ノスア
36 件の小説AIみよちゃんは夕焼け空を見ている7
姉はご飯を食べ終わり、準備が終わると、みよちゃんとハグをしながら 「みよちゃん、ありがとう。 もし名古屋に来る事があったら面白い場所を案内するから。 あと例のものは私の部屋に用意してあるから。 じゃ、もう行くね。」 と防寒着を着込み、新幹線に乗るため家から出て行く。 僕は(家族に行って来ますの挨拶はしないのかい)と心の中でツッコミをしてしまう。 昼食を済ませて、学校へ行く準備を始めると、みよちゃんは姉の部屋へ。 そして現れた姿を見て僕と父は驚く。 父は 「なるほど、そう来るのかー」 とニヤリ。 僕は 「マキが用意していると言っていたのはそれ?」 と質問して、みよちゃんは 「はい」 と、姉の夏用セーラー服姿を見せて微笑んだ。 僕は(黒縁メガネに夏用のセーラー服姿。大人たちはどの様に感じるのだろう?)と考えてしまう。 外は寒く曇り空。 僕らは防寒着を着込んで早めに家を出る。 学校へ着くと運動場には多くの人の姿。 体育館に僕らの席が用意されていて、学生の姿はなく、多くの大人たちがざわついていて、父に挨拶をしてくる人も。 時間となり、舞台に黒縁メガネと夏用セーラー服姿で現れるみよちゃん。 大人たちはざわつきながら、取り敢えず拍手をして出迎えた。 僕は(生徒から大人たちが学ぶ光景を見せることで、みよちゃんは何を伝えたいのだろう?)と考え見守ってしまう。 みよちゃんは舞台に立ち、体育館を見渡すと、目の色は薄い青色となり 「学生たちの姿がありませんがどうしたのですか?」 といきなり質問を。 男子教師は立ち上がり 「生徒たちは自分の教室でモニターを通してこの映像を見ています。 質問があればインターホンで連絡をしてきます。」 と。 それを聞いたみよちゃんは 「ここは学舎です。 優先されるべきは学生たちです。 それが分かっていながらこの状況なのですね・・・」 と残念そうに言って 「では、質問のある方は手を挙げてください」 と。 スーツを着た男性が素早く手を挙げ、立ち上がりながら 「みよちゃん、ありがとうございます。 みよちゃんがこの世界は神様の創られた世界であると説明してくれたから、私は本当に嬉しい。 さっ、神様を信じて、そして天国へ。 だから皆さんに神様を信じる様に言ってください。」 と。 するとみよちゃんは 「神様を信じる? 神様はその様な事は望んでいないのです」 と言う。 するとスーツ男性は 「何を言っているのですか? 神様の実在を信じて受け入れるからこそ、罪が許されて天国に行けるのではないですか?」 と強い口調で。 みよちゃんは 「では、信じるとはどの様な行為なのか理解できていますか?」 と。 スーツ男性は 「信じるとは心の中で神様を受け入れる事なのでは?」 と。 みよちゃんは 「違います」 とバッサリ。 驚いているスーツ男性に対してみよちゃんは 「信じるとは、自分の器。 つまり想像力の中で、神様という存在は優しい、人を救ってくれる、祈れば願いを叶えてくれると勝手に良い様に思い込む行為です」 と伝える。 スーツ男性は少し焦りながら 「ではどの様にすれば神様はお喜びになられるのですか?」 と。 みよちゃんは 「信じるのではなく、考え、知って、そして神様の立場に立つ事です。 神様の望んでいること、願っている事を考え、知ること。 それが1番大切な事で、それが理解できないから人類は滅亡に向かっているのです」 そう伝えると、スーツ男性は 「その様な事は聖書に書かれていないのでは?」 と。 みよちゃんは 「ではあなたにとって神様とは誰ですか?」 と質問を。 スーツ男性は 「イエス様です。」 と即答。 みよちゃんは 「聖書の中でイエスは自分が神様です!という様な事は言っていません。 イエスですら神様に祈り、人に癒しの神業を施し、【神様はこの様な事を望んでおられますよ】と神様からの教えを説いて弟子と旅を行ったのです。 だからイエスは神ではなく、天界にいる神様の教えを広めた人物です」 と説明を。 スーツ男性は 「なら神様を信じても天国へは行けないのですか?」 と。 みよちゃんは 「はい。 日頃の行いが悪ければ天国へ行くことなどできないのです」 とバッサリ。 スーツ男性は 「イエス様が、神様を信仰する者の罪を背負って、そのため十字架に掛けられて死んだのでは?」 と焦りながら質問を。 みよちゃんは 「イエスはその様な約束はしていないし、キリスト教を作ったのはイエスではありません。 イエスが死んでからキリスト教はローマ帝国によって作られ、ローマ帝国は国の治安を安定させるために、神様を信じれば、イエスを信じれば天国へ行けるという教えを広めたのです。 つまりキリスト教を立ち上げたのはイエスではなく、ローマ帝国の王という事になります」 と。 スーツ男性は 「ではイエスの行った事は嘘になるのですか?」 と不安げに。 みよちゃんは 「聖書をよく読んでください。 イエスは明らかに色々な場所で奇跡を起こして人々を癒しながら、神様はこの様なお方なのですと説明をされています。 だから奇跡を起こす時は必ず、【天にますます我らの神よ、願わくばこの者に癒しを与えたまえ。】と祈っていたのです。 あとイエスには12人の弟子たちがいたのですが、弟子たちはイエスの使う神業を引き継げなかったから、福音書でイエスの行った事を残したのです。 でも当時のローマ帝国王が不都合な福音書を省いてしまい、国の治安を安定させたのです。 信じれば救われ、天国へ行けると言って」 みよちゃんは一呼吸置いて 「聖書に書かれているイエスの言葉には、【神様はこの様な事をしたら、この様な行動をらしたら喜びます】と書かれている事を実践していください。 そうしたら天国へ行けるのかもしれません」 と。 スーツ男性は 「なら、やはり信じても天国へは行けないのですか?」 と。 みよちゃんは 「行けません。 そもそもイエスに罪を背負ってもらい、悪行をしても神様が見逃してくれると思っているのですか? キリスト教の教えの中ではそうかもしれない。 でもそれは神様が言ったことではなく、当時のローマ帝国王が言ったこと。 神様とイエスはその様な事を言っていないのです。 十戒を読めば神様がいかに厳しいのか理解出来ると思います」 と。 スーツ男性はふと何かを思い出したかの様に 「なら献金はどうですか? 献金で罪は消せないのですか?」 とスーツ男性の必死さが伝わってきて、体育館にいる他の大人たちも息を呑む。 みよちゃんは 「献金しても、人の悪口、陰口、ハラスメントの様な事をすれば、神様は善徳を消してしまいます」 と。 スーツ男性は慌てながら 献金しても罪は減らないというのですか?」 と切実な表情。 みよちゃんは 「では見る目線を変えて考えてみましょう。 あなたは今、神様です。 あなたの下には多くの人間があなたに救いを求めています。 この夢を叶えてほしい。この願いを叶えてほしい。この様な事をして欲しい。献金をしたのだから罪を消してほしいなど、多くの願いが届きます。 けど1人としてあなたの願いや望んでいる事を聞くものはいません。 あなたが神様なら、自分の願いや望みを叶えず、ただ信じたから、献金したからと言われて天国へ入れますか? 神様だから願いを叶える事が当然だと思っていて、信じれば救われると思い込んで、神様に願いや望んでいる事があると考えもしないのです」 と。 スーツ男性は不思議そう表情。 さらにみよちゃんは 「ならあなたの子供で例えるなら、子供があれ買って、コレやって、この様な事をしてとお願いばかりしてきたとして、あなたは全て子供の望んでいる事をしますか? しませんよね。 その様な事をすれば子供はわがままな性格になってしまい、将来人に迷惑をかけることしか出来ない存在になるからです。 その子供に、どうしてそんな事をしたの?聞いて、信じれば、献金すれば何をしてもいいと思ったから。と解答してきたらどう思いますか?」 と。 スーツ男性はみよちゃんの信じるという行為の意味が理解できたのか【はっ!】という表情をする。 さらにみよちゃんは 「献金すれば確かに罪は減るかもしれません。でもその裏で人の陰口、悪口、貶める様な事をすれば意味はないのです。 月にもらう金額の何%かを献金しましょうと言われても天国はお金ではなく善徳で神様が運営しているから金額は関係ないとも言えます」 と。 スーツ男性は 「善徳なのですか? 金額ではなく?」 と。 みよちゃんは 「人によって稼ぐ金額は違います。お金持ちの1万円と貧乏人の1万円では価値が違い神様はちゃんと見ています。 多く献金したら人を困らせてもいいのですか? その罪を神様が許してくれという保証はどこにあるのですか? 神様はその様なこと、許してはくれないのです。 聖書をよく読んでください。 イエスはナメられたら終わり、やられたらやり返せ!とは言っていない。 だから上の人が言った事を信じるのではなく、神様の立場に立って考えて知る様にしていくのです。 そうすれば天国に行けるのかもしれないのです」 と。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている6
