おぐりん

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おぐりん

初めまして。 性格:INFJ-t型、 HSP 、軽く病んでます。 ぼちぼち投稿していきたいです。

ひび割れた闇

 放課後、誰もいなくなった教室で、椅子に座った細身で背の高い少年の前に、もう一人の少し小柄な少年が立っていた。背の高い少年はハインリヒ、もう一人はコンラートといった。 「ハインリヒ、君は本当に大丈夫なの?」  コンラートは不安そうに、いつも冷静なハインリヒの顔を見つめていた。最近のハインリヒはどこか様子がおかしかった。学校でも元気がなく、時折遠くを見るような目をしていた。体調が悪そうなときも多いが、それを隠すかのように彼は微笑み、決して本心を明かそうとしない。 「大丈夫さ、何度も言っただろ?」  ハインリヒは少し疲れたような笑みを浮かべて答えたが、その目はどこか遠くを見つめていた。彼の心の中には、誰にも言えない思いが沈殿していた。 「でも……最近、君、少し変だよ。何か隠していることがあるんじゃないか?」  コンラートはおずおずと言った。ハインリヒは少し戸惑った様子を見せたが、すぐにいつもの穏やかな表情に戻った。 「隠していることなんて、何もないさ。君が気にしすぎなんだよ、コンラート」 そう言って、ハインリヒは机の上に置いた教科書を閉じ、鞄にしまった。しかし、その動作もどこかぎこちなく、疲れ果てているようだった。  コンラートは机に座ったまま、ハインリヒをじっと見つめ続けた。何かがおかしい、という不安は消えない。彼の背中に見えない重荷がのしかかっているように感じた。 「……君、僕に話してくれてもいいんだよ」  コンラートの声は静かだったが、その中には深い思いやりが込められていた。どんなに強く見せても、ハインリヒの内面は繊細で脆いと言うことをコンラートは知っていた。  しかし、ハインリヒはそれでも首を横に振った。 「僕は大丈夫だよ、ほんとに。君に心配かけたくないんだ」  同じように繰り返されるハインリヒの言葉を聞いて、コンラートは少し苛立ちを感じた。ハインリヒはいつもそうだ。自分の感情を押し殺して、周りに気を遣いすぎているように見えた。 「ハインリヒ、僕は君が心配なんだよ。一人で抱え込むなよ。」  コンラートは声を少し強めたが、その瞳には優しさが滲んでいた。  ハインリヒは一瞬ぎくりとしたが、すぐに苦笑いを浮かべた。 「君がそんなふうに強い口調で言うのは珍しいね……」  コンラートは何も答えず、ただじっとハインリヒを見つめた。 「……僕にとって君はかけがえのない存在なんだよ。」  コンラートは静かにそう言った。  その言葉に、ハインリヒは一瞬だけ目を伏せ、少しの黙っていた。そして、再び口を開いたとき、その声はかすかに震えていた。 「……そうか。君がそう言ってくれるなら、僕は何も言えないな。でも、僕には……自分の価値がわからないんだ。だから、誰かのために生きることしかできないんだよ」 「ハインリヒ……」  その言葉を聞いた瞬間、コンラートは、ハインリヒが自分を大切にしたくてもできないでいることを悟った。  コンラートはハインリヒに歩み寄り、優しく肩に手を置いて言った。 「君は大切だよ、僕にとってこれ以上ないほどに。君自身がそう思えなくても、僕はいつもそう思ってる。」  ハインリヒはその言葉にはっとしたが、彼の目には依然として虚さが宿っていた。 「……ありがとう、コンラート。嬉しいよ……君の言葉は嬉しいけど……」  言いながらハインリヒは椅子から立ちあがろうとしたが、激しい胸の痛みと立ちくらみを感じ思わず膝をついた。 「……っ!」  胸を押さえたハインリヒは、苦しそうに小さく息を吐いた。 「ハインリヒ!」  コンラートは慌ててハインリヒを支えた。 「……何でも、ない……ただ、少し……疲れただけさ……」  そう言った次の瞬間、彼は咳込み出した。 「.....っごほっ」  口元を抑えたハインリヒの手の指の間から血がゆっくり流れていく。 「ハインリヒ?!」 コンラートはぎょってして、ハインリヒの手を掴んだ。手のひらを見ると、彼の白い痩せた手に赤い血がべったりとついていた。 「ははは、そんなに慌てることないさ、いつものことさ....」  ハインリヒはこの期に及んで無理に笑いを浮かべてそう言ったが、呼吸は浅く、その顔は透き通るように青ざめていた。 「いつものことって....」  コンラートは言った。 「君、こんな状態で、今まで一人で耐えていたのか……」  ハインリヒは無気力な表情を浮かべ、遠い目をしていた。 「気にしないでくれ……本当に、大したことじゃないんだよ……」  ハインリヒは独り言のように、自分に言い聞かせるようにそう言った後、しばらく黙り込んでいたが、ふいに優しく微笑んだ。 「君には、迷惑をかけたくなかったんだ……だから黙っていた。そう、君にだけじゃない、いつも僕は周りに対して気丈に振る舞って来た。でも...僕は....本当は....僕と言う存在を...これくらいで終わりにしたいんだ....誰にも知られずにね。」 その言葉を聞いたコンラートは、心臓が止まるほど衝撃を受けた。 「終わりにするなんて、そんなこと...」  コンラートは言いかけて、口をつぐんだ。彼の心の傷が予想以上に深いことを悟ったからだった。  ハインリヒは一瞬だけ戸惑いの表情を浮かべたが、すぐにその顔は普段のような穏やかなものに戻った。