古都綾音
40 件の小説古都綾音
ライトノベル等書いてます よろしくお願いいたします 主に巫女ものがすきです 和風ファンタジー どうぞいらっしゃいませ ド天然おばさんでーす 一緒に書こうよ 幸せを💞がモットーでーす\(^o^)/ 元 蛍里 時雨です 風の標しは16年も前の小説を書き足してます なのでね出てくる携帯が ガラケーだったり 自動改札が普及し始めたりも❣️ノスタルジックな冒険をお楽しみください 西洋物にも最近目覚め万進しています 蒼月なんかもおたのしみに
ライゾの導き手そ10
ずずずず…… 地鳴りだ あたりの木から小鳥が 逃げたつ そして 獣たちがのがれていった 「滅べ友よ!人間よ!わたしの根は 水源にまで伸びている これに1滴 人間たちがまいてきた毒をませれば 人間などひとたまりもあるまい!さあ 滅ぼすかミアよ さあ!」 長老の樹は檻の中の タケシをしめした もうすぐで我が血潮だ みーあー 再び高く檻があがる とろ タケシの純朴さを食らう気だろう させない! 舞い上がった しかし高さがたりない! ……神よ 「ワルキューレ!神に背いたお前が御前にいのれるわけはなかろうが!」 長老の樹は ミアの首を狙いにくる 「ミア」 リョウが足元の魔をつぶしていく 「タケシを頼む!愛してるミア」 私も だがいに背中合わせに貼りながら ミアはねがった 神よ どうかおゆるしを 上空に真白の 輝き かかっ 空気をならしておりてくる 「ペガサス!」 「おのれ……私の願いも聞かずこの体たらく!」 樹は ごぅど……うと根を伸ばした ぎぉおう 根は魔物の全てに根を突き刺し 魔血を 吸い上げて言った 魔物たちが 灰になりくずれおちる 樹の根を気持ちの悪い赤が駆け抜けた ぼえーーーつ 樹がうめいた そして取り込まれた顔がくぱりと 口を開け ぼふううううっ と 吠えた 「ワルキューレミア!潰す」 ペガサスは ミアをうけとめると 上空へと一飛びでまい上がった そして根の檻に対峙すふ がおっ! ミアが剣をうちふるう ミア! 服はととけて べろべろだったかわ タケシはぶじだった 「ミア…」 そしてミアの髪をだきしめる みーあーじゃなくなったのね ミアは ふとした成長に涙した タケシをペガサスにのせておりる かかっ…… ペガサスがおりると 再び ミアは タケシをのせて そらへと 舞わせた 「ミア……」 タケシ……不安気だが いまは 傷ついて欲しくない 「あとでね?」 それだげが わかれであった 「いってくれるな」 リョウが いうと ペガサスは 美しい嘶きをみせ 空へとかけのぼった よし リョウと ミアは背中を預け合い もはや 暗黒の樹と化している 樹にいどみかかった
ライゾの導き手その9
第八章 友 その腕は 屍肉が たれ ほの白い骨には 筋組織がまといついていた だ……ぉ! ミアは 蹴って解く ぼぼぼ 辺りから死体のうでが つきだされ ミアは 大地へと 死した者たちの脈打つ奈落へとひきずられようとしていた ざお…… 円舞! リョウは回転を かけると 死肉を切り払う 「あ……」 ミアが自由になる いくよ? リョウに背後からよばわられ 「うん」 ミアはうなづいた みーあー その声 ……愚かなり……人間に加担する 戦乙女…… 神の意志をいただく この我にはむかうか? 樹表にあらわれたのは 赤い 血色の 巨大な瞳 そして 溶岩を 横に割ったかの様な口 お前たちも吸収されろ! 人間によって森が滅ぼされ おぞましい毒が巻散らされた そして人間の 死んでも 拭えない怨嗟 情念それが私を育てた 人間こそが 最初は友であった しかし友はかわっていった 友が友を恨み殺し 地に埋める 私の足元にも 埋められている 忘れられない あの 今際の 絶叫 そして その血の 染みてくる根 それを吸い上げていく私は? もはや 動くことも出来ぬ頃の はなしであるがな!…… 長老の樹は大地を裂き根を 突き上げた そこには 屍の山 ……私は目覚めた!友を滅ぼす! 大地を食らうのは人間である 人間を滅ぼし 我々だけの聖地を作るのだ
