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11 件の小説臆病者
「よし…これで…」 ついに僕の人生に幕を閉じる時が訪れた。 僕は小学生の頃から不登校で、何とか偏差値の低い高校に入学できて、友達もできたが、友人関係のトラブルが原因で、不登校になってしまった、このまま生きても意味が無い…そう思った末、死を決意した… ホームセンターで太いロープを購入し、スマホで結び方を調べ、ロープを吊るした。 「よし…これで死ねる…」 これで全部が終わる、僕は嬉しかった… のだが、内心怖かったのかもしれない。 なかなか、身体が動かなかった。 結局、その日は自殺できずに終わった。 1週間後、僕は高校に行ってみることした。 目的は飛び降り自殺のためだ、仲が悪くなった友達とは気まずかったが、時間が経つのは早く放課後になった。 教室には誰もいない、今がチャンスと思い教室の窓を思いっきり開け、下を見た。 地面は硬いコンクリートだ、痛みも感じることも無く死ぬだろう。 飛び降ようと決心したその時 「何してるの?」 隣の組の女子が様子を見に来た。 「ああ…外の空気を吸おうと思って…」 適当な言い訳を言って、さっさと追い出そうとしたが、彼女にはバレていた。 「死のうとしたでしょ?」 「うん…」 「話なら聞くよ?」 僕は今までの事を全て話した。 「辛かったね…」 「うん…」 「生きる理由さ!私にしてよ!」 「え?」 「とりあえず!LINE教えてよ、これから君と仲良くしたいしさ!」 僕は圧に押され教えることにした。 その日の夜、LINEが来た。 (今日は君の命日にならなくて良かったよ!色々話してくれて、ありがとうね!) その日以降、彼女と話すことが多くなった、久しぶりに学校に行ったら、わざわざ話しかけに来てくれた。 放課後も彼女と一緒に話したりと、彼女と関わるにつれ自殺の事なんか考えなくなった、 と同時に恋心が芽生え始めた。 夏休み最後の日 彼女と遊びに行くことになった。 「これって…デート?」 僕はワクワクしながら、かっこいい服を着て 少し洒落た格好で待ち合わせ場所に行った。 「お待たせー!」 彼女はとても可愛かった。 「どこ行こっか?」 「うーん…遊園地とか?」 「いいじゃん!行こ行こ!」 電車に揺られながら、綺麗な夏の景色と君の横顔を僕はうっとり眺めていた。 遊園地についた瞬間、彼女は子供みたいに色んなアトラクションに目を輝かせながながら、僕の腕を引っ張り、早く行こ!と急かしてきた。 ジェットコースター、ゴーカート、空中ブランコなど、激しい乗り物ばっかりだったが、彼女と二人の時間を満喫した。 帰りに彼女は微笑みながら 「今日はありがとね!楽しかったよ〜!君と仲良くなれてよかった!!」 その言葉に少しドキッとした、嬉しかった。 「あっ…あのさ!」 告白しようと思ったが勇気が出なかった。 「ん?」 「ごめん、なんでもない また…明日会おうね」 彼女は不思議そうに 「うん、またあしたね。」 と言い、僕達は分かれ道で解散した。 「ん…疲れた〜」 お風呂で疲れた身体を癒した。 今日の事が色々思い返した。 寝る時LINEが来た、彼女からだ。 (今日はありがとうね!楽しかったよ〜!) (僕も楽しかったよ!ありがとね!) 明日は始業式、早く学校終わるし2人でご飯食べに誘おうと思いながら、眠りについた。 次の日、学校に行ったが彼女はいなかった。 LINEもしたが、既読はつかなかった。 その時ハッと嫌な予感がした。 「もしかして…」 その予感は的中してしまった。彼女は自殺してしまったのだ。 泣いた、泣きじゃくった。 「君が居なくなったら…生きる意味ないじゃんか…」 その時部屋にあった首吊りロープを見た。 彼女が居ないなら、僕が会いに行けばいい。 僕は首吊りロープを吊るした。 「今からそっち行くね…」 ………… ……急に死ぬのが怖くなってきた、彼女がいなくなったこの世界では僕の生きる意味なんてないはずなのに、どうしてだろうか。 結局僕は生きる理由を探すために生きることにした。 なんて、ただ死ぬのが怖い臆病者なだけだった。
コイノイズ
恋をするけど、ノイズが邪魔をする。 『コイノイズ』 君に話しかけたいのに、隣にいるあいつに邪魔される。 『コイノイズ』 やっと話せたのに、先生に呼び出される。 『コイノイズ』 好きなのに、正直になれない。 『コイノイズ』 君を屋上に呼んだけど、君は「部活があるから!ごめん!」って。 『コイノイズ』 ようやく君に想いを伝えたのに、微笑みながら 「そんな冗談を〜」だって。 『コイノイズ』 ノイズが恋の邪魔をする でもいつか、ノイズが無くなって通じあうといいな 接続詞のisになりますように。 『コイノイズ』
人生美術館
ここは人生美術館 死んだ人間の人生を色で表現しただけの絵が展示されている。 作品は多種多様で、色と色が混じっているので、絵の具では確実に表現出来ない色だらけだ。 そんな絵を見てまわっていると、ふとひとつの絵が目に止まった。 絵の全体が黒っぽく、黒の中にちょっぴり明るい色があるが、また黒に塗りつぶされている。 作者がどんな人生を歩んだのかよくわからず、ずっと真っ黒な絵を見つめていた。 見つめていると、スタッフに話しかけられた。 「どうかしました?」 「いや、この作者はなにがあったのかなって」 スタッフはなんとも言えない表情でこう言った。 「私の考察ですが、この作者さんはとても辛い人生だったのでしょう。微かに明るい色があるでしょう?推測ですが、絶望の中に彼にとっての希望見えたのでしょう。しかし、それ以上の絶望が彼を襲い、希望の色を絶望の色に塗りつぶされた。そう私は感じましたね。」 「確かに…よくわからなかったです。」 「みなさんよく言いますよ、他人の歩んだ人生なんて、歩んだ本人にしかわかりませんし。」 人生は歩んだその人にしかわからない。家族でも、友達でも、恋人でも、歩んだ人生は、歩んだ本人にしかわからない。 そんな人生を色で可視化した美術館、「人生美術館」 あなたも作品を描く時が来るかもしれない。
依存。
あの子にモテるために、あの子に見てもらうために 僕は自分を捨てる。 あの子と付き合うために、あの子とデートに行くために 僕は自分を捨てる。 あの子とハグするために、あの子とキスをするために 僕は自分を捨てる。 あいつにあの子を取られないように、あいつとあの子が付き合わないように 僕は自分を捨てる。 「…」 僕ってなんだっけ?