「ありがとう、コンラート……本当に。こんな僕を気にかけてくれて。でも、これは僕の問題だ。僕自身が、どうにかしなければならない」  教室の窓の外では雷鳴が轟き、雨が窓ガラスを叩きつけるように激しく降っていた。 「たとえ君がどれだけ拒んでも、僕は君の味方でいたいんだ。」  コンラートは涙を抑え、きっぱりと言った。ハインリヒは溜め息をつき、力なく笑った。 「君は本当に、まっすぐだな……でも、そんな君だからこそ、僕は救われるのかもしれない....」  雨音だけが響く教室で、二人はしばらく沈黙したまま、ただその場に佇んでいた。 「……言うべきじゃないと思ってたんだ。誰にも、特に君には……」  ハインリヒは静かに口を開いたが、その顔にはいつものような強気さはなく、何処か暗い影が差していた。 「……実は、僕は...父親から...疎まれているんだよ....」 「.....」  コンラートから見たハインリヒと父親はいつも和やかに見えたので、この告白はコンラートにとって予想外だった。  ハインリヒは続けた。 「母には...父親と出会う前に深く愛していた人がいたんだ....その人との間に子どももできた...でもね、その人は事故で亡くなった。その後……今の父が現れた。彼は母に無理矢理結婚を迫り、子供を堕ろさせたんだ」  コンラートはその言葉に息を呑んだ。 「無理矢理……? それで何故君はお父さんから....」  ハインリヒはうなずいた。 「僕は、血は繋がっていないのに、どこか母の恋人に似ているらしい。それが父親の気に入らないんだ。 そして、父親は母親の恋人に対して常に憎しみと嫉妬心を持っている.... だから、父は僕に……暴力を振るうんだ。やり場のない感情を僕にぶつけるんだ....でも、母には知られたくないから、彼は僕にだけその顔を見せている。」 「……そうだったのか...」  コンラートは言葉を失った。彼が想像していた以上に、ハインリヒが背負っているものは重く、痛々しいものだった。 「だから、僕はずっと隠してきたんだ。母を守らなきゃいけない。母がそのことを知ったら、心が壊れてしまうかもしれないから…それでなくても母親はすでにひどく傷ついているから....母親からは何度か...なんで僕が生きていて....その子が生きていないんだって...言われた。」  ハインリヒの声は次第にかすれ、瞳には涙が浮かんでいった。母親を守りたい気持ちと、自己否定の感情、そして父親に対する憎しみの気持ちで、ハインリヒは押し潰されそうだった。 「……僕が病気だってことも、誰にも知られたくなかった。母にも君にも……父にも、僕が弱っていることを知られたら、もっとひどいことになるかもしれないからさ!」  ハインリヒは吐き出すようにそう言うと、張り裂けるような胸の痛みにも構わず急に笑い出した。 「ハインリヒ……そんなに思い詰めなくても....僕に言ってくれれば……僕は迷惑なんてちっとも思わないのに。」  ハインリヒはその言葉に反応せず、ただ俯いたまま、唇を噛み締めていたが、しばらくして涙がこぼれ落ちた。 「……僕は強いって思われたかったから。.....僕は......誰かのために....死にたかったんだ.... 優しく.....なんか、ないのさ僕は....僕は、ただの偽善者だ....優しい人間のふりをして.....誰かに必要とされたいだけなのさ...自分に価値を見出せないから。」  ハインリヒはそう言いながら自分の腕を痛いほど締め上げた。  ハインリヒの悲痛な言葉が胸に突き刺さり、コンラートは言葉を失ったまま、彼をじっと見つめた。 「ハインリヒ……」  か細い声でコンラートは名前を呼んだが、言葉が続かなかった。彼の目に映るハインリヒは、これまで見たことのないほど脆く、儚い存在に思えた。  ハインリヒは沈黙の中で微かに笑みを浮かべたが、それは痛々しいほど虚ろな笑顔だった。 「君がどう反応するか、わかってたよ。だから、誰にも言わなかったんだ。」  ハインリヒは自嘲するように笑った。 「僕の痛みは、僕だけのものだから。君に押し付けるべきじゃないんだよ……」  ハインリヒは、そう言いながらも、胸の内に湧き上がるどす黒い感情を抑えきれず、胸を抑えた。 「ハインリヒ、痛みを一人で抱え込む必要なんてないんだよ....そんな苦しい思いをしてきたってことを打ち明けてくれて僕は嬉しいよ。」  ハインリヒは思わずはっとして目を見開いた。自分のためにこんなにも親身にまるコンラートの姿が、彼の心の奥深くに響いた。 「……でも、どうして? 僕みたいな人間のために、どうしてそこまで……?」  ハインリヒの声は震えていた。コンラートはハインリヒの手をぎゅっと握り締めた。 「君がどんな過去を持っていようと、君がどれだけ自分を嫌おうと、僕にとって君はかけがえのない存在だよ。僕は君が生きていてくれることに感謝してる。君の存在が、僕を救ってくれているんだよ。」  その言葉を聞いたハインリヒの目に、また涙が浮かんだ。 「コンラート……」  彼は何かを言おうとしたが、言葉が出てこなかった。ただ、コンラートの手を握り返した。 「ありがとう……」 ハインリヒはつぶやいた。彼の声は弱々しかったが、その言葉には本当の感謝が込められていた。コンラートは微笑み、ハインリヒを抱きしめた。 「君は一人じゃないよ。これからは、僕がずっと君のそばにいるから。」  二人はしばらくそのまま立ち尽くしていた。嵐は少しずつおさまり、外の空には薄い光が差し始めていた。