ライゾの導き手その8
第七章 長老の樹 君が僕を守る事で神の怒りを買い中天にかかった血塗られた月に封印された そして暗黒の呪いの住処がめざめたとき 君はめざめた こうして…今回は離れない!絶対に! リョウがミアをだきしめた リョウ… あの日 貴方は… きぃ…ん 剣の噛み合う音 ミアは 能力を封じられたまま リョウの背中に かばいこまれていた が… 魔物の長の 剣が振り下ろされる 「ぐ…」 リョウは 右足で小石をにじった おされている! ミアは能力も剣すら持たないまま 倒れていく剣士たちの剣をにぎった 「はなれて…」 離れなさい! 下から魔物の長の脇腹を突いた 暗黒の鎧の隙間に剣をにじこむ 「この小娘」 魔物の蹴りが胸にはいった しまっ…た! ミア! リョウが手を伸ばす その 上段から落とされる 鋼! ザクっ! 「ぐ…」 リョウ! 革鎧をやすやすと貫き 刃は リョウの背から腹を 貫ききった 「がは…」 リョウ! そんな!そんな! ミアが 血に濡れる唇のまま リョウをだきしめた 「いやよ!いや!」 ミア… にげ…ろ! にげ…ろ! うわごとのようにいうリョウ 流れ出る大量の出血 ミア… 逃げろ…頼む 約束したろ? リョウの手がぱた…と落ちた リョウ! ミアが…震えた… ミアの鎧を 濡らす大量の血 魔物がミアに剣を打ち下ろした ばづ… 落ちる首 ミア… 愚かなワルキューレ… 手が伸びる 落ちたのはミアの首 その首を魔物は高々とあげた ミア… 虚ろな目のまま…何もをうしなったミア その首に魔物が歯をたてた ばしゅ… 突如放たれるのは オーロラの光 魔物の 体が 五臓六腑撒き散らして輪切りにされた 愚かなワルキューレ あのお方の唇にのることば ミアの体は七色の光を放ち!その七色は戦場を駆け抜けた 血みどろの 戦場を 光の刃が駆け抜けていく バシュ… 全ての魔物のからだが 打ち割かれていった そして駆け抜けたのはミア しかし…その 瞳には 涙するなかった 記憶はいらないだろう? 虚ろなまま すべてが 血の海に 沈んだ時 ミアの鎧が解除された おいで!ミア! ミア? ミアはあの青年を 虚ろなまま見下ろした ミア? 涙が一筋流れる おいで?ミア ミアの魂は虹の珠となって登りゆく月にすわれていった ミア… いこう! リョウが ミアの髪を撫でる 「ああ…リョウ…」 ミアは 狂おしいままリョウの 唇を求めた みーあー! びく… あと すんででリョウの唇を吸おうとしたその時 可愛いらしいあの声! みーあー!! だ…! ミアとリョウが 地をかけた やーー! みーあー その樹を見上げれば恐ろしいまでに巨大 そして太かった よじれ節くれだち 全ての大地の苦悶を呑んできたような 巨大な樹 樹にしてはあまりにも醜い! その樹の根の檻にタケシは とらわれていた みーあー! にぃにぃ! みー… ばちっ檻の天井が弾け タケシに 樹液がしたたりおちる じゅお… 可愛いらしいクマのオーバーオールが溶ける やーーーー!! 「タケシ!」 ミアが その樹に うちいれようとした! その根元から 放たれたのは 闇にまみれた眷属達 ミアの足を し屍人の 腕がつかんだ!