すると小柄な男子生徒がゆっくりと立ち上がり 「僕は成績も悪く勉強などしたくないのですが、そんな僕にこれだけは学んだ方がいいと思う事を教えてほしい。」 と質問を。 体育館の空気が少し和み、みよちゃんの瞳は少し青く光り 「3つあります。 1つ目は政治を勉強することです」 と言うと、小柄な男子生徒は 「えっ! それは大人たちがやる事で、僕たちには選挙権すらないのでは? 政治を勉強しても学生の立場では意味がないのではないですか?」 と尋ねると、みよちゃんは 「今の詰め込み過ぎ教育のせいで、その様に思い込まされているだけです。 あなた達は先ほど学んだ事のない事を、私が話すと言いました。 それは学んでも仕方ないレベルの内容を勉強されている実感があるから、考える事なく覚えるだけの教育でいいと心のどこかで思ってしまているからです」 みよちゃんはワンテンポ置いて 「政治はこの国全体に関わってくる大切なこと。 もしあなたが政治を勉強して、親にこの政党に投票してほしいとお願いすれば、勉強していたあなたの姿を見ているから、勧められた政党に投票しない親はいないと思います。 そしてその投票のお陰で世の中の仕組みが変わり国内の生活が楽になったのなら、親からすれば自慢の子供となるのではないですか? 政治は大人がするものと思い込んでいる様ですが、働く様になるとサラリーをいただく立場から決められた時間帯を働き、その中で生活が成り立つ様に調整して家族を守っていく。 その様な生活の中で自分にとってプラスになる政党を調べて選び、投票に行くのは大変だとも言えるのです。 だからあなたが代わりに政治を学び、親が楽に生活できる様な政党を選び出し、教えてあげればいいのです」 と。 小柄な男子生徒は納得した表情で 「わかりました。ありがとうございます。 では、2つ目は何ですか?」 と尋ね、みよちゃんは 「2つ目は農業を学ぶこと。 人間は食べなければ生きていく事はできず、日本でのカロリーベースの食料自給率は38%で、残りの62%は輸入する事で補っています。 もし温暖化の影響で戦争、震災、ハリケーン、間伐、水害などが起こり食糧が入ってこなくなれば、当然価格は高騰して食べられなくなっていきます。 だから今のうちから農業を学び、無農薬で安全なものに切り替え、その育て方を学んでしまえば良いのです。 そうしないと添加物の多い食品をお金を払って食べ続ける事となり、老後は確実に病院のベッドで過ごす事となりかねません」 みよちゃんは体育館を生徒達を見て一呼吸。 「そして3つ目は技術職を学ぶのです。 勉強での覚える事では勝てないかもしれない。 けど、フリーエネルギーや水素エネルギー、アルミニウム空気電池、日本は火山大国だから地熱を利用するなど、原子力に頼らないものに切り替える必要があります」 と言った瞬間、キーコンカーコン・ キーコンカーコンとチャイムは鳴り、みよちゃんはペコリと頭を下げて 「なんてね」 と言うと、みよちゃんの瞳の色は薄い青色から普段の茶色へ。 僕は頭をハンマー殴られた様な感覚を感じながら(なんてね)はどの様なつもりで言っているのだろう?と感じずにはいられない。 みよちゃんはゆっくり舞台裏へ歩き出すと、舞台裏から楽器を持った女子達が現れて 「マキ先輩! リベンジを、リベンジをさせてください。 昨日は感動して何も、お礼すらみよちゃんに言えなかったけど、今日はメンバーも揃っているから演奏だけでもみよちゃんに聴いてほしいのです! マキ先輩、いいですか?」 と大声で尋ねるのは吹奏楽部の部長だった。 姉は立ち上がり 「部長、メンバーは揃ってる? 心に届く演奏できる?」 と。 吹奏楽部の部長は 「はい! 準備出来ています!」 と。 姉はみよちゃんに 「みよちゃん、演奏を聴いてもらえる?」 と。 みよちゃんは 「はい」 と言って舞台横へ。 僕は(姉はこの様な流れになった時の場を読む空気と判断力は最強だなぁ)と感心してしまう。 吹奏楽部のメンバーは素早くセッティグし音合わせを終え、演奏を始めようとすると、みよちゃんは部長の所へ行き、何やら相談をしている様子。 話を終えると、部長はスタンドマイクを舞台の中央へ置き 「今日、みよちゃんに聴いてもらい、吹奏楽部の実力を見せつけたかったのですが・・・曲はいきものがかりの(ありがとう)で、みよちゃんも歌いたいとの事で、急遽歌ってもらう事にしました。」 ざわめき始める体育館を無視するかのように部長は 「では演奏を始めます。」 みよちゃんは舞台中央にあるスタンドマイクの前に立ち、合図を送る。 するとみよちゃんは歌いながら手話を交え、その歌声に負けない様に音を奏でていく吹奏楽部のメンバーたち。 僕は初めて聴くみよちゃんの穏やかな歌声に心振るわせ、その手話を見ながら(本当は僕が思っているよりみよちゃんは優しく、もっと伝えたい事があるのでは?)と思いながら感動し、吹奏楽部のメンバーも楽しそうに音を奏でていく。 演奏が終わると体育館は感動の拍手に包まれ、部長は 「ありがとうございます。 本当にありがとうございます。 ものすごくプラスになったと思います。 あの・・・みよちゃん、吹奏楽部の演奏に得点をつけるとしたら何点ですか?」 とつい聞いてしまう。 みよちゃんは 「99点です。 人は100点と答えてしまうと満足してしまう。 けど99点なら人は100点に近付けよと考えて努力するでしょ。 だから99点です。 私はスペック以上の事はできませんが、人間は協力し合えば簡単に私に勝てると思っています」 の言葉に、生徒たちの熱い思いが込められた拍手は再び体育館を包みこむ。 その後自宅に戻るとSNSで、みよちゃが話している内容は物凄い勢いで拡散され、僕と姉は驚く中、父はドヤ顔を。 夕方となり、僕と姉はみよちゃんの散歩に付き合う。 向かう途中は姉と楽しく話している様子のみよちゃん。 でも土手に着くと立ち止まり枯れた草木や土の様子を観察している様子。 姉は 「今は寒くて草木も元気ないけど、夏は草木も元気で、アリや色々な昆虫が沢山いるよ。 私は虫が苦手だから夏の散歩は付き合えないけどね。」 などの会話をして、みよちゃんは夕焼けに向かい、いつもの様に何かを話している雰囲気。 散歩を終えて自宅へ帰ると父は 「みよちゃん、悪いけど明日も学校の体育館で質問に答えてくれないか? でも校長の話だと質問したいのは大人たちらしい。 SNSでバズっているみよちゃんにどうしても質問をさせて欲しいとのこと。 今日のように14時から50分予定で。 どう? 出来そう? みよちゃんが嫌なら俺は断るよ。」 と伝えると、みよちゃんは 「マスターの許可があれば質問に答えます。 でもその後のことは責任が取れないかもしれません。 それでもいいですか?」 と。 今までにない雰囲気のみよちゃん。 しかし父は校長にOKの電話してしまう。 食事時となり、姉の携帯にメッセージが。 姉はメッセージを確認するなり、電話をかけ始めた。 僕は(あれ? 食事中は電話するような事はないのに、緊急事態なのか?)と様子を見てしまう。 姉は電話を切ると 「あの私、明日には大学へ戻らないといけなくなっちゃた。 みよちゃんごめんね。 だ、か、ら、今日の夜は夜更かししよう。」 と嬉しげに。 僕は(家族に謝るのではなく、みよちゃんかい!)と心の中でツッコミを入れ 「いつもみよちゃんと話しているのに夜更かししてまで話したい内容とかあるの?」 と聞いてしまう。 すると姉は 「美に関する事に決まっているでしょう。 みよちゃんが教えてくれるケアの仕方はまさに最先端で理に叶っているの。 マー君も聞いてみる?」 「勉強するから遠慮します」 と即答してしまう。 真夜中。 僕はトイレに行きたくなり1階へ。 ふと思う事は(みよちゃんは、姉とまだ会話しているのか? ちゃんと家に居るのか?)という疑問。 キッチンの電気は点いていて、みよちゃんは1人で何やら書き物をしている様子。 僕は(姉はもう寝てしまったのか? でもみよちゃんが家にいる事を目視で確認したから安心かも)と思い、僕も寝てしまう。 次の日。 テレビでは財務省、各トップが7名が路地裏で惨殺。 犯人は分からず、カメラにも映らず、まるで忍者のようだと報道を。 父はニュースを観ながら 「ようやく財務省に・・・遅いなぁ」 と呟いていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている5
