の冷たい視線と言葉だけが、 私に向けられていたのです。 「何あれ、ヤバくない?」 「流石に引くわ〜」 それから暫く時間が経って、ようやく理解できました。 “彼”は、ただの幻だった。 最初から“彼”なんていなかった。
幸せ
馬鹿馬鹿しい理想が言えることが、幸せ。 誰かがそばにいてくれることが、幸せ。 世界が色づいて見えることが、幸せ。 たくさんの音が聞こえることが、幸せ。 体が自由に動かせることが、幸せ。 読み書きができることが、幸せ。 友達や家族、大事な人がいることが、幸せ。 どんなに苦しくても、 辛くても、 少しでも幸せと思えることがあるのなら、 それは貴方が幸せであることの証。 幸せだと思えることが、幸せ。 さぁ、今日も“幸せ”を探してみよう。
Thank you goodbye.
「ありがとう」 そう書き残して、君は空へ逝ってしまった。 病気でもない。事件、事故でもない。 自らの決断で、命を絶ったのだ。 どうしてこうなったのかなんて分からない。 あまりに突然のことだったから。 嘘だと思いたかった。 認めたくなかった。 だから泣かなかった。 泣かないようにしていた。 ぼんやりと青空を眺めながら歩く。 道中、ふらつきながら着いた場所は、君の墓。 花束を添えて、手を合わせる。 途端に感情が溢れ出し、涙が零れる。落ちる。 涙を流す度に何かを失っているような気分になる。 「今までありがとう。気づいてあげられなくてごめんね…」 もう直接言葉を交わすことはないけど、この声は届いてほしい。 君のありがとうはさようなら。 また何処かで出逢えるのなら……。 その時は「久しぶり」って、笑顔で言わせてね。
自己紹介
初投稿なので、自己紹介しようと思います。 名前は桜華(おうか)です。 趣味はゲーム、読書、お絵描き。 好きな食べ物は甘いもの。 嫌いな食べ物は昆布やレーズンなどなど…。 好きな曲は「忘れじの言の葉」や「回る空うさぎ」など…他にもたくさんあります。 短いですが、自己紹介は以上です。 これからよろしくお願いします。