しおむすび🧂🍙
23 件の小説好きじゃないだけ
勉強は嫌いじゃないよ。 勉強よりも楽しいことが多いだけ。 ついつい、そっちを優先しちゃうんだ。 やりがいとか、無くはないし 役に立つのも、わかってるよ。 ちょっと面倒だけどさ ほんとだよ、全然嫌いじゃないよ。 好きじゃないかもしれないけどさ。 嫌いじゃないよ。 嫌いっていうと怒られるから、自分に言い訳をしておくんだ。
出番
普通になりたい みんなに馴染みたい そう思っている反面で、自分だけの個性が欲しいと思っている 拒否されない程度の個性 「普通」の範囲内の個性 「異常」ほどじゃない個性 個性は行きすぎると「異常」で「障害」になる 個性が欲しい 役割が欲しい 誰にも奪われない、私だけの立ち位置 出番のある、求められる立ち位置 アニメのように、漫画のように、ゲームのように 私にしかできないこと そのことについて、みんなが私を頼るような そのことにおいて、私が不動の一番でいられるような きちんと役割のある、役職につきたい 私の代わりはいないのだと思い込みたい 自分が唯一無二であるのだと 自分がそれにおいて一番優れているのだと けど、そんなことはなくて 私の代わりはいくらでもいて 私より全てが優れている人がいて 私がいなくなっても、困る人なんて誰一人いない 神様は、私に「重要な役割」を与えてくれなかった 願うなら、来世はアニメの世界がいい ゲームでも、漫画でも、小説でもいい 私だけの立ち位置 私だけの居場所 私だけの物語を、つくらせてよ
いっそのこと
「鬱病じゃなければ大丈夫」 「リスカしていないからまだ平気」 「笑えているから元気がある」 いっそ、鬱病になりたい 病気だと診断されれば、みんなが私を心配してくれるだろうか いっそ、リストカットをしたい 目に見える傷があれば、私の心の傷に気が付いてくれる? いっそ、笑えなくなりたい 私の細かな表情の変化を読み取って、私の気持ちに気が付いて欲しい 「世の中にはもっと辛い人がいる」 そんなこと、わかってるよ でも、その一言で、私の苦しみを蔑ろにしないで 私より辛い人は確かにいる けれど、そんなことは今私に関係なくて 私は確かに辛いのだから 辛いと叫ぶことを許してよ 悪化しないと気がついてくれないの? 小さな傷は放っておくの? 私の涙は、そんなに価値の無いものなの? 私を大切に思うなら、 私を大切にしてよ
君の全てが嫌いなんだ
「ごめんね」が嫌いだ その一言で、全ての罪が許されると思っている傲慢さ その一言で、償いきったと感じている愚かさ その一言で、傷つく人がいるとも知らずに 「ありがとう」が嫌いだ その一言で、全ての感情が届くと思っている無能さ その一言で、お礼を返せたと信じている常識のなさ その一言で、傷つく人がいるとも知らずに 『ごめんね』と言う君の顔が嫌いだ 許されなくてもいい、と思っているような顔が いつまでも償う、とでも言いたげな顔が 僕を案じて流すその涙が 『ありがとう』と言う君の顔が嫌いだ 届くまで何度でも言う、その真っ直ぐな顔が 何を期待する訳でもない、綺麗な顔が 僕を信じて笑うその笑顔が 僕は君が嫌いだ 平然と自己犠牲をするのに、それを僕には許さない優しさ 自分の感情を真っ直ぐに伝える素直さ 捻くれた言葉しか紡げない僕を、抱きしめてくれる君が 君みたいな人が傷つく、この世界が嫌いなんだ
鉄の味