殺されるやつ
山奥のコテージに嵐が訪れた。俺たちはそこで1泊することを余儀なくされたが、そんな中殺人事件が起きた。 「クソ…嵐は来るし殺人事件は起きるし最悪だ!俺は自分の部屋へ戻るからな!」 マブダチのたくみが言った 「おい、まてよ それお前殺されるやつだぞ!」 (確かに…) 「ああ…そうだな…ここにいるよ」 いつの間にかテーブルにワインが置かれていたしかも中々手に入れることは出来ない高級のものだ。 俺は気晴らしに飲もうとした。 「ちょっと気晴らしにワイン飲むわ、お前達もいるか?」 今度は幼なじみのまさるが言った 「おい待てよ!それ殺されるやつだぞ!」 (確かに…) 「ああ…そうだな…飲むのやめるよ」 ピンポーン チャイムが鳴った 「おい、助けじゃないか?!俺が行ってみるよ!」 「待て!お前殺されるぞ!」 中学生の時仲良かったたかしが言った (確かに…) 「そうだな…無視しておこう」 俺はみんなに謝った 「ごめんな…みんな、俺の身勝手な行動のせいで迷惑をかけて」 みんなは微笑みを浮かべながら大丈夫だと言ってくれた。 眠くなってきた俺はみんなに代わりばんこで仮眠を取ろうと案を出した。 みんなが賛成してくれたのでみんなを寝かせることにした、さすがに迷惑をかけすぎていたのでほんの少しのお詫びだ。 俺は廊下に出てそこで怪しいものは無いか調べた。 「よし…やるか」 俺は事前に用意していた、即効性がある毒ガスを準備し、それをみんなが寝ている部屋へ投げた。 みんなが死んだのを確認し俺は灯油を撒き、火をつけコテージを後にした。
さかさま
鏡に向かって「お前は誰だ?」と言うと 頭がおかしくなるらしい 早速俺はやってみた 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 「お前は誰だ?」 一瞬めまいがしたが特に何も起きなかった 「〜かいなゃじいなき起も何然全〜よだんな」
恋って言うから愛に行く。
「ホントに行くのか?」 「ごめんね…行かないとさ」 とある駅のホームに声が響く 「もう少し考えみてよ、あいつもお前が行くのを望んでないんじゃないか?」 「…」 俺はためらいながら言った 「俺さ、夢で来いって言われたんだよね、だから会いに行かなきゃ。だからお願い」 「そっか、お前がそこまで言うなら俺は止めない。」 (まもなく〜2番線に電車が参ります〜) 「そろそろ行くわ」 「ああ…元気でな…」 親友が珍しく泣きそうになっている。意外に涙脆いやつなんだな。 「じゃまたな!」 俺は駅のプラットフォームから線路に飛び降り、死んだ彼女の元へ会いに行った。
願望
死にたいなー 死んだらなんにも感じなくなる 好きな人も気まずくなった友達も 家族も仲良かった図書室の先生も ぜんぶぜーんぶ忘れられるんだよ? さいこーじゃん あー死にたいなー なんか死ぬのすら面倒くさくなってきた。 誰か殺してくれないかな?笑 まぁそんなことあるわけないかー あー死にたいなー この現実という地獄から逃れたいよ。
教室
入りづらいこの扉 居づらいこの空間 そんな地獄な場所「教室」 今日も僕の前に立ちはだかる。 とてもダルい、とてもキツい そんな気持ちをこらえながら、 僕は扉をあける。
愛せるなら。
君を愛せるなら。 僕は壊れたっていい 君を愛せるなら。 僕は君の奴隷になってもいい 君を愛せるなら 僕は君に僕の全部を捧げる ん?壊れたらどうするの? 大丈夫、君から貰った愛さえあれば すぐに治るよ だから 君を愛してもいいかな?