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ひび割れた闇

お久しぶりです

こんばんは。お久しぶりです。 低浮上ですが生きてます。 えー....書きたい気持ちはありますがどうにもスランプです(笑) 何か書いて欲しいリクエスト等ありましたら是非コメントお願いします。 フォローしてくださった皆様に感謝です。

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お久しぶりです

飛びたくて

ずっと夢見てた いつか蛹から抜け出し 満たされた空に舞い上がることを いつか殻から飛び出し 満たされぬ世界から抜け出すことを あゝそれなのに 自分で突き破った 世界の殻の破片で 傷だらけ 支離滅裂な思考 壊れた価値観の瓦礫に 押し潰されていく 傷を重ねて 疲れ切ってる 意味のない世界が 無駄な思考が 狂おしい ストレスです 心の叫び 身勝手にそっとつつんだ ひととき君の傷を癒し 満たされぬ君の心を抱きしめながら あゝそれがもし エゴイズムなら 僕はどうして 今生きている 支離滅裂な思考 壊れた価値観の瓦礫に 押し潰されていく 唯一無二の真実求めて 必死に今生きている 意味があるのかどうか 無駄かどうかなんか どうでもいい 完璧じゃなくていい 残骸からもう一度 生まれてみせるから ぼくはまだ君の横では 強がっていたいから 不完全から生まれたものが 完全を超えて行けると

