夏の夜空

夏の夜空
私は、母のお見舞いに来ていた。 母は昔から体が悪く私が産まれてからもあまり良くなることが少なく母との思い出はほとんどが病院だった。 私は、部活がない日はいつも母のお見舞いに行き閉館の時間まで学校や家での父の話を沢山した。そんなある日いつも通り閉館の時間になり帰ろうとエレベーターのボタンを押して乗り込んだ時に慌てて乗り込んできた男の子がいた。その男の子は患者衣を着ていて今にも消えてしまいそうな程に肌が白く髪と目の色素がとても薄く癖っ毛の美少年だった。私はいつの間にか目を惹かれいた。私はまじまじと見てしまった。それに気づいたのか、男の子が「あの、僕の顔なにか変ですか?」とうつむきながら聞いてきた。思っていたより声は少し低くかった。顔と声が合ってない感じが少し変で笑ってしまった。男の子は戸惑った様子で「なんですか?」と聞いてきた。私は顔を横に振り「何でもないです。笑ちゃってすいません」と頭を下げた。と同時にエレベーターの扉が開いた。 私は病院を後にする前に御手洗へ寄って出ようとした時にまた、さっきの男の子と鉢合わせた。だけど、さっきとは違って自分の服に着替えたみたいだ。私は、気になって思わず話しかけた。 「いまから何処かへ行かれるんですか?」 「はい。星を見に行って来ます。」 「でも、さっき、、、患者衣来てませんでした?」 「僕、明日手術をするんです。成功するか分からなくて、死んでも大丈夫なように僕の大好きな星を見に行こうと思って」
のあ