ライゾの導き手その7
第六章 黒き渦の 夜明け ミアは 長椅子に タケシを 抱っこしたまま コロと 横になった 「エアコン止めようか?」 うん……ありがとうリョウ はい!ブランケット それは暖かい模様の ふわふわの布 キルトさ! 母さんすきなんだよ! なんかねミアが 大のお気に入りみたいだ 普段出さないんだよそれ! リョウが レースの カーテンを 遮光カーテンで覆う と……さっ 横切る影 ふと……光に反射し 金の目 「いや?まさか?」 リョウが 背を震わす ミア……ミアには言えない きっと怯える リョウは ぐっと鍵を 確認し きちんと カーテンで 覆った きっと気のせいさ ミアは キルトに 包まると トロトロと 眠りに落ちる ふと……ひひぃーん 微かに風に乗る声 ふ……リョウが 嫌な予感がした でも……ミアお眠り リョウが ミアの 髪に 触れる 前もあったな…… なんだろう 木のイスに座る 今日はこうして夜をあかそうか? スマホを 見る 最高気温更新 そればかり どこそこで地震 終末だ……不安を煽る リョウは ある動画みつけた 麗しの コスプレイヤー! ミア? ふとみて 止めた そして? あるニュース 森林火災 水害 ザッピングして 大写し これ? ユニコーン! 白い獣 その題で投稿 幻か?謎の生き物? コメント1000 すご! リョウは思う 何かミアの力になろう! 何でだろう思い出の中に ミアの 笑顔と 泣き顔 嫌なんだ!今度は泣かせない 今度?今度ってなんだ? なんで? 思い出せ 西の森に謎の渦? 発見者ミフネ996 またしても異変? 地球規模! リョウはばっと テーブルにスマホを 置いた 不安だろ?ミア 寝顔を 見やる 長いまつ毛 規則正しい寝息 ピンクの 唇から もれる 息 リョウは そっと ミアの唇に 唇を よせた 「!馬鹿!僕」 ガバ飛び退く 反射で 脇の女性誌が ファサと 滑った ん…… ミアが うめいた 「リョウ……」 僕? 僕の夢? リョウが ふ……と ミアの前髪に触れた と……つ……ミアの頬に涙…… なに……おもいだしてるの? 覗き込んで ふと 頬を撫でる 後から後から涙 「ミア……」 リョウは 立ち上がる 守る ミアの 涙に濡れた拳を握りしめた そばの雑誌 少年誌をめくるままにリョウは 朝を迎える 「リョウ?」 ふとミア? リョウは こっくりしていたらしい 「ああ……」 「ここにいたの?」 にぃにぃ! タケシが 上機嫌でかけてくる 「おやまあ上機嫌で……いっつも朝グズるのになぁ……」 みーあ……におい……おはな! と……ミアの 移り香 確かに花フリージア? ミア?香水つけてる? 「え?ううん」 じゃあ体臭? リョウは ドキリとした 「本当にまあ!」 母さん!また大声で? 「タケシが 笑っててミアちゃんのおかげだね」 サバサバしてて…… やっぱりミアにも心地いい パンたべる? はい…… ミアがうなづいた 食パンに甘い黒いもの? 黒ごまバターだよ 珍しいらしいけど うちは朝はこれ 道の駅までえっさほいさって自転車で行くの! お母さんが ジェスチャーをする 食事終わったら リョウ! 案内してあげな! 「おう……」 リョウが手をうつ この辺はなかなか いい川が流れてるんだよ!ミア行く? 「うん!」 明るく笑うミア リョウは嬉しくて にへ……と笑った 「これ……顔……ゆるめてないで!」 「はーい……」 「いこう……」 リョウがミアの手をとった 「わ……」 ひょいっ引き上げて玄関へ 「タケシいくぅ」 タケシがテコテコついてきて 玄関の段差で泣く 「ほぉれ」 リョウが抱っこした 「クックはこうな?」 「あーい」 ミアが にっこり リョウは 靴を履かせてあげると 下ろした 「優しいね……」 「いや……ね」 ちょっとかっこいいふりでリョウ 川べりまでの道をトコトコかけるタケシ 「こら!ぶ〜ぶくるぞ!」 「あーい」戻るタケシと ……! 「あ……!」 ミアが身構えた タケシの 足元 「だめ……」 ミアが駆け寄る 赤い靴の足元に黒い渦! 「タケ……シ」 手が届こうとする瞬間 タケシの 身体に根のようなものが巻き付き くっ……と飲み込んだ 「やーーっ」 タケシが泣く みーあー! と?ひひぃーん また嘶き ミアが崩れた 「タケシ!まって……」 「くそ!」 リョウはぎっ……と 唇を 噛む! 「あいつらだ!ミア!ユニコーンとチビ!」 