恐縮

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恐縮

暗殺者組織のボス日記 中巻

黒井は皮でできた席に腰を下ろし、ティーカップを手に足を組み淡々と話を始めた 「奴らの足取りはまだ掴めていない──ただ、明日の日が昇る頃つまりは5時に廃工場にて取引が行われる」 僕達は暗殺者組織ではあるが少々めんどくさい設計になっている CIELというひとつの大きな暗殺者組織から2つに分けて活動している 黒井が担当しているのは通称 ゲッケイジュ 僕、犬麿が担当しているのは通称 紅梅 ゲッケイジュは基本、裏方であり、ターゲットの受付や情報収集などをしている 紅梅はゲッケイジュから受けた情報やターゲットを元に暗殺を行う 今日殺したユダは元々ゲッケイジュであったため 黒井の前にゲッケイジュのボスであった シノンというハッカーが上の連中に消された ボスは徹底した部下の管理が必要とされており、 ユダが組織から出た場合、その時担当していたボス もろとも消されてしまう怖い世界 「とりあえず作戦は以上だ」 黒井は話終わるとティーカップを受け皿の上にのせ 立ち上がった後、失敗するなよと忠告し部屋から出て行った ───午前5時───とある廃工場にて─── 僕は工場前にいる雑魚をひとしきり眠らせた ここで重要になってくるのは無駄な殺しはしないこと、無駄な殺しをして死体処理班の手数をかけると表に話が回ってしまうからだ 今までしっぽを出してこなかった連中がわざわざ ボス直々に取引きをしきやって来るらしい 静かに工場内を動き回り制御装置室にいた連中を 片付け、死体処理班が来るため、ポインタに電源を入れ床に落とした 「そろそろ来ますよ白獣さん」 側近がそう言うと予定通りにやつは来た そして持ち前のスナイパーで側近がボスを撃ち抜いた─── その後鮮血が噴水のように吹き出たあとやつは倒れ込んだ 「長らくしっぽを出していなかった組織も少し出しちまえばこんなもんか」 そう言い側近と事務所へ帰ろうとした刹那 銃声が辺り一面に響き渡った 左を見れば頭から血を出して倒れている側近の姿があった、そしてさっきの銃声には少し聞き覚えがあった、他のやつでもない“うちの連中”しか所持できないような銃からの銃声、そしてこれは明らかに使い古されたものの銃声だった、信じたくなかったこの結論を嘘であって欲しかった、僕は後ろを振り返りながら答えを出した 「お前じゃないよな“黒井”?」 しばらく一生かと思えるようなの沈黙が生まれたあと答えが返ってきた ─────────────── 「そうだよ、俺がホントの“裏切り者(ユダ)”だ」

