のあ

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のあ

病室

私は、今日はいつもと違い部活を休んで母のお見舞いに来ていた。少し早歩きで向かった。私は母の病室に入り顔を合わせてから少し下のコンビニに寄ってくると言って病室から出た。母には申し訳ない気持ちでいっぱいだったがそんなことよりも凛斗に会いたい気持ちの方が大きかった。凛斗とは帰る前にLIMEを交換していた。私は、少し前に来ていたLIMEを見ながら凛斗の病室324号室を探していた。探し回ってやっと見つけれた病室をノックした。「はーい」と凛斗の声が聞こえたので開けるととても広い部屋で一目でお金持ちだと言う事が分かった。私は、この部屋見て第一声に変な事を言ってしまいそうなのと会っていない期間のせいか少し気まづく何を言えばいいのか分からず、部屋に入りドアを閉めドアの前に立ち止まっていた。   すると、凛斗が少し意地悪そうに   「こないだは暗くてあまり見えなかったがやっぱり制服姿は良いね笑笑」   「何それ変態のおじさんみたい笑笑」   「ひどい〜」といつ間にか2人で笑い合っていた。  「じゃ、私一旦お母さんの所に戻るね」  「うん。ばいばい」  「またね」と言って私は病室を後にした。  母の病室へ帰る前に母の好きなガトーショコラを買って行った。母と一緒に食べながら凛斗の話をした。  「あまり良くないことなのかもしれないけどここでお友達が出来て嬉しい」  「っあ もしかしたらお友達から恋人関係になったりしてね〜」と母はとても嬉しそうな顔していた。  「ちょっともう〜そんなんじゃないよ〜」と私は少し戸惑ってしまった。  「お母さんねちょっと申し訳ない気持ちあったんだ。それにせっかく部活の休みなんだったら友達と遊びに行けばいいのに、頑固にお見舞い来てくれるから、お母さんは嬉しいけどちょっと心配な気持ちもあったのよ」  「私が来たいから来てるんだよ笑」  「ありがとう」と微笑むお母さんは何処か消えてしまいそうだった。

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病室

切なく新鮮な夜空

でも、、私、」 「でしたら、僕の旅へ着いてきて下さい!」 「旅ですか、、、?」 「はい!明日への希望の星を見に行く旅です」 「旅と言っても近くのビルに行くだけなんですけどね」 「行かせてください」  私は、いつ間にか承諾していた。 「嬉しいです」  ビルに向かう途中で男の子とはいつ間にか話が弾んで仲良くなっていた。  私が男の子と読んでいたが実際は私よりひとつ上の18歳で名前は池田 凛斗、高校は入学してからあまり行けず出席日数が足らないので一学年しただそうだ。  着いたビルは街中から少し離れた古びた七階建てのビルだった。中はとても薄暗く携帯のライトだけで歩いて上に登って行った。屋上に着くと下では想像もできない程に綺麗な星が見えた。 「よくここを見つけたね」 「ここ、パパが学生時代に一人暮らししてた時に住んでたんだ。小さい頃はよくここの屋上に連れてきて貰ってたんだ。」 「もうパパとは来てないの?」  凛斗は黙り込んだ。 「ごめん。私また、無神経なこと聞いちゃったよね」 「ううん。あのね、僕のパパ違う女の人作って逃げちゃったんだ」  明るく装おっている顔と声とは裏腹に手はとても震えていた 「でも、新しいパパが出来てママも幸せそうだし僕も、、、僕も幸せだよ、、」  その言葉は自分に言い聞かせてる様だった。  私は震えている手を握り締めて 「強がらなくていい、凛斗のままでいいんだよ」と言いながらいつの間にか頬に流れていた。 「ごめん、何で私が泣いてるんだよって感じだよね、、」と言葉を発すれば発するほど頬に流れる涙は増えていくばかりだった。凛斗が私を慰めながら 「僕なんかの為にありがとう」  泣きながら私は全力で頭を横に振った  その後、私たちは一時間程夜空を見てから病院へ戻ってきた。 「楓!またね!」 「またね!明日の手術頑張ってね」とガッツポーズをした  だが、凛斗は少し不安げな顔を浮かべていた  私達がはその日いつも見ているはずの夜空何処か切なく何処か新鮮な夜空に見えた。

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切なく新鮮な夜空

希望の夜空

「僕、明日手術をするんです。成功するか分からなくて、死んでも大丈夫なように僕の大好きな星を見に行こうと思って」 「死んじゃうかもなんて考えてたら本当にそうなっちゃうよ。絶対明日も明後日も一年後、十年後生きてるから」 私はいつの間にかそんなことを言ってしまっていた。 慌てて頭を下げて「ごめんなさい。無神経なこと言っちゃいました。あなただって色々あるはずなのに、、、」と言い顔を上げると男の子はキョトンとした顔した後少しうつ向いた。 あ、やっぱり私酷いこと言っちゃったんだなと思い直ぐに「ごめっ」と謝ろうとしたのを遮られるかのように 「ありがとう」と大きな声で私の目を真っ直ぐ見ていた。その目は初めて冒険に出る少年のような目をしていた。 「何か不安な気持ち全部吹き飛んじゃいました。だから、ありがとうです。なのでそんな申し訳なさそうな顔で謝るのはやめてください。」 「でも、、私、」 「でしたら、僕の旅へ着いてきて下さい!」 「旅ですか、、、?」 「はい!明日への希望の星を見に行く旅です」

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希望の夜空

夏の夜空

私は、母のお見舞いに来ていた。 母は昔から体が悪く私が産まれてからもあまり良くなることが少なく母との思い出はほとんどが病院だった。 私は、部活がない日はいつも母のお見舞いに行き閉館の時間まで学校や家での父の話を沢山した。そんなある日いつも通り閉館の時間になり帰ろうとエレベーターのボタンを押して乗り込んだ時に慌てて乗り込んできた男の子がいた。その男の子は患者衣を着ていて今にも消えてしまいそうな程に肌が白く髪と目の色素がとても薄く癖っ毛の美少年だった。私はいつの間にか目を惹かれいた。私はまじまじと見てしまった。それに気づいたのか、男の子が「あの、僕の顔なにか変ですか?」とうつむきながら聞いてきた。思っていたより声は少し低くかった。顔と声が合ってない感じが少し変で笑ってしまった。男の子は戸惑った様子で「なんですか?」と聞いてきた。私は顔を横に振り「何でもないです。笑ちゃってすいません」と頭を下げた。と同時にエレベーターの扉が開いた。 私は病院を後にする前に御手洗へ寄って出ようとした時にまた、さっきの男の子と鉢合わせた。だけど、さっきとは違って自分の服に着替えたみたいだ。私は、気になって思わず話しかけた。 「いまから何処かへ行かれるんですか?」 「はい。星を見に行って来ます。」 「でも、さっき、、、患者衣来てませんでした?」 「僕、明日手術をするんです。成功するか分からなくて、死んでも大丈夫なように僕の大好きな星を見に行こうと思って」

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夏の夜空