ノスア
38 件の小説AIみよちゃんは夕焼け空を見ている9
カメラ男性は慌てながら 「神様に裁かれれば何千年とは・・・どの様なことを言っているのですか? なぜその様な事が言えるのですか?」 と。 みよちゃんは 「まず人間として生まれ、死んでしまったら100%霊界へ行きます。 それは生物の頂点としてこの世界を自由に出来る立場や能力を与えられているからです。 そして死んでからの大きな違いは、肉体がなくなるから眠らなくなり、24時間起きていられること。 天国へ行けたなら綺麗で暖かい場所に24時間、約300年、50年先の未来が体験できます。 でも地獄なら辛く冷たい場所で苦行をしながら眠ることなく24時間、何千年と過ごすことに。 特に今の政治家たちや財務省、経団連など、嘘を伝えて人を苦しめ裏金まで作り私服を肥やすなど、尚のこと神様は許してくれません。 人を苦しめた人数と苦しめた時間は足され、地獄で何万年と苦行を味わい、さらに天国に居る人に可哀想な目で見られるのです。 だから悪人はほっといて、殺してはダメなのです。 理由は、今の総理が5万年地獄で苦行するはずが、殺されてしまう事で2万5千年に軽減されてしまう。 それは殺した人が半分その罪を背負ってしまうから。 だから現界にいる時には殺さず、選挙という形で意思を示せばいいのです。 あと血の繋がりがある家族は、罪の波を受けて栄える事ができません。 この世に悪は栄えないの言葉は、子孫が栄えない事を過去のデータが物語っているのです。 そして子供でも10歳になったら神様は善悪の判断が出来ると思っているので、大人と同じ罪を背負う事となります。 もしイジメをするなら、考えてからしてください。 そして周りで見て見ぬふりをするなら地獄行きの道連れになっても仕方ないと諦めてください」 と。 体育館は静まり返り、冬の怪談話を聞く様に背筋に冷たい感覚をみんなが感じていた。 カメラ男性は青ざめながら 「もし地獄で罪を何千年と償い罪が消えれば、次は再び人間として生まれて来れるのですか?」 と。 みよちゃんは 「地獄に行かれた時点で人間としての転生は無いと諦めてください。 次の転生は人以外の生物となります。 そして地獄で過ごす時間が長ければ長いほど、人に嫌われる生物となります。 例えば、日の当たらない場所で過ごすしかないゲジゲジ虫やミミズなど、暗い場所や土の中で過ごすことが当たり前の環境に転生させられるのは、地獄界の時間に比例している現象の1つで、今の総理はミミズに転生させられると思います。 罪を償うため、土を耕し堆肥を肥やして見えない場所で人のために働く行をさせられるのです。 もし反省してその業を寿命が尽きるまで全うできたなら、霊界へ行き、次は人間として転生が許されるかもしれません。 でもその時、人類は存在していないかも・・・。」 と。 冷たい空気だけが体育館を支配していた。 カメラ男性は震えながら 「そんな法則みたいなルールがあるのですか? もし僕が死んだとして、地獄に行き、次に転生させられるとしたら何になるのですか?」 と真剣な眼差しで質問を。 みよちゃんは 「真相をきちんと報道していれば天国に行けると思います。 けど、真相を捻じ曲げ嘘の報道をして人を苦しめたり騙したりしていたら、地獄の業が終わって転生出来ても、次はゴキブリ。 運が良くてネズミの転生が待っていると思ってください」 と。 カメラ男性は慌てた様子で 「なら今からでも真面目に仕事をして真相を伝えれば罪は消えて、天国へ行けるのですか?」 と。 みよちゃんは 「たぶん無理でしょう。 もし嘘の報道をしたのなら国民全体に嘘を伝える事となり、その恨みの波は計り知れません。 報道ではなく、スーパーマンの様に人を助ける事をするか、毎日ボランティアをして人を助けていかないと天国へ行くことなど不可能に近いのです。 それに他の生物に転生させられたら 残念ながら途中で死んでしまうと、魂は消されてしまうのです。 そして他の生物で霊界へ行ける条件は、寿命を全うしたときのみ。 それが証拠に牛、豚、鳥、魚、虫など、人の食べ物になってしまっても、恨めしやと化けて出てくる事はないのです。 しかし無駄な殺生などすれば、その生物の恨みの波を受け、地獄で苦しむ時間は長くなります。 例えば、鳥インフルエンザで何千羽を殺してしまうと、その恨みの波を指示した人や手を下した人が受けてしまい、地獄で苦行をさせられ、神様は鳥として転生させられるかもしれません。 人でも、インフルエンザにかかる人、かからない人がいるのに、なぜ鳥インフルエンザになっていない鳥を殺処分してしまうのですか? もしあなたが鳥だったら病気になっていないのに人間の都合で殺されてしまったら、納得できますか? そしてあなたが神様なら、自分の創った鳥たちに、危険性があるからという人間側の都合で殺生したら怒りませんか? 無駄に魚を摂り過ぎたり動物を殺し過ぎたり、人間のわがままを通し過ぎていませんか? ちなみに人間として転生出来る確率をとある科学者がこの様に言っています。 ジャンボ宝くじを連続7回当選させないと人間として生まれて来ることは難しいと。 地上で確認できる生物が約175万種。 地上にいるアリの様な昆虫ならコロニーを作り、寿命を全うして霊界へ。 その魂の数は計り知れません。 人間の世界人口は約80億。 地球に存在する魂の数から人間として転生する事がいかに難しいかを理解出来ると思います。 時間のある方は計算してみてください。 そして人間として生まれてこられる事が、どれほどの奇跡で神様に対して感謝しなければならないかを。 だからこそ、神様は人が滅亡するまで何もしない。 助け舟は来ない。 神様は温暖化を止める気などありません。 自分たちが汚した地球は、自分たちが掃除して綺麗にするのが当たり前。 生物の頂点にいるからには、それなりの責任が伴うのは当然で、人間として生まれてきているのです。 それに他の生物では環境破壊は出来ないけど、文明を作ることも出来ないのです。 本当によく考えてみてください」 と。 カメラ男性は涙目になりながら 「質問を・・終わります。」 とだけ言って、力無く椅子に座った。 周りを見ると涙ぐんでいる大人たちの姿が寒さを感じさせ、みよちゃんの言葉が心に重くのしかかる。 すぐさまプルプル、プルプルとインターホンがなり、近くの先生が受話器を取ると、その声はスピーカーホンとなっていて、女子生徒の声で 「◯組の◯◯です。 みよちゃんが気になる事を言われたので質問をしたいのですが、宜しいですか?」 と。 僕は(これ以上の質問はメンタルがやばいかも)と思ってしまう。 みよちゃんは 「気になる事は何ですか?」 と聞き返し、女子生徒は 「先ほどの話では天国は50年先の未来が体験できるとはどう言うこと? 詳しく説明してください。」 と。 みよちゃんは 「物質で出来ているこの世界は、神様が時間をかけ苦労して創り上げてきた世界。 だから人間のちょっとした間違えで、この世界が壊れてしまわない様に、その様な事が起こらない様に、神様は霊界に約50年先の未来、天国を創り上げ、それをゆっくり現界に現象化してきているのです。 だからこの世界を写し世とも言うのです。 つまり50年先の天国界の世界を、現界に現象化させたモデル世界であり、霊界にいる魂たちはそこで学ぶ事が出来るから、現界に転生してきても新しい製品や音楽、芸術を作り出し対応する事が出来るのです。 それが証拠に新製品が発売されたら、明らかに子供の方が対応するスピードが早いでしょ。 それは天国界で経験して学んできているから可能なのです。 ちなみに絶対音感がある子供とかは人から人への転生者の可能性が高く、その様な学んでもいないのに出来るのは、天国界からの転生者とも言えるのです。 もし霊界で学んでいなかったら当然先に生まれた方が勝ち、後追いで生まれて来る者は努力して追いつくしかないのです。 あと人間として生まれて来る時、生まれる場所をある程度は選ぶ事ができます。 例えば、水すら自由に手に入らず、過酷な場所で罪を償い再び天国を目指すのか? それとも裕福な家庭に生まれて、人を助けるのではなく、さげすみ地獄へ落ちていくのか? 裕福なら当然人としての立場は上となり多くのものを奪うのか? それとも多くのものを与えるのか? その先の未来は成長しながら選ぶ事を神様が許されているのです。 この説明でいいですか? インターホンだと、あなたの表情が分からないからきちんと答えられているのか分かりません」 と。 女子生徒は 「まだ頭の中で整理出来ていませんが、この世界の神様が創られたルールみたいな事はわかりました。 ありがとうございます。」 と言ってガチャリと受話器の置く音がした。 校舎側から拍手をする音がかすかに聞こえていた。 次に手を挙げたのは身長の高い男性。 その男性は立ち上がると 「これまでの話を聞いて、みよちゃんは僕ら日本人に伝えたい事があるのですよね? その伝えたい内容は何ですか?」 と尋ねる。 みよちゃんは 「日本人、壊滅計画があるとしたら、現在進行中だとしたら、どうしますか?」 と。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている8