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暗殺者組織のボス日記 中巻

河上彦斎 沖田総司VSジャックザリッパー エリザベートパートリー

「さぁ始まりました武神のラグナロク Aブロック第一回戦、先方はこいつらダァ!」 ロキの掛け声と共に辺りから歓声が湧き上がり あたりの空気が揺れ始めた 「時代は幕末…幕末の四大人斬りの一人と恐れられ、見つかってしまえばもう逃げられないことから付けられた異名は“ヒラクチ彦斎”最期まで母国を思い続けた暗殺者」 「河上彦斎!」 「同じくして、幕府を守るため人間だけでなく己の病とも戦った、幕末を語る上でこいつを語らず誰を語る!新撰組最強の剣豪…」 「沖田総司!」 紹介が終わった後扉が開かれ会場へ入場する 沖田は観客に向けてニコニコの笑顔で手を振りながら歩いていく それに対し私は凛とした表情で歩く 会場の真ん中に立つやいなや次の紹介をロキが始めた 「時代は19世紀ロンドン、 資本主義が進み、その時代は輝いていた…だが観光客には見せられない闇の事実があったのもそれまた事実!5人の売春婦を手にかけ、イギリス女性を恐怖の底に叩きつけた!」 「ジャック・ザリッパー!」 やつは奇妙なステップを刻みながら、骸骨の仮面を被ってコートを身にまとい手には死神が持つような鎌を持っていた 「同じくして、17世紀ハンガリー王国、フェレンツが死んで数年がたった頃、その影は動き出した! 高貴な佇まいとは裏腹に、 650人もの愛娘の血や内臓を貪り尽くした知るものは彼女をこう呼んだ…吸血鬼!欲しいのは若さか?否!神としての地位か?否!答えは彼女だけが知っている!」 「エリザベート・パートリー!」 その姿は高貴と呼ぶにふさわしくされども目を見れば一瞬だった “人殺しの目だ” 昔の俺がそうだったようにこいつもまた同じ目をしていた…だがどこか楽しんでいるようにも何かを恨んでいるようにも見えた 「それでは!戦ってもらいましょう!勝つのは 女殺人鬼組かそれとも熱い時代を生きた侍組か 戦いの火蓋が切って落とされる!」 「レディ…」 「ファイッ!」 ロキが始まりの合図を出すと 双方一斉に飛び出した! 俺の相手はジャック・ザリッパー 沖田の相手はエリザベート・パートリー 俺は奴と武器をまじり合わせ、やつは後方へと飛んだもちろん見逃すはずもなく俺は後を追った (好機!相手の間合いに入り込んだ!) と思い込んだ、刹那! やつは俺の顎めがけ鎌を振り上げてきた それを俺は紙一重でよけたが懐がガラ空きになった 無論、やつはそんなこと見逃すはずもなく、もしくはこの状況を狙っていたかのように俺の腹めがけ振り下ろした、だが簡単に当てさせる訳にもいかない 俺は何とか攻撃を避けた 「おおっと!開始早々激しい攻防!」 ロキがそう司会をすすめる やつはトンットンっと片足で跳ねたあと猛スピードで懐に入り込んできた、俺は攻撃を刀で弾くことしか出来ない間に、やつはどんどんと振りかざしてくる。 俺は後ろに飛び、その後こちらも負けじと距離を一気に詰め、さっきと立場が逆転した状況に持ち込んだ。 そこで初めに刃先が相手に届いたかのように思われたーーーー だが、届いたのは、やつのつけていた仮面だった やつが後方へと飛ぶと やつの持っていた鎌が壊れていった、それを見逃すほど俺は甘くなく一気に距離を詰めただが、右脇腹にナイフが刺さった 口から鮮血を出す俺と仮面を抑えている相手 負傷差は歴然であった俺はナイフを抜かず柄の部分のみを切り落とし、やつは仮面を抑えていた手を外した、そこにはわずか16歳ばかしというような 顔立ちをした青年の顔がそこにはあった 「wonderful!仮面を破られたのはこれが初めてです!やはりJapaneseの侍は一味違いますね」 やつは、両手を上にあげにっこりとした顔で空を見あげていた 「Sir、ここでひとつ話をしましょう」 「なぜ?」 俺はやつにそう聞いた 「だって、ただ勝つだけじゃ面白みも全くありませんからね」 その目はハッタリでもなんでもなく本気の目だった 「なぜあなたは武の神になりたいのですか?」 「なぜ、か、神になれるのなら誰だってなりたいだろ?」 俺は聞き流すように答えた…だが 「あなた、嘘をついていますね?心臓の動きが早くなってる」 「なっ!?なぜわかる」 驚いた、この世に俺の嘘を見分けられる人間がいたなんて 「私の右目少し特殊なんです、私は内臓の位置と動きを影として見ることが出来るんです」 とやつは右目を優しく擦りながら話す 「だから私は女性を殺害した!この目で見られる内臓は影ばかりで面白みもなくかといって男性では愛着が湧きません、よって!赫く、綺麗で、愛着の湧く女性の内臓をターゲーットにしたのです!」 やつは興奮したように軽快に云う 「さて、そろそろ傷も癒えた頃でしょうさっきの続き、始めましょうか!」 どうやら話は本当らしいもう出血は止まり痛みもだいぶ癒えてきた頃だった やつは懐からナイフを数本取り出しこちらに向かって投げた、俺はそれを刀で弾きながら間合いを詰めていった 一方その頃沖田総司はと言うと 楽しんでいた、今、この瞬間、この戦いに 「あなた強いのね、やっぱりその強さの根源は弱みでもある小柄な体型と鍛え抜かれた跳躍力にあるみたいね」 彼女は僕を舐めるように全体を見たあとそう云った 確かに僕は体型は小さい、でも誰よりも大きな努力と少しの才を活かして戦ってきた だがそれだけじゃない、僕には背中にある誠の文字がものすごく誇らしいんだ、誇らしいからこそ剣を振るえる だがもう腕は鞭で叩かれボロボロ、お世辞にも剣を振るえるような状態ではなかった しかし、彼女が大きい鞭を振り下ろすと僕は決死の思いで、自慢の跳躍力で懐に入り込んだ 河上彦斎 俺はやつの懐に入り込みあと一振りで仕留められる所まで追い詰め、そのためかやつの思考力と判断力は鈍って来ており焦ってやつは最後の1本になるまでナイフを投げてきた無論全て弾き返した、ナイフをこちらに向けて右手でナイフを刺しに来た俺はそれを軽快に避けた…はずだったいつの間にか俺の腹にはナイフが刺さっていた (なぜだ?完璧に避けたはずなのにっ) やつはナイフを抜き腹に向かって無慈悲に蹴りを入れてきた、俺は頭から後ろに飛んだ、多分やつは俺が避けると思ったのだろう、俺が避けた後空中でナイフを持ち替え右手を差し出した体制のまま左手で俺の腹をさしたのだ!やつの思考力と判断力は鈍ってきていなかったらしい 「グフゥ!」 もう少しで地面に背が着く瞬間、何者かに顔を踏まれすぐさま前を見ると、ジャックザ・リッパーを 口に咥えた刀で切り裂く、誠の文字があった