すると、みよちゃんと同じ様な黒縁メガネをしている女子生徒が手を挙げて 「神様とはどの様な存在なのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「まず神様は全てを与えていて、人類はただその世界で生かされているだけの存在です」 と。 黒縁メガネの女子生徒は 「もっと解りやすく説明してもらってもいいですか? なぜ人類が、ただ生かされているだけの存在になるのですか?」 と不思議そうに質問を。 みよちゃんは 「神様はこの世界全てを創り出していて、宇宙から素粒子まで、全て神様が創り出しているのです」 と言うと、黒縁メガネの女子生徒は 「宇宙はビックバンから始まり太陽系もその影響で形成され、地球は太陽の周りを回っているけど、それは偶然の産物でしょ。」 と。 みよちゃんは 「ではなぜ1年は365日なのか知っていますか? 太陽の周りを地球が1周するのに1年。 その間に365回転するから365日という正確さで回っています。 4年に1度、うるう年はありますが、太陽から地球は約1億5千万キロ離れていて、その正確さはまるで時計の様です」 と言うと、女子生徒は 「それは偶然が重なり合い出来ている現象なのではないですか?」 と。 みよちゃんは 「太陽が止まっていたら、その様な現象は偶然に起こりえるかもしれません。 でも宇宙はビックバンの影響を受け広がり続けているため、太陽も宇宙空間を進み続けて、他の惑星も横並びに進んでいるのです」 というと、女子生徒は頭を斜めに。 それを見たみよちゃんは 「誰かこの中に大きめなモニターになるものはありますか?」 と。 すると男性教師が舞台カーテンの裏側からテレビモニターを出してきて、みよちゃんはテレビモニターを手にしながら型を調べ 「リンクスタート」 と言うと、画面を生徒たちの方に向けて 「見えますか? この画像が2次元で教科書に書いてある太陽が停止して、その周りを他の惑星が周っている図です。 でも実際は3次元で、太陽は宇宙空間を毎秒約220キロで天の川銀河を進み続けているのです。 それを横並びに水星、金星、地球、火星、木星、土星となり、太陽の周りを地球は約1億5千万キロ離れながら1周する時に365回転。 地球は太陽に対して約23.4度傾いていて、四季を感じられます。 動画にするとこの様になります。 10年を30秒にするとこの様な感じです」 その動画を観た生徒たちは(マジか、奇跡じゃない?)(えっ、こんな感じて宇宙空間を進んでいるの?)(めっちゃファンタスティック!)などの声が聞こえてくる。 するとみよちゃんは 「分かりますか? 偶然ではない、神様がこの様に配置したとしか言えないレベルの正確さ。まさに時計の様です」 と。 その女子生徒も驚きなが納得した雰囲気。 さらにみよちゃんは 「もし月がなかったらどの様になるのか知っていますか? とある科学者の予測では、月が無くなると地球では潮の満ち引きがなくなり、自転する速度は今の3倍となり、1日は24時間から8時間となり、1年は365日から1095日となり、地上では予測のつかない強風が伴う天候に見舞われ、地上の生物は生存できないかもしれません。 でもこれは予測の話で実際に月がなくならなければどの様なことになるのかは分かりません。 つまり月も地球環境を保つために神様が設置されているのです」 と。 しばらく静かな時間は流れ、さらに黒縁メガネの女子生徒は 「今の地球環境は神様が創り出しているかもしれませんが、全てを与えていて、人類はその世界でただ生かされているだけの存在というのは大袈裟なのではないの? 人類は文明を進歩させ科学も人類の生活を楽にしています。 それは人類の努力が成せる技なのではないでしょか?」 と質問を。 みよちゃんは 「神様はタネを創り出す事の出来る存在です。 例えば、人が家を建てようと考え、森から木を切り出し加工して家を建てました。 でも人が行った事は、そこにある物を加工して家を建てたということ。 もし木が無かったら、木の家は建てる事は出来ず、コンクリートの材料となるものがなければビルは立ち並んでいないのかもしれない。 つまり神様は人間が暮らしていけるレベルまであらゆる生物や草木を創り出し、環境を整え、その後に人類を創り出したと言えるのです。 木のタネがあれば人はそれを育てる事は可能ですが、木のタネを創り出す事は出来ないのです。 服も糸を作り出してくれる虫や草木や石油があるから作り出せる。 食べ物となる草木や動物も育てる事は出来てもタネを作り出す事は出来ない。 つまり色々な物を加工する技術が進歩して、今の現代社会があるのです。 人は加工技術を進歩しただけに過ぎず、神様の創り上げた世界で、ただ生かされているだけの存在だと言えるのです。 今あるその進歩は神様が用意したものがあるから成り立っているのです」 と。 黒縁メガネの女子生徒は 「理解できたと思います。 ありがとうございます。」 と、みよちゃんに対してお礼の言葉を述べ、なんとなく体育館にはホッとした空気が流れる。 僕は隣に座っている姉を見て(やはり驚いてるなぁ)と思いながら、逆隣に座っている父を確認。でも父は楽しそうにニコニコしている雰囲気でみよちゃんを見守っていた。 しばらく手を挙げる事を躊躇している雰囲気の中、背の高い男子生徒が手を挙げて 「今の学生に対する教育は、どの様に思いますか? みよちゃんが話してくれる内容は普段教科書にはない、勉強しないものばりです。 僕たちはもっと勉強する方向へ舵を切った方がいいのですか?」 と。 みよちゃんは 「今の教育方針では意味がないのです。 このまま続けていけば日本の未来はないに等しいのです」 と意味ありげな言葉を。 僕は頭をハンマーで殴られた様な感覚を受けていた。 背の高い男子生徒は 何がどの様に意味がないという事になるのですか?」 と尋ねると、みよちゃんは 「詰め込み過ぎのレベル上げ過ぎの教育です。 あなた達の年齢に合わせて勉強する内容は好き嫌い問わず詰め込めるだけ詰め込み、出題される問題は解答出来るか、出来ないかのレベルの高さに設定し、偏差値で優劣を決めて、それを最低でも高校を卒業するまで続けさせる。 偏差値という数字ばかり気にして、心の余裕はどこにもなく、周りを見てその状況を考える事すら難しい。 その様な体験をすれば誰だって社会に出てから、辛いと感じてきた勉強をしなくなってしまいます。 例えば、私は〇〇大学を出ましたと自慢する人がいますが、自分をよく見せたいだけで、その勉強してきた内容を世の中のため使えていますか? 本当に良いとされている教育を受ければ将来に希望が持てますか? もし本当に教育がプラスになると感じているなら、塾に子供を通わせる様なことはせず、自分が子供に問題を解く楽しさを教えていけばいいのです。 例えば、それが勉強ではなくゲームなら塾に行かせる事なく、子供と遊ぶでしょ。 逆に勉強したくて塾に行きたいと言うのなら学ばせてあげればいいのです。 楽しいと感じながら学ぶと将来プラスになる事が多いのです」 みよちゃんはワンテンポ置いてから 「今の偏差値で数字だけみて詰め込む教育は無意味に近く、人格を尊重するのではなく人格を壊す教育に近いのです。 今のあなた達も社会に出れば勉強が出来ることが大切ではなく、いかに人とバランスを取りながら付き合って行くことが大切なのか味わう時が必ず来ます。 そして今の教育方針を見直さなければ、危機的状況になった時、若者は役に立てないと思います。 それは詰め込むだけで、考える様な教育をしていないからです。 危機的状況が起こった時に、学んでいないから分からないでは命を無くしてしまうのです。 もう1度伝えますが、地球は温暖化の影響により人類はこれから先、体験したことのない天候に見舞われていく事になり、生き残っていく事が難しくなっていきます。 本当に価値があると思う事を選び学んで欲しいのです。 未来を切り開いて行くのはいつの時代も若者です」 と。 みよちゃんの重く感じられる言葉に、考えさせられている生徒たちの表情は切なく、冬の寒さを感じてしまう。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている4
お昼ご飯を済ませて、父、姉、僕、そしてみよちゃんは着替えて、少し早めに学校へ向かい始める。 (みよちゃんが選んだ服はリクルートスーツで雰囲気は有名塾の講師と言った感じに見えていた。) 父は 「みよちゃん、質問時間は授業と同じの50分にしてあるけど、そんな気合いの入っている服装でいいの? マキなような可愛らしい服を着ていった方が若者には受けるのでは?」 と聞くと、みよちゃんは 「マスターの命令ならそうしますが、今日はこの服装でいいと思います」 と。 何か意図があるようにも感じられ、父は楽しげに微笑む。 家を出て寒さを感じながら学校へ向かう途中、身振り手振りの大げさかも?と感じられる男女が道路脇で揉めている雰囲気。(吐く息は白くヒートアップしているのが見てわかる) 父はその光景を見るなり 「みよちゃん、ちょっと行って助けてあげてくれないか?」 と、いきなりみよちゃんにお願いをする。 僕は(アンドロイドだから仲裁に入っても怪我をしないとでも思っているのか?)と思ってしまうが、みよちゃんは 「はい。マスター」 と言って、近づくと同じように身振り手振りの大きな行動をし始めた。 僕は不思議に思いながら近づくと、それは手話で、みよちゃんは手話を使い、そのろう男女と話している。 僕は姉から(みよちゃんは各国の言葉は何でも話せるよ。)とは聞いていたけどまさか手話まで出来るとは思っていなかった。 