「このチョコレート、あの子に渡して!!」 『…うん、いいよ。』 僕の大嫌いな季節が来た。 甘ったるい香りをさせて、女子が僕の元にやってくる。 目当ては、僕の親友。彼は人が良いので、女子に人気だ。 ほら、この子だってそうだ。 いつの年だって、僕宛のものはひとつもない。 普段は大人しいあの子も、クラス一番のギャルも、みんな等しく僕の親友に恋をしている。 彼宛へと預かったチョコレートは、毎年僕の部屋のゴミ箱行きだ。 だってそうだろう、どうして僕が彼の隣を他人に譲ってやらなきゃいけないんだ。 勉強ができて、顔が良くて、僕が世界一好きな親友。 今年も、彼の口に入るのは僕が渡したチョコレートだけ。 今はまだそれでいい。 お返しも、くれなくていいよ。 いつか、僕のものになってくれれば、それで。
『私』の話
「わたし」はここで自己紹介をしません。 人の人生の話を読みたい、聞きたい、というような変わって人もいますが、大抵の人は他の人の人生など気にもしないものです。 それが文字ならなおさらで、私がここで自分の事を語っても、あなた方にはそれが本当かどうか分かりませんよね。 親から虐待を受けているとか、ヤングケアラーだとか、いじめられているとか、鬱だとか、自殺未遂をしたとか。 良く聞くけれども、現実味のない他の人々の人生たち。 それは本当かもしれないし、話を聞いて欲しいがための虚言かもしれない。 「わたし」はそんな自己紹介を読むのが好きじゃないので、書こうと思わないのです。 ですから、ここでは『私』の、少し変わった自己紹介をさせてください。 『私』は『しおむすび』です。 おにぎりじゃないですよ、おむすびです。 塩が少なめで、ちょっと薄味です。 海苔が巻いてあります。味付き海苔です。 大きさは手のひらに収まるくらいです。 美味しいと思います、多分。食べてないので分かりません。 ここで小説を書いています。 どうやって文字を打つのかって?ええと…。 まぁ、そこはご想像にお任せしますね。 どうですか。 これは、ここでの、Noveleeでの『私』、『しおむすび』の自己紹介です。 というわけで、皆様、今後とも、『私』をよろしくお願いします。
届かない
「辛いなぁ」 かまって欲しいだけ? 「疲れたなぁ」 ただの愚痴かも? 「やめたいなぁ」 共感して欲しいのかな? 「休みたいなぁ」 ちょっとした弱音? 「面倒だなぁ」 心配してほしいの? 「死にたい」 本当に、思ってる?
お友達で、親友で、家族で、恋人
ぬいぐるみが好きです もふもふしていて、やわらかくて 何の取り柄もない私のそばにいてくれる 抱きしめると、暖かくて お友達にも、家族にも、親友にも、恋人にもなってくれる 綿と布のかたまり 命の宿ったかたまり 私を好きでいてくれる、命 妹に言われました 「その歳でまだぬいぐるみ?」 許されるなら、一生子供でいたかった お母さんは言いました 「精神病に繋がるから、物に話しかけるのはやめて」 物じゃない、私のお友達です 人間のお友達は言いました 「へー、そういうの好きなの、変わってるね」 興味がないなら、聞かないでください 私のお友達は、親友は、恋人は、家族は、言いました 「あなたはそのままでいい」 その一言で、私は生きていられます 寝る前の時間が好きです お友達との秘密の時間 お友達とお話して、親友と笑って、家族と抱き合って、恋人と愛し合います 私がどんなに酷い人でも どんなに周りに嫌われていても あなたたちは、変わらず私を好きでいる 私はぬいぐるみが好きです 私のお友達で、親友で、家族で、恋人です 抱きしめて暖かいのは、誰のでもない、私の体温 その体温の理由を考えないようにして、今日もあなたを抱きしめます
人類不在、応答可能