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河上彦斎 沖田総司VSジャックザリッパー エリザベートパートリー

儚き記憶

ある日君から届いたメッセージ 君の心の壁を感じて開くのを躊躇った だけどそんな思いも虚しくじ私はメッセージを開いた そこには別れようと短く重い言葉があった 私は理由を聞こうとしたでも別れたショックで 指が動かなくて 別れの言葉に肯定しか出来なくて あとから後悔するんだ、もっと話せばよかった…… そこで私は気を紛らわそうと 薄暗いクローゼットの中でスマホの録音ボタンを 押した これ以上ない大声で、これ以上ない歌声で 周りの音も声も聞こえなくなるぐらいに たくさんの失恋ソングを歌ったんだ 次の日学校にも行きたくなくて それでも学校には行かなきゃないし それでも周りから見たら普通の何も無い一日で それがたまらなく嫌になって 結局学校には行ったのだけれど君は何も無かったかのように笑っていた 自分には居場所がなかったのだと 自分には何も無かったかのように そんな扱いに耐えきれなくて 唯一の友達にも八つ当たりしたっけ…… 気づけば私は 家に帰って薄暗いクローゼットの中で自分の喉笛を強く押した これ以上ない大声で、これ以上ない怒号で 周りの環境が見えなくなるぐらいに たくさん自分に死ねと叫んだ そこで歌にしたくなった 誰かに助けて欲しかったのだと 誰かに必要として欲しかったのだと 誰かに褒めてもらいたかったのだと そういう私のわがままな儚い記憶(メモリー)