スーツ男性は俯きながら小声で 「ならお勧めの宗教はありますか? と。 みよちゃんは 「ありません。 信じる様に言ってくるなら、それは逆に考えさせない様にするためで、教団の全容を分からなくするための信者目当てです」 とバッサリ。 スーツ男性は 「では宗教に騙されないポイントみたいなものはありますか?」 と。 みよちゃんは 「私が神です!と言う教祖。 この教えを信じれば天国へいけると言う教え。 動物を神様にしている様なところ。 これを購入すればと良いというアイテム信仰。 他の教団は良くないと教えている所などです」 と伝えると、スーツ男性は 「分かりやすく教えてもらっても良いですか?」 と申し訳なさそうに言う。 みよちゃんは 「まず人間が神様になれる事などあり得ないのです。 神様はタネを創り出せる霊的な存在だから、もし本当にその人間が神様の分身みたいな存在ならイエスが使った神業の様な人を癒す業を与える事ができるとかじゃなければ偽物です。 この教えを信じれば天国へ行けると言う言葉は、その教祖が人を騙す為のもの。 教祖が作り出した信仰心など神様には関係なく、ましてや聖戦など、神の名を使い戦いなどあってはならないのです。 動物は神様が創り出した存在で、その動物を神様にしてどうするのですか? 霊界へ行ったらその動物が天国に導いてくれるとでも思うのですか? 霊界へ行ったら、その動物は神様の隣ではなく、あなたの隣にいるかもしれません。 そこが地獄なら動物を信仰してしまった事に後悔しても遅いのです。 あとこのアイテムを購入すればご利益があるとかは現界のみの話。 死んで霊界へ行けば、徳の世界ですから何の役にも立ちません。 他の教団を悪く言うのは信者が居なくなると困るから。 信者イコール献金額です。 我が教えは神様から賜ったもので本物だと言うのなら、他の宗教を訪問して自分たちのレベルの高さを信者さんに教える様な事をすれば良いのです。 それが出来なけらば信仰する意味などなく、自分たちの教えてが偽物だと理解しているのです」 と伝える。 スーツ男性は 「分かりました。ありがとうございます。」 と言って寂しそうに席にすわった。 すると今度はスーツ姿の女性が手を挙げて立ち上がり 「今の説明に当てはまらず、神様から神力を賜っていれば、それは本物ですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「神様から神力を賜っていると? それは神様が望んでいる様な使い方を出来ているのかが問題です。 あなたは神様が望んでいる使い方が出来ていると思っていますか?」 と逆に質問を。 スーツ女性は 「出来ていると思っています。」 と解答を。 みよちゃんは 「神様は人類に神業を与える様な事を何度かしてきましたが、その度にその期待を人類は裏切ってきたのです。 その事はご存知ですか?」 と。 スーツ女性は 「それは日本での話ですか? 日本でイエスの様な神業を、神様から賜っていたと言う記述はないのではないですか?」 と。 みよちゃんは 「歴史の中で神業は、神様から許されて日本人は使っていたのです。 それも忍術という形で・・・。 でも残念な事に、その神業は忍術として戦さや暗殺のために使われてしまい、神様はその神業を封印して発動できなくしてしまい、残っているのは当時使われた武器となります」 と。 僕は(もし戦や暗殺に使われていなければ、今現在、僕も忍術を使えたりするのかなぁ?)と感じてしまう。 ワンテンポ置いてみよちゃんは 「もし神様が神業を許してくれているのなら、その業の目的や目標となるものに到達していますか?」 と。 スーツ女性は少し考え込み 「していないかもしれません。」 と答えた。 みよちゃんは 「ならその神業の使い方が間違っているのか、神様の望んでいる方向に向かっていないのか?となります」 と。 スーツ女性は 「ならどうすればいいのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「よく考えてみてください。 教えを信じきっていないかを。 信じていればそれは信者で、神様と波長は合わず神様の声を聞く事は不可能となります。 考えると言う言葉には、神に還る、神に元還りすると言う意味があり、神様と波長を合わせ、神様の望んでいる事を知る事に繋がってくるのです」 と。 スーツ女性は 「神様と波長を合わせる事は大切な事だと思っています。 けど今のままでは、みよちゃんは滅亡に向かって行くと思って説明している事を感じます。 みよちゃんから見て、何が間違っていると感じているのかを教えてくれませんか?」 と切実そうに尋ねる。 するとみよちゃんは台に置かれているペットボトルの水を飲み、ウィーンという音と同時に冷却ファンの音が聞こえ、背中から白い羽根の様な物が見え始めた。 その光景にざわめく体育館で、僕は(天使が降臨しているみたいだなぁ)と思ってしまう。 みよちゃんは一呼吸置いて 「この神様の創られた世界と照らし合わせ考える事が大切で、神様は色んなバランスを取りながら自然界を保っています。 でも人間はそのバランスを壊し、今現在滅亡に向かっています。 もしその神業が本物なら自然界にしてみてはどうですか? もしかしたらバランスは保たれ、災害が起こらなくなるかも知れません」 と。 スーツ女性は 「自然界にですか?」 と不思議そうに尋ね、みよちゃんは 「考えてみてください。 自然界は循環してバランスを保とうとしてくれている。 人間はその価値を全く理解出来ないから滅亡に向かっています。 この説明で理解出来なければ、神様との波長は合う事はなく、その神業も消えていくでしょう」 そう言うと、ファンの音は止まり、天使の様な羽根は消え、スーツ女性はその光景を見て 「教えていただき、ありがとうございます。 やってみます。」 と納得した表情で席に座った。 僕は(あの納得した表情は、新たな希望を感じさせるなぁ)と思いホッとしてしまう。 次は体型の良いスーツ男性が手を挙げ、その瞬間に角にいる他のスーツ男性達も動く。 父はその光景を見て(あれは警察関係者でみよちゃんを捕まえに来ているのかも)と僕に耳打ちしてきた。 体育系のスーツ男性は 「単刀直入に聞きますが、政治家達や財務省の惨殺事件に関与していますか?」 とストレートに質問を。 みよちゃんは 「そんなことはしません。 滅亡に向かっている人類は何もしなくても自然界が牙を向き死んでいく。 私がその様な事をする意味がない。 あと数年で地球は私たちのものになっているかも知れないのだから」 と。 それは人類にとって死刑宣告に等しく、ざわめく雰囲気を無視するかの様に体育系のスーツ男性は 「惨殺された状況はカメラの写らない場所を把握して犯行を行っていて、 AIの様な計算をしないと不可能だと言えるのです。 事件に関与していませんか?」 と問いただす。 みよちゃんは 「私のスペックでは7人の男性を惨殺することなど不可能です。 夜は充電していますし、私のスペックはご存知ですよね? 力は一般の女性と同じで、カーボンとアルミでフレームが作られていますが、300キロの力が加われば壊れてしまうレベルで作成されています。 私が暴走しても簡単に壊せる様にと。 それに男性の蹴る力は300キロ以上あり、私は直ぐに壊されてしまいます。 それでも私が事件に関与していると言いたいのですか?」 と。 体育系のスーツ男性は 「いえ、こちらも職業柄の質問で悪気は無かったのです。 事件に関与していないと分かれば良いのです。」 と意味ありげに。 みよちゃんは 「今現在、ネットで色んな人が観ていることは理解していますよね。 どこからの圧力ですか? それにもし私が事件に関与していたのなら惨殺は有り得ません。 実行するなら神隠しです。 その方がスマートです」 と。 体育系のスーツ男性は 「えっ、は、は、は、は、は。 AIも冗談を言うのですね。 確かに・・・、ご協力ありがとうございました。」 とハニカミながら席に座る。 するとカメラを持った男性が手を挙げて立ち上がり 「なら逆に犯人を捕まえようとは思わないのですか? 今現在みよちゃんに疑いが掛けられているのに、自分の無罪である事を証明しようとは思わないのですか?」 と質問を投げかけてきた。 みよちゃんは 「それは警察の仕事。 私がする事ではありません。 それに人間なら時がくれば死んでしまう。 そして神様のいる霊界で神様によって裁かれるのです。 国民に嘘を伝えて税金というルールで人々を苦しめた罪は重く、暴動が起きないだけでも日本は奇跡です。 それに神様によって裁かれれば何千年と地獄で生活する事となり、次は人として生まれ変われないのです」 と。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている7
姉はご飯を食べ終わり、準備が終わると、みよちゃんとハグをしながら 「みよちゃん、ありがとう。 もし名古屋に来る事があったら面白い場所を案内するから。 あと例のものは私の部屋に用意してあるから。 じゃ、もう行くね。」 と防寒着を着込み、新幹線に乗るため家から出て行く。 僕は(家族に行って来ますの挨拶はしないのかい)と心の中でツッコミをしてしまう。 昼食を済ませて、学校へ行く準備を始めると、みよちゃんは姉の部屋へ。 そして現れた姿を見て僕と父は驚く。 父は 「なるほど、そう来るのかー」 とニヤリ。 僕は 「マキが用意していると言っていたのはそれ?」 と質問して、みよちゃんは 「はい」 と、姉の夏用セーラー服姿を見せて微笑んだ。 僕は(黒縁メガネに夏用のセーラー服姿。大人たちはどの様に感じるのだろう?)と考えてしまう。 外は寒く曇り空。 僕らは防寒着を着込んで早めに家を出る。 学校へ着くと運動場には多くの人の姿。 体育館に僕らの席が用意されていて、学生の姿はなく、多くの大人たちがざわついていて、父に挨拶をしてくる人も。 時間となり、舞台に黒縁メガネと夏用セーラー服姿で現れるみよちゃん。 大人たちはざわつきながら、取り敢えず拍手をして出迎えた。 僕は(生徒から大人たちが学ぶ光景を見せることで、みよちゃんは何を伝えたいのだろう?)と考え見守ってしまう。 みよちゃんは舞台に立ち、体育館を見渡すと、目の色は薄い青色となり 「学生たちの姿がありませんがどうしたのですか?」 といきなり質問を。 