Caduca

4 件の小説
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Caduca

初めまして. Caduca(カドゥカ)と申します。 小説をきちんと書くのはこれが初めての初心者です。 日常の忘れたくない経験や思いを記憶へと...短い物語(短編)にして灯していきます。 拙い文章ですが、通りすがりにふらりと呼んで頂けたら幸いです.

「人生のエレベーター」

ねぇ! もうすぐ、人生のエレベーターに乗れるようになるんだって! 凄くない?!夢みたいだなぁ〜 うん、そうだね…。 でもさ、もし乗れる日が来たら、どうする? 何階で降りる? 家族との旅行の日? 友達と出会った日? わんちゃんが家族になった日? 好きな人と両思いになった日? お姉ちゃんになった日? それとも、何度も何度も…「あの日に戻れたらって日?」 う〜ん………。 きっと迷うよね…。 うん…。間違いなく でもさ、確か… 過去にしか行けなくて… あと、そのエレベーターは3回だけだよね…? 乗れるの、 うん…そうだった気がする… でもさ。……私ね。 本当に会いたいのは、過去の自分じゃないんだ。 あの頃、隣で一緒に笑い合ったり泣きあったりしていた人。どんな話でも話せた人。「また明日ね。」そう言って、別れたのに、明日が来なかった人。 うん、きっと私もそう思うよ… あ、あのさ!私、行きたい時代、やっと決まったよ! 私は…… まだあなたが生きていた日に行く…。 「ちゃんと、お別れを言いたいから。」 ………… ……あなたなら、 ”誰に…何を”伝えますか?

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「電車」という戦場

…私は毎日戦場に行く。…いや、行かなければならない。 あの大人数の中に溶け込んでいく… そして去る時はまるでゾンビの群れから抜けるように必死だ。 車内で一席でも空こうものなら、それが戦の幕開けになる。誰もが目を光らせ、無言でその空間を奪い合う。 そんな光景を見るたび、 「本当に必要な人が座れているのだろうか」なんて思うこともあるが、誰もそんなことは気に留めない。いや、「知らんぷり…」だろう。 みんな死んだような目で、四角い画面の光に顔を照らされる。 “スマホ“という電子の麻薬を流し込まれ、他人の席を奪い合う浅ましさからも、この息苦しさからも目を背けている。私はいつの間にか、そんな下を向いたゾンビの一部になりかけている。 画面の光に照らされたその顔は、まだ冷え切っていない感情が残っているか? それとも、人間の皮を被っただけの精巧なレプリカか? …でも、 やっぱり。 明日になれば私もまた、あの戦場へ向かう列に、 何食わぬ顔で並ぶのだろう。

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「母」代わり…

ねぇねぇ、ママ 大きくなったら結婚してよ! ねぇねぇ、ママ 僕の靴下片方ないんだけど! ねぇねぇ、ママ 学校で使うぞうきん用意して! ねぇねぇ、ママ 弁当にピーマン入れないで! ねぇねぇ、ママ このおもちゃ買ってよ! ねぇねぇ、ママ あそこに置いてある服買ってよ! はいはい、楽しみにしてるね。 はいはい、後で探すから。 ピーマンは残さず食べなさい。 さっき、違うおもちゃ買ったでしょ。 この前も服買ったばかりでしょ。 もうわがまま言わんの、 ……そんなに“ママママ“言わないの、 ねぇねぇ、お母さん 俺の部活着どこにあるか知らない? ねぇねぇ、お母さん 友達が行ってる塾に通ってもいい? ねぇねぇ、お母さん 俺この高校を受験してもいい? ねぇねぇ、お母さん 長期休みになったらバイトしていい? いいんじゃない、自分で決めたことなら。 やったらいいんじゃない、後悔しないように。 ……あんたがそうしたいなら、応援するよ。 ねぇ、母さん 俺ね、もうすぐ結婚するよ。 ねぇ、母さん 部屋を片付けられなかった俺が、家事も一人でできるようになったよ。 ねぇ、母さん 弁当で大嫌いだったピーマンも、ちゃんと食べれるようになったよ。 ねぇ、母さん わがままばかり言って困らせていた俺だけど、こんなに大きくなったよ。 …そうかぁ……大きくなったなぁ…… ……母さん……嬉しいよ…… 「うん。………今までほんとにありがとう……父さん」 「もう、母さんのフリしなくて大丈夫だよ…父さん」 「もう、僕は大丈夫…!」

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キツネ色の「アネ」とサイショの「ユキ」

私がこの世界に産み落とされたとき、そこにはすでに「アネ」がいた。 小さな、キツネ色の豆柴。名前はラッキー。 赤ん坊のころの私は、アネにちょっかいを出しては、お返事のように黒いお鼻でグイッと押されて、よく泣いていた。それでもアネは決して怒らなかった。ただ静かに、私の小さな手のひらを見守るように、いつも隣で息をしていた。 私が今も…理屈抜きに犬を愛してしまうのは、間違いなくあの優しいアネの背中を見て育ったからだ。 小学五年生の、ひどく寒い冬だった。 あの子の灯火が消えかけているというのに、私はあの子が目を閉じる瞬間すら、看取ることができなかった… ふと窓の外を見ると、雪がちらちらと舞い始めていた。 まるで、私とアネの別れを急かすように。あるいは、私の不甲斐なさを覆い隠すように。 それが、あの冬の「サイショのユキ」だった。 そして同時に、私の人生で初めて経験する、冷たくて凍りつくような別れでもあった。 「何もしてあげられなかった…」という鈍い痛み。今も胸の奥に冷たく残っている。あのときもっと、抱きしめていれば。 あの子が最後にいた庭の片隅を、今も見つめる。 季節がどれだけ巡っても、あの子の体温が触れていたあの場所の雑草だけは、今も枯れたままだ。私の心の、いちぽん柔らかい場所と同じように。

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