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ラグナロク

2023年ー天界ー ここは死んだ人間と神が生活の輪を広げている いわゆる天国とも言われる場所 そこで1柱の神が突如として亡くなった 原因は後ろから神器で殺されたのだ ー天界ー リズリションスタジアムにてー この一件で周りの神々はザワついている様子だった そこで1柱がガベルを振り抜き辺りが一瞬にして静寂に包まれた そうその1柱の名はゼウス 天空神、雷霆神と呼ばれている神の中の神である 「これより、第14765回 神議 を行う!」 周りの神々が一斉に一礼する 「で?結局誰なんだよ 武の神を殺ったやつってのはよぉ」 初めに声を上げた1柱その名はシヴァ 創造と破壊を司る神である 彼らにとって知りたいのはそこであったが、否 「いゃ、何より大事なのは、武の神をどうやって決めるかだ」 その間に入り声を上げたのは トール神 雷神の異名を持ち巨大なハンマーミョルニル をたずさえた神である その一言でまたもや辺りがザワついてきた そんな中でも全員の前で意見する1柱がいた その名もロキ イタズラの神と呼ばれている1柱 「その事に関しては僕に任せてよ♡」 ロキが陽気な声でそう言うと 「なにか、策があるのか?」 ゼウスがドスの効いた声で問う その問いに対象ロキは笑いを交えながら話す 「ニャハハッww 闘わせるんだよ 愚かな人間共をさ、そしたらみんなにも楽しんで貰えるしね あぁ、でももちろん運営は僕がやるよ♡」 それにはゼウスも賛同し集計を始めた 賛否は満場一致で賛成となった これが後に 宇宙一熱い戦いを予感させる神議となる しばらくして参加者名が集められた 沖田総司 河上彦斎 石川五右衛門 始皇帝 シメヘイヘ ジャックザリッパー ハンニバルバルカ 高柳又四郎 アーサー王 武蔵坊弁慶 龐煖 エリザベート・パートリー カルロス・ハスコック ヴラド三世 呂布奉先 本多忠勝 アルセーヌ・ルパン キャプテンキッド ロビンフッド 鳥居元忠 ジュール・ブリュネ ジャンヌ・ダルク 以上22名! ー天界ー ー河上彦斎ー 何やら不思議な光が当たりを包んだと思った矢先 目の前に現れたのは神秘的な光景であったが、それと同時に凄まじい数の偉人たちの姿がそこにはあった 「あ!、どこかで見覚えがあると思ったら 河上抜刀斎ではありませんか」 陽気な声と共に目の前に現れたのはかつて新撰組 最強と恐れられ今でもその名は多く知られている その名も沖田総司 新撰組1番隊隊長である 「いやぁ、知らない人ばっかだしなんかやばそうな人もいたから、誰か知ってる人いないかなぁと思ってたんですよ」 相変わらずよく喋るなと思い鼻で笑った 「でも、これからもっと楽しそうなことが起こる気がするんですよねぇ」 その軽い口と裏腹に何やら不敵な笑みを浮かべているのを見てやはりこいつにも現役の頃の面影が確かに残っていたと同じように笑みを浮かべる そうしていると何やら不思議な光が現れそこに現れたのは何やら不思議な服を着た男が現れた 「やぁやぁ人間諸君……いゃ、武の神候補と言った方がいいか僕の名前はロキ」 そいつは私達の周りをゆったり歩きながら語る 「今から君たちには武の神の座をかけて3段選考に分けて戦って貰う、まずは第1選考2人1組の11チームに分けて戦ってもらうそしてAブロックとBブロックに分ける、詳しい内容としては 勝ち上がりで戦って貰う 例えば2人対2人であった際勝った組がその中で1人選ぶそれを繰り返してもらい勝ち上がった合計10名に絞る」 まて、それだと1チーム余る 「そう、君の言うとうり1チーム余るよね?」 いつの間にかロキが耳元でそう囁くというかこいつ思考が読めるのか? 「その1チームには三次選考まで飛び級で行けるチケットがある今から言うものがその1チームの2人組だ」 「あまたな苦難を乗り越え中国初の統一を"始"めて成し遂げた"皇帝"!その名も…」 「始皇帝!」 「続いて」 「泉の女神に認められ今でもなおその名を多く知られている!その名も…」 「アーサー王!」 さすが呼ばれたものであってただならぬオーラを感じる 「余に続くものがいるとはやはり冥界というものは面白い!」 始皇帝がニッパリ笑いながら後に 「それはこちらのセリフだ、だがひとつ約束してくれ」 アーサー王が続けようとした矢先 「余にもひとつ汝に願いがある」 その時2人の最強が声を揃えて 「「退屈させるなよ」」 といった後辺りが痺れるような空気にガラリと変わる 「では、2人はvip席に移動してもらって 残った人で2人人組作っておいてねぇ〜」 ロキがそう言うと2人は消えた しかし誰と組むべきであろうか そう考えていると 「河上殿〜!」 とまるで風車を買ってもらった子供のようにこちらへ沖田が走ってくる 「一緒に組みますよね!ね!」 とワクワクした表情で続ける その後、沖田に言われるがまま組んだ 「これではまるで忠犬だな」 と少しからかうと頬を膨らませ沖田は 「どうせ組む人もいないだろうと思ってただけです」 と言って共にロキの元へと向かった