「いやーっ」 わなわな! ミアが泣きじゃくる 「リョウごめんなさい!」 「大丈夫!心当たりは?」 ひっくひっく……ミアの肩 リョウが 抱く 「あいつら西の森だろ?ミア?」 こく……ミアが うなづく…… 「行くよ……僕が一緒だ!大丈夫!」 リョウは 物置から 竹刀を 持ち出した! 「僕は剣道やってたから!まかせとけ!」 元気なふりで 自分の肩を 竹刀でバシバシ叩く 「ミア……ミア……泣くな……」 ブルブル……ミアが まだ震えたままだ 「行くから!僕が守る!タケシも!君も!な?」 震える頬を抱き寄せた 「行くよ?ミア」 「ん……」 ミアがうなづく! 「タケシ……」 ミアが 森へと駆け出した 「まてって!」 リョウも かける 「はや……」 ミアは 風に乗るように速い! 取り戻す!あの笑顔 きっ……前を睨んだミアは 朝の 市街を 駆け抜け薮をわった! 足が痛い! かまうもんか! 頬をうつ枝! 知らない! リョウがおう! リョウとて 速い方追いつくか? と ミアが 止まった 「ミア」 「ミア」 揃う声! 「テル!返して!」 「まだだめさ!」 「だめさ!まだ」 また反復! ギリ! ミアは 敵意で テルとパチールを 射抜いた! 「返しなさい!」 「やだね」 「だね!」 リョウが 竹刀で ぶっ叩く ガシャ! しかし!竹刀が折れ砕ける! 「くっ……」 「若造無理だよ」 「無理だよ」 くくっ テルをおう パチールが 口角を 上げた 「また死ぬか?若造?」 「殺そうか?」 邪悪に笑む! ちっ! 残るは竹刀の柄! ざっ! 気合いで振り下ろすと青い何かが光った! 「が……」 テルが背中から血を流す! リョウの その手には 青い宝石のはまった 剣? 「これ?」 呆然と眺める 「あれ?」 「神剣!」 「テル!やばい」 ユニコーンの 血が葉をぬらす 「神剣?」 ミアがこめかみを 抑えた 「つあっ……」 きり…… きつい痛み 「ミア!」 リョウが ミアとテルの間に 入る 「弟を返せ!」 怒号! 剣は使える 振り上げ下ろす 剣圧が パチールのフードを ばつりと はらう! 「ひ……!テル!」 パチールは 怯える 「返さない!」 テルは回転を かけ!角でリョウを 狙う ざっ!! リョウの 剣が ユニコーンの 角を輪切りにする 「どけ!」 リョウに睨まれ! テルが 倒れ落ちた 「テルぅ」 見れば前足まで切断されている 「チビ!死にたいか?」 リョウの背中が 怒りに 燃えて見える ミアがつきーんと また頭痛に震えた 「だ……」 リョウ!革鎧の その背後! がしゅ! 真空の刃! テル! ミアは! オーロラの 短剣をテルの首に 落とした 「グオ!」 テルが絶えた ミアは 血をはらう! やろう!今度こそ! 守る私が戦う! 金の女鎧が肌を覆う 「テルぅ」 パチールは ピコピコと走る! そして草の間から こちらを見る 「リョウいこう!」 ミア!君! リョウが 剣を立て誓いを立てた! 蒼き石の元!貴女を守る!ワルキューレよ! 何度生まれ変わっても貴女に会う! 永久の誓い!ここにかける! ミアの 耳飾りが羽と なって ミアの兜を 飾った! ミア…… 思い出したよ! ミア! リョウがなく……君を 置いたまま死んであんな目に! 君は封印されて こんどは戦える! ワルキューレ! 「うん!」 ミアのオーロラの短剣が 長剣へと変化する 「行こう……」 「待てミア……もう1つ」 リョウが そっと 口付けた! 結婚の 誓いを立てる! 必ず守る! 死ぬな!
ライゾの導き手 その6
第五章 唯一の 安楽 ミアは 木製の 椅子に座ると ペタ…… 床に足を投げた 暖かい 木の木目…… ここは 外の暑さと違って涼しい 「涼しいのね?」 「エアコンさ!」 「エ……ア……コ……ン」 そう! 涼しくしたり暖かくも出来るんだよ!考えついた人天才だろ? こくこく……ミアはうなづいた かべには長い針と短い針の 動く仕掛け 「珍しいの?あれは 時計!」 「時計?」細い針がひどく忙しそうにまわっている そして 周りを見渡せば 照る紙に描かれたリョウ そっくりね凄い! 「あ……これは写真」 「写真?」 そ…… ねえねぇ タケシが 何やら抱えて走ってきた あげりゅ くれたのは 色とりどりの長方形の 物体で作った犬? 「これは?」 「ああ……タケシの宝物ブロックだよ!君にプレゼントらしい……やるねぇ!」 ぷいぷい! タケシは手をふると ねえねぇ!