もみじ

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もみじ

マジの初心者です 小説を中心に書こうと思います 暖かく見守ってくれると嬉しいですよろしくお願いします 不定期に出します

第四話 やり場のない感情

私は電車でいつも通り家に帰った そういつも通り、薄紫色に染まった時間に 駅の中を歩いていると警報がなった 妖がこの街に出たらしいそれも巨大なクジラの妖が 駅のシェルターに逃げ込み退治されるのを待った 何時間かして退治されたと放送され家に帰ろうと シェルターから出た が、そこに広がる景色は私の知る街の景色ではなく 瓦礫の散乱している悲惨な街だった 家族が心配だったから人の声に紛れ私も家族の名前を呼んだ だが返事は無かった、沢山の声で聞こえないだけだと自分に 言い聞かせ心を落ち着かせて家のあったであろう場所まで走った でも家の、瓦礫の下からほんの少し“血”が流れていた そこから先の記憶がない 気づいた時には病院で二つの骨箱を持って静かに泣いていた 不思議と悲しいとか喪失感とかそういう感情は出てこなかった 代わりに激しい“怒り”と“悔しみ”に襲われた 「悔しい…」 これから私はどうすればいい? 仇の妖はもう退治されてしまった 私のこの感情は何処に、誰にぶつければいい? 私の中にその問いに対する答えは見つからなかったけど どうすればいいかは分かった 「…これから誰かの幸せを奪おうとする妖怪を退治して… 誰かの幸せを守ろう」 そうしたらきっとこの激しい感情も少しは落ち着くはずだ そうと決まれば私のするべき事は一つだ 私の涙は地に落ちるよりも早く肌に溶けて無くなった 「祓い屋になる、祓い屋になって誰かの幸せを守る」 私は今までよりも力強く、強い感情を乗せて私の目標を独り呟いた 〜続く〜

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第四話 やり場のない感情

分かりたくない事

最近よくニュースで自殺した人の話を聞く 話をしたあとは決まって 「一人で抱え込まず誰かに相談しましょう」 みたいな事を言う でも僕は相談したとしても共感出来ないから どんな良い言葉でも僕には響かないと思う だって僕はいつも生きた心地がしないから 僕は常に頭に銃を突きつけられている気がしてならない 僕はいつでも息苦しい まるで僕の周りだけ水が張っているみたいだ 世界の景色が全てボヤけて見えるから 綺麗にも汚くも見えない、曖昧で不確かで そのせいで僕の心の中にはモヤモヤが何時だっている それなのにその感情は名前すら明かさない でも一言言える事はある 僕はずっと“絶望”に居る でも僕はこの世に居る、なんでかって?それは 今この状態の事を“死”じゃなければなんと言うのか 分かりたくないからだ 分かってしまったらきっと「今までの苦しみは何だったんだ」と 吐いてしまうから ほらね、僕の事分からなかったでしょ もし、分かったなら君は−−−−−