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ラグナロク

試練

「んー、新しい客が来たようじゃのぅ しかも一人はさぞ可愛らしい子供じゃ」 その神は私たちを指さしてそう言った 「ねぇ、あなた、どっち?」 小百合が天ノ倉神と同じように指をさしてそう言う 「どっちとは?あぁ、性別か、両方じゃよ」 トーンが少し高めの声で天ノ倉神は そう答えた 「じゃぁおね兄ちゃんだね(*^^*)」 小百合は、太陽のような笑顔で嬉しそうに言った 「のぅ、この生き物持ち帰って良いか?」 「「「「ダメに決まってんだろ」」」」 気づけば全員で口を揃えてそう答えてた 「ふぅ、で?お主らわしの加護が欲しいのじゃろ?そしてその加護をその愛くるしい生物……じゃなかった子供に譲渡しようと言う訳じゃな?」 私の考えが全て読まれていた 「当たり前じゃ、ここはわしの聖域、つまりはここはわしの脳であり“心臓”じゃ」 つまりは口に出さなくても分かると言うわけだ 「別に良い……ただし条件がある」 さらに天ノ倉神は続ける 「お主ら一人一人にわしが選別した武神をつける、そして10日間の猶予を与えるその武神を倒しなおかつその後このわしを倒してみよ」 この神言ってることがめちゃくちゃだ 「じゃが安心せいここでの10日間は現実での1秒も満たん……では行ってこいそしてこのわしを倒してみよ」 それが私たちに課せられた試練だ 「ちなみにこの子供はわしのところで預かっておく」 ((((さっさと終わらせてやる)))) CROWN BREAKERZ Ⅱに続く……