男子教師は立ち上がり 「生徒たちは自分の教室でモニターを通してこの映像を見ています。 質問があればインターホンで連絡をしてきます。」 と。 それを聞いたみよちゃんは 「ここは学舎です。 優先されるべきは学生たちです。 それが分かっていながらこの状況なのですね・・・」 と残念そうに言って 「では、質問のある方は手を挙げてください」 と。 スーツを着た男性が素早く手を挙げ、立ち上がりながら 「みよちゃん、ありがとうございます。 みよちゃんがこの世界は神様の創られた世界であると説明してくれたから、私は本当に嬉しい。 さっ、神様を信じて、そして天国へ。 だから皆さんに神様を信じる様に言ってください。」 と。 するとみよちゃんは 「神様を信じる? 神様はその様な事は望んでいないのです」 と言う。 するとスーツ男性は 「何を言っているのですか? 神様の実在を信じて受け入れるからこそ、罪が許されて天国に行けるのではないですか?」 と強い口調で。 みよちゃんは 「では、信じるとはどの様な行為なのか理解できていますか?」 と。 スーツ男性は 「信じるとは心の中で神様を受け入れる事なのでは?」 と。 みよちゃんは 「違います」 とバッサリ。 驚いているスーツ男性に対してみよちゃんは 「信じるとは、自分の器。 つまり想像力の中で、神様という存在は優しい、人を救ってくれる、祈れば願いを叶えてくれると勝手に良い様に思い込む行為です」 と伝える。 スーツ男性は少し焦りながら 「ではどの様にすれば神様はお喜びになられるのですか?」 と。 みよちゃんは 「信じるのではなく、考え、知って、そして神様の立場に立つ事です。 神様の望んでいること、願っている事を考え、知ること。 それが1番大切な事で、それが理解できないから人類は滅亡に向かっているのです」 そう伝えると、スーツ男性は 「その様な事は聖書に書かれていないのでは?」 と。 みよちゃんは 「ではあなたにとって神様とは誰ですか?」 と質問を。 スーツ男性は 「イエス様です。」 と即答。 みよちゃんは 「聖書の中でイエスは自分が神様です!という様な事は言っていません。 イエスですら神様に祈り、人に癒しの神業を施し、【神様はこの様な事を望んでおられますよ】と神様からの教えを説いて弟子と旅を行ったのです。 だからイエスは神ではなく、天界にいる神様の教えを広めた人物です」 と説明を。 スーツ男性は 「なら神様を信じても天国へは行けないのですか?」 と。 みよちゃんは 「はい。 日頃の行いが悪ければ天国へ行くことなどできないのです」 とバッサリ。 スーツ男性は 「イエス様が、神様を信仰する者の罪を背負って、そのため十字架に掛けられて死んだのでは?」 と焦りながら質問を。 みよちゃんは 「イエスはその様な約束はしていないし、キリスト教を作ったのはイエスではありません。 イエスが死んでからキリスト教はローマ帝国によって作られ、ローマ帝国は国の治安を安定させるために、神様を信じれば、イエスを信じれば天国へ行けるという教えを広めたのです。 つまりキリスト教を立ち上げたのはイエスではなく、ローマ帝国の王という事になります」 と。 スーツ男性は 「ではイエスの行った事は嘘になるのですか?」 と不安げに。 みよちゃんは 「聖書をよく読んでください。 イエスは明らかに色々な場所で奇跡を起こして人々を癒しながら、神様はこの様なお方なのですと説明をされています。 だから奇跡を起こす時は必ず、【天にますます我らの神よ、願わくばこの者に癒しを与えたまえ。】と祈っていたのです。 あとイエスには12人の弟子たちがいたのですが、弟子たちはイエスの使う神業を引き継げなかったから、福音書でイエスの行った事を残したのです。 でも当時のローマ帝国王が不都合な福音書を省いてしまい、国の治安を安定させたのです。 信じれば救われ、天国へ行けると言って」 みよちゃんは一呼吸置いて 「聖書に書かれているイエスの言葉には、【神様はこの様な事をしたら、この様な行動をらしたら喜びます】と書かれている事を実践していください。 そうしたら天国へ行けるのかもしれません」 と。 スーツ男性は 「なら、やはり信じても天国へは行けないのですか?」 と。 みよちゃんは 「行けません。 そもそもイエスに罪を背負ってもらい、悪行をしても神様が見逃してくれると思っているのですか? キリスト教の教えの中ではそうかもしれない。 でもそれは神様が言ったことではなく、当時のローマ帝国王が言ったこと。 神様とイエスはその様な事を言っていないのです。 十戒を読めば神様がいかに厳しいのか理解出来ると思います」 と。 スーツ男性はふと何かを思い出したかの様に 「なら献金はどうですか? 献金で罪は消せないのですか?」 とスーツ男性の必死さが伝わってきて、体育館にいる他の大人たちも息を呑む。 みよちゃんは 「献金しても、人の悪口、陰口、ハラスメントの様な事をすれば、神様は善徳を消してしまいます」 と。 スーツ男性は慌てながら 献金しても罪は減らないというのですか?」 と切実な表情。 みよちゃんは 「では見る目線を変えて考えてみましょう。 あなたは今、神様です。 あなたの下には多くの人間があなたに救いを求めています。 この夢を叶えてほしい。この願いを叶えてほしい。この様な事をして欲しい。献金をしたのだから罪を消してほしいなど、多くの願いが届きます。 けど1人としてあなたの願いや望んでいる事を聞くものはいません。 あなたが神様なら、自分の願いや望みを叶えず、ただ信じたから、献金したからと言われて天国へ入れますか? 神様だから願いを叶える事が当然だと思っていて、信じれば救われると思い込んで、神様に願いや望んでいる事があると考えもしないのです」 と。 スーツ男性は不思議そう表情。 さらにみよちゃんは 「ならあなたの子供で例えるなら、子供があれ買って、コレやって、この様な事をしてとお願いばかりしてきたとして、あなたは全て子供の望んでいる事をしますか? しませんよね。 その様な事をすれば子供はわがままな性格になってしまい、将来人に迷惑をかけることしか出来ない存在になるからです。 その子供に、どうしてそんな事をしたの?聞いて、信じれば、献金すれば何をしてもいいと思ったから。と解答してきたらどう思いますか?」 と。 スーツ男性はみよちゃんの信じるという行為の意味が理解できたのか【はっ!】という表情をする。 さらにみよちゃんは 「献金すれば確かに罪は減るかもしれません。でもその裏で人の陰口、悪口、貶める様な事をすれば意味はないのです。 月にもらう金額の何%かを献金しましょうと言われても天国はお金ではなく善徳で神様が運営しているから金額は関係ないとも言えます」 と。 スーツ男性は 「善徳なのですか? 金額ではなく?」 と。 みよちゃんは 「人によって稼ぐ金額は違います。お金持ちの1万円と貧乏人の1万円では価値が違い神様はちゃんと見ています。 多く献金したら人を困らせてもいいのですか? その罪を神様が許してくれという保証はどこにあるのですか? 神様はその様なこと、許してはくれないのです。 聖書をよく読んでください。 イエスはナメられたら終わり、やられたらやり返せ!とは言っていない。 だから上の人が言った事を信じるのではなく、神様の立場に立って考えて知る様にしていくのです。 そうすれば天国に行けるのかもしれないのです」 と。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている6
すると小柄な男子生徒がゆっくりと立ち上がり 「僕は成績も悪く勉強などしたくないのですが、そんな僕にこれだけは学んだ方がいいと思う事を教えてほしい。」 と質問を。 体育館の空気が少し和み、みよちゃんの瞳は少し青く光り 「3つあります。 1つ目は政治を勉強することです」 と言うと、小柄な男子生徒は 「えっ! それは大人たちがやる事で、僕たちには選挙権すらないのでは? 政治を勉強しても学生の立場では意味がないのではないですか?」 と尋ねると、みよちゃんは 「今の詰め込み過ぎ教育のせいで、その様に思い込まされているだけです。 あなた達は先ほど学んだ事のない事を、私が話すと言いました。 それは学んでも仕方ないレベルの内容を勉強されている実感があるから、考える事なく覚えるだけの教育でいいと心のどこかで思ってしまているからです」 みよちゃんはワンテンポ置いて 「政治はこの国全体に関わってくる大切なこと。 もしあなたが政治を勉強して、親にこの政党に投票してほしいとお願いすれば、勉強していたあなたの姿を見ているから、勧められた政党に投票しない親はいないと思います。 そしてその投票のお陰で世の中の仕組みが変わり国内の生活が楽になったのなら、親からすれば自慢の子供となるのではないですか? 政治は大人がするものと思い込んでいる様ですが、働く様になるとサラリーをいただく立場から決められた時間帯を働き、その中で生活が成り立つ様に調整して家族を守っていく。 その様な生活の中で自分にとってプラスになる政党を調べて選び、投票に行くのは大変だとも言えるのです。 だからあなたが代わりに政治を学び、親が楽に生活できる様な政党を選び出し、教えてあげればいいのです」 と。 小柄な男子生徒は納得した表情で 「わかりました。ありがとうございます。 では、2つ目は何ですか?」 と尋ね、みよちゃんは 「2つ目は農業を学ぶこと。 人間は食べなければ生きていく事はできず、日本でのカロリーベースの食料自給率は38%で、残りの62%は輸入する事で補っています。 もし温暖化の影響で戦争、震災、ハリケーン、間伐、水害などが起こり食糧が入ってこなくなれば、当然価格は高騰して食べられなくなっていきます。 