いい匂い! 「こら!殺し文句だろ?」 タケシは ミアのスカートにスリと 顔を寄せ上を向いた きれい!おめめ!そらのいろ ああかわいい! 「タケシ!なんていうんだっけ?」 「だいすき!」 「は……い」 ミアとリョウが同時に首を傾げた 「ありがとうだろ!」 だぁいちゅき……きれいね!おひさまみたい!かみ! ああもはや! ミアは ぎゅっと タケシを だきしめた! 「なんかごめん!単語知らなくて」 「いいの!あったかい子ほっとする」 よかったよ! 絵本はよく読むけどね! あやつれなくてね 私もだぁい好き!タケシ!ね!だぁいちゅきよ! にぱー! タケシは満面の笑み! サンチャイ! 三本立てたいらしい指が 二本 三歳よね! ミアが 笑んだ! なんて純粋! ミア? ん? 母さんが帰ったら 彼女っていっていい? 「へ?」 ミアが首を傾げる 「恋人ってこと!」 彼は真っ赤になった! ミアは 一気に真っ赤になる! 「ごめん!それしか紹介法なくて!」 だめ? 問われ ミアは いいとうなづいた! やった! リョウは 跳ねた! ガチャガチャ! タケシが何やら振って持ってくる ねえねぇ!あけて? ん? 金属? 箱? こう? カパ……開ける! 中には反射する色とりどりの 紙で包まれた 丸いもの! 「振ったら砕けるだろ?」 あげゅ! 「おまえね」 じゃあね!1つ! ミアは貰った 丁寧に開けると!甘い香りの 割れた丸? 「飴さ!砂糖?」 「わ……口にいっぱい!甘い」 「でしょ!」 「うん……」 ねえねぇ!オヨメサン? へ? へ? 2人は同時に顔を見合わせで 爆笑した! 「もう!」 リョウが タケシの頭をクリクリと混ぜる 「うぴ」 タケシが!バンザイした! 「癒される」 ミアは 涙目になりながら笑う! 「みーあ?」 「ん?」 タケシが呼んだ! みーあ…… そう……ミアよ! 「驚いた!認識した!」 ねえねぇ?みーあ? 「そう!」 だっこっこー わらーとかける! ポテ……ミアの膝に 頭を預けパタパタと足を動かす! ミアは 壊さないように抱き上げた! 「みーあ!きれい!だぁいすき!タケシすき!」 「うん……」 「なんだろね!泣けた!」 リョウが鼻をすする! 「ありがとねー!」 「うみゅ……」 タケシは目を擦る! みーあ! ぺちょ! ミアの 袖を摩り タケシは目を閉じた 「ありゃりゃ!重いだろ預かる!」 「いいよ!あったかい!」 「きゅ……」 タケシの寝息! ミアは 鼻歌を 歌う…… ん…… リョウが 反応した 「なんだろ……聞いた事あるな!」 エルフの 子守り歌よ! エルフってあの? 「そう……」 なんでだろ ミアは続けた! 「待ったこう続く?慕わしき子よ……お眠り……」 「そう……」 「あれ!」 「!」 ミアはすごく嬉しい……なんだろ! 「愛しき君の歌歌おう……」 そう! リンクした ガチャ! ドアの開く音 「母さんだ!」 「母さん!」 「なあに!いい年して!大声だして!」 きっぷの良い 丸いお母さん 「あら綺麗外人さん?」 「えへ!僕の恋人」 「これ!バカ言って!こんな綺麗な子が!アンタに惚れないでしょ!」 「いてえ」 リョウがはたかれた 「あの……いえ……恋人です」 「日本語上手いのね!ようこそ!マァマァ座ったら!うれしいわぁ!」 お母さんは どさりと荷物を置く クッキー出してあげてリョウ! 「お嬢さん名前は?」 「ミアです!」 ミアちゃん!いいねぇいい子だ! でかした!リョウ 母さんってば! 「将来安泰だわ!」 母さんってば! ご飯食べてく? 「うちゅ……」 タケシが目を開けた! 「まんま……」 みーあー おやま!めずらしい! 1回で! 「そう!ビックリだよ!」 みーあ! ミアの髪を ひく こら! リョウがとめる! 痛い痛いだろ! たいたい? ん?いいよ! ほんとにいい嫁さんだ! 母さん! リョウがはねた 「果報もん!」 うっさいな! ミアごめん! みみうちする 「うれしいよ?」 「あ……」 リョウが真っ赤になる…… ミアってば! 本当によ! 言うとリョウは 僕…… いいから! ほぉら! あの クッキー! わかったってばー!大声だなあ! リョウは 綺麗な缶を 出してくる 「はい……どうぞ!」 わぁー クッキーだよ食べるのさ! 美味しそう 1枚とる 真ん中に赤い窪み いちごジャムのクッキーだよ! おいしい! だろ! 