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試練

異世界転生と解析鑑定

中山仁一(なかやまじんいち)36歳 彼女いない歴=年齢のブラック企業で働く社畜 今日も相変わらずの13時間労働いゃガッツリ20時間ぐらい働いた気がする 「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙疲れた」 その刹那流れるようにぶっ倒れぽっくり逝った…… 目を覚ますとなんと別世界に転生していた ここでの名前は ルポルタージュというらしい 「ふぅ、今日は待ちに待ったスキル発表の日だどんなスキルが来るかなぁ」 この世界では15歳になる頃に、スキルを貰えるという そのスキルを使って仕事を決めている人が多いらしい 15歳になる頃 そんなことも虚しくその結果は解析鑑定というなんとも言えないスキルだった 「いやいやいや、なんだよ解析鑑定ってここの世界普通に付与されてないのかよ!?」 異世界に転生させた挙句、なんとも言えないスキルを与えた神に向かってそう叫んだ しばらくして僕は、改めて自分のスキルについて考え直した 「んー、解析鑑定かぁいや、待てよ?」 そこであることを思い出す『ここの世界普通に付与されてないのかよ!?』 そこで僕は上手くこのクソスキルを使う方法を色々試した しばらくして僕はここの世界の住人は解析はできるもののどんなスキルなのかを鑑定することはできないらしい 「とりあえず、そこら辺にある草とか森の中にある植物とか色々試してみよう」 そう心に誓ったのだが…… (こんな毒々しい見た目でステータスアップかよ……) そう、あからさまに毒々しい見た目のモドクダケとか言う名のめちゃくそ害がありそうな見た目のキノコが ステータスアップなど死んでも信じられないが自分のスキルが言ってるのだからそうなのだろう なんせ神から与えられたものなのだから逆に疑っては罰が当たると思う いやそう思いたい 僕はその毒々しい見た目のキノコを口いっぱいに頬張った 改めて自分の基本ステータスを見た そうすると信じられないぐらい基本ステータスが上昇していた そしてあることに気がついた これ基本ステータスアップ時間どれぐらいなんだろうと思ってキノコのステータスをもう一度見る (基本ステータス上昇時間無限そうかそうかふーん) は? 思わず2度見してしまったこんな毒々しい見た目なのに基本ステータス上昇+時間が無限やと? 「世も末!」 思わずそう叫んでしまった 森にいた鳥たちの羽ばたく音が聞こえる それからと言うもの僕はモドクダケをありったけ食いまくった 翌日 あれから基本ステータスを見てみると うん、まぁ、えげつない(語彙力の欠落) なぜなら自分の基本ステータスがカンストしていたのだ 念の為、基本ステータスの確認をしておこう HP 9999 LP 9999 スタミナ9999 とりあえずもったいないと思った僕は 短刀を持って薄暗い洞窟に入った とぼとぼ歩いているとモンスターが湧いてくる。僕がここでよくすることはとりあえず レベル上げだ レベルを上げれば上げるほど報酬として 技が貰えるなんと良い世界だ働いた分だけちゃんと結果が出る(ブラック企業で働いた経験あり) しばらく狩りを続けているとその洞窟のボスに出くわした どうやら死神らしい やつは容赦なく鎌を振り下ろして来る それを僕は紙一重で避け スタミナが無くなるまで技を打ちまくり走りながら攻撃しまくったりした 数時間後 「カッタ」 その時は体が鉛のように重かった スタミナ切れらしい (ごめんねぇスタミナ切れなのに無理やり歩かせて) 自分のゲーム操作を思い返しながら天に向かって泣いた、うん、泣いた しばらくして 目を開けると目の前には宝箱があり まだ重い腕を使ってその宝箱を開ける 中には死神の鎌と紫のカッチョイイ 服が出てきた 僕はそれぞれのステータスを解析鑑定を使って調べた 死神の鎌 HPを減少させる代わりに攻撃力アップ 黒神の服 技 または物理攻撃によるダメージを30パーセント軽減 ほう、これはなかなか使えると思った僕は 残りのスタミナを使って帰路に着いた 翌朝 情報収集のため新聞を見てみると 新しく勇者パーティが結成されたらしい 勇者ポジションになりたかった僕は 「よし、こうなったらやけくそだ! 俺は第2の魔王になって勇者を次々とぶっ○してやる!」 そう心に誓った