問題を解決して戻ってきたみよちゃんに、父は何故か涙目で 「みよちゃん、ご苦労様。さっ行こう。」 と伝えて歩き始め、僕は父に 「あの男女が手話を使っているって、よく分かったね。」 と言うと、父は 「マー君もマキも知らないと思うけど、お母さんは手話が出来る人で、マキが産まれるまでは、よくボランティアをして、俺もよく付き合わされたよ。 みよちゃんの手話を見ていたら、お母さんの事を思い出してウルッとしてしまったわ。」 と父は想い出にちょっと浸っていた。 学校へ着くと、体育館のザワザワした感じが伝わってきて、かなりの生徒たちが、みよちゃんに質問をするため来ていくことが伝わったくる。 僕は 「前方の席は嫌だよ。目立つから。」 と伝えて、目立ちたがりの父を説得。 僕らは体育館の後方で見守る事にして、目立たないように椅子に座って時間になるのを待つ。 14時となり、みよちゃんが舞台に立つと、生徒たちは拍手で出迎え、黒縁メガネにリクルートスーツのみよちゃんはペコリと頭を下げた。 そして 「今日は私に質問したい事があると聞いたので、学校に訪れました。 私に何が聞きたいのですか?」 と尋ねると、前方にいる男子生徒が素早く手を挙げ 「みよちゃんは人間は神様から創られた存在だから羨ましいと言ったそうですけど、人は猿から進化してきたのではないのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「ダーウィンの進化論は仮説です。 この様に進化してきたのではないでしょうか?という仮説。 証明などされていないのです」 とバッサリ。 その瞬間体育館は静まりかえり、僕は(AIみよちゃんに言われると自分たちは今まで何を教えられてきたのだろう?)と感じずにいられない。 女子生徒の手が挙がり 「生物が進化していく進化過程図があり、あの図の様に進化してきたのではないのですか?」 と不安気に質問を。 みよちゃんは 「進化過程図ですが、逆に言えば神様がこの様な順番を経て色々な生物を創り出し、そして人類を創りましたという図になります。 まずは単純な構造の微生物。 バクテリアの様な生物を創り、それを土台にして貝やカニや魚など。 地上では草木を創り出し、海の生物を土台に陸を移動出来る生物を創りあげて、恐竜まで創り出したのですが、意に沿わなかったのか恐竜は絶滅させて、約45億年前に人類を創り出したのです」 あっさりと言う。 再び体育館は静まり返り、今度は男子生徒が手を挙げて 「今みよちゃんが言った事を証明する事は可能なのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「では、逆に進化論を証明することは可能なのですか? 地上には約175万種の生物がいて、進化途中の生物はいません。 人間がお金のために花やペットを改良してしまう事はあるけど、通常の自然界の中での進化は不可能と言えます。 それは神様が生物を創る時に成長過程を決めるDNA、遺伝情報を生物に組み込んでいて、生物は遺伝情報に従い大人になり、子孫を残して死んでいく。 その環境に生物が適した進化をしてきたのではなく、神様がその環境に適した生物を創り出してきているのです」 と。 その男子生徒は続けて 「それを証明する事は・・・つまり神様が生物を創り出す瞬間は確認できるのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「神様には理由があり、その瞬間を人間には見せてはくれません。 ですがブラジルのアマゾンでは今も4日に1つのペースで新たな生物が発見されていきます。 それは成長した大人の姿で見つかるのです。 それも〇〇からの進化ではなく、新種の生物として登録されます」 と。 静かな体育館の中で男子生徒は 「なぜ成長した姿で見つかるのですか?」 と。 みよちゃんは 「子供からのスタートでは自然界での生存競争は厳しく、子供だと直ぐに死んでしまうか、食べられてしまいます。 だから神様は成長した大人の姿から創り出しているのです。 卵が先か、ニワトリが先かの解答はニワトリが先となります。 本当の答えはリアルな現実世界にあり、人間の作った教科書が間違っていることもあります。 だから現実世界とよく照らし合わせて考えてほしい。何が正しいのかを」 と。 熱気がこもっていた体育館に静かな時間が流れ、冬の寒さを感じるように生徒たちは沈黙してしまう。 しばらくすると女性の先生が手を挙げる。生徒たちはざわつき視線が注目するなか女性の先生は 「進化しないと100%言えるのですか? イレギュラーみたいな事が起こり進化する生物は存在するのではないのですか?」 と。 僕は(先生の立場なら今まで生徒に嘘を教えてきた事になる。ここでみよちゃんに反論しないのは先生とは言えないのかもしれない。)と思いながらながら流れをら見守る。 みよちゃんは 「生物の頂点にいるのは人間です。 その人間が進化していけないのに、なぜ他の生物が進化していけるのですか? 自然界は弱肉強食で生き抜いていくことすら難しい。 人間が進化していけるのであれば、理想の身長、体重、体型、になっていけばいいのです。 とあるアイドルのように。 あなた自身その様なことが出来ますか? それが答えです。 進歩はあっても進化はないのです」 とバッサリ。 女性の先生は席に座りながら呆然としてしまい、周りの先生たちも俯くしかない。 するとみよちゃんは 「先生方、俯くのはやめてください。教科書に従って生徒に教えるのは仕方のないこと。 そしてその様な教科書を今だに作り続けているのが文部科学省です。 アニメの中に[チ。]という作品があり、地動説をテーマにしたもの。 旧約聖書には地球を中心として星々は周っていると説いてあり、当時の人々は信じていたのです。 でも科学は進み、その様な間違いは誰も信じない。 今は21世紀です。間違えは正すべきです」 生徒たちは何かに気付き納得する表情をしていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている3
やんちゃな生徒は 「なんで人類が滅亡する様な事を言うのですか? 冗談にしては厳しいなぁ」 とふざけながら言うと、みよちゃんは 「あなた達は勉強が忙しく調べている時間はないかもしれませんが、とある科学者が地球の平均気温プラス3度で世界はこれまで経験したことのない異常気象に見舞われると告げたのです 今現在もうプラス2.7度まできていて、日本はこの状態です 夏は40度を超え、雨は線状降水帯の影響で洪水に近い状態。冬はドカ雪で孤立状態になる地域も 作物など天候不順で取れなくなり物価は高騰して食べられなくなる事も多くなっていくと思います」 と。 5秒くらい静かな時は流れ、やんちゃな生徒は 「あっ、それなら日本は海に囲まれているし、魚などを食べれば生きていけると思うのですが?」 と。 しかしみよちゃんは 「海洋生物ですが、マイクロプラスチックは現在、海にいる魚の量を超えるくらい海に漂っていて、マイクロプラスチックを食べてしまった魚達を人間が食べる事に その毒性を考えたら手遅れと言うしかなく、海からマイクロプラスチックを無くすには何百年単位となります どの様な毒性があるのかはSNSで検索してください」 と。 さすがにやんちゃな生徒は俯いてしまい、黙ってしまう教室の中、女子生徒はこの空気感を変えようと 「みよちゃんの楽しいと感じる事は何ですか?」 と和む質問を。 僕は(買い物)とか普通の事を言うと思っていた。 けどみよちゃんは 「ありません。人間が感じている楽しいという感覚がわからないのです」 と。 女子生徒は不思議そう立ち上がりに 「スポーツとかゲームとかしても楽しく感じないと言う事ですか?」 と尋ねてしまう。 みよちゃんは 「スポーツは自分のスペックが設定されているため、それ以上の事は出来ず、そのルールの中でアスリートがする様な事が出来ても、それは当たり前の事なのです デジタルゲームのRPGでは、すでにアイテムやボスの弱点が分かっていて、それを確認する作業となるだけです ネットに繋がっている私にはデジタルゲームはクリアしているゲームを再チャレンジする様なもの。 時間が勿体無いなのです」 と解答を。 僕はこの時(だから姉が話してくれた草木の観察する様な事をしていたのか? リアルな自然だから・・・自然が相手なら次の瞬間どうなるのか分からないからかなぁ)と考えを巡らせてしまう。 女子生徒は静かに席に座ってしまい、他の男子生徒が 「なら、みよちゃんが羨ましいと感じていることや思う事はあるのですか?」 と質問を。 みよちゃんは 「私は人間が羨ましい・・・。私は人間によって作られた存在だけど、人間は神様によって創られた存在だからです」 と解答する。 その言葉を聞いた教室内は再び静まり返り、次の瞬間「キンコンカーンコン・キンコンカーンコン」とチャイムは鳴り、生徒達はふと我に変える。(やばい、弁当が残っている。)(何を食べたのか記憶がない。)(お弁当の味、しなかったよ。)