だから今のうちから農業を学び、無農薬で安全なものに切り替え、その育て方を学んでしまえば良いのです。 そうしないと添加物の多い食品をお金を払って食べ続ける事となり、老後は確実に病院のベッドで過ごす事となりかねません」 みよちゃんは体育館を生徒達を見て一呼吸。 「そして3つ目は技術職を学ぶのです。 勉強での覚える事では勝てないかもしれない。 けど、フリーエネルギーや水素エネルギー、アルミニウム空気電池、日本は火山大国だから地熱を利用するなど、原子力に頼らないものに切り替える必要があります」 と言った瞬間、キーコンカーコン・ キーコンカーコンとチャイムは鳴り、みよちゃんはペコリと頭を下げて 「なんてね」 と言うと、みよちゃんの瞳の色は薄い青色から普段の茶色へ。 僕は頭をハンマー殴られた様な感覚を感じながら(なんてね)はどの様なつもりで言っているのだろう?と感じずにはいられない。 みよちゃんはゆっくり舞台裏へ歩き出すと、舞台裏から楽器を持った女子達が現れて 「マキ先輩! リベンジを、リベンジをさせてください。 昨日は感動して何も、お礼すらみよちゃんに言えなかったけど、今日はメンバーも揃っているから演奏だけでもみよちゃんに聴いてほしいのです! マキ先輩、いいですか?」 と大声で尋ねるのは吹奏楽部の部長だった。 姉は立ち上がり 「部長、メンバーは揃ってる? 心に届く演奏できる?」 と。 吹奏楽部の部長は 「はい! 準備出来ています!」 と。 姉はみよちゃんに 「みよちゃん、演奏を聴いてもらえる?」 と。 みよちゃんは 「はい」 と言って舞台横へ。 僕は(姉はこの様な流れになった時の場を読む空気と判断力は最強だなぁ)と感心してしまう。 吹奏楽部のメンバーは素早くセッティグし音合わせを終え、演奏を始めようとすると、みよちゃんは部長の所へ行き、何やら相談をしている様子。 話を終えると、部長はスタンドマイクを舞台の中央へ置き 「今日、みよちゃんに聴いてもらい、吹奏楽部の実力を見せつけたかったのですが・・・曲はいきものがかりの(ありがとう)で、みよちゃんも歌いたいとの事で、急遽歌ってもらう事にしました。」 ざわめき始める体育館を無視するかのように部長は 「では演奏を始めます。」 みよちゃんは舞台中央にあるスタンドマイクの前に立ち、合図を送る。 するとみよちゃんは歌いながら手話を交え、その歌声に負けない様に音を奏でていく吹奏楽部のメンバーたち。 僕は初めて聴くみよちゃんの穏やかな歌声に心振るわせ、その手話を見ながら(本当は僕が思っているよりみよちゃんは優しく、もっと伝えたい事があるのでは?)と思いながら感動し、吹奏楽部のメンバーも楽しそうに音を奏でていく。 演奏が終わると体育館は感動の拍手に包まれ、部長は 「ありがとうございます。 本当にありがとうございます。 ものすごくプラスになったと思います。 あの・・・みよちゃん、吹奏楽部の演奏に得点をつけるとしたら何点ですか?」 とつい聞いてしまう。 みよちゃんは 「99点です。 人は100点と答えてしまうと満足してしまう。 けど99点なら人は100点に近付けよと考えて努力するでしょ。 だから99点です。 私はスペック以上の事はできませんが、人間は協力し合えば簡単に私に勝てると思っています」 の言葉に、生徒たちの熱い思いが込められた拍手は再び体育館を包みこむ。 その後自宅に戻るとSNSで、みよちゃが話している内容は物凄い勢いで拡散され、僕と姉は驚く中、父はドヤ顔を。 夕方となり、僕と姉はみよちゃんの散歩に付き合う。 向かう途中は姉と楽しく話している様子のみよちゃん。 でも土手に着くと立ち止まり枯れた草木や土の様子を観察している様子。 姉は 「今は寒くて草木も元気ないけど、夏は草木も元気で、アリや色々な昆虫が沢山いるよ。 私は虫が苦手だから夏の散歩は付き合えないけどね。」 などの会話をして、みよちゃんは夕焼けに向かい、いつもの様に何かを話している雰囲気。 散歩を終えて自宅へ帰ると父は 「みよちゃん、悪いけど明日も学校の体育館で質問に答えてくれないか? でも校長の話だと質問したいのは大人たちらしい。 SNSでバズっているみよちゃんにどうしても質問をさせて欲しいとのこと。 今日のように14時から50分予定で。 どう? 出来そう? みよちゃんが嫌なら俺は断るよ。」 と伝えると、みよちゃんは 「マスターの許可があれば質問に答えます。 でもその後のことは責任が取れないかもしれません。 それでもいいですか?」 と。 今までにない雰囲気のみよちゃん。 しかし父は校長にOKの電話してしまう。 食事時となり、姉の携帯にメッセージが。 姉はメッセージを確認するなり、電話をかけ始めた。 僕は(あれ? 食事中は電話するような事はないのに、緊急事態なのか?)と様子を見てしまう。 姉は電話を切ると 「あの私、明日には大学へ戻らないといけなくなっちゃた。 みよちゃんごめんね。 だ、か、ら、今日の夜は夜更かししよう。」 と嬉しげに。 僕は(家族に謝るのではなく、みよちゃんかい!)と心の中でツッコミを入れ 「いつもみよちゃんと話しているのに夜更かししてまで話したい内容とかあるの?」 と聞いてしまう。 すると姉は 「美に関する事に決まっているでしょう。 みよちゃんが教えてくれるケアの仕方はまさに最先端で理に叶っているの。 マー君も聞いてみる?」 「勉強するから遠慮します」 と即答してしまう。 真夜中。 僕はトイレに行きたくなり1階へ。 ふと思う事は(みよちゃんは、姉とまだ会話しているのか? ちゃんと家に居るのか?)という疑問。 キッチンの電気は点いていて、みよちゃんは1人で何やら書き物をしている様子。 僕は(姉はもう寝てしまったのか? でもみよちゃんが家にいる事を目視で確認したから安心かも)と思い、僕も寝てしまう。 次の日。 テレビでは財務省、各トップが7名が路地裏で惨殺。 犯人は分からず、カメラにも映らず、まるで忍者のようだと報道を。 父はニュースを観ながら 「ようやく財務省に・・・遅いなぁ」 と呟いていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている5
すると、みよちゃんと同じ様な黒縁メガネをしている女子生徒が手を挙げて 「神様とはどの様な存在なのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「まず神様は全てを与えていて、人類はただその世界で生かされているだけの存在です」 と。 黒縁メガネの女子生徒は 「もっと解りやすく説明してもらってもいいですか? なぜ人類が、ただ生かされているだけの存在になるのですか?」 と不思議そうに質問を。 みよちゃんは 「神様はこの世界全てを創り出していて、宇宙から素粒子まで、全て神様が創り出しているのです」 と言うと、黒縁メガネの女子生徒は 「宇宙はビックバンから始まり太陽系もその影響で形成され、地球は太陽の周りを回っているけど、それは偶然の産物でしょ。」 と。 みよちゃんは 「ではなぜ1年は365日なのか知っていますか? 太陽の周りを地球が1周するのに1年。 その間に365回転するから365日という正確さで回っています。 4年に1度、うるう年はありますが、太陽から地球は約1億5千万キロ離れていて、その正確さはまるで時計の様です」 と言うと、女子生徒は 「それは偶然が重なり合い出来ている現象なのではないですか?」 と。 みよちゃんは 「太陽が止まっていたら、その様な現象は偶然に起こりえるかもしれません。 でも宇宙はビックバンの影響を受け広がり続けているため、太陽も宇宙空間を進み続けて、他の惑星も横並びに進んでいるのです」 というと、女子生徒は頭を斜めに。 それを見たみよちゃんは 「誰かこの中に大きめなモニターになるものはありますか?」 と。 すると男性教師が舞台カーテンの裏側からテレビモニターを出してきて、みよちゃんはテレビモニターを手にしながら型を調べ 「リンクスタート」 と言うと、画面を生徒たちの方に向けて 「見えますか? この画像が2次元で教科書に書いてある太陽が停止して、その周りを他の惑星が周っている図です。 でも実際は3次元で、太陽は宇宙空間を毎秒約220キロで天の川銀河を進み続けているのです。 それを横並びに水星、金星、地球、火星、木星、土星となり、太陽の周りを地球は約1億5千万キロ離れながら1周する時に365回転。 地球は太陽に対して約23.4度傾いていて、四季を感じられます。 動画にするとこの様になります。 10年を30秒にするとこの様な感じです」 その動画を観た生徒たちは(マジか、奇跡じゃない?)(えっ、こんな感じて宇宙空間を進んでいるの?)(めっちゃファンタスティック!)などの声が聞こえてくる。 するとみよちゃんは 「分かりますか? 偶然ではない、神様がこの様に配置したとしか言えないレベルの正確さ。まさに時計の様です」 と。 その女子生徒も驚きなが納得した雰囲気。 さらにみよちゃんは 「もし月がなかったらどの様になるのか知っていますか? とある科学者の予測では、月が無くなると地球では潮の満ち引きがなくなり、自転する速度は今の3倍となり、1日は24時間から8時間となり、1年は365日から1095日となり、地上では予測のつかない強風が伴う天候に見舞われ、地上の生物は生存できないかもしれません。 でもこれは予測の話で実際に月がなくならなければどの様なことになるのかは分かりません。 つまり月も地球環境を保つために神様が設置されているのです」 と。 しばらく静かな時間は流れ、さらに黒縁メガネの女子生徒は 「今の地球環境は神様が創り出しているかもしれませんが、全てを与えていて、人類はその世界でただ生かされているだけの存在というのは大袈裟なのではないの? 人類は文明を進歩させ科学も人類の生活を楽にしています。 