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異世界転生と解析鑑定

星に願いを

2023年7月7日 今日は七夕である 僕は小さい時からこの七夕と言う行事が 少し好きだった 学校が終わって、帰路につき 少しのお菓子とお盆を持って自分のアパートのベランダに出る フゥっと息を一息ついたあと夜独特の 小さな静けさが体に染みる 空を見上げるとビル1つない田舎だからか 星がよく見える 僕が七夕が好きでいられる理由は、 願い事や、彦星と織姫もそうだが僕は (じいちゃん……) 空を見上げながら右手を空へ伸ばす そう、今日は、胃潰瘍で亡くなったじいちゃんの命日でもある 僕は小さい時おじいちゃんにこんなことを聞いたことがあった 「お星様はなんであんなに綺麗なの?」 僕がそうおじいちゃんに聞くと、優しそうに 「それはね、亡くなったご先祖さまが暖かい目で涼太のことを見ている証拠だよ」 っと子供だから信じてしまいそうなことを言われた だがおじいちゃんの目はほんとに嘘をついたり適当に流しているような目はしていなかった 僕は書きかけの短冊を上に掲げて おじいちゃんのことを思い出す おじいちゃんは七夕に必ず書くことがあった 小さい頃両親を亡くしたおじいちゃんだからこそ不幸な人がこれ以上増えないことを願い 短冊に書き記すという 僕はおじいちゃんのことを思ってか 手にしていた短冊に (皆が幸せでありますように) と想いを綴るよう筆を走らせた

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星に願いを

禁書庫

空は灰色 鳥は羽を広げ高い所へと上ってゆく 服はパンの耳のような色をして 周りにはむせ返るほどの砂埃 俺は一体何をしてるんだ? 「おい!お前!ぼさっとすんな死ぬぞ」 中年の男性が何か言っている……… あぁ、そうだった俺は今戦争してるんだ その声に気づいた俺はすぐさまマスケット銃を握りしめ敵の元へと向かい 魔力を込めた弾丸を相手に向かって射撃する そうするといつの間にか核兵器が飛んできた あぁ俺は死ぬんだそう思った 次に目が冷めると病室にいた 左腕の感覚はなくなり左目はもう何も映さない そうこうしていると変な腕のようなものが 取り付けられたそれはオートメイルとは違う 別のもの 見た目は黒く Cのようなマークが手の甲に、着いている そうしているとほのかに左腕が動く感覚がしたどうやら魔力を入れると作動するらしい 「その腕の調子はどうだい?僕の家の禁書庫にあったんだけど」 彼は知っている名前はアラン・シャルム 彼は戦医でありながら小説家をしている 「突然で悪いんだが、君は身元引き取り人がいないんだろ?だったらうちに来るといい」 「名前は?」 そう聞かれたのですかさず 「AR二○六」 「そうか名前が無いんだな」 こいつ耳腐ってんのか? 「お前の名前は今日からラルフだ」 思わず顔をしかめた 「これからよろしく」 アランは暖かい手を差し伸べた 俺はその手を左手で握る それが俺とアランの不思議な生活の始まりだった 5年後 「ラルフ、そこの資料取ってくれないか?」 自分で取れよと思いながら衣食住の保証はしてくれるので仕方なくカウンターの上にある資料を手渡した 「ハイ、ドーゾ」 思わず顔をしかめてしまった 「ありがとう、ついでに鍵渡しとくから禁書庫になんでもいいから文献を取ってきてくれないか?」 俺は思わずしっぽを振った 「わかった」 っとだけ言って禁書庫へと向かった そこは薄暗く本のいい香りがした 俺はここが好きだ薄暗くそれに自分の好きな本の匂いが充満してる そこら辺にある適当な文献を左手で取ろうとしたその時何かが光った恐らく俺の左腕が入っていたであろう袋が乗っている机の本棚に 薄く光る本があったそれを右手で掴んでもなんの反応もなかっただが試しに左手で掴んだその刹那、辺りが明るくなり白髪の綺麗な目をした女性が出てきた