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分かりたくない事

第三話 祓い屋とは

やっと学校が終わった やっと“祓い屋さん”の言っていた神社に行ける 早く行きたい この時の私は祓い屋という憧れへの期待をしていたと思う はぁはぁ、ごくん 神社の本殿らしき建物の前で荒くなった息を整えて固唾を飲み 障子に手を掛けた スー 全く音を立てずに開いた障子の先には朝の祓い屋さんが居た 「あ!君は朝の」 「はい!ちゃんと学校に行ってから来ました」 「うん、それじゃ朝の話の続きの祓い屋ってなーに?をします。」 「は「ちょっと待って、君誰?」 話を遮ったのは朝の祓い屋さんとは違う人だった 「あ、そういえば自己紹介して無かったんだった」 「そんな事ある?」 「そんな事あったんだよ、賢司先に自己紹介していいよ」 「はぁ〜じゃぁ自己紹介からだな、俺は永倉 賢司 (ながくら けんじ)」 「僕の名前は赤坂 健(あかさか けん)」 「私は亜佐香 りをん(あさか りをん)と言います。 祓い屋になりたくて来ました。」 自己紹介と言うので来た理由まで話す事にした 赤坂:「と言う事なんだよ、いいかな?祓い屋について 説明しても」 永倉:「まぁ説明くらいならいいんじゃないか」 赤坂:「じゃぁそういう事で、椅子座っていいよ」 案内されたのは中にあったソファーだった そこに座ると話をしてくれた 赤坂:「まず君がなりたがっている祓い屋は“妖怪”と呼ばれる 人外を倒す仕事だ命懸けの仕事だよ」 亜佐:「はい、朝にも聞きました。でもやりたいんです。」 赤坂:「うん、それでね“妖怪”って言うのはね二種類あってね 一つ目は“妖(あやかし)”と言って例えば鬼とかだね」 亜佐:「たまにニュースで放送してるの見た事あります」 赤坂:「で二つ目は“怪異(かいい)”と言って学校の 都市伝説とかだね」 亜佐:「なるほど、だいたい分かりました」 永倉:「今日はそろそろ帰る時間だ」 窓の外を見ていた永倉さんが言った 亜佐:「私は高校生です。」 赤坂:「夜になると妖怪が活発になる」 静かな圧に驚き「分かりました」と言ってしまった 「また来ます」と言って一礼して私は歩いて帰った 〜続く〜 〈作者から〉 読んでいただきありがとうございました 次の話から実際にある神社や地名を出すかもしれませんがご本家様とは何も関係ありませんし思いつきで書いているので設定がグダグダかもしれないので分からない場合は質問してくれると助かります

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第三話  祓い屋とは

二人言

今日も線路のままに私を乗せた 私が運転する電車“様”は走る この白と青の世界の中をただ一両 時々お客を乗せて 寂しい?いいえ、とんでもない私は一人もお客と話すのも この大好きな電車とこの世界と一緒ならなんでも明るい気持ちに なりますよ でもね、本当にたまにごく稀に不快になるお客が居るんです そんな時はね、この世界からもどの世界からも拒絶されるように するんです やり過ぎ?いいえ、そんな事ないですよこの何処よりも 綺麗な世界を汚した罪は重いのですから でも大丈夫ですよ ほとんどの人は普通に過ごしても汚す事はありません それに気持ちを明るくして降りて行く人が多いですから そんな気持ちの明るくなったお客を見るのはとても嬉しい気持ちになります だから安心して下さい、私はこの人生に満足していますよ 『電車様』 《うん、安心したよ。車掌さん!》

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二人言

勇気の種類

僕は勇気のない人間だ。 だからいつもあと一歩のところで、 あと一歩だけの勇気が出ないからずっと苦しいままなんだ。 今日もまた空に想いを馳せて背を向ける。 僕には勇気がない。 だから人前に出ることが出来ない。 集団の前に立つこが出来ない。 誰かの分の責任を持つことが出来ない。 だからこんな僕の人生に終止符を打とうとしてもその勇気すらない 僕は僕の知る中で一番空に近い場所の柵の前で 「怖っ」 ボソッと一言つぶやき、帰るだけだった。 毎回同じことを繰り返している。 こんな僕は 勇気のない人間だ。

