ヌア
6 件の小説可哀想な親子
私の娘は発達障害で学習能力が乏しく勉強が人並みにできません。学校に行かせるのはいじめられるかもしれなので私が教えています。 私の娘は産まれつき体が弱いのせいで歩けません。なので車椅子でいつも過ごしてます。 私の娘は色々あるせいで精神的に不安定です。なので批判が目立つネットはさせません。その代わりに私が娘とて会話をして議論しています。 私の夫は娘が"何も出来ない可哀想な子"なので家から出ていきました。なので私が女手一つで育てています。 私のご近所さんは娘が可哀想なのでたくさん物をくれます。なので娘も喜んでいます。 私達は悲劇が多い親子です。誰か助けてください。 「との内容の台本が容疑者の自宅から発見されました。被害者は容疑者に演技することなどを言われ従わないと殺すなどと脅されていました。容疑者は悲劇のヒロイン症候群だと警察側は予想し事件を調査しています。」 ※なおこの物語は実際にあった事件を元に書かれています。
穴の空いた男
俺の体には複数の穴が空いている。なぜ空いてるのかは俺にも分からない。風通しが良すぎて最近困っている。しかも、俺の服装は全身黄色なんだ。結構目立つけど、この服は少し気に入ってる。 俺は体臭がきついらしい。まぁ簡単に言うとワキガだな。俺に近づくとみんな嗚咽を漏らすんだ。最初は俺も驚いたけど最近になっては日常茶飯事だから慣れちまった。 こんな俺だが、何故かみんなから変な目で見られることは無いんだ。歩いていると当たり前のようにすれ違う。ワキガのせいで嗚咽を漏らす人が多いがそれだけだ。決して、顔を苦痛に歪ませたり好奇の目で見たりはしない。俺の後ろで指をさされる事も無い。みんな変だよなぁ。 ただのチーズの独り言を聞いてくれてありがとな。
バラバラな女
あーあ。やっちゃった。彼氏の大事にしてる女がこんなに無惨な姿になってるや。腕とか足とか全部バラバラだし傷だらけだ…頭は少し凹んじゃってるな…うわっ、よく見たら下着見えそうなぐらいのミニスカ履いてる。私の彼氏を誘う気満々じゃん。しかも勝手に彼氏の家に当たり前のように居たし。絶対許さない。彼氏もこんな女と浮気してたなんて信じられない。この女関連の物全部八つ裂きにして燃やしてやろ。ついでにこの女も。さぁやるか。 「お前、なんて事してくれたんだ!!」 女の彼氏がものすごい形相で怒っていた。 「あんな女と浮気したから八つ裂きにして全部燃やしたのよ!あんたが悪いのよ!!」 女が彼氏に負けないぐらいの声で言った。 「推しグッズを集めて眺めてるだけで浮気とは言わねぇよ!!」
普通じゃない彼女
俺の彼女は普通じゃない。 前はこんなんじゃ無かったのになぁ。 俺の彼女はクソまずいものを食事で食べなければいけないらしい。不味いものばかり食ってるから、俺がいつも食べてる上手い物を食べさせようとしたら、嗚咽を漏らしながら涙目で 「食べたくない」 と言ってきた。何故だろう? そんな事があってか彼女は俺と食事を一切しようとしなくなっちまった。それどころか最近は調子が悪そうだ。何かにずっと怯えてるし、寝不足なのかクマが酷い。明らかにやつれているように見える。時々、何かに焦ったのか過呼吸になっちまう。俺といる時もそんな感じで心配だ。 流石にそんな彼女に疲れちまった。こんな調子じゃ俺も調子が悪くなりそうだ。もう会えなくていいや。最後の食事に誘うか。 「やだ!!嫌だ!!来ないで!!化け物!!!」 彼女が絶望しきった声で言った。何を言ってるんだ。俺はちゃんと人間だよ。 「俺は化け物なんかじゃねえよ。普通だよ?」 恐怖と絶望で満ちている彼女に言った。 「人肉を食べるのがどこが普通なのよ!!」 「やっぱり女の肉は美味いな。」 1人の男の座っている周りは赤黒く染まっていた。 「これを食べたくないって普通じゃない」 やっぱり俺の彼女は普通じゃない彼女だな。
晴れ男