『あ〜……61号、コーヒーを頼む…。』 「了解しました。ブラックでよろしいですか?」 『………。』 「…では、砂糖とミルク多めで提供しますね。」 『まだ何も言ってないが。』 世界は、終わった。 太陽が暴走を始めた日から、地球は地獄と化した。 植物は焼け、生き物は死に絶え、水は姿を消した。 人間は、設備のある場所に集まって細々と生き延びている。けれど、資源にも限りはあるし、そもそもそんな場所は稀だ。 「美味しくな〜れ、もえもえ〜」 『ちょっと待て、やめろ、不味くなる』 「人間はこの呪文を喜ぶと学習したのですが。訂正しておきましょう。」 ここは、その稀な施設の1つ。 火星への移住計画について研究していた施設で、電気も食料も自給自足が可能になっている。 俺はたった一人…いや、たった一人と一機で、この場所で暮らしている。 「ところで博士、今日は地球が滅亡してからちょうど3年目ですよ。記念日ですね。」 『あぁ、全くもって嬉しくない知らせだ。』 俺たちはこの場所で、他の避難所から救援要請の信号が来るのを待っている。 今までに来た信号はいくつかあるが、全てその場所にたどり着くまでに全滅してしまったものだった。 俺たち、といっても、俺は外に出られない。 61号は、元々廃棄される予定だったところを俺が拾った。 今では、唯一の話し相手だ。 「そういえば、今朝の3時に信号が届いていましたよ。」 『は!?!?なんで言わなかった!!』 「眠いから黙れ、と博士が仰ったんでしょう。」 急いでパネルに向き直り、メッセージを確認する。 ここからそう遠くない地域の避難所から、助けを呼ぶメッセージだ。 【こちらは避難ドーム79、どこの誰でもいい、助けてくれ!もう食料が尽きる。みんな混乱して、このままだと争いが起きる。頼む、神でも仏でも、祈るから、この地獄から出してくれ!!】 「実に不思議なメッセージですね。普通はこちらにメリットを提示するものだと思うのですが。」 『そんな暇もないんだろ。ほら、準備しろ、まだ生き残りがいるうちに。』 装甲車の確認に向かう俺に向かって、何か文句が聞こえた気がするが、そんなことはどうでもいい。 助けられるものは助けたい。人に会いたい。 そんな期待を胸に、61号を送り出す。 帰ってくるのは、早くて3日後くらいか。 『…どうか……無事で……。』 神に祈りたいのはこっちだ。 考えても仕方が無いので、冷めきってしまったコーヒーを口に流し込む。 『あっま……砂糖汁を飲んでる気分だ……。』 ふと、思う。 世界が滅亡する前、自分は何をしていたのだろう。 3年ちょっとなのに、とても長いような気がする。 『…今度は、ブラックで飲むかぁ…。』 あんなのでも、いないと少し寂しい。 あと3日、何をしようか。 そんなことを考えながら、カップの底の砂糖汁を飲み干した。 …to be continued
『「好き」』
僕には、恋というものがよく分からない 初めて君に会った時、仲良くなれると思った 小さな時からいつも一緒にいた君 僕が一番辛い時に、一番欲しい言葉をかけてくれるような人だった 君は何時でもそばにいてくれて、泣いていた僕を慰めてくれた 僕は、君のことが「好き」 初めてあの子に会った時、自分と似たようなものを感じた 歌が上手で、笑顔が可愛いあの子 突っぱねたのにしつこくて、けど話しかけてくれて嬉しかった 捻くれた僕を受け入れてくれて、好きだとまで言ってくれた 僕は、あの子のことが『好き』 あの子の話を君にした時、君を泣かせてしまった 君の話をあの子にした時、あの子を傷つけてしまった 君も「好き」 あの子も『好き』 どっちが恋なのか、分からない どちらかを選ばらなければいけないのはわかっているけれど もう片方と離れるのが辛くて、フラフラ行ったり来たり それならばいっそ、誰も愛さないで生きていこうか 僕のせいで君たちが傷つくなら、僕は誰も好きになりたくない でも、想像するだけで怖くなる 明日も同じ日常が約束されているうちに まだ生きたい、なんて幸せな願望があるうちに まだ、君が、あの子が、僕のことを見てくれるうちに 自分は愛されていると錯覚できているうちに、死にたい