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第二話 ワクワク

第二話 ワクワク 電車を降り、私より先に電車を降りた“あの人”を探している 「見つけた」 私は見つけた“あの人”に駆け寄り話し掛けた 「すいません、あの、さっき電車で助けてもらったのですが」 「あぁさっきの電車で お礼なら結構ですよ、そういう 仕事ですから」 「あの、私貴方みたいな人になりたくて、だから私も祓い屋にな「祓い屋は危ない仕事だよ それでもなりたいの?」 私の話を遮り質問をされた 私がこの質問に対して悩むことは無かった だってそれだけ私は憧れた、かっこよく見えたから 「はい!」 「…わかったよ、それじゃ着いて僕の職場に案内するよ」 今の感情を言葉にするならきっと、“期待”だ 「ちなみに君制服着てるけど今から学校?」 「………いえ、帰りです。」 「今の間絶対に今から学校じゃん」 「いえ、今学校には休みの連絡入れました。」 「ダメだよ!学校にはちゃんと行きなさい!別にこの話は放課後 でもいいんだから ね?」 「…はい」 「すっごく嫌そうな顔してもダメなものはダメ じゃぁ放課後 この神社においで」 と渡されたのは神社の名前が書かれたメモ用紙だった 私は渡されたメモ用紙を大切に持ち 学校へ向かった 〜続く〜

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第二話 ワクワク

愛してる

世界一嫌いな言葉それは“あいしてる” 君が言う“あいしてる” だって君の“あいしてる”はまるで 映画のエンドロールみたいだから 君の口癖は「あいしてる」だった 「どうして、そんなに愛してるって言うの?」と 君に訊いたら君はこんな事を言った 「自分の短い人生だけじゃ君に気持ちを全部伝えきれないと思ったから」 その時の君を見て胸の奥がぎゅっとなって苦しくなった 君が旅立った時も君は“あいしてる”と言って旅立った “あいしてる”をさよならみたいに “あいしてる”なんて云わないで、もういらない 君が旅立ってから今まで気にならなかった言葉に敏感になった 皆聞き飽きたでしょ、こんなありふれた言葉 それでも ロックバンドもアイドル歌手も皆「あいしてる」だったんだ この言葉を聞くたびに思い出す あの日の君を旅立つ時の君の顔を まるで映画のエンドロールだったな 最後の君の笑顔は 世界一有名な言葉は?と訊かれたらきっと “あいしてる”と答えるだろう だって君の“あいしてる”を一番よく聴いたから 君と居た時間の中で一番言い合った言葉は“あいしてる”だから 君が居なくなっても飽きずに、懲りずに “あいしてる”を君に言い続けるよ 永遠のあくる日に誓って今日も「あいしてる」 明日も明後日も「あいしてる」って

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星降る図書館

プロローグ 初めましてお客様これより当館のご利用方法のご説明を させていただきます 当館では3つのルールがございます 必ずお守りください 一つ 静かに 二つ “星”を大切に 三つ 心のままに 以上3つを必ずお守りください それではどうぞいらっしゃいませ 「そろそろ寝よ」 いつも通り電気を消してベッドに入ったはずなのに 目を閉じていても眩しかった、だから目を開けたはずなのに 目に入ったのは自分の部屋ではなくとても大きな図書館だった 「夢、だよね…でも私の夢にしては綺麗すぎないか?」 そんな独り言を言っていたら横から私の独り言に答えるように 「ここはお客様の夢と現実の狭間、分かりやすく言えば異世界と 言えるでしょう」その声は柔らかく優しい雰囲気の男性の声だった 横を見ると片目だけの眼鏡をかけ少し癖毛の淡い水色の髪の男性が椅子に腰掛けていた 「だ、誰ですか」 「おや、失礼しました 私はこの図書館の館長をしています」 「えっと、何で私はここに来たんですか」 「それはお客様が“星”を求めておいでだからですよ」 「私が…星を?」 「はい、お客様の心の隙間を埋めたり、心の支えになる “星”です」 「でもここ本しか無いと思うんですけど、星は何処に あるんですか」 「お客様、星はいつでも空の上で見守ってくれています」 そう言われて上を見るとそこには屋根がなく満天の星空が広がっていた 「すご…」言葉が思わず出てしまう程綺麗な星空だった 「さぁお客様はこの地球儀に触れてみて下さいきっとお客様の気に入る“星”が降るはずです」 正直何を言っているのか分からなかったがこの人の言う事は嘘 じゃないとこの時何故か信じていた 「触るだけでいいんですか」「はい、いいですよ」 私は普通の地球儀よりも蒼く神秘的な地球儀に触れた すると地球儀が回り始めしばらくすると止まった 止まった場所にあった星を表す点が光り出した 「ひ、光った」光った事に驚いていると館長さんが 「上を見てみて下さい」と言ったので見てみると 空から一筋の光が一直線にこちらに向かって来たそして私の前で 止まったそれは息を呑むほど美しいものだった 「これは…今まで長い事この仕事をしてきましたがこれほど美しい星は中々見ないですよ」 館長さんがこれほど褒めると言う事は星の中でも美しい方なのだ だからこそ私の心の今まで少しずつ溜まった小さな負の感情を一瞬で晴らしたのだろう 「あの、これ貰ってもいいですか」 「いえ、ここから先は有料です こちらの星をお持ち帰りしたい のならお客様の“ストーリー”をお支払い下さい」 「ストーリーって何ですか」 「“ストーリー”とはお客様の人生を本にした物です」 冷静に考えてみると知らない人に私の人生と言う個人情報を教えるのは馬鹿だったがそれでも私はこの星を貰えるならと迷わず 「買います、この星をください」 そう言うと館長さんは優しく笑って 「分かりました、この本にお客様のお名前をお書き下さい」と 真っ白な一冊の本と綺麗な羽ペンを渡された 渡された羽ペンで名前を書き館長さんに渡すと館長さんが 「これでその星はお客様の物ですご利用ありがとうございました」と言いお辞儀をすると周りが白い霧に覆われ目を瞑り 目を開けると目の前は私の部屋の天井だった今までの全てが夢か と思ったが 私の手の中には美しい“星”がある…