大雨の夜、1人の男が絶望していた (まただ……また、俺は晴れにしないといけないのか……) その男は白色のレインコートを着て大雨の中立っていた。 男の後ろには女の子がニコニコしながら立っていた。 「明日、晴れにしてくれたら金色の鈴をあげるよ!だから晴れにしてね!」 と無邪気に言った。 その女の子はワクワクしながら男を置いて家へ帰った。 次の日は快晴だった。 「晴れ男さん、ありがとう!約束どうり金色の鈴をあげる!はいっ、どうぞ!」 女の子は嬉しそうに男に金色の鈴を渡し走り去って行った。 (俺は金色の鈴なんていらないんだけどなぁ…) しばらくしてまた女の子が男の元にやって来た。 「晴れ男さん!明日晴れにしてくれたら、甘いお酒を持ってくるから晴れにしてね!」 と無邪気に言った。 女の子はまたワクワクしながら男を置いて家へ帰った。 (俺はまた晴れにしないといけないのか…嫌だなぁ…でも頼まれたら絶対叶えないといけないよな…) 男はまた絶望した。 次の日は快晴だった。 「晴れ男さん!ありがとう!約束どうり甘いお酒を持ってきたよ!はいっ、どうぞ!」 女の子は嬉しそうに男に甘いお酒を渡して走り去って行った。 (俺は酒は飲めないんだけどなぁ…) しばらくしてまた女の子が男の元にやって来た。 「晴れ男さん!明日晴れにしてくれたら私をあなたのお嫁さんにしてあげる!」 と無邪気に言った。 女の子はワクワクしながら男を置いて家へ帰った。 (これは絶対に晴れにしないといけないな…でないと…) 男はまた絶望していた。 次の日は大雨だった。 (あぁ、やっちまった…) 男は顔面蒼白にしながら震えながら立っていた。 「晴れ男さん。」 男の後ろで女の子が濡れながら立っていた。片手には大きなハサミを持っていた。 「約束破ったからあなたはもういらない。」 そう言ったと同時に男の首を切った。そしてゴミ箱へと男を捨てた。 「あーあ。晴れ男さんでも晴れにできないのかな…」 そこへ女の子のお母さんがやって来た。 「そうねぇ。晴れ男のてるてる坊主でもできない時はあるんじゃないかしら…」 と少し悲しそうにしてる女の子に言った。 「また、てるてる坊主作ろっと!」 白い紙を取り出しながら女の子が言った。 大雨の夜中、1人の男が絶望していた。 (まただ……また、俺は晴れにしないといけないのか……) 男の後ろには、また女の子が立っていた。
俺を助けてくれ。
俺を助けてくれ。ん?どんな状況か分からないから助けられないって?仕方ねぇな。今この場所には俺しかいない。そして俺は3匹の巨大な何かに囲まれている。そいつらは“何か”を貪り食っているんだ。そのうちの1匹は“何か”を細長い物で滅多刺しにして粉々にして白くてツヤがあるものにかけて必死に混ぜている。時々飛び散ってるからいつか俺に当たってきそうだ。そいつの隣にいる奴は“何か”をもう既に分解していて細長い物で綺麗に口元らしきとこへ運んでいる。そいつの歯は1部銀色に輝いていた。何故か1部しか銀色に光ってなかったんだ。最後の1匹は“何か”を道具を使わずに分解していた。“何か”から苦戦しながら細長い針を取り出していたんだ。そいつは食べ散らかしが酷く俺の周りがだんだんと汚くなってるんだ。恐ろしくてしかたねぇ。なんだこの巨大な何かは。ん、なんだ?俺の身なりがどんなのか知りたいって?あぁ教えてやるよ。俺は全身オレンジ色さ。囚人服みたいだよな。俺この服嫌いなんだ。でもここ最近、服が変えられなくて困ってるんだ。オマケに親から変な帽子まで無理やり被らされたんだよ。緑の変な帽子。これで俺からの状況報告は以上だ。俺を助けてくれ。 「お母さんこの“魚”美味しいね!」 母親の隣の娘が嬉しそうに言った。その手元には白くツヤのあるご飯に細かくした“魚”を混ぜた、ねこまんまを美味しそうに食べていた。 「そうね。」 母親がニコニコしながら言った。奥歯が少し銀色に光った。母親の“魚”は綺麗に食べられていた。 「んー、骨取るの難しい…」 母親の前にいる息子が険しい顔をしながら言った。 「お母さんやろうか?机の上も散らかっちゃってるし」 と心配そうに話しかけた。 「大丈夫!!僕がやる!」 と自信満々で言った。 ご飯を食べている机の真ん中には、オレンジ色のひとつのみかんが置いてあった。