フルティ
6 件の小説恋に満ちる
僕が恋をした人物は楠茜(くすのきあかね)すごく強くて、強靱で、優しくて、親切で、運動神経が良くて、スポーツが得意で、、可愛くて、可憐で、それで僕が‥恋焦がれている人だ。そんな物語の女主人公として出てくるような彼女を今日も高校の2年2組の教室のはじから眺めていた。 「はぁー〜〜〜」 (恋焦がれているって言っても茜とは住む世界が違う。子供の頃から声優として活躍していて今じゃテレビにもたくさん出ている。コミュ力もあって僕とは対照的な存在だ。唯一接点があるとすれば幼稚園からの幼馴染ってことだけ。まあそれだけでも最初は男子達に羨ましがられて目の敵にされたっけ。こんな冴えない男だとわかると去ってたけど。) 「はぁ〜ぁ」 「なーにため息ついてんの菊!」 そう僕の名前は重松菊。そしてこいつは寺松祐介。代々伝わる有名な寺の長男で僕の能力を唯一知っている親友だ。ほんとに由緒正しき寺の長男ってくらい現代っ子だ。僕はゆうって呼んでる。 「なっなんでもないよ、ゆう」 僕は茜からとっさに目を離し手に持っていた本のページをめくった。 「また茜ちゃんのこと見てたんでしょ。」 ゆうが悪戯な笑みを浮かべてからかってきた。顔が火照る。 「いぇい図星。まあ菊のことだし茜ちゃんのことを考えていたらますます自分と生きる世界が違うとか思って自分に落胆したんじゃないの?」 あまりにも図星すぎる。 「俺は推すけどな〜。高嶺の花と冴えない石ころカップル、なんかギャップ萌えって感じあっていいじゃん?」 「それ慰めてる?」 「慰めてる、慰めてるよお。」 ゆうの目が死んでる。すると思い出したようにゆうが言った。 「そうそう、今日おれんちくる?じいちゃんいないから今日俺1人で寂しいし、どうせお前も1人暮らしなんだろっ」 ゆうが捨てられそうな子犬のような目で訴えてくる。一瞬弟いるだろと思ったけどゆうの弟は修学旅行だった。 「わかったよ、いくよ。」
リリーの花園 4章
「まあ、よかったじゃん。もしあのままいい展開になってたら、多分君殺されるよ。」 「あわわわわわ。」 私は、突然のイケメンの登場とそのイケメンの立場(帝王)のダブルパンチでまた失神しそうになった。笑笑‥ (ってヤッバイ。リリー!どんなことがあっても逃げちゃダメって昔死ぬほど言われたでしょ!‥あれ?誰に言われたんだっけ?あーもうそんなこと今どうでもいい!こんな時どーすれば‥そうだっ!) 「申し訳ありません。ご無礼をお許しください」 (これしかない(泣)) するとイケメンが何かを堪えたような顔になった。 (おっっこられる‥) 「あはっあはははっそんなに迷ってっぐふっどんない言い訳するかと思ったらっっ‥君、面白いね」 「よく、言われます。」 「そか‥w」 「失礼のついでにお聞きしてもよろしいですか。なぜ私の部屋にわざわざいらしたのでしょうか?」 「あーそうそう。これから俺のための宴があるらしいかっらお前も体調戻ったんならこいよな!それと俺の名前かルピセナ様ってよんでくれよな。」
恋に満ちる
僕は超能力者だ。 助けてと念じると水平線?のような永遠に続く濡れない水と人1人、生き物一ついない街に放り込まれる。 能力に気づいたのは、小学生のとき、いじめを受けていた僕は、助けてと念じた。そしたら、そう。あの世界の裏側に落ちた。 世界の裏側。僕はそう呼んでいる。最初上空から世界の裏側に落とされている時に見た、見慣れた街やビルと浅い水の組み合わせが神秘的に見えたからだ。はじめは、綺麗だなと感動してたけどだんだんと不安になっていった。何たって僕は、臆病で弱虫でネガティブ!1人、知らない場所。それを自覚した瞬間怖くて震えが止まらなかった。まっ5分ぐらいで戻ってきたんだけどね。その後もよくこの能力を使って逃げた。すると、だんだん能力に慣れたのか世界の裏側にいれる時間が長くなっていった。 前置きは長かったけど、そんな僕も恋をした。