僕も好き クック タケシが手をのばす それはメレンゲクッキー わぁー ミアは 何にでもわぁーと反応しリョウと 笑った 女の子の笑い声!いいね! ふふ! 母さん!ご飯! 「待ってなさい!テレビ見て!」 「テレビ?」 「ん……そ!あの板さ?」 板? ピッ 音がしてガシャとぶつかる 何か ミアは目を丸くした! あの中に?なにかいるの? 「いやね今はみんなこうして楽しむんだよ!」 ピッと画面を変える 美味しそうな 果実! 「これ!果実酒の宣伝」 ふーん! 面白そう! ミアが 身を乗り出した! ざっ! と?お母さんの方から水音? 井戸? 水道さ! 水道? 水を引くんだよ ミアはコロコロと表情を変え リョウは なんだか嬉しそうだ! かわいいなぁ! つぶやいて 頭をかく! 泊まっておいきミアちゃん! お母さんが楽しそうに言った 「母さん!失礼だろ?」 ふふ……ミアは 笑った 「ありがとうございます」 「ゴメンな」 うれしくて ミアの微笑みにリョウはポトリと クッキーを 落とした
ライゾの導き手 その5
第四章 つめよる影 ミアは 肩で息をした 怖い……どうしよう なぜ? 2人はいつも笑顔なのに? 「ミア」 「ミア」 ……行こう…… ……行こう…… 重く震える足が1歩を 刻む 「あれを抜ければ 長老の樹だ」 「樹だ」 行ってはいけない! 心が叫んでる ……逃げろミア…… リョウの声? ミア? ミーア? ……逃げろ…… だっ…… ミアは 踵を かえした やみくもに逃げる!逃げる 恐怖が 絶え絶えの 呼吸より辛かった 逃げる ……こっちだミアおいで!…… 黒髪の あの人が? 幻視なのか? 手を引いてくれる! こっちだ! 森を抜ければ そこは 大きな文明都市だった 「トウキョーだミア」 彼が振り返る だけど 溢れる涙で反射して良く見えない 「リョウ!」 ふ…… 彼は消えた 「リョーウ!」 ミアは 叫ぶ あそこに降りれば 2人は追って来れない 何かがそう告げる ミアは 涙を 拭い 拭い かけた 怖い これは賭けだ 背中に2人の声は無い ……ミア…… あの慕わしい声 ミア…… ミアは降りていく 下の都市トウキョーへ 東京2025年8月 照りつける日差し コンクリートの 地面 だけどミアにはわかっていた ここが今は1番安全 ミア…… 突然呼ばれて振り返れば 美亜!ダメでしょ?手を離したら! 母親らしき人が お団子結びの 女の子を 叱っていた ……ミア!…… ミアは 振り返って ぐるり見渡した しかし その姿は無い…… わ…… かけてきた少年が転んだ 「あ!」 ミアは そっとたちあがらせてあげる 「タケシ!あ!すいません」 青年がかけてくる その精悍な 面立ちが! 「リョウ!」 青年は 首を傾げた 「どうして僕の名を?」 と 話しかける 「あの……」 なんて言ったらいいのだろう 「リョウなのね?」 「はい?」 青年が頷く 「確かに僕は リョウですけど……あなたは?」 ミアよ! 全身が叫んだ 「ミア………………」 青年が反芻して考え込んだ 「ミア?」 どこかで…… と ミアの耳飾りに リョウが目を止めた! 待ってください! その耳飾り! 青年がジーンズの ポケットを 探った これ!对ですよね? 手を見れば 片方の耳にしかない耳飾りの 片方 「……!」 「ミア……」 リョウ! ごっ…… 上天に 黒い渦 中からユニコーンと パチールが 現れた! 「あ……!」 「いたね」 「いた」 まわりには 渦はおろかユニコーン達すら見えてない だけれど実体だ! 確信があるミアだった 「逃げよう!ミア!タケシ!」 リョウは少年を左に抱え 右にミアの手を取る! 「いくよ!」 ミアには 不思議と恐怖は無い 胸が 早鐘のようだが 不安じゃない 「お待ちミア」 「ミアお待ち」 「待ってたまるか!」 リョウは 背後にその言葉を投げた 「さぁこっちだ!」 鳥居の中に駆け込む 「大丈夫!多分見つからない!僕ここに来ると 癒されるんだ……ね……ミア?」 パチンとウインクを くれる リョウ…… その前を鳥居を 挟んでユニコーン達が かけて行った 「行くよミア!」 立てるかいリョウは手をそえた 「ありがとう……」 嗚呼 彼だ!彼がいる! リョウ! でも名前しか知らない…… 思い出せない! 「走ろう」 なんだろう自由なんだ…… ミアは 浮き立った! 自由! 自由!! 