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禁書庫

同じ夢

「はぁ、またこの夢か…」 重い瞼を開けると、そこには見慣れた天井 カーテンから覗いてる太陽の光 小鳥のさえずりが聞こえる 最近同じ夢を見るしかもここ数日間 「それにしても少し趣味の悪い夢だ」 それは転校して帰ってきた彼女が屋上から 飛び降り自殺する夢 思えばこの光景、夢でも見た気がする 「朝から40分かけて行くとかさすがに馬鹿でもやらんだろ」 ため息をつきながら学校へ行く通路を歩いていと (そういえばあの秘密基地どうなったかな) それは小学校の頃の暑い夏の日だった いつも通り学校から帰るといつものメンバーで割と大きい広場にある巨木で秘密基地を立ててそこの下にタイムカプセルを埋めていた しばらくして例の広場に来ると予想もつかない結果が待っていた 「マンションに………変わってやがる……」 思わず声を漏らしてしまったがそんなことはどうでもいいそれよりも自分たちの作った秘密基地があった場所がまさかマンションに 変わっていると誰が予想しただろうか 「は…ははw」 思わず渇いた笑い声が漏れてしまった 学校に着くと陽気な人の話し声や 朝っぱらから勉強してる真面目なやつ 寝不足なのか机に向かってうつ伏せで寝てるやつなど ごく一般のクラスの光景がそこにはあった 1番隅にある自分の席に座って窓の外を見ながらほおずえをつき周囲の声に耳を傾ける 「今日転校生が来るらしいっちゃけどどんげな人やろね」※宮崎弁 そんな話し声が聞こえた その後ガラガラっとドアを開ける音がなり 「それではホームルームを始めるぞ、学級委員長」 ひとしきり挨拶やなんやらを終えたあと 「みんな知ってると思うが今日は転校生を紹介する」 先生が話し終えたあと教室をドアが開く それは綺麗な目をした短髪をした彼女は 黒板に淡々と自分の名前を綴る 「小鳥遊 夢凪」 それが彼女の名前

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同じ夢

報われない命

2023年何となく生きてる人間社会 流行りという名の高速道路 運命という名のレール 社会という名の歯車 そんな中で人は生きたり 死んだりを繰り返す 「はぁ」 少し人間界に興味があり自分から進んで 人間界へ舞い降りた天使が今となっては ひとつの田舎に ポツンとたたずむ一軒家で肘を机にのせ 顎を着いていた ここから話すことは彼女 小鳥遊 ハル が体験した人間に対する考えである ある犯罪者を尋ねた時だった 彼は殺人を犯したという 「どうしてこんなことをしたの?」 ハルは彼に対しそんな質問をした 「妻を殺されたんだ、でもそいつは精神病で法律上裁くことが出来なかった」 男はそう答えたその後 「だから殺した、あいつは裁かれるべきだったんだ!俺は何も間違っちゃいない!」 男は声を荒らげアクリル板越しに伝わる圧に屈することも無くハルは質問を続ける 「奥さんが殺された経緯について教えて頂けませんか?」 ハルはその小さな口から凛とした声で質問をする 「あれは、3年前…私と妻で街にデートしに行った時のこと……」 男は淡々と話を続ける 「私が飲み物を買いに自販機へ行って いる時に近くに居たホームレスに襲われたという…私は子供が出来た記念にデートをしていたんだなのにあいつは無情にも包丁を何度も何度も何度も刺して妻の息の根を止めた しばらくして犯人が見つかり裁判になった だが法律は私の味方をしなかった、やつは精神異常者だっただから法律では裁けないんだ」 彼は悔し涙を浮かべ話を終えた 「ありがとうございます。辛かったでしょう私はあなたの立場になることはできませんし当時の辛さや悲しさなどは分かりませんですが、考えることはできます辛く苦しい、報われないそんなことが読み取れます……どうかお元気で……」 最後にこの言葉を残してハルは刑務所から出た、 これは、どちらが悪いのかが分からないただ自分の考えだけに偏ってはいけない 考えを広く持ち可能性を捨てない そんなことが大切だと思いハルは拳を強く握った

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