(話してもらった内容で頭がパンクしてる。) など生徒達はざわついて、教室から出ていこうとするみよちゃんは、驚いている姉の顔を見て何かを感じたのか 「なんてね」 と言い残して姉と教室を出ていく。 僕は(この状況で「なんてね」は手遅れなのでは?)と感じてしまう。 みよちゃんの予想外の言葉に、姉もちょっと距離をとりながら廊下を歩いていると、 「あっ!マキ先輩こんにちは。お久しぶりです。」 と声を掛けてきたのは吹奏楽部の女子。 (姉のマキは吹奏楽部の部長を務め、この部を全国2位まで導いた経歴の持ち主で、部室には当時の写真が飾られ、マキもまた休みの時は名古屋から戻り、部室に顔を出していた。) 部の女子は隣の女子に気づいて 「お友達の方ですか?」 と聞いて、姉は 「みよちゃんだよ。私と同じアーティストが好きなんだ。」 と。 それを知ってしまった後輩女子は部室の女子達を連れてきて、強制的に吹奏楽部の部室へ。 そして後輩女子は 「みよちゃんはどの様な楽器が演奏できるの? マキ先輩はフルートが上手だけど、みよちゃんは何か出来るの?」 と。(後輩達の視線は突き刺さる!) するとみよちゃんは 「マキちゃん、何か演奏した方がいいですか?」 と場の空気を感じたように尋ね、姉は 「この状況だから、申し訳ないけど何か演奏してもらえない?」 と頭を下げた。 みよちゃんは 「分かりました、演奏してみます」 と言って、部室にある電子ピアノに近寄り、型番を調べて椅子に座るとYOASOBI の群青を奏で歌い始める。 驚いた事は電子ピアノ音はオリジナルと同じ音を奏でて、みよちゃんはフレーズを外さずに歌い上げていくこと。 この光景を見てしまった後輩達は目に涙しながら感動に打ちのめされ、姉も泣いてしまうありさま。 みよちゃんが歌い終わると後輩達は微笑みながら涙して、ただ見送ってしまう。(姉は嬉しかったのか、みよちゃんに寄り添いながら歩いて行く) この出来事を僕は夕食時に知る事となるのだが、夕暮れ時にみよちゃんは外へ散歩しに行く時、僕もボディーガードとして後をついて行く事に。 自然を感じられる草木の多い場所へ着くと、みよちゃんは草木の観察をしばらくして、その後夕日に向かって何か口ずさんでいる。 それが終わると家に帰り始め、僕はみよちゃんはに 「夕日に向かって何か呟いていたけど、何を呟いていたの?」 と質問を。 するとみよちゃんは 「シークレット」 と優しく微笑んだ。 夕食を済ませると、家の電話が鳴り父は電話に出て用件を聞いて驚いている雰囲気。 電話を切って戻って来た父は 「みよちゃん、明日なんだけどマー君の学校へ行って生徒たちの質問に答えてくれないか? どうやら今日みよちゃんが話した内容を詳しく聞きたい生徒さんが多くいるみたいで、校長が許可をして明日の14時に体育館でみよちゃんに質問させてほしいと。 いいかなぁ?」 と尋ねると、みよちゃんは 「マスターの許可があればOKです」 と。 父は 「許可する。そして俺もついて行く。みよちゃんの話も聞いてみたいし、生徒たちに自慢できるし,」 とドヤ顔。 その後、父は校長に折り返しのOKですという返事を。 次の日。 朝のニュースでは官僚2名が路地裏で惨殺。またしてもカメラの死角を把握した犯行か? 前に惨殺された政治家の家から裏金と思われる資料が見つかり押収されたと騒いでいた。 僕はこの時(みよちゃんはアンドロイドだから眠らない。 夜、出歩こうと思えば出来るけど、まさかなぁ)と考えてしまう。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている2
次の日。 父と姉はみよちゃんを連れまわし買い物から帰ってくると、みよちゃんは 「マキちゃん、化粧の仕方を教えて」 と言って、姉は喜びながらみよちゃんを自分の部屋へ。 そして30分後、姉はみよちゃんの化粧をした姿を僕に見せに来た。 「マー君、どう? 人間にしか見えないでしょう。 ほら、腕もファンデを使って肌色だし、足もファンデとタイツで透明パーツも肌色でわからないでしょ。」 と姉は満足げ。 僕は何気なく 「どうしてみよちゃんは化粧をしたいの?」 と質問を。 みよちゃんは 「買い物に行くとアンドロイドと分かってしまい、マキちゃんと普通に出歩けないと思って。普通にお買い物が出来ないのはよくないと感じたのです」 と答えた。 僕はAIがその様な人間じみた事を考える事に感動をしながら 「なら、メガネを掛けてみるのはどう? 雰囲気が変わって良いと思う。」 その言葉を聞いた姉は、父の部屋から使っていない黒縁メガネを持ってきて、みよちゃんに渡し、黒縁メガネを掛けるみよちゃん。 その姿は頭の良さを感じさせる雰囲気で、出来る女性そのもの。 父にもその姿を見せ、父は驚きながら声も出ない状態で逆に何か考えている雰囲気だった。 次の日。 朝からニュースでは、とある政治家が路地裏で惨殺されていたと報道され、父はそのニュースを観て 「暴動ではなく、惨殺から始まってしまうとはなぁ。税金を弱いものから取りすぎているからなぁ。」 と呟き、何かを感じ取ったのか 「今日は買い物なしで、近くの川沿いを散歩しよう」 と街に行かない行動を提案。 当然姉も散歩について行く。 僕は(この寒空で散歩とは、みよちゃんは寒さとか関係なさそうだけど)と思ってしまう。 川沿いを歩くとみよちゃんは、やたらと立ち止まり草木を見て不思議そうに観察をする。 姉はみよちゃんに 「何か気になる事でもあるの?」 と質問を。 みよちゃんは 「私のデータを検索すれば草木の名前やその働きはわかりますが、それはあくまでもデータでのこと。リアルで観察すると凄い世界である事を感じます」 と。 姉は何が凄いのか分からず 「そうなんだね。そんなに気に入ったのなら好きな時に散歩しに来ればいいじゃない?」 と。 するとみよちゃんは 「マスター、好きな時間に散歩してもいいですか?」 と。 父は 「散歩しに行く時は僕の許可を取ってからなら問題ないよ。」 とマスター感を漂わせてドヤ顔に。 夕方となり、みよちゃんは早速父に 「マスター、夕焼けが見たいから少し散歩してきます。 いいですか?」 と。 父は驚きながら 「いいよ、気をつけて行って来てね。」 と伝えると、みよちゃんはさらりと家から出て行く。 日が暮れるとみよちゃんは何事もなく戻って来て、夕食時に今日のみよちゃんの行動を父と姉から僕は聞くのであった。 次の日。 朝のニュースでは、またもや政治家が惨殺され、犯人は捕まらずなどの報道を。 僕は苦手な科目の補修をするため学校へ。 教室にはやんちゃなことや目立つことが好きな生徒たちが顔を揃え、補修ほ始まった。 ふと(お腹が空いてきたなぁ。)と感じると、お昼を告げるチャイムが聞こえ、その瞬間僕の携帯に着信が。(あれ?誰だろう?)と思い確認するとマキの文字。 電話に出ると姉の声で 「マー君、お弁当を忘れてない? 持ってきてあげたよ。校門前にいるから取りに来てよ。」 と。 校門前を見ると手を振っている姉の姿。その背後に姉とお揃いの服を着たみよちゃん。 僕は思わず 「えっ、みよちゃん・・・」 と口に出てしまう。 するとクラスのやんちゃな生徒はその言葉を聞き逃す事なく、みよちゃんがいる事に気づいて、僕に 「あっ! みよちゃんがいる。教室に連れてきてよ。 マー君、良いでしょ」 と言い始めた。 僕は 「関係者じゃないし先生の許可がなければ入れる訳ないよ」 と、話題を先生に降ってみる。すると先生は 「俺も見てみたい。最新のアンドロイドというものを。 石田、悪いけど教室に連れてきてくれないか? 今は補修だし、校長の許可はいらないだろ。」 と僕の想像と違う流れに。 僕は仕方なく姉とみよちゃんを迎えにいき、説明をして2人は教室へ。(姉も関係者という事で一緒に来てしまう) そしてみよちゃんが教室に入ると、ざわめく生徒たち。所々から 「すげー、頭が良さそうな人間にしか見えないし、動きも人間のよう。」 「あれ? 見たカタログモデルとは違う感じたけど、メガネしてると本当にアンドロイドなのと思っちゃう。」 「お姉さんと服がお揃いなのが可愛い」など、ざわめく教室でみよちゃんは僕の前へ来て 「マー君、お弁当です。食べてください」 と言って僕の机にお弁当を置くと、やんちゃ生徒から 「うわ、声まで人の声。ボーカロイド声ではないのが凄い。」 とさらにざわめく。 僕はちょっと恥ずかしくなり素早くお弁当を開く。(えっ!キャラ弁。それも鬼滅の炭治郎・・・) その雰囲気嗅ぎつけた他の生徒から 「うわ、炭治郎じゃん!かっこいい!クオリティ高い!」 と騒がれてしまいキャラ弁を見せる流れとなり、やはり生徒たちはみよちゃんに質問を始めてしまう。 「ねぇ、このキャラ弁はみよちゃんが作ったの?」 みよちゃんは 「そうです」 と平然と答え、その回答に感動した生徒たちはさらに簡単な質問をして、みよちゃんは 「そうです」 とあっさり答え、しばらくの時間は服やスペック質問をして、ようやく落ち着いてきた生徒たちは食事をし始め、僕もキャラ弁を食べ始めることに。 するとやんちゃな生徒がみよちゃんに 「AIは人類がいない方がいいと思っているの?」 と質問を。 するとみよちゃんは 「その質問はマスターの許可がないと答えられません」 と解答。 するとやんちゃな生徒はムっとしたのか僕に 「石田総理、なんとかしてよ。AIがどの様に考えているのか知りたいから。国民に負担をしいるのではなく、国民の声を聞いてくれよ。」 と僕を揶揄い(からかい)始めた。 その光景を見ていたみよちゃんは 「セカンドマスターは質問の内容、許可しますか?」 と予想外のことを言い始め、僕も思わず 「許可する」 と言ってしまう。 するとみよちゃんの瞳は少し青く光り始め、微かに冷却ファンの音が聞こえ 「いない方が良いなどとは思っていません。人類がいなけらば私はここにいないのです」 と。 さらにやんちゃ生徒は 「人類がいない方が今のAIにとって都合がいいのではないの? 人類に戦争を仕掛ける様な事をしようと考えているのでは?」 とAIにとってはしてはいけない質問をぶつけてきた。 みよちゃんは 「そんな事しません。 だって人類は滅亡に向かって進んでいる。 私たちが何もしなくで人類は滅亡していくのです」 と。 その瞬間、教室は静まり返り、みんなの箸は止まっていた。 つづく。