自由!!! そのまま 雲の上ですら走れそうで ミアは 歓喜した 「ここだ 入って 」 そこには 長谷川とあり したに タクマ アカリ リョウ タケシ とある リョウの家? ミアが玄関を入って見渡した 「あまり見回さないで……綺麗じゃないから!」 玄関!そこで靴は脱ぐ!覚えた 入って 革張りの 長椅子がある部屋へ 「これ……」 「ああビニールさ!父さんの趣味でね」 へへ…… リョウは頭を かいた 「それにしても君!あんなのに追われてるの?大丈夫?」 リョウには 2人が見えていた 「ううん……怖いの……でも……」 ぎゅ! 彼がミアを抱きしめた 懐かしい香り 「怖かったね!でも僕が守る!」 「どうして?」 「どうしてだろうね!でも そうしたいから」 リョウが 強くうなづいた だって!そうしたいから!いいだろ?ミア ミアは 大きくうなづいた
ライゾの導き手 その4
第三章 目覚め 「ミア……」 「ミア…………逃げろ!いいな!生まれ変わっても必ず会いに行く!僕を信じろ!」 黒髪の青年が 叫ぶ リョウ! 「リ……ョウ!」 ミアは跳ね起きた 「起きたねミア」 「ミア起きたね」 この反復が 物凄く怖い でも……リョウ どこかであった? 「ミア」 背後から呼びかけられて ミアは ビクリとした 「朝だよ」 空をみると神秘的な朝焼け…… 美しいグラデーション 煌めく星が 飲まれていく 太陽の 日差し ミアは立ち上がった 「綺麗……」 「ああ……そうだろう 」 「そうだろう」 また鳥肌が立つ 「ミア……だがそれを壊す奴がいる」 「奴がいる」 ぞくり…… また背を何かが駆け抜けた 「行こうミア」 テルと パチールは ミアを 引っ立てるようにして 水の小人の 集落を あとにする 「歩こうミア」 「ミア歩こう」 言われるたびに足が重くなる ミア ミア もう一度……あの声で私を呼んで! リョウ リョウ 「リョウ!」 「誰だい?リョウって」 「誰だい?」 思わず口にしていたらしい 知られてはいけないミアは リョウの記憶を 隠そうとする 「昔話かい?」 「かい?」 ビクリ ミアは 震える 気づかれてはならない 怯えて 心をひた隠しにした 「ミア?」 「ミーア?」 顔を覗くパチールの 瞳が 怖い 「な……何でもないの!」 「そうかい?」 「そうかい?」 怯える自分に気がついて ふと不安になる ユニコーンと 小人 害の無い組み合わせ なのに恐怖に 駆られる 「ミア離れてはダメだよ?」 「だめだよ?」 歩調が遅れたミアを 2人が せっつく 「おいでミア」 「ミアおいで」 グルグル回る言葉の迷宮の中 振り回される 「怖い」 ミアが ポツリ言った 「怖くないよミア」 「ミア怖くないよ」 冷や汗が 背を伝った 「ミア」テルが呼べば 「ミア」パチールも呼ぶ 怖くていてもたってもいられない 逃げ出しそうになった時 「ここだよ」 「ここだよ」 2人が渦の場所を しめした ……!…… ミアは 凍りついてしまう 何かの呪詛にでもかけられたみたいだ 「ミアさぁ!」 「さぁミア!」 ミアは 渦を 攻撃する ど…… 今度は脇腹に 痛みが走った 「あ……う……」 「どうした?ミア」 「ミアどうした?」 狂おしいまでに反復され 「反復しないで!」 と叫んだ 「そうはいかないよ?」 「そうはいかないよ?」 ぶる……り 脂汗まで 滲む 「辛いのかい?」 「辛いだろう?」 その単語の違いに気づけぬ程 恐ろしかった
ライゾの導き手その3
第二章 森の宴 ミアは パチールと テルの導くまま 森の深淵へと進んでいく 「ミア仲間だよ」 仲間だよ テルの後をパチールが追う 「さあ見てご覧」 そこには湖が 広がり 水の小人の集落があった 「来たねミア」 小人の 長が かけてきた ポテポテと やわらかい音がする 「ミア 今夜は宴だ……それまで休んでおいで」 休んでおいで…… また小人たちが復唱する 「……」 ぞくり 何かがかけた 「ミア さあ これをお飲み」 小人10人程で抱えてきた盃 それには 黄金の 液体が 注がれていた 「季節の花の蜜酒だよ」 「お飲み」 「お飲み」 まただぞくぞくする でも 周りは悪意も無いようで キャッキャッ戯れていた 月が中天に かかる宵 水の小人が 歓待してくれた らんらら……らんらら なんだろう そのリズム 聞き覚えがある ぬる…… 身体を濡らす血 ミアが 跳ねるように立った 「どうした?ミア」 「どうした?」 