「第4回N1」 奇跡の姉妹

「第4回N1」 奇跡の姉妹
 ミラは、妹であるエマを、素直に愛することが出来ない。  エマは美しい容姿や心だけでなく、ピアノとヴァイオリンの才能までも持っている。  それなのに、ミラには楽器を演奏する才能がひとつもなかった。与えられたのは歌だけ。  ミラは、両親に才能を認めてもらえるエマが、羨ましくて堪らなかった。いくら努力しても、両親は見向きもしてくれなくて、ただエマに対する嫉妬の感情だけが大きくなっていた。 『今日も私は何も出来なかった。  私には、エマに勝てるものが何もない。  私だって、毎日頑張っているのに。』  ミラの日記は、そんな内容ばかりだった。
桜華
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