リリーの花園 3章
「知ってる?明日、陛下帰ってくるらしいよ」 「えーっ!ほんと!?何ヶ月も帰ってこなかったもんね。じゃあ明日はお祭りかな。」 「しかも、ルピセナ王国建国日と重なるから大騒ぎね!」 「あっリリーは陛下と会うのは初めてだよね。」 「うん‥」 (陛下との初対面楽しみだけど大丈夫かな) 「すごい。金色のカーペットだ。」 あのあと一日中陛下を迎える準備で忙しかった。 「みんなー陛下が見えてきたよー。」 (はっ!) 金色のカーペットの奥の大きな馬車から男の人が降りてきた。 (イケメン!イケメンだわ〜!) その人は、高身長、気品溢れる姿、そして何より!この整った顔立ち‥ (あれ?この方‥‥痛っ) 急に脳が張り裂けるような痛みに襲われた。と同時に、何か風景も見えた気がする。 「おいっ大丈夫か!」 「ゔっ」 倒れるって思ったら、目の前にさっき馬車から降りてきたイケメンがいた。 そのまま放心状態の私をそのイケメンは抱き抱えて病室に連れていった。 そして‥ 気づいたらもう日が暮れそうになっていた。 (そのイケメンは抱き抱えて‥のところで、やっとラブシーンが‥!と思った方もいただろう。私もその1人だ。) 「あー!もう何であんなすぐ眠っちゃたんだろう!」 「寝てなかったらもっといい展開になってたかもしれないのにね。」 「うん。そう!ってえっ?」 後ろを振り返るとニヤニヤとしたあのイケメンがいた。 「まあ、よかったじゃん。もしあのままいい展開になってたら、多分君殺されるよ。」 次ー回リリー!絶対絶滅ー!
リリーの花園
「はぁーい、誰ですかぁ?」 「はっ初めまして、今日から王城に入ってきました。リリーです。よろしくお願いします!」 「あー、今日噂になってた子だねー。よろしく〜」 そういうとショートカットの可愛らしくて、おっとりしている女の子が、部屋を案内してくれた。 「こっちが、寝室でーこっちがリビングー。これで一通り案内は終わったかなっわっ¥&/@「-」/「))&¥:」 バターン! その子は何もない床に転んだ。 「大丈夫ですか‥?」 (けっこう、ドジな子だなぁ。) そしたらそのドジな子は、勢いよく立ち上がった。 「まっまだ自己紹介をしていなっかったね‼︎私はサナリーナパルチェ、気軽にサナって呼んでね!」 (ふふっ。まだサナ、目回ってる) 「じゃあ、食堂まで夕飯食べに行こうか。」 「うん!これからよろしくお願いします、サナ。」 天井が高く、おくゆきがある食堂。 パンの香ばしい匂い。みんなの騒ぐ声。 「はぁー〜!ここが食堂かぁ。すごいですね!サナ!」 「でしょーこの国は使用人の待遇一番いいと思うんだよね〜。」 「はい!」 「うわぁ〜うんっま。」 パンの中からカレーが出てくる。 「へっへへー」 さっきまで固唾を飲んで見つめていたサナは、嬉しそうに鼻を高くした。 「ふー、お腹いっぱい。ありがとサナ。」 「お礼を言うならシェフに言ってよねー。」 「でもサナにも言いたかったの。」 (今日は楽しかったな。) ルピセナ王国北部 「陛下、こちらはひととおり終わりました。」 「ああ、わかった。」 陛下と呼ばれる人物は、魔獣を討伐していた。 「陛下ぁ最近魔獣少なくなってないっすか?ここ十年ぐらいは爆発的に多かったのに。」 「新しい聖女でも現れたんじゃないか。それよりも仕事をしろ。帰れなくなるぞ。」
リリーの花園