逃げ出したい でも何から? ミアは震えた 小人が どんぐりの粉で作ったパンを運んで来る ミアは 腕に爪をたてた 怖い 何故 どうして?この幻視はなぜ? 「ミア!」 はっとミアは目を上げた 「お食べ」 「お食べ」 また復唱 心臓が ドキリと 脈打った さぁミア パチールが かけてくる 「皆で歌おう!」 「歌おう」 らんらら……らんらら! らんらら……らんらら! ぞくぞくと 鳥肌が立つ 何か大切なものを わすれている その恐怖に 身体が震えた 「らんらら……らんらら」 こめかみが ズキンと 傷んだ 「さぁミア」 吐き気がしてくる 蜜酒に酔ったのか この恐怖のせいなのか? 「らんらら……らんらら」 や……やめて…… 革鎧を着た青年…… 抱きしめる自分 その手は血に濡れて 「きゃ!」 「ミア?」 「ミア?」 小人がわらわらやって来る ミアは 岩壁に 背を預け深呼吸した 「何かみえたの?」 「何かみえたの?」 首を左右に激しくふる 「ミア座れるかい」 テルが 言う 「座れるかい」 ダメだ 胃液がこみあげる 「ミア?」 どさっ ミアは 倒れ込んだ 「寝ちゃったね」 「寝ちゃった……」 「ふふ……ふふ……」 微かな笑い声 ミアには届かない 「寝ちゃった……」
ライゾの導き手その2
「たのめるかいミア?」 「わかったわ 」 ミアはテルから短剣を受け取ると長い髪を蔦で結い上げた 守る……そう決める だけど もう1つ大切な事があったような気がする 何であったのか? ミアには分からない おもいだせない では行こう テルはミアを先導して歩き始める 小人の1人パチールがついてきた 彼は陽気に歌う ……ミア元気をお出し? 「?」 なんだか不安げだよ? 「?」 おかしいそんなはずは? 感情の欠落? あれ? ミアはふと手を見た 「きゃ……」 血に濡れている 「落ち着いてミアいい子だ」 テルが あやす 「いい子だミア……ねぇミア?夢見の詩ってしってるかい?」 ぶぶん……と ミアは頭をふった ミア? 「はぁ……」 もう一度見れば 血の跡などない 「どうした?」 「だい……大丈夫よテル……パチール」 そうかい? テルとパチールの 声が揃う 「そうかいミア」 ふとミアは ゾクリとした なんだった? らんらら……らんらら パチールが歌う らんらら……らんらら 頭がクラクラしてきた ミア? ん……顔色が悪いよ?やすむかい? やすむかい? テルと パチールの声が揃う 「行こう」 「その顔色では休んだ方がいいよ」 いいよ…… また揃う ミアは ぞくりとした なんだろう? ねぇミア? いくの? パチールが テルの声の後を必ず追う 「ま……まずはどこへ?」 ここだよ ここだよ しげみの奥に黒いブラックホール! 「さあ……ミア一撃を」 ざっ…… ミアがみまったその瞬間 背中に 強烈な痛み 「んっ……」 「よくやった……ミア」 よくやった…… ミアはまたかぶりをふった 背中の痛みは消えている なんだった?
ライゾの導き手 その1
第一章 ライゾの塔 ミア は 長い金糸の髪を風に揺らして ちいさな石塔のまえに来た 導きの塔 ?ミアが首を傾げる 「小さくてびっくりしたかい?ミア」 ユニコーンが 鼻から息を漏らした 出ておいで精霊この人は人間族じゃないよ かつんかつんと蹄をならす 「でておいで精霊たちミアだよ」 ててて…… ちいさな小人がとびだしてきて わらわらとミアをとりかこんだ 大きめの瞳 小さい くちびる ノーム? 「違うよミアそれより小さきもの」 小人族だよコロポックルににてるかね 1人の小人が蘭の葉を滑り台に それー おりると こう言った 「ようこそミア」 周りの小人も習ったかのように ようこそミアと口にした 「あのねミア」 小人はいった 暗黒の渦が 森をくらいはじめているんだ たすけておくれ あなたならできるわ 小人の夫人が ミアの手にしがみつく どうしたらいい? ユニコーンをみると 「私はテルだよミア」 名乗ると瞳を閉じ角がオーロラにかがやいた ぽ…… オーロラの短剣 ――ここでとどめてしまわなければ人間も危ないんだ エルフ達も頭を抱えている…… この短剣で一撃みまえば渦は消える まるでブラックホールが 森のそこかしこにあらわれているようなんだよ そのオーロラの短剣は星雲の力をひめている ミアならできるよ ……できる……できる…… 小人達が声を揃えた たのめるかい? 「それが呼ばれた理由なのね 」 「うん」 テルが 鬣を揺らす