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第1章 出会いの季節に

中学校は県立の進学校を選んだ。 中学校1年生。今覚えば、あまり記憶が無い。覚えているのは、自分の居場所を探してた。居場所と言うより、自分を探してた。自分と向き合い過ぎて、自分を見失ってた。そのうえ、勉強も部活も上手くいってなかった。でも、精一杯笑いあっていたんだ。 そんな1年が過ぎて、体調不良で一日目を欠席して2年生が始まった。1年生の時のように、どうでもいい毎日が続き、どうでもいい1年を過ごすのだろうと思っていた… クラス替えを期待することもなく、中学校生活2年目が始まった。 仲の良かった友達と一緒だった。休み時間も、ずっとその子と話していた。  そんなある日、部活が終わって、部室に行っていた時、 「凪ちゃんおつかれ!」 ってどこか美しく、どこか落ち着く声が聞こえた。  私は反射的に笑顔で 「おつかれっ!」 って手を振り返した。 一目惚れだった。  自分にとっては遠い存在で、同じクラスになって2ヶ月くらい話したことがなかった。人が恋に落ちるって、こういうことなんだと今は思う。  須藤愛夏(すどうまなつ)。水泳部のエース。頭もよく、運動神経もいい。クラスの中では一番モテているであろう存在。  私はそんな彼女に恋をした。

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第1章  出会いの季節に

私しかいない世界に君といた時代

あぁ、私じゃない。君のことを好きな人が何人もいることは知ってる。好きで好きで仕方ないから、君を忘れたい、君から逃げたい。もう、君のことなんて考えたくない。どうしてこんなに、辛いんだろう。学校でもできれば話したくないのはなんでだろう。こんなに好きで好きで仕方ないのに。大嫌いになりたいのはなんでだろう。涙が出るのはなんでだろう。君からのLINEをずっと待っているのはなんでだろう。「おはよう」っていえなくなったのはなんでだろう。もう「おはよう」って言わないで。話しかけないで。笑いかけないで。いいじゃん、1日くらい話さない日があったって。それが1年くらい続いたって。君にはどうでもいいことでしょ?もう、君を追いかけることに疲れた。 それでも。それでも君が話しかけてくれて、笑いかけてくれる。大嫌いって心の中で叫んだのは何回あっただろうか。でも、好きって叫んだ回数の方が多いだろう。

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私しかいない世界に君といた時代