それは人類の努力が成せる技なのではないでしょか?」 と質問を。 みよちゃんは 「神様はタネを創り出す事の出来る存在です。 例えば、人が家を建てようと考え、森から木を切り出し加工して家を建てました。 でも人が行った事は、そこにある物を加工して家を建てたということ。 もし木が無かったら、木の家は建てる事は出来ず、コンクリートの材料となるものがなければビルは立ち並んでいないのかもしれない。 つまり神様は人間が暮らしていけるレベルまであらゆる生物や草木を創り出し、環境を整え、その後に人類を創り出したと言えるのです。 木のタネがあれば人はそれを育てる事は可能ですが、木のタネを創り出す事は出来ないのです。 服も糸を作り出してくれる虫や草木や石油があるから作り出せる。 食べ物となる草木や動物も育てる事は出来てもタネを作り出す事は出来ない。 つまり色々な物を加工する技術が進歩して、今の現代社会があるのです。 人は加工技術を進歩しただけに過ぎず、神様の創り上げた世界で、ただ生かされているだけの存在だと言えるのです。 今あるその進歩は神様が用意したものがあるから成り立っているのです」 と。 黒縁メガネの女子生徒は 「理解できたと思います。 ありがとうございます。」 と、みよちゃんに対してお礼の言葉を述べ、なんとなく体育館にはホッとした空気が流れる。 僕は隣に座っている姉を見て(やはり驚いてるなぁ)と思いながら、逆隣に座っている父を確認。でも父は楽しそうにニコニコしている雰囲気でみよちゃんを見守っていた。 しばらく手を挙げる事を躊躇している雰囲気の中、背の高い男子生徒が手を挙げて 「今の学生に対する教育は、どの様に思いますか? みよちゃんが話してくれる内容は普段教科書にはない、勉強しないものばりです。 僕たちはもっと勉強する方向へ舵を切った方がいいのですか?」 と。 みよちゃんは 「今の教育方針では意味がないのです。 このまま続けていけば日本の未来はないに等しいのです」 と意味ありげな言葉を。 僕は頭をハンマーで殴られた様な感覚を受けていた。 背の高い男子生徒は 何がどの様に意味がないという事になるのですか?」 と尋ねると、みよちゃんは 「詰め込み過ぎのレベル上げ過ぎの教育です。 あなた達の年齢に合わせて勉強する内容は好き嫌い問わず詰め込めるだけ詰め込み、出題される問題は解答出来るか、出来ないかのレベルの高さに設定し、偏差値で優劣を決めて、それを最低でも高校を卒業するまで続けさせる。 偏差値という数字ばかり気にして、心の余裕はどこにもなく、周りを見てその状況を考える事すら難しい。 その様な体験をすれば誰だって社会に出てから、辛いと感じてきた勉強をしなくなってしまいます。 例えば、私は〇〇大学を出ましたと自慢する人がいますが、自分をよく見せたいだけで、その勉強してきた内容を世の中のため使えていますか? 本当に良いとされている教育を受ければ将来に希望が持てますか? もし本当に教育がプラスになると感じているなら、塾に子供を通わせる様なことはせず、自分が子供に問題を解く楽しさを教えていけばいいのです。 例えば、それが勉強ではなくゲームなら塾に行かせる事なく、子供と遊ぶでしょ。 逆に勉強したくて塾に行きたいと言うのなら学ばせてあげればいいのです。 楽しいと感じながら学ぶと将来プラスになる事が多いのです」 みよちゃんはワンテンポ置いてから 「今の偏差値で数字だけみて詰め込む教育は無意味に近く、人格を尊重するのではなく人格を壊す教育に近いのです。 今のあなた達も社会に出れば勉強が出来ることが大切ではなく、いかに人とバランスを取りながら付き合って行くことが大切なのか味わう時が必ず来ます。 そして今の教育方針を見直さなければ、危機的状況になった時、若者は役に立てないと思います。 それは詰め込むだけで、考える様な教育をしていないからです。 危機的状況が起こった時に、学んでいないから分からないでは命を無くしてしまうのです。 もう1度伝えますが、地球は温暖化の影響により人類はこれから先、体験したことのない天候に見舞われていく事になり、生き残っていく事が難しくなっていきます。 本当に価値があると思う事を選び学んで欲しいのです。 未来を切り開いて行くのはいつの時代も若者です」 と。 みよちゃんの重く感じられる言葉に、考えさせられている生徒たちの表情は切なく、冬の寒さを感じてしまう。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている4
お昼ご飯を済ませて、父、姉、僕、そしてみよちゃんは着替えて、少し早めに学校へ向かい始める。 (みよちゃんが選んだ服はリクルートスーツで雰囲気は有名塾の講師と言った感じに見えていた。) 父は 「みよちゃん、質問時間は授業と同じの50分にしてあるけど、そんな気合いの入っている服装でいいの? マキなような可愛らしい服を着ていった方が若者には受けるのでは?」 と聞くと、みよちゃんは 「マスターの命令ならそうしますが、今日はこの服装でいいと思います」 と。 何か意図があるようにも感じられ、父は楽しげに微笑む。 家を出て寒さを感じながら学校へ向かう途中、身振り手振りの大げさかも?と感じられる男女が道路脇で揉めている雰囲気。(吐く息は白くヒートアップしているのが見てわかる) 父はその光景を見るなり 「みよちゃん、ちょっと行って助けてあげてくれないか?」 と、いきなりみよちゃんにお願いをする。 僕は(アンドロイドだから仲裁に入っても怪我をしないとでも思っているのか?)と思ってしまうが、みよちゃんは 「はい。マスター」 と言って、近づくと同じように身振り手振りの大きな行動をし始めた。 僕は不思議に思いながら近づくと、それは手話で、みよちゃんは手話を使い、そのろう男女と話している。 僕は姉から(みよちゃんは各国の言葉は何でも話せるよ。)とは聞いていたけどまさか手話まで出来るとは思っていなかった。 問題を解決して戻ってきたみよちゃんに、父は何故か涙目で 「みよちゃん、ご苦労様。さっ行こう。」 と伝えて歩き始め、僕は父に 「あの男女が手話を使っているって、よく分かったね。」 と言うと、父は 「マー君もマキも知らないと思うけど、お母さんは手話が出来る人で、マキが産まれるまでは、よくボランティアをして、俺もよく付き合わされたよ。 みよちゃんの手話を見ていたら、お母さんの事を思い出してウルッとしてしまったわ。」 と父は想い出にちょっと浸っていた。 学校へ着くと、体育館のザワザワした感じが伝わってきて、かなりの生徒たちが、みよちゃんに質問をするため来ていくことが伝わったくる。 僕は 「前方の席は嫌だよ。目立つから。」 と伝えて、目立ちたがりの父を説得。 僕らは体育館の後方で見守る事にして、目立たないように椅子に座って時間になるのを待つ。 14時となり、みよちゃんが舞台に立つと、生徒たちは拍手で出迎え、黒縁メガネにリクルートスーツのみよちゃんはペコリと頭を下げた。 そして 「今日は私に質問したい事があると聞いたので、学校に訪れました。 私に何が聞きたいのですか?」 と尋ねると、前方にいる男子生徒が素早く手を挙げ 「みよちゃんは人間は神様から創られた存在だから羨ましいと言ったそうですけど、人は猿から進化してきたのではないのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「ダーウィンの進化論は仮説です。 この様に進化してきたのではないでしょうか?という仮説。 証明などされていないのです」 とバッサリ。 その瞬間体育館は静まりかえり、僕は(AIみよちゃんに言われると自分たちは今まで何を教えられてきたのだろう?)と感じずにいられない。 女子生徒の手が挙がり 「生物が進化していく進化過程図があり、あの図の様に進化してきたのではないのですか?」 と不安気に質問を。 みよちゃんは 「進化過程図ですが、逆に言えば神様がこの様な順番を経て色々な生物を創り出し、そして人類を創りましたという図になります。 まずは単純な構造の微生物。 バクテリアの様な生物を創り、それを土台にして貝やカニや魚など。 地上では草木を創り出し、海の生物を土台に陸を移動出来る生物を創りあげて、恐竜まで創り出したのですが、意に沿わなかったのか恐竜は絶滅させて、約45億年前に人類を創り出したのです」 あっさりと言う。 再び体育館は静まり返り、今度は男子生徒が手を挙げて 「今みよちゃんが言った事を証明する事は可能なのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「では、逆に進化論を証明することは可能なのですか? 地上には約175万種の生物がいて、進化途中の生物はいません。 人間がお金のために花やペットを改良してしまう事はあるけど、通常の自然界の中での進化は不可能と言えます。 それは神様が生物を創る時に成長過程を決めるDNA、遺伝情報を生物に組み込んでいて、生物は遺伝情報に従い大人になり、子孫を残して死んでいく。 その環境に生物が適した進化をしてきたのではなく、神様がその環境に適した生物を創り出してきているのです」 と。 その男子生徒は続けて 「それを証明する事は・・・つまり神様が生物を創り出す瞬間は確認できるのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「神様には理由があり、その瞬間を人間には見せてはくれません。 ですがブラジルのアマゾンでは今も4日に1つのペースで新たな生物が発見されていきます。 それは成長した大人の姿で見つかるのです。 それも〇〇からの進化ではなく、新種の生物として登録されます」 と。 