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飛びたくて

僕の青春は 車輪の下さ 喜びも悲しみも 寂しさも孤独も 全て押し潰されて 何も感じない日々 ただ轍(わだち)が残り その傷跡だけが 癒えずに痛む 時折悲しみが 肩を掴んで揺すぶる 何をしても無駄だ そんな思考が僕を支配する ああ神様 どうして僕をここまで苦しめるのですか? 宿命だから受け止めろと? もう背負いきれないです この世界から消え去り あの汚れのない空に 帰りたい だけど帰るのは許されない 帰ってくるな生きろと 聞こえないはずの声がする 罪悪感に苛まれ 胸の奥 出ない涙が溢れて泣けない それでも僕は この車輪の下で 押し潰されても 何度も立ち直ろうとする それを僕自身の心の軌跡にするために

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生きる資格のない僕は

僕は中学一年生の遥之。 本当は生まれるべきでなかった存在だ。 父親に当たる男が母を無理矢理犯してできた子だから。 そこに愛なんてなかったのだ。 父は母にいつも暴言を吐きなんでも都合の悪い事は母のせいにした。 いつも両親は僕が小さな頃から拗れていた。 父親はストレス発散に僕をよく引っ叩いていた。 僕は自分が悪いから叩かれるのだと思い自分を責めていた。 両親は皿を毎日のように叩き割り、その度に僕はその破片を拾って片付けた。 僕が料理を作っても料理ごと床に叩きつけられ、それを僕は黙って片付けた。 母は僕が何か失敗するたびに「レイプされてできた子だから」「あの父親の血が入っているから」という。 僕だって生まれてきたくなかったよ。 僕は生まれてくるべきじゃなかったよ。 早く死にたいよ。 この体もこの心臓の鼓動も 僕の生きている証が全て憎らしい。 全て消し去りたい、僕の存在も、この体も、全ての人から僕に関する記憶を全て消してしまいたい。 ああいっそ、体中の血が溢れて出て枯れてしまえばいい。 でもそう簡単には死ねないんだ。 学校に行くと僕は無理に笑顔をつくってしまう。 脳天気なふりをする。 「いいよなー遥之は悩みなさそうで」 同級生はよく言う。 僕はヘラヘラと笑って返すしかなかった。 無意識のうちに僕は笑顔でいる癖がついてしまった。 いじられてもヘラヘラと笑ってしまう。心は傷ついていくのに。 ある時、僕は学校の休み時間にうっかりぎりぎりになりチャイムが鳴り響く廊下を小走りに走っていた。そこへ運悪く僕を敵視する同級生Aが来てしまった。 「バカみたいに走るなよおい」 「す、すみません」 「おまえ、今人に注意されたくせににやついてたな?」 「笑ってません!」 僕は必死で言った。 「嘘つけ今明らかに笑ってただろう、俺のこと馬鹿にしてるな?!」 僕はAに壁に手をつかれ胸ぐらを掴まれた。 数秒間睨まれ、Aはさっと手を離して行ってしまった。 僕はもう何が何だかわからず教室に入った。 この日からAは頻繁に自分に嫌がらせをするようになった。 僕は絵を描くのが好きだった。先生からも上手いと褒められた。 ある昼休み、数人の同級生が僕の手をいきなりひっぱり絵の貼ってある前に引きずった。 同級生Aが腕組みして仁王立ちしていた。 「おまえこの絵親に描いてもらっただろう?」 Aは言った。 「僕が書きましたけど?」 「嘘だこれは絶対おまえの絵じゃない」 数人の同級生も頷いた。 僕はなんとなく察した。これは嘘でも自分が描いていないと言わないと袋叩きにされる。 「うんそう実は親が描いたんだ」 「ほら嘘つきじゃないか。おまえはみんなを騙してたんだな」 その後僕は嘘つきのレッテルを貼られた。 掃除も給食の片付けも当番制は無視され僕に全てさせられた。 「バカだな」「掃除が下手すぎるぞ」「皿をもっと持っていけよ」「のろい」と横から怒鳴られながら僕は必死で片付けた。 別に僕は何も感じなかった。 嫌われても怒鳴られても。 嘘つきと言われても殴られても。 いや感じることができなかった。 自分には価値なんてないから何をされてもいいのだ。 そんなふうにいつのまにか自分で自分を洗脳していた。 帰り道に僕は毎回川の側を通っていた。 僕はよく川の前に立って水が目の前をゆっくりと流れていくのを眺めていた。 一歩踏み出せば溺れて死ねるのにな、などと思いながら。 あの水の中に 溶かし込んで 消し去りたい この悲しみも 寂しさも 何もかも 自分の鼓動 生きてる証を聞くたびに わけも分からない罪悪感で 息苦しい ガラスのかけらが 心に突き刺さるようだ 出ない涙が 胸の奥 心の傷から溢れ出る ああ 苦しい 誰か助けて でも誰にも言えないんだ 僕には 救われる資格なんてない このまま全部投げ出せたら あと一歩踏み出せば このまま水の中に 飲み込んでもらえるのに そんなことを思いながら僕は焼け付く胸を抑えて家に帰る。 怒鳴り声と喧嘩の絶えない家へ。 もう親の機嫌にビクビクするのも疲れた。 でも笑顔をつくらなければ「何を不満そうにしてるんだ」と責められる。 頭が変になりそうだ。 親の怒鳴り声を聞きながら僕は疲れ果てて眠りにつく。 悪夢にうなされ寝汗うなされびっしょりかきながら。 どうして僕はここまでして生きなければいけないんだろう。 僕は自責の念が強かった。 自分が不真面目だから。 自分がバカだから。 自分が周りを幸せにできないから。 自分のせいで自分のせいで、 とどんどん自分を追い詰めた。 死にたいなんて言っても誰も止めてはくれないんだ、僕を必要としてくれる人なんていないから。 ある日、僕は公園のベンチで空を見上げていた。 秋のよく晴れた日。 青い空に白い雲が浮かぶ。 手を出して空にかざすと体が空へ溶け込んでいくようだ。 いつの間にか僕はうつらうつらしていた。 生まれる前の夢を見た。 美しい青い穢れない世界。 優しい人たち。 争いのない穏やかな世界。 僕は神様から呼び出され 「お前はあの世界を少しでも良くするためにあそこへ行きなさい。使命を果たすまでここへは帰れないぞ。」 僕には拒否権などなかった。 もともと僕は頼みを断れない性格なのを見こして神様は僕に命令したんだと思う。 もうこんな使命投げ捨てたいよ。 あの空へ帰りたいよ。 だけど許してもらえないんだ、この体が滅びるまで生きろと、聞こえないはずの声がする。 親に望まれてなくても神にはこの世で生きることが望まれている。 地獄だよくるしいよなんで生きるのか分からないよ だけど僕はそれでも血を吐きながらでも生きて行かなければいけない 僕がいたところでこの世界良くなんてならないよ だけど生き抜けと言われたんだ たくさんの天使たちに 死のうとしてもきっと、見えない人たちが来て死ぬに死ねないだろう 僕は仕方ないまだ諦めるべきではないようだ あんの神様めっ!!