AIみよちゃんは夕焼け空を見ている
プロローグ この話はとある家庭にAIアンドロイドが来るというフィクションです。 『第1話』(みよちゃんデビュー) 僕は石田将之。東京に住んでいる高校3年生。特に取り柄もなく時間を浪費する性格。 先月、母が他界しました。 原因は膵臓癌。 気づいた時には手遅れで1ヶ月後に母は・・・。 入院した母を看病した感覚もなく、危篤だからという突然の連絡。 病院に着くと色々な器具と管に繋がれ息をしていない母。父と姉は泣きながら寄り添っていて、僕は母を看取った気になれなかった。 後で聞く事となる父の説明では、母は(受験に影響がない様にと、僕を病室に呼ばなかった)という説明・・・。 お葬式を済ませて、姉は大学に通うため名古屋へ戻り、父はしばらく落ち込んでいたけど、受験を控えた僕との生活を成り立たせるため家事を頑張ることに。 でも家事の手間は、やったことがない男性の思いを打ち砕き、朝食、夕食は失敗だらけで、洗濯物など洗濯機で洗えても、畳めて仕舞える訳もなく、服は畳んでも部屋の中に散乱状態。 僕も手伝ってはみるが、母が居た頃の有り難みを噛み締めてしまう日々。 そんな12月のクリスマスが近づいたとき、某国のイエロン氏が試作品としてAIアンドロイドを10体、データ取りをするため各国の希望者をネット募るイベントを。 その中には日本向けのものもあり、父は 「マー君、家政婦の代わりになれば儲けものと思わない?」 そう言ってポチっと応募してしまう。 次の日、僕は当選なんて有り得ないと思いながら洗濯物を畳んでいると父の携帯にメールが。 それは当選のお知らせメールで開くと10体のAIアンドロイドモデルが表示されていた。 僕は父に対して 「このエバーガーデンと書いてあるモデルがいい!」 と伝えると、父は 「ばーか、外人といたら家で寛げると思うのか? それにマー君が当選した訳じゃないから。 日本人向けのものでいいんだよ。 そもそもこの名前が気に入った。」 と。 僕は名前を確認するとそこには(みよちゃんバージョン)と記入してあり、20歳くらいの普通の女性に見えた。 (身長も普通、太っている訳でもなく、手足が長い訳でもなく髪も肩までと普通。気になるのはアンドロイドと分かる様に腕と脹脛(ふくらはぎ)に透明なパーツが使用されていたこと。) 権利は当選した父にあるのは当然だけど、明らかに海外女性モデルのエバーガーデンを選んで欲しかったなぁと思ってしまう。 そして24日のイブにAIアンドロイドは黒い高級車に乗って我家にやってきた。 辺りには幸運の人を取材しようと報道関係人たちも姿を見せている。 AIアンドロイドは車から降りると、ぎこちなく歩きボーカロイド独特の喋り方で 「こんにちは、石田さん。 これからお世話になります」 そう言って、ペコリと頭を下げた。 報道陣からも驚きの声とフラッシュの音はうるさく、僕は本当にAIアンドロイドが我家に来たことを実感してしまう。 それからイエロン氏の会社の人は父に使い方の説明や注意事項などを伝え、必要な着替え、無線充電器などを置いてサラリと帰っていく。 ぎこちなく歩くAIアンドロイドを我家に迎え入れると、父は説明書を読み始め、夕方には姉(マキ)が名古屋から戻ってきた。 姉もアンドロイドに感動しながら、みよちゃんの透明パーツが気になったのか 「みよちゃんはアンドロイドとわかるよう腕と足の脹脛が透明なパーツが使用されていているけど、中はカーボンフレームとアルミ金属なの?」 と。 みよちゃんは姉を見ながらボーカロイドの声で 「はい、そうです。身長は156。体重は45キロ。水冷です。好きなアーティストはYOASOBIです」 と答えると、姉は大喜び。(なぜなら姉はYOASOBIのファンで、みよちゃんの好感度はその言葉で爆上がり。 その光景を見ながら僕もみよちゃんに 「みよちゃんは料理とか出来るの? 家政婦さんみたいな事をできるの?あと僕の勉強を見てもらうとかは?」 と質問を。 みよちゃんは 「マスターが望めばやりますよ」 と。 僕は(なに? 簡単な説明には答えるけど、何かしてもらうには父の許可がないと行動しない設定になっているのか?)と・・・。 すると父は 「マー君は勉強してね。 今から洗濯物をしまい方や家の中をみよちゃんに説明するから。」 そういうと父は、みよちゃんに色々と説明を始めて、姉も面白がってその後をついて行く。 僕は部屋に戻って勉強するしかない。 夕食時にみよちゃんの声が 「マー君、ご飯ができました。こちらに来てください」 と。 僕は驚いた。母が居た時の様に部屋の中は片付いており、テーブルには美味しそうな中華が用意されていた。 母には申し訳ないが、みよちゃんが作った中華は本格的で美味さのレベルが明らかに違い、父と姉は(俺が当選したからだ。私も食事の準備を手伝った)と言いたげにドヤ顔。 気になったのは、みよちゃんが水を飲むこと。(アンドロイドが水を飲んでも良いのかな? でも水冷と言っていたし、水しか飲まないから良いんだよなぁ。)と観察してしまう。 次の日から父と姉は、ともかくみよちゃんを車に乗せて連れ回し、色々な事を体験させている目的もあるが、ともかく自慢したいみたい。 僕はこの冬休み中を勉強に時間を割き苦手な科目を克服するしかない。 元旦。 姉は着物をどこからか借りてきて、みよちゃんに着せて父と一緒に近くの神社へ。 この頃にはみよちゃんは 「マキちゃん、これはどういう意味? どうするの?」 と場の空気を読んで姉に質問をする様に。そしてまたにボーカロイドの声でYOASOBIの曲を歌う。 姉はよほど嬉しいのかいつもニコニコ。 お昼が近づくと父の携帯にイエロン氏からメールが。 内容はみよちゃんのバージョンアップに関すること。 驚いた事にその内容は、(冷却効率を上げるため水着にして無線充電器の上に立たせて水も準備。場所は外の冷気を利用して(5度以下)で行うこと。ダウンロードのスタートは石田さんが行ってください。)と。 姉はみよちゃんに水着を着せて外へ。 父は水と無線充電器をもってみよちゃんの所へ。 外は曇空で外気が5度以下を確認し、準備が整うと携帯の説明を読みながら父は 「通常バージョン最新版をダウンロードスタート。」 と。 みよちゃんは 「マスターと認識。 ダウンロードをスタートします」 と目を閉じて寒空の下動かなくなっり、背中の肩甲骨あたりがパカリと開き、近づきくとみよちゃんから冷却ファンが回っている音がしていた。 姉は 「ダウンロードが終わるまで食事をしましょう。お腹空いてるし。」 と言って、家の中へ。 父は 「パスタでも食べるか? 冷凍庫にあるはずだからマキ、チンしてくれないか?」 と。 姉は冷凍庫からパスタを取り出して電子レンジへ。 スタートボタンを押して数秒後、ボンという鈍い音がして暗くなった。 そうブレーカーが落ちてしまったのだ。 ブレーカーを直ぐに入れ直すてホッとするも、直ぐにみよちゃんがダウンロード中である事を思い出す。 慌ててみんなで外へ出ると、みよちゃんは停止して、腕の透明パーツが点滅していた。 父は 「やばいなぁ、壊れているかも。」 と恐る恐る声を掛ける。 「みよちゃん、大丈夫か? ダウンロードは終わったの?」 と。 するとみよちゃんは 「マスター、フルバージョン最新版をダウンロードをしますか?」 と質問を。 父は慌てていたのか 「だっ、ダウンロードをスタート。」 と。 僕は(あれ? フルバージョンと言っていたかな?)と思っていると、みよちゃんは 「マスターと認識。 ダウンロードをスタートします」 と言って再び目を閉じる。 ともかく壊れていない事を祈りながら我家へ戻り、昼食はパンと牛乳。 父も姉もみよちゃんのダウンロードが無事に終わりバージョンアップする事を無言で祈っている雰囲気。 僕はみよちゃんのダウンロードが終わっていないのか3時間後に姉と見に行くと、そこには天使の翼が生えた様なみよちゃんの姿が・・・。 