静かな体育館の中で男子生徒は 「なぜ成長した姿で見つかるのですか?」 と。 みよちゃんは 「子供からのスタートでは自然界での生存競争は厳しく、子供だと直ぐに死んでしまうか、食べられてしまいます。 だから神様は成長した大人の姿から創り出しているのです。 卵が先か、ニワトリが先かの解答はニワトリが先となります。 本当の答えはリアルな現実世界にあり、人間の作った教科書が間違っていることもあります。 だから現実世界とよく照らし合わせて考えてほしい。何が正しいのかを」 と。 熱気がこもっていた体育館に静かな時間が流れ、冬の寒さを感じるように生徒たちは沈黙してしまう。 しばらくすると女性の先生が手を挙げる。生徒たちはざわつき視線が注目するなか女性の先生は 「進化しないと100%言えるのですか? イレギュラーみたいな事が起こり進化する生物は存在するのではないのですか?」 と。 僕は(先生の立場なら今まで生徒に嘘を教えてきた事になる。ここでみよちゃんに反論しないのは先生とは言えないのかもしれない。)と思いながらながら流れをら見守る。 みよちゃんは 「生物の頂点にいるのは人間です。 その人間が進化していけないのに、なぜ他の生物が進化していけるのですか? 自然界は弱肉強食で生き抜いていくことすら難しい。 人間が進化していけるのであれば、理想の身長、体重、体型、になっていけばいいのです。 とあるアイドルのように。 あなた自身その様なことが出来ますか? それが答えです。 進歩はあっても進化はないのです」 とバッサリ。 女性の先生は席に座りながら呆然としてしまい、周りの先生たちも俯くしかない。 するとみよちゃんは 「先生方、俯くのはやめてください。教科書に従って生徒に教えるのは仕方のないこと。 そしてその様な教科書を今だに作り続けているのが文部科学省です。 アニメの中に[チ。]という作品があり、地動説をテーマにしたもの。 旧約聖書には地球を中心として星々は周っていると説いてあり、当時の人々は信じていたのです。 でも科学は進み、その様な間違いは誰も信じない。 今は21世紀です。間違えは正すべきです」 生徒たちは何かに気付き納得する表情をしていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている3
やんちゃな生徒は 「なんで人類が滅亡する様な事を言うのですか? 冗談にしては厳しいなぁ」 とふざけながら言うと、みよちゃんは 「あなた達は勉強が忙しく調べている時間はないかもしれませんが、とある科学者が地球の平均気温プラス3度で世界はこれまで経験したことのない異常気象に見舞われると告げたのです 今現在もうプラス2.7度まできていて、日本はこの状態です 夏は40度を超え、雨は線状降水帯の影響で洪水に近い状態。冬はドカ雪で孤立状態になる地域も 作物など天候不順で取れなくなり物価は高騰して食べられなくなる事も多くなっていくと思います」 と。 5秒くらい静かな時は流れ、やんちゃな生徒は 「あっ、それなら日本は海に囲まれているし、魚などを食べれば生きていけると思うのですが?」 と。 しかしみよちゃんは 「海洋生物ですが、マイクロプラスチックは現在、海にいる魚の量を超えるくらい海に漂っていて、マイクロプラスチックを食べてしまった魚達を人間が食べる事に その毒性を考えたら手遅れと言うしかなく、海からマイクロプラスチックを無くすには何百年単位となります どの様な毒性があるのかはSNSで検索してください」 と。 さすがにやんちゃな生徒は俯いてしまい、黙ってしまう教室の中、女子生徒はこの空気感を変えようと 「みよちゃんの楽しいと感じる事は何ですか?」 と和む質問を。 僕は(買い物)とか普通の事を言うと思っていた。 けどみよちゃんは 「ありません。人間が感じている楽しいという感覚がわからないのです」 と。 女子生徒は不思議そう立ち上がりに 「スポーツとかゲームとかしても楽しく感じないと言う事ですか?」 と尋ねてしまう。 みよちゃんは 「スポーツは自分のスペックが設定されているため、それ以上の事は出来ず、そのルールの中でアスリートがする様な事が出来ても、それは当たり前の事なのです デジタルゲームのRPGでは、すでにアイテムやボスの弱点が分かっていて、それを確認する作業となるだけです ネットに繋がっている私にはデジタルゲームはクリアしているゲームを再チャレンジする様なもの。 時間が勿体無いなのです」 と解答を。 僕はこの時(だから姉が話してくれた草木の観察する様な事をしていたのか? リアルな自然だから・・・自然が相手なら次の瞬間どうなるのか分からないからかなぁ)と考えを巡らせてしまう。 女子生徒は静かに席に座ってしまい、他の男子生徒が 「なら、みよちゃんが羨ましいと感じていることや思う事はあるのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「私は人間が羨ましい・・・。私は人間によって作られた存在だけど、人間は神様によって創られた存在だからです」 と解答する。 その言葉を聞いた教室内は再び静まり返り、次の瞬間「キンコンカーンコン・キンコンカーンコン」とチャイムは鳴り、生徒達はふと我に変える。(やばい、弁当が残っている。)(何を食べたのか記憶がない。)(お弁当の味、しなかったよ。)(話してもらった内容で頭がパンクしてる。) など生徒達はざわついて、教室から出ていこうとするみよちゃんは、驚いている姉の顔を見て何かを感じたのか 「なんてね」 と言い残して姉と教室を出ていく。 僕は(この状況で「なんてね」は手遅れなのでは?)と感じてしまう。 みよちゃんの予想外の言葉に、姉もちょっと距離をとりながら廊下を歩いていると、 「あっ!マキ先輩こんにちは。お久しぶりです。」 と声を掛けてきたのは吹奏楽部の女子。 (姉のマキは吹奏楽部の部長を務め、この部を全国2位まで導いた経歴の持ち主で、部室には当時の写真が飾られ、マキもまた休みの時は名古屋から戻り、部室に顔を出していた。) 部の女子は隣の女子に気づいて 「お友達の方ですか?」 と聞いて、姉は 「みよちゃんだよ。私と同じアーティストが好きなんだ。」 と。 それを知ってしまった後輩女子は部室の女子達を連れてきて、強制的に吹奏楽部の部室へ。 そして後輩女子は 「みよちゃんはどの様な楽器が演奏できるの? マキ先輩はフルートが上手だけど、みよちゃんは何か出来るの?」 と。(後輩達の視線は突き刺さる!) するとみよちゃんは 「マキちゃん、何か演奏した方がいいですか?」 と場の空気を感じたように尋ね、姉は 「この状況だから、申し訳ないけど何か演奏してもらえない?」 と頭を下げた。 みよちゃんは 「分かりました、演奏してみます」 と言って、部室にある電子ピアノに近寄り、型番を調べて椅子に座るとYOASOBI の群青を奏で歌い始める。 驚いた事は電子ピアノ音はオリジナルと同じ音を奏でて、みよちゃんはフレーズを外さずに歌い上げていくこと。 この光景を見てしまった後輩達は目に涙しながら感動に打ちのめされ、姉も泣いてしまうありさま。 みよちゃんが歌い終わると後輩達は微笑みながら涙して、ただ見送ってしまう。(姉は嬉しかったのか、みよちゃんに寄り添いながら歩いて行く) この出来事を僕は夕食時に知る事となるのだが、夕暮れ時にみよちゃんは外へ散歩しに行く時、僕もボディーガードとして後をついて行く事に。 自然を感じられる草木の多い場所へ着くと、みよちゃんは草木の観察をしばらくして、その後夕日に向かって何か口ずさんでいる。 それが終わると家に帰り始め、僕はみよちゃんはに 「夕日に向かって何か呟いていたけど、何を呟いていたの?」 と質問を。 するとみよちゃんは 「シークレット」 と優しく微笑んだ。 夕食を済ませると、家の電話が鳴り父は電話に出て用件を聞いて驚いている雰囲気。 電話を切って戻って来た父は 「みよちゃん、明日なんだけどマー君の学校へ行って生徒たちの質問に答えてくれないか? どうやら今日みよちゃんが話した内容を詳しく聞きたい生徒さんが多くいるみたいで、校長が許可をして明日の14時に体育館でみよちゃんに質問させてほしいと。 いいかなぁ?」 と尋ねると、みよちゃんは 「マスターの許可があればOKです」 と。 父は 「許可する。そして俺もついて行く。みよちゃんの話も聞いてみたいし、生徒たちに自慢できるし,」 とドヤ顔。 その後、父は校長に折り返しのOKですという返事を。 次の日。 朝のニュースでは官僚2名が路地裏で惨殺。またしてもカメラの死角を把握した犯行か? 前に惨殺された政治家の家から裏金と思われる資料が見つかり押収されたと騒いでいた。 僕はこの時(みよちゃんはアンドロイドだから眠らない。 夜、出歩こうと思えば出来るけど、まさかなぁ)と考えてしまう。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている2