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星降る図書館

毒と薬

私は毒だ、でも、だから毒は嫌いだ この世界は毒と薬で出来ている 毒はこの世界を汚すやつ 薬はこの世界を汚れから綺麗にする人 私の姉はとってもすごい薬だった たくさんの毒を牢屋に入れた でもずっと負けない人は居ない ある日姉が毒に負けてしまった その毒は姉の仲間が牢屋に入れたけど姉は病院から出てこなかった 次に出て来たときには箱の中だった この時私は薬だけじゃ勝てない毒がいると分かった だから私は毒になって毒を倒す この世界から毒がなくなるか私の気が収まるまで…

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第1話 始まり

プロローグ 私の人生はそこそこ良い人生だと思っていた でも違った私の人生は紆余曲折 たくさんの困難と幸せの人生だったと今はそう思っている 第1話 電車の中から見る景色はいつも変わらないずっと同じ 灰色のビル群に時折変わる空の色 −何も変わらない私の“平和”な日常− 「つまらんな」 【次はブツンツーツー】 アナウンスの音が途切れ電子音が車内に響いた え、なんで放送途切れたの⁈故障? ザワザワと 車内が騒がしくなったとき電車の頭上から黒いモヤが現れた 黒いモヤは瞬く間に頭上全体に広がった 混乱する乗客達をさらに混乱させるかの様に手当たり次第に 客を掴み始めた 〈ヤバい私のとこにも…〉グッと目を瞑ると 「しゃがんで」と後ろから声がして自然と声に従っていた すると目の前のモヤはなくなっていた 「モヤがない…」“すごい”と言う感想より先にモヤがないと言う事実が私の口から出た その後すぐにこの事件は解決した 私を助けた人によって それはもう簡単に 事件を要約するとこうだ 犯人はこの世界に存在する“妖怪”と言うやつだ 私もたまにニュースで見るくらいで実際に見るのは初めてだ そしてこの事件を解決した人はこの“妖怪”を退治する祓い屋と 呼ばれる人らしいこちらも初めてお会いした そして私はこの祓い屋さんに憧れた だから私は祓い屋になる事を決めた これが私の天地がひっくり返る様な衝撃の始まりに過ぎなかった 〜続く〜

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第1話 始まり