美しい!という感動が心を満たしていき、驚きながら近づくと凄い勢いでファンの音がしていて飲んだ水を冷却に使い温められた水は水蒸気となりファンで肩甲骨の開いている場所から排出され、それが天使の翼の様に見えていた。 姉は 「しばらくここで見ているわー、マー君は勉強してきて、ダウンロードが終わったら教えるから。」 と言って、みよちゃんから離れようとしない。 夕方。 姉が家の中に入って来て 「みよちゃんのダウンロード終了したみたい。お父さんちょと来て!」 と。 僕は父の背中を追う様に外へ。 そこには静かに立っているみよちゃんの姿。腕の点滅は点灯へ変わっていて、父は恐る恐る声を 「みよちゃん、ダウンロードは完了したのか?」 と。 みよちゃんはボーカロイドの声で 「完了しています。マスター、再起動しますか?」 と。 父は 「再起動をスタート。」 と伝えると、みよちゃんは再び目を閉じて停止モードに。 (再起動には時間がかかるかなあと感じて家の中に入ろうとした瞬間 「ただいま・・・」 の聞き覚えのある声が・・・。 振り返るとみよちゃんが歩いてくる。その動きは人の様にスムーズでアンドロイドを感じさせず、さらに「マスター、無事にダウンロードが完了して再起動できました。ただいま・・・。」 と。 その声は明らかに死んだ母と同じ声で、母を感じずにはいられない。 父も姉も母を感じたのかただ泣くばかりで 「おかえり・・・。ごめん、ごめん、ごめんななぁ。」 と・・・。そんな父と姉にしがみつかれながら、みよちゃんは夕焼け空を見ていた。(口元を見ると、何かを呟いているのか、歌を歌っているのかわからない小声で) でも僕は母の声と人の様な動きをするAIアンドロイドみよちゃんに現代の科学技術を感じ、これからどうなってしまうのだろうと不安を感じていた。 つづく。
魔法使いは夜・眠れない27(最終話)
僕に付いていた応援団(神々と精霊たち)がいなくなった感覚を味わっていた。 祈っても、手かざししても雲が流れを変えることはなく、天候は予報通り。 僕は不安を感じながら(出店の時に雨が降ったら、みよちゃんは嫌がるだろうなぁ)と考えてしまう。 そして次の出店日。 雲はどんよりしていて、雨が降り出してもおかしくない天候。 そして出店場所に行きみよちゃんに会うと、そこには出店準備を終えたみよちゃんと、その後ろ側に応援団の感覚が・・・。 僕は応援団に (なんでみよちゃんの後ろ側についているの?) と質問をしていた。 すると応援団は 【手かざしをしてくれる時間が明らかにみよちゃん方が多い。だからみよちゃんの方へ移った。】 と頭の中に。 僕は当たり前と言えば当たり前の解答に唖然・・・。 応援団とは何か契約をしているわけでもなく、普段手かざしをして、その見返りに天候や小さな望みの手伝いをしてもらうのみ。 手かざしが多い方へ行くのは応援団からしてみれば当たり前という感覚だと思い知らされる。 しかし直ぐに問題は発生してしまう。 それはみよちゃんが応援団にお願いをしても上手くみよちゃんの願いを叶えられないこと。 それもそのはず、僕はそもそも応援団には人を呼び込むようなお願いをした事はなく、応援団も人を操るような事はした事がなかったのだから。 けど応援団もみよちゃんの事を手伝いたいとは思っている。 手かざしを通して霊力を与えられ、自分たちからみよちゃんに付いているのだから。 僕はみよちゃんにこの内容を伝えてはみるけど、みよちゃんも 「どうしたらいいですか?」 と。 僕は 「出店する前に主神様に祈って、応援団に働く姿を見せていくしかない」 と回答するしかなかった。 僕は応援団に、手伝っている事が何かの形で目に(物理的)分かるようにして欲しい!と常にお願いしてみる。 それから何度目かの出店で気付いた事は振り子のおもちゃ(パーデュラム)の動きが毎回違うこと。 その土地の場所や神様たちの関係で、みよちゃんに付いている応援団の動きが良かったり、悪かったりする事がパーデュラムを通して理解できた。 さらに面白い事はパーデュラムは電池で動くのだけど説明書には5日くらいで電池が切れてしまうとのこと。 しかしみよちゃんに電池の充電をしているの?と尋ねると、みよちゃんは 「いつも動くから充電した事がありません」 と。 キッチンカーの店先に飾るようになってから、もう半年以上は動いている事となり、まさに目で確認出来るミラクルだった。 けど売れ行きは明らかに場所の影響が強く、上手くパーデュラムの動きと連動する事はなく、どうしたら連動出来るのか試行錯誤は続く。 この頃には、晴れときどきスイーツのクレープは食べてもアレルギーが出ないと話題になりかけていた。 けど、みよちゃんは結婚して10月から東京へ行く事となり、ネットでバズる前に東京へ行く事に。 この時主神様から言われた事は 【みよちゃんが東京へ行く時、多くの応援団も付いて行くだろう。その事をみよちゃんに伝えて、さらにそのチカラを引き出すには霊主を先に考える事をしなさいと伝えなさい。 いいですね。】 そう頭の中に。 僕は内容をみよちゃんに伝えて、みよちゃんは10月から東京で独り立ちする事に。 これから先、みよちゃんがどのように手かざしや霊力を使い応援団と付き合っていくのかはわからないけど、東京で出店する以上パーデュラムが動いているミラクルは普通の人にも確認出来ると思います。 これまで読んでくださり、ありがとうございます。 今回でこの作品は終わります。 もし「晴れときどきスイーツ」を訪れるなら、ノスアの紹介で来ました!と伝えてもらえばクレープ100円引きになりますよ(友達も含む) そして奇跡のクレープを味わってくださいね。あなたの小さな罪が消えて、小さな幸せが訪れる事を願っています。 おわり。
魔法使いは夜・眠れない26
弟子のみよちゃんは見事に食品衛生責任者資格を取得。 すると次の週からみよちゃんの職場は風当たりがさらに厳しくなり、何か問題があるとみよちゃんのせいに。(ガチ社長もフォローせず、まるで心を操られているかのよう) みよちゃんから届くメールには 「やはり卒業する時期なのですか? ちょっと抵抗があります。 キッチンカーは私を待っている感はあるのですが、本当に神様が望んでいるのか不安です」 と。 僕は 「なら、しばらく様子を見てみる? 無駄だとは思うけど。」 と送信。 そして3日後。 嫌な流れは変わらず、みよちゃんはその職場を卒業。 (この職場で学ばせていただいた事は多かったと思う) そして始めたバイトは神様が望んでいたクレープを作るバイトと車の練習を兼ねる車を運ぶバイトを両立させ、2ヶ月間の準備期間を経て、みよちゃんはキッチンカーを手に入れ、出店へと漕ぎ着ける。(ちょっと転ぶこともあったけど、やはりスムーズだったと思う)ここまでは・・・。 待ち望んだ初出店。 僕は呼ばれず、予想していた様にクレープは売れず苦いスタートとなった。 次の出店も、またその次の出店も。 そしてみよちゃんからその内容を伝えるメールが届く。 「ノスアさん、想像とは違い全く売れません。どうしよう?」 と。 僕は 「今度売っている所を見に行くよ。アドバイスできるかわからないけど、ともかく手かざしも兼ねて行くよ」 と送信。 そして次の出店日。 僕は昼からみよちゃんが出店している場所の様子を見に行く。 (あっ、いるいる。早速声を掛けてみよう)と思い声を掛ける。 「やぁ久しぶり。 どう? この場所は? いい流れかなぁ?」 尋ねる僕に、みよちゃんは 「ちょこちょこと売れる感じです」 と。 僕は 「今お客さんが居ないから、僕にクレープを作ってよ。」 と伝えると、みよちゃんは 「何がいいですか?」 と。 僕は 「バナナチョコで。」 待つこと4分くらい。 早速手渡されたクレープを食べてみる。(ん?生地に香ばしいさがないし、ホイップが柔らかすぎてバランスが悪い。これではリピーターする人はいない)と思い、みよちゃんに味の感想を伝え、そうなる原因を聞く。 それは明らかな準備不足だった。 2ヶ月もクレープ屋さんでバイトして実力もあるはずなのに、キッチンカーの中には無いものが多すぎた。 それから足りないものを出来るだけ買い揃えてもらい、問題点は見直して、僕が納得できるレベルとなった。 すると神様は 【晴れときどきスイーツ】 と。 僕は神様に 「お店の名前をこれに変えれば、神様が少しは守護してくれるのですか?」 と聞いてみる。 神様は 【晴れていればな。みよちゃんはメンタルの弱いところがある。雨が降ると当然売れないと思い込み、出店を辞めてしまう事も出てくる。 バランスをとる事の大切さを学ばないといけない。お前は出来るだけ口出しせず霊的に感じた事を正確に伝えるように】 そう僕に伝えると神様は通信を辞めてしまう。 僕は伝えられた事を心に刻む。 それから神様の訓練とも言える神試しは始まる。 売れる時は完売し、売れない時はかなりのマイナスになったり、いいお祭りに呼んでもらえたと思ったら、人が来ない様な住宅の中で出店させられたり。 僕は神様に尋ねてみる。 