不思議と涙が溢れてくる。 何年も昔に覚悟していたのに、何で今更‥ 「およそ十年前、この王国ルピセナ帝国には、悪い王様と、暴君の皇太子様、狂ったお姫様がいました。しかし下町に潜んでいた英雄ギルバード様が悪い皇族を倒して国をルーシャミ王国改め、ルピセナ王国を平和にし新しい王様になりました。なので、この帝国はきっとずーっと平和が続くことでしょう。」 パタン‥ (‥狂ったお姫様か。なにしたら狂ってるって言われんだろ) 私には前世の記憶がある。あるって言っても少しだけ前の名前と知識。だから、今まで孤児院でテストがあった時はいつも首席だったことと、院長が公爵家と親しい中だったこともあって、王城で働けることになったらしい。と今日知らせがはいった。まあ今まで色々お世話になったし、前世の記憶を全部取り戻せたらなという淡い期待もあって受けることにした。 「リリー準備はできたかしら?行くわよ〜」 この人はジョブス。オネエ風の院長先生。公爵の遠い親戚で一番世話になっている人だ。 「うん、わかった。今行くー」 「本当に大丈夫なの?今からでも断っていいのよ」 心配そうな顔でジャブス先生が顔を覗き込んできた。 「大丈夫、大丈夫、正直すんごい楽しみなんだから。」 私がそう答えるとジョブス先生はリリーもそんなに大きくなったんだと呟いていた。 「これからあそこで働くのか〜」 私は窓の外に見える華やかな城を遠目で見ながら階段を下りた。 「リリーちょっといい?」 「なーにこれ?」 ジョブス先生の手には桜色に光る珠が埋め込まれたペンダントがあった。 「これはね、あるお方が最期にくださった物よ‥」 ジョブス先生は悔しそうな目をしながら話してくれた。元々ジョブス先生はある方の護衛をしていたそうだ。その方とは、優しくおとなしいけれど陽気で勇敢な人だったらしい。だったというのはその 方はもう若くして亡くなったそうだ。しかも濡れ衣を着され殺された。最後の方ではジョブス先生の目には光るものがあった。 (ジョブス先生にそんな過去があったなんて) 数分後 私は孤児院のみんなに見送られながら門の外にでた。王城までは、約1時間 。昔、孤児院で一緒だったジルに教えてもらった近道を行きながら進んだ。今ジルは子供のいない農家に引き取られ畑仕事などをしながら楽しんでるらしい。時々手紙もらう。私は森を抜けて商店街を散歩がてら王城に向かった。門の前では優しそうな感じ人が立っていた。 「待っていましたよ。あなたが今日から城で働いてもらう、リリーさんですね。」 「はっはい。」 「私は、マリー・シュミレット。シュミレット伯爵家の次女マリーよ。よろしく。」 「あー、よろしくお願いします。」 (あれ?伯爵家?次女‥ってお貴族様ーーー!) 「すっすみません!シュミレット様。」 「ふふっ。そんなに固くならなくて大丈夫よ。 」 「私のことは、マリ姉って呼んでちょうだい。城を案内するわ。」 私は、マリ姉に言われるがまま王城を探索した。マリ姉は、新しい帝王のメイドになってから半年でメイド長になったらしい。すごい。しばらく経って1人の青年が声をかけてきた。 「よう、マリ姉。新人か?それと少し老けたな。」 (えっ何言ってるの?) 「あんたこそ小物感が増してまるで赤ん坊みたい。」 (マリ姉⁉︎) 「ちっまりババアめ。」 そういうとその青年は悔しそうに去っていった。 (あっ嵐みたいな人だった。仮にもメイド長をババアよわばり‥) 「あいつのことは気にしなくていいわ。まあ、あなたもそんなにかしこまらないで。」 「はっはい、ありがとう‥ございます、」 その後は、色々な書類にサインを押したり、自己紹介などをしたりで忙しかった。 そして‥‥念願の部屋と飯。 ここにくる前、ジョブス先生に聞いておいたのだ。部屋は2人部屋で、ご飯は、ここの王城のシェフが振る舞ってくれるみたい。 (よーし、最初は部屋だぞ!一緒になる人優しかったらいいな。) コンコン‥ 「はぁーい、誰ですかぁー。」