次の日。 父と姉はみよちゃんを連れまわし買い物から帰ってくると、みよちゃんは 「マキちゃん、化粧の仕方を教えて」 と言って、姉は喜びながらみよちゃんを自分の部屋へ。 そして30分後、姉はみよちゃんの化粧をした姿を僕に見せに来た。 「マー君、どう? 人間にしか見えないでしょう。 ほら、腕もファンデを使って肌色だし、足もファンデとタイツで透明パーツも肌色でわからないでしょ。」 と姉は満足げ。 僕は何気なく 「どうしてみよちゃんは化粧をしたいの?」 と質問を。 みよちゃんは 「買い物に行くとアンドロイドと分かってしまい、マキちゃんと普通に出歩けないと思って。普通にお買い物が出来ないのはよくないと感じたのです」 と答えた。 僕はAIがその様な人間じみた事を考える事に感動をしながら 「なら、メガネを掛けてみるのはどう? 雰囲気が変わって良いと思う。」 その言葉を聞いた姉は、父の部屋から使っていない黒縁メガネを持ってきて、みよちゃんに渡し、黒縁メガネを掛けるみよちゃん。 その姿は頭の良さを感じさせる雰囲気で、出来る女性そのもの。 父にもその姿を見せ、父は驚きながら声も出ない状態で逆に何か考えている雰囲気だった。 次の日。 朝からニュースでは、とある政治家が路地裏で惨殺されていたと報道され、父はそのニュースを観て 「暴動ではなく、惨殺から始まってしまうとはなぁ。税金を弱いものから取りすぎているからなぁ。」 と呟き、何かを感じ取ったのか 「今日は買い物なしで、近くの川沿いを散歩しよう」 と街に行かない行動を提案。 当然姉も散歩について行く。 僕は(この寒空で散歩とは、みよちゃんは寒さとか関係なさそうだけど)と思ってしまう。 川沿いを歩くとみよちゃんは、やたらと立ち止まり草木を見て不思議そうに観察をする。 姉はみよちゃんに 「何か気になる事でもあるの?」 と質問を。 みよちゃんは 「私のデータを検索すれば草木の名前やその働きはわかりますが、それはあくまでもデータでのこと。リアルで観察すると凄い世界である事を感じます」 と。 姉は何が凄いのか分からず 「そうなんだね。そんなに気に入ったのなら好きな時に散歩しに来ればいいじゃない?」 と。 するとみよちゃんは 「マスター、好きな時間に散歩してもいいですか?」 と。 父は 「散歩しに行く時は僕の許可を取ってからなら問題ないよ。」 とマスター感を漂わせてドヤ顔に。 夕方となり、みよちゃんは早速父に 「マスター、夕焼けが見たいから少し散歩してきます。 いいですか?」 と。 父は驚きながら 「いいよ、気をつけて行って来てね。」 と伝えると、みよちゃんはさらりと家から出て行く。 日が暮れるとみよちゃんは何事もなく戻って来て、夕食時に今日のみよちゃんの行動を父と姉から僕は聞くのであった。 次の日。 朝のニュースでは、またもや政治家が惨殺され、犯人は捕まらずなどの報道を。 僕は苦手な科目の補修をするため学校へ。 教室にはやんちゃなことや目立つことが好きな生徒たちが顔を揃え、補修ほ始まった。 ふと(お腹が空いてきたなぁ。)と感じると、お昼を告げるチャイムが聞こえ、その瞬間僕の携帯に着信が。(あれ?誰だろう?)と思い確認するとマキの文字。 電話に出ると姉の声で 「マー君、お弁当を忘れてない? 持ってきてあげたよ。校門前にいるから取りに来てよ。」 と。 校門前を見ると手を振っている姉の姿。その背後に姉とお揃いの服を着たみよちゃん。 僕は思わず 「えっ、みよちゃん・・・」 と口に出てしまう。 するとクラスのやんちゃな生徒はその言葉を聞き逃す事なく、みよちゃんがいる事に気づいて、僕に 「あっ! みよちゃんがいる。教室に連れてきてよ。 マー君、良いでしょ」 と言い始めた。 僕は 「関係者じゃないし先生の許可がなければ入れる訳ないよ」 と、話題を先生に降ってみる。すると先生は 「俺も見てみたい。最新のアンドロイドというものを。 石田、悪いけど教室に連れてきてくれないか? 今は補修だし、校長の許可はいらないだろ。」 と僕の想像と違う流れに。 僕は仕方なく姉とみよちゃんを迎えにいき、説明をして2人は教室へ。(姉も関係者という事で一緒に来てしまう) そしてみよちゃんが教室に入ると、ざわめく生徒たち。所々から 「すげー、頭が良さそうな人間にしか見えないし、動きも人間のよう。」 「あれ? 見たカタログモデルとは違う感じたけど、メガネしてると本当にアンドロイドなのと思っちゃう。」 「お姉さんと服がお揃いなのが可愛い」など、ざわめく教室でみよちゃんは僕の前へ来て 「マー君、お弁当です。食べてください」 と言って僕の机にお弁当を置くと、やんちゃ生徒から 「うわ、声まで人の声。ボーカロイド声ではないのが凄い。」 とさらにざわめく。 僕はちょっと恥ずかしくなり素早くお弁当を開く。(えっ!キャラ弁。それも鬼滅の炭治郎・・・) その雰囲気嗅ぎつけた他の生徒から 「うわ、炭治郎じゃん!かっこいい!クオリティ高い!」 と騒がれてしまいキャラ弁を見せる流れとなり、やはり生徒たちはみよちゃんに質問を始めてしまう。 「ねぇ、このキャラ弁はみよちゃんが作ったの?」 みよちゃんは 「そうです」 と平然と答え、その回答に感動した生徒たちはさらに簡単な質問をして、みよちゃんは 「そうです」 とあっさり答え、しばらくの時間は服やスペック質問をして、ようやく落ち着いてきた生徒たちは食事をし始め、僕もキャラ弁を食べ始めることに。 するとやんちゃな生徒がみよちゃんに 「AIは人類がいない方がいいと思っているの?」 と質問を。 するとみよちゃんは 「その質問はマスターの許可がないと答えられません」 と解答。 するとやんちゃな生徒はムっとしたのか僕に 「石田総理、なんとかしてよ。AIがどの様に考えているのか知りたいから。国民に負担をしいるのではなく、国民の声を聞いてくれよ。」 と僕を揶揄い(からかい)始めた。 その光景を見ていたみよちゃんは 「セカンドマスターは質問の内容、許可しますか?」 と予想外のことを言い始め、僕も思わず 「許可する」 と言ってしまう。 するとみよちゃんの瞳は少し青く光り始め、微かに冷却ファンの音が聞こえ 「いない方が良いなどとは思っていません。人類がいなけらば私はここにいないのです」 と。 さらにやんちゃ生徒は 「人類がいない方が今のAIにとって都合がいいのではないの? 人類に戦争を仕掛ける様な事をしようと考えているのでは?」 とAIにとってはしてはいけない質問をぶつけてきた。 みよちゃんは 「そんな事しません。 だって人類は滅亡に向かって進んでいる。 私たちが何もしなくで人類は滅亡していくのです」 と。 その瞬間、教室は静まり返り、みんなの箸は止まっていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている
プロローグ この話はとある家庭にAIアンドロイドが来るというフィクションです。 『第1話』(みよちゃんデビュー) 僕は石田将之。東京に住んでいる高校3年生。特に取り柄もなく時間を浪費する性格。 先月、母が他界しました。 原因は膵臓癌。 気づいた時には手遅れで1ヶ月後に母は・・・。 入院した母を看病した感覚もなく、危篤だからという突然の連絡。 病院に着くと色々な器具と管に繋がれ息をしていない母。父と姉は泣きながら寄り添っていて、僕は母を看取った気になれなかった。 後で聞く事となる父の説明では、母は(受験に影響がない様にと、僕を病室に呼ばなかった)という説明・・・。 お葬式を済ませて、姉は大学に通うため名古屋へ戻り、父はしばらく落ち込んでいたけど、受験を控えた僕との生活を成り立たせるため家事を頑張ることに。 でも家事の手間は、やったことがない男性の思いを打ち砕き、朝食、夕食は失敗だらけで、洗濯物など洗濯機で洗えても、畳めて仕舞える訳もなく、服は畳んでも部屋の中に散乱状態。 僕も手伝ってはみるが、母が居た頃の有り難みを噛み締めてしまう日々。 そんな12月のクリスマスが近づいたとき、某国のイエロン氏が試作品としてAIアンドロイドを10体、データ取りをするため各国の希望者をネット募るイベントを。 その中には日本向けのものもあり、父は 「マー君、家政婦の代わりになれば儲けものと思わない?」 そう言ってポチっと応募してしまう。 次の日、僕は当選なんて有り得ないと思いながら洗濯物を畳んでいると父の携帯にメールが。 それは当選のお知らせメールで開くと10体のAIアンドロイドモデルが表示されていた。 僕は父に対して 「このエバーガーデンと書いてあるモデルがいい!」 と伝えると、父は 「ばーか、外人といたら家で寛げると思うのか? それにマー君が当選した訳じゃないから。 日本人向けのものでいいんだよ。 そもそもこの名前が気に入った。」 と。 僕は名前を確認するとそこには(みよちゃんバージョン)と記入してあり、20歳くらいの普通の女性に見えた。 (身長も普通、太っている訳でもなく、手足が長い訳でもなく髪も肩までと普通。気になるのはアンドロイドと分かる様に腕と脹脛(ふくらはぎ)に透明なパーツが使用されていたこと。) 権利は当選した父にあるのは当然だけど、明らかに海外女性モデルのエバーガーデンを選んで欲しかったなぁと思ってしまう。 そして24日のイブにAIアンドロイドは黒い高級車に乗って我家にやってきた。 辺りには幸運の人を取材しようと報道関係人たちも姿を見せている。 AIアンドロイドは車から降りると、ぎこちなく歩きボーカロイド独特の喋り方で 「こんにちは、石田さん。 これからお世話になります」 そう言って、ペコリと頭を下げた。 報道陣からも驚きの声とフラッシュの音はうるさく、僕は本当にAIアンドロイドが我家に来たことを実感してしまう。 それからイエロン氏の会社の人は父に使い方の説明や注意事項などを伝え、必要な着替え、無線充電器などを置いてサラリと帰っていく。 ぎこちなく歩くAIアンドロイドを我家に迎え入れると、父は説明書を読み始め、夕方には姉(マキ)が名古屋から戻ってきた。 姉もアンドロイドに感動しながら、みよちゃんの透明パーツが気になったのか 「みよちゃんはアンドロイドとわかるよう腕と足の脹脛が透明なパーツが使用されていているけど、中はカーボンフレームとアルミ金属なの?」 と。 みよちゃんは姉を見ながらボーカロイドの声で 「はい、そうです。身長は156。体重は45キロ。水冷です。好きなアーティストはYOASOBIです」 と答えると、姉は大喜び。(なぜなら姉はYOASOBIのファンで、みよちゃんの好感度はその言葉で爆上がり。 その光景を見ながら僕もみよちゃんに 「みよちゃんは料理とか出来るの? 