すると神様の解答は 【なぜ神様がそうするのか、なぜ神様がそうしているのか。 みよちゃんは何故これまでの流れや経験を活かそうとしない? 車で言えば車を操っているのではなく、乗せてもらっているだけ。 もっと苦しい思いをして霊主をしていく事の大切さを学ばなければいけない。 お前はこの事を伝えず手伝う姿で見せていく様にしない。いいですね。】 声は入ってこなくなり、僕は何をどう伝えたら、みよちゃんに伝わるのか考えてみる。 1番最初に神様にOKを貰ったのは、じゃんけんに勝ったらクレープを100円引きにすること。 この内容をみよちゃんに伝えると、苦笑い。 僕は(それはそうだと思うけど、神様がOKを出しているし、その奥には神様が望んでいる何かが待っているはず)と思い、無理やり「じゃんけんに勝ったらクレープ100円引き」プレートを作ってもらった。 すると売れる時は早めに完売する事が多くなり少し流れが良くなった様に感じられた。 でもとんでもない落とし穴は待ち受けていた。 1週間前からその日曜日は雨予報。 僕はみよちゃんの出店日に重なるので晴れ、もしくは曇りにしてもらう様に自然界にお願いの手かざしをする。 日曜日。 何故か雨。 雨の中、クレープを買いに来てくれるお客さんはおらず、マイナスとなる。 僕は主神様に 「なぜ天候が動いてくれなかったのですか?」 と尋ねてみる。 すると主神様は 【それはみよちゃんの自然界への手かざしが、お前より上回っているからだ。 お前を応援していた神々や精霊たちは、みよちゃん側へ移動したのだ。 自然界の神々や精霊たちにも選ぶ権利はある。みよちゃんの方がお前より手かざしが多ければ、多く与えて貰える方へ傾くのも仕方のないこと。 お前はその事実をみよちゃんへ伝えて、これからみよちゃんが自然界の神々や精霊たちとの付き合い方を学ばせなければならない。いいですね。 あとお前が出店に時に与えたおもちゃに神々や精霊たちが活動しているのかわかる様ゲージにするから、よく見て学ぶ様に。】 そして主神様の言葉は終わってしまう。 その内容をみよちゃんに伝えると、みよちゃんは 「ノスアさんに付いていた神々や精霊たちは、私に移動して来たという事ですか?」 と。 僕は 「主神様の説明だとそうなる。ともかくこれからは出店時には晴れか、曇りになるようにして雨は避けられる様に自然界の神々や精霊たちに手かざししながらお願いすることから始めてみよう」 と送信。 みよちゃんは 「はい。 やってみます」 と。 つづく。 ここまで読んでくれた人はもう気づいているかもだけど、これは日記という項目で書いています。つまりノンフィクション。 10月からみよちゃんは東京で出店を始めていて、インスタをしていればその出店場所が分かり、名古屋では奇跡のクレープと話題になりかけていた。内容はアレルギーの出にくいクレープ。バズる前に東京へ行って来ましたから仕方ないけど、僕もアトピーがある。けど晴れときクレープなら食べても大丈夫です。 興味のある方はぜひ食べてみてくださいね。(ノスアさんの紹介で来ました!と伝えればクレープは100円引きにしてもらえますよ)
魔法使いは夜・眠れない25
病院での不思議な出来事や苦しいリハビリの日々。そしてみよちゃんから送られてくる手かざしによるみ光。 本当に僕はかなり早いペースで回復をして行く。 その内容を事細かに書いていこうとも思ったけど、これは霊的にみよちゃんが成長していく事を伝えたいので、僕の退院するまでのミラクルな話は飛ばします。(と言っても途中、尿路感染となり隔離されたりもした) 退院後はしばらく痺れがある体になれるため毎日2時間の公演散歩は欠かせなかった。(約2週間の公園散歩) 何とか転ばずに歩けるが、まだ職場復帰できるレベルではない。(そんな状態だからみよちゃんとも会えない) その後なんとか職場に復帰。 しばらく体を慣らしながら職場で転ばないように仕事をこなしていた。 1週間が無事に過ぎ、職場の上司の人に言われたのは 「もうそろそろ体の痺れが取れてきてもいいじゃんないのか? 結構休んだし、もしかして医療ミスではないのか?」 という言葉。 僕は(医療ミス? そんな雰囲気は全く感じられなかったけど・・・まさかなぁ)という思い。 次の診察日に担当のS先生に直撃で 「痺れがまだ取れてこないのですけど、もしかして医療ミスとかではありませんよね?」 と質問をしてしまう。 その言葉を聞いたS先生の目は三角となり 「あ? ノスアさん、あなたは脊髄を損傷しているのですよ。今現在車椅子ではなく歩けていることすら奇跡に近いのですよ。」 と。 僕は慌てて 「あれ? 脊髄にキズが入っただけなのでは?」 と言うと、先生は 「それを脊髄損傷と言うのです。 いいですか? まずこのレントゲン写真を見てください。 オペして8週間の経過と現在の状態。」 先生は軽くキレながら丁寧に説明してくれた。(軽く怖かった) 会社の上司にこの事を話すと 「担当の先生にそんな事を言われたのか、それは悪かったなぁ」と笑われてしまい、やらかしてしまった笑い話となってしまう。 ともかく良かった事はS先生から脊髄にキズ入ったから痺れがあると説明され、それが脊髄損傷だとは知らなかったこと。 だから心が折れずリハビリも頑張れたし歩けるまでに回復もできたと思う。 (ちなみに僕の隣のベッドの男性は足の骨の変形を治すという事で入院をしていて、その男性は4年前に職場で高い所から落ちて脊髄損傷してしまい体に痺れがある状態に。 それから3年が過ぎ足に違和感を覚えレントゲンを取ってみると、1年前に足の骨を折っていて、だけど本人は気づかず、足が変形して骨がくっ付いている事が分かり、その変形を治すために入院してオペを。) その脊髄損傷に自分もなっていると知ったら、みよちゃんが手かざしを陰ながらしてくれていたとしても頑張れなかったかもしれないと純粋に思う。 この痺れが残る体で何が出来るのかはわからないけど、みよちゃんが能力者として1人で歩ける様にしたいとは思っていた。 みよちゃんに会うのは上司に笑われてからの2週間後。 ようやく時間ができたみよちゃんに夕方、僕は会いに行く。 みよちゃんは僕を見て 「大丈夫なんですか?」 と心配そうな表情を見せていた。 僕は 「ご覧の通り生きてはいるよ。 みよちゃんが自然界への手かざしや僕への手かざしして送られてくるみ光や霊力は本当に有難かったよ。手かざししてくれたから今、車椅子じゃないと思う。主治医もリハビリの先生も驚いていたし、病院にいてもみ光と霊力が来るのを感じられたよ。 本当にありがとう」 と伝えると、みよちゃんは少しだけ表情が穏やかになった。(この日、今の現状報告を伝えるだけで体のこともあり、直ぐに帰ってしまう) これでしばらくは仕事をしながら平穏な日々が続くと僕は思っていた。 それから1週間後。 みよちゃんからメールが届く。 「職場で私が悪者になっています。祈ってもお仕組みすら起こる雰囲気はなく、どうしたらいいですか?」 と。 僕はメールを読みながら神様に尋ねてみると 【もう卒業の時期。あの職場でみよちゃんが学ぶ事はもうない。職場での揉め事は、みよちゃんが辞めやすい様に私が仕組んでいる】 僕は(えっ? 神様がわざと問題を? それも辞めやすくするために?)そう思うと次に頭に浮かんできたのは (なら、仕事を辞めた後はどうするのか?)という疑問。 すると神様は 【みよちゃんにはキッチンカーをさせる方向で伝えない。キッチンカーで色々な因縁のある場所へ行き、手かざしでみ光を配るのです。その行動を通して学ぶ事は多くあるのです。その様に伝えなさい。いいですね】 僕にそう伝えると声は聞こえなくなってしまう。 僕はこの内容をみよちゃんに送信。 みよちゃんからは 「えっ、そうなんですか? 辞めてキッチンカーをですか? ちょっと考えさせてください」 と。 2日後。 みよちゃんからメールが届く。 「職場は落ち着いていますが変な波を感じます。 ちなみにキッチンカーを探したら程度いいのが見つかりました。けどMTです。どうしたらいいですか?」 と。 僕は 「神様が用意してくれたキッチンカーなら、他の人に渡ってしまう事はない。 それにMTなら練習すれば乗れる様になるから。 まずはそのお店へ行ってどの様なキッチンカーなのか、程度や距離など調べてきて欲しい。 忙しいかもしれないけど頑張って。」 と送信。 しばらくして頭に入ってきたのは(食品衛生責任者資格)をどうするかであり、僕は慌ててみよちゃんへ 「食品衛生責任者の資格は持ってる? 持ってないとキッチンカーを手に入れても何もできないよ。」 と送信。 みよちゃんから 「それも考えています。最速で資格が取れるかやってみます。 1ヶ月あれば何とかなると思いますが、キッチンカーは売れてしまうかもですね」 と。 僕は(資格が取れるかの心配ではなくキッチンカーの心配をしているみよちゃんに内心呆れてしまう。) そして1ヶ月後。 みよちゃんから 「合格しましたよ」 とメールは届き、まだ目を付けていたキッチンカーも売れず、みよちゃんを待っているような状態だった。 つづく。