第1章 出会いの季節に

第1章  出会いの季節に
中学校は県立の進学校を選んだ。 中学校1年生。今覚えば、あまり記憶が無い。覚えているのは、自分の居場所を探してた。居場所と言うより、自分を探してた。自分と向き合い過ぎて、自分を見失ってた。そのうえ、勉強も部活も上手くいってなかった。でも、精一杯笑いあっていたんだ。 そんな1年が過ぎて、体調不良で一日目を欠席して2年生が始まった。1年生の時のように、どうでもいい毎日が続き、どうでもいい1年を過ごすのだろうと思っていた… クラス替えを期待することもなく、中学校生活2年目が始まった。 仲の良かった友達と一緒だった。休み時間も、ずっとその子と話していた。  そんなある日、部活が終わって、部室に行っていた時、 「凪ちゃんおつかれ!」 ってどこか美しく、どこか落ち着く声が聞こえた。
雨