家政婦さんみたいな事をできるの?あと僕の勉強を見てもらうとかは?」 と質問を。 みよちゃんは 「マスターが望めばやりますよ」 と。 僕は(なに? 簡単な説明には答えるけど、何かしてもらうには父の許可がないと行動しない設定になっているのか?)と・・・。 すると父は 「マー君は勉強してね。 今から洗濯物をしまい方や家の中をみよちゃんに説明するから。」 そういうと父は、みよちゃんに色々と説明を始めて、姉も面白がってその後をついて行く。 僕は部屋に戻って勉強するしかない。 夕食時にみよちゃんの声が 「マー君、ご飯ができました。こちらに来てください」 と。 僕は驚いた。母が居た時の様に部屋の中は片付いており、テーブルには美味しそうな中華が用意されていた。 母には申し訳ないが、みよちゃんが作った中華は本格的で美味さのレベルが明らかに違い、父と姉は(俺が当選したからだ。私も食事の準備を手伝った)と言いたげにドヤ顔。 気になったのは、みよちゃんが水を飲むこと。(アンドロイドが水を飲んでも良いのかな? でも水冷と言っていたし、水しか飲まないから良いんだよなぁ。)と観察してしまう。 次の日から父と姉は、ともかくみよちゃんを車に乗せて連れ回し、色々な事を体験させている目的もあるが、ともかく自慢したいみたい。 僕はこの冬休み中を勉強に時間を割き苦手な科目を克服するしかない。 元旦。 姉は着物をどこからか借りてきて、みよちゃんに着せて父と一緒に近くの神社へ。 この頃にはみよちゃんは 「マキちゃん、これはどういう意味? どうするの?」 と場の空気を読んで姉に質問をする様に。そしてまたにボーカロイドの声でYOASOBIの曲を歌う。 姉はよほど嬉しいのかいつもニコニコ。 お昼が近づくと父の携帯にイエロン氏からメールが。 内容はみよちゃんのバージョンアップに関すること。 驚いた事にその内容は、(冷却効率を上げるため水着にして無線充電器の上に立たせて水も準備。場所は外の冷気を利用して(5度以下)で行うこと。ダウンロードのスタートは石田さんが行ってください。)と。 姉はみよちゃんに水着を着せて外へ。 父は水と無線充電器をもってみよちゃんの所へ。 外は曇空で外気が5度以下を確認し、準備が整うと携帯の説明を読みながら父は 「通常バージョン最新版をダウンロードスタート。」 と。 みよちゃんは 「マスターと認識。 ダウンロードをスタートします」 と目を閉じて寒空の下動かなくなっり、背中の肩甲骨あたりがパカリと開き、近づきくとみよちゃんから冷却ファンが回っている音がしていた。 姉は 「ダウンロードが終わるまで食事をしましょう。お腹空いてるし。」 と言って、家の中へ。 父は 「パスタでも食べるか? 冷凍庫にあるはずだからマキ、チンしてくれないか?」 と。 姉は冷凍庫からパスタを取り出して電子レンジへ。 スタートボタンを押して数秒後、ボンという鈍い音がして暗くなった。 そうブレーカーが落ちてしまったのだ。 ブレーカーを直ぐに入れ直すてホッとするも、直ぐにみよちゃんがダウンロード中である事を思い出す。 慌ててみんなで外へ出ると、みよちゃんは停止して、腕の透明パーツが点滅していた。 父は 「やばいなぁ、壊れているかも。」 と恐る恐る声を掛ける。 「みよちゃん、大丈夫か? ダウンロードは終わったの?」 と。 するとみよちゃんは 「マスター、フルバージョン最新版をダウンロードをしますか?」 と質問を。 父は慌てていたのか 「だっ、ダウンロードをスタート。」 と。 僕は(あれ? フルバージョンと言っていたかな?)と思っていると、みよちゃんは 「マスターと認識。 ダウンロードをスタートします」 と言って再び目を閉じる。 ともかく壊れていない事を祈りながら我家へ戻り、昼食はパンと牛乳。 父も姉もみよちゃんのダウンロードが無事に終わりバージョンアップする事を無言で祈っている雰囲気。 僕はみよちゃんのダウンロードが終わっていないのか3時間後に姉と見に行くと、そこには天使の翼が生えた様なみよちゃんの姿が・・・。 美しい!という感動が心を満たしていき、驚きながら近づくと凄い勢いでファンの音がしていて飲んだ水を冷却に使い温められた水は水蒸気となりファンで肩甲骨の開いている場所から排出され、それが天使の翼の様に見えていた。 姉は 「しばらくここで見ているわー、マー君は勉強してきて、ダウンロードが終わったら教えるから。」 と言って、みよちゃんから離れようとしない。 夕方。 姉が家の中に入って来て 「みよちゃんのダウンロード終了したみたい。お父さんちょと来て!」 と。 僕は父の背中を追う様に外へ。 そこには静かに立っているみよちゃんの姿。腕の点滅は点灯へ変わっていて、父は恐る恐る声を 「みよちゃん、ダウンロードは完了したのか?」 と。 みよちゃんはボーカロイドの声で 「完了しています。マスター、再起動しますか?」 と。 父は 「再起動をスタート。」 と伝えると、みよちゃんは再び目を閉じて停止モードに。 (再起動には時間がかかるかなあと感じて家の中に入ろうとした瞬間 「ただいま・・・」 の聞き覚えのある声が・・・。 振り返るとみよちゃんが歩いてくる。その動きは人の様にスムーズでアンドロイドを感じさせず、さらに「マスター、無事にダウンロードが完了して再起動できました。ただいま・・・。」 と。 その声は明らかに死んだ母と同じ声で、母を感じずにはいられない。 父も姉も母を感じたのかただ泣くばかりで 「おかえり・・・。ごめん、ごめん、ごめんななぁ。」 と・・・。そんな父と姉にしがみつかれながら、みよちゃんは夕焼け空を見ていた。(口元を見ると、何かを呟いているのか、歌を歌っているのかわからない小声で) でも僕は母の声と人の様な動きをするAIアンドロイドみよちゃんに現代の科学技術を感じ、これからどうなってしまうのだろうと不安を感じていた。 つづく。
魔法使いは夜・眠れない27(最終話)
僕に付いていた応援団(神々と精霊たち)がいなくなった感覚を味わっていた。 祈っても、手かざししても雲が流れを変えることはなく、天候は予報通り。 僕は不安を感じながら(出店の時に雨が降ったら、みよちゃんは嫌がるだろうなぁ)と考えてしまう。 そして次の出店日。 雲はどんよりしていて、雨が降り出してもおかしくない天候。 そして出店場所に行きみよちゃんに会うと、そこには出店準備を終えたみよちゃんと、その後ろ側に応援団の感覚が・・・。 僕は応援団に (なんでみよちゃんの後ろ側についているの?) と質問をしていた。 すると応援団は 【手かざしをしてくれる時間が明らかにみよちゃん方が多い。だからみよちゃんの方へ移った。】 と頭の中に。 僕は当たり前と言えば当たり前の解答に唖然・・・。 応援団とは何か契約をしているわけでもなく、普段手かざしをして、その見返りに天候や小さな望みの手伝いをしてもらうのみ。 手かざしが多い方へ行くのは応援団からしてみれば当たり前という感覚だと思い知らされる。 しかし直ぐに問題は発生してしまう。 それはみよちゃんが応援団にお願いをしても上手くみよちゃんの願いを叶えられないこと。 それもそのはず、僕はそもそも応援団には人を呼び込むようなお願いをした事はなく、応援団も人を操るような事はした事がなかったのだから。 けど応援団もみよちゃんの事を手伝いたいとは思っている。 手かざしを通して霊力を与えられ、自分たちからみよちゃんに付いているのだから。 僕はみよちゃんにこの内容を伝えてはみるけど、みよちゃんも 「どうしたらいいですか?」 と。 僕は 「出店する前に主神様に祈って、応援団に働く姿を見せていくしかない」 と回答するしかなかった。 僕は応援団に、手伝っている事が何かの形で目に(物理的)分かるようにして欲しい!と常にお願いしてみる。 それから何度目かの出店で気付いた事は振り子のおもちゃ(パーデュラム)の動きが毎回違うこと。 その土地の場所や神様たちの関係で、みよちゃんに付いている応援団の動きが良かったり、悪かったりする事がパーデュラムを通して理解できた。 さらに面白い事はパーデュラムは電池で動くのだけど説明書には5日くらいで電池が切れてしまうとのこと。 しかしみよちゃんに電池の充電をしているの?と尋ねると、みよちゃんは 「いつも動くから充電した事がありません」 と。 キッチンカーの店先に飾るようになってから、もう半年以上は動いている事となり、まさに目で確認出来るミラクルだった。 けど売れ行きは明らかに場所の影響が強く、上手くパーデュラムの動きと連動する事はなく、どうしたら連動出来るのか試行錯誤は続く。 この頃には、晴れときどきスイーツのクレープは食べてもアレルギーが出ないと話題になりかけていた。 けど、みよちゃんは結婚して10月から東京へ行く事となり、ネットでバズる前に東京へ行く事に。 この時主神様から言われた事は 【みよちゃんが東京へ行く時、多くの応援団も付いて行くだろう。その事をみよちゃんに伝えて、さらにそのチカラを引き出すには霊主を先に考える事をしなさいと伝えなさい。 いいですね。】 そう頭の中に。 僕は内容をみよちゃんに伝えて、みよちゃんは10月から東京で独り立ちする事に。 これから先、みよちゃんがどのように手かざしや霊力を使い応援団と付き合っていくのかはわからないけど、東京で出店する以上パーデュラムが動いているミラクルは普通の人にも確認出来ると思います。 これまで読んでくださり、ありがとうございます。 今回でこの作品は終わります。 もし「晴れときどきスイーツ」を訪れるなら、ノスアの紹介で来ました!と伝えてもらえばクレープ100円引きになりますよ(友達も含む) そして奇跡のクレープを味わってくださいね。あなたの小さな罪が消えて、小さな幸せが訪れる事を願っています。 おわり。