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生きる資格のない僕は

異星人の僕

晴れた日の午後 窓辺に座ると やわらかな午後の光が 雲間から差している 疲れ切った体に あたたかい光があたる ああ 陽の光って こんなに暖かかったんだ どうして忘れていたんだろう 生まれたばかりのころは 陽の光の暖かさ 青空の高さ 雲の柔らかさ この世の全てが 清らかに見えた いつから僕は こんなに悩み苦しんで 冷たい底なし沼に 沈み込んでしまったんだろう いつから 生きることへの楽しさより 責任感や義務感や罪悪感を 感じるようになったのだろう ただ生きている それだけが 嬉しかったあの頃へは もうもどれない 僕には生きる義務がある 使命もわかってる だけどふと 全てを投げ出して あの空へ あの汚れのない世界へ 戻りたい そう思ってしまう 僕はなぜ地球に来たんだろう あの遥かな宇宙から 地球に向かった あの記憶 ああ この地球(くに)は 僕の故郷(ふるさと)じゃない 僕は宇宙人だ いつかあの遥か彼方の 夜空の一つの星 僕の魂の故郷へ 戻れるのだろうか きっと人生を全うするまで 神様は 僕が帰るのを 許してくれないんだろう そう だから頑張るよ 自分の使命はわかっているから

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異星人の僕