夜透
4 件の小説才能の影で息をする
俺の兄は 努力 をしなくても出来る人間だった。 そして弟の俺は 努力 しなきゃ何も出来ない人間だった。 だから俺は、 お兄ちゃんより早く起きて 長く練習して お兄ちゃんより遅く寝た。 なのに世界は “兄の名前しか覚えてくれなかった。” ーーーーー ドンッ ドンッ (兄がドリブルをする音) { 行け!! シュッ (兄がシュートをする) スポッ (ゴールに入る) { ナイッシュー!!! 「……」 { さすがやな!! { ぶらぼーーーーー!!!! 俺はアイツの弟 加川 李玖(かがわ りく)。 兄のアイツは エース で俺は ベンチ。 神様も不公平だよな、兄弟で年齢は違くてもさ、才能には敵わねえよ。 『っしゃ!!次行こう!』 こいつが優雅にバスケをしてる姿を見てると、吐き気がする 良くないとは思ってる、だけどあんなに歓声をもらえる兄が “羨ましいんだ。” ーーーーーー { 珀斗 良かったぞマジで { それな? 綺麗にスポッと入る瞬間まじ気持ちよかった〜!! 『お前らうるせえぞ〜~笑笑』 { …なのに弟ときたら…笑 { あんなに違うもんかね。笑笑 「……」 兄と違うだなんて分かってるんだよ俺も なのに…なのに、そう言われると俺もむしゃくしゃする… 『あんま悪く言うなよ… 傷付くとこ見たくねえ。』 { さすが兄貴。 お兄ちゃんもお兄ちゃんで、俺の事、守るなよ…!!! { けどあいつさ、練習してないよな { それな? 上手くなりたいなら練習すればいいのに “練習”…? そんなの俺が1番してるよ…!!!! 「……っ…!!」 そう思ってると俺はいつの間にかお兄ちゃんとお兄ちゃんの友達の前へ出てきていた 『どうした…?』 { 失敗作が来た笑 ふざけんな…!! 努力も何もしてねえお前らに言われたくねえよ…! 「……うるせえんだよお前ら…! 俺がどうゆう気持ちでここ見てんのか知らねえだろうが…!」 『…り、りく…?』 そして俺はいつの間にかお兄ちゃんの前で怒り狂っていた 本当は止めようとした。 だけど俺は無意識で口から出てしまった { ……? { … 「…ごめん。」 俺はここで初めてし過ぎてしまったことを自覚し、咄嗟に謝った。 『…ごめんな、李玖。俺のせいで』 「兄ちゃんのせいじゃないから。大丈夫だよ」 本当に優しいのどうにかして欲しい。 〈 おい、もう過ぎてるぞ時間。早く帰れ 〉 『あ、はーい!!すみません!』 { 帰ります!! 「……」 『帰るぞ』 「…うん。」 ーーーーー そして翌朝、俺は皆より早く起き学校へ行く準備をしてる 全てはバスケの練習の為に。 「…行ってきま、」 『もう行くのか、お前』 「なんで起きて…」 俺が学校へ行こうとしてた時、丁度お兄ちゃんが起きてきた。 今日、なんか用事でもあったのか…?? 『たまたま早く起きちゃったんだよ。 お前これからどっか行くのか?』 「……あー… 学校に行く。勉強でもしようかなって」 『それなら俺も行こうか?』 「いや来なくていい。」 本当は来て欲しかった。だけど俺はお兄ちゃんに情けない俺が練習してる所を見せたくなかった 『…そっか、また学校でな』 「うん」 ーーーーー そして俺は学校へ行き、バスケシューズを履いている 「練習…頑張らないと…」 ドンッドンッ… (李玖がドリブルをする) シュッ (李玖がゴールへ入れる) 「入るか…!?」 ガシャンッ… (ゴールから外れ、ボールが落ちる) 「…くっそ……!!」 俺はお兄ちゃんとは違い、入るかってところでボールが落ちる。お兄ちゃんみたいにスポッと入れるようになったら… 楽なんだろうな。 「…練習、続けよう…!!」 ?? 『……』 ーーーーーー そして俺は皆がいない体育館で練習をしたけれど、もう時間が過ぎ、教室へ戻った 「……疲れた…」 ?? 『お前朝から疲れてるよな。何してんだよ』 こいつは同じ部活で頼りがある同級生の 竹内颯馬(たけうち そうま) 。 いつも部活の時は一緒に行ってるんだ 「いや…最近さ、自主練して朝から学校来てんだよね。」 颯馬 『それは疲れるわ… 休めよ』 「……お兄ちゃんに合う弟になるには努力しなきゃさ…笑」 颯馬 『…そっか…… 頑張れよ』 「うん、ありがとな。」 ーーーーー 「よろしくお願いします!!」 今日も部活が始まる 顧問 〈 今日は春高のメンバーについて発表させてもらう 入らなかったやつも 入ったやつも俺にはすごいと思ってるから、それは間違えんなよ。 そして今日は春高のメンバーを決める らしい。 選ばれるかな… 顧問 〈 〇〇、〇〇、颯馬、 颯馬 「…はい」 「……!」 颯馬…行けたんだ、すげえ… 顧問 〈 〇〇、そして最後は、珀斗。 『…はい!』 「……」 今回も、春高のメンバーには挙げられなかった 悔しいな… こんなに頑張ってんのに、 顧問 〈 そしてベンチを発表する。 ベンチにも…なれないんだろうな。 “春高”だぞ? さすがにない…よな、、 顧問 〈 ベンチは10人いる。発表するぞ 顧問 〈 〇〇、〇〇、〇〇、△△、◻︎◻︎、〇〇、〇〇… あともうちょっとで人数が… 叶う訳もないけど、流石にベンチにはなりてえ…!!お願い、神様…! 顧問 〈 〇〇 〇〇、そして最後は… 李玖。 「……!!」 初めて春高に俺が選ばれた。こんな奇跡、あっていいのか?? 顧問 〈 …ベンチは選手が怪我をした場合 体調が悪い場合しか出場はできない。 それでも… お前はベンチでも、大丈夫か? そんなもん、答えは決まっている。 「… はい、大丈夫です!!」 ーーーーーー そして春高当日になり、緊張感が溢れた 「……緊張する…」 バスの中、俺は咄嗟に口に出てしまっていた もしかしたら試合に出るかもしれない と考えると緊張してやまなかった 『当たり前だよ、俺だって緊張する』 「…兄ちゃんなら、行けるって」 俺はいつも通り、情けなくて才能がある兄ちゃんを褒め倒した。 その方が、兄ちゃんのやる気が上がるから 『…だよな。笑 俺なら行ける!!』 ーーーーそんな兄ちゃんが、あんな事になるとは知らずに。 キュッキュッ 「頑張れ!!!」 そして今は試合途中。 お兄ちゃんが活躍してる事を嬉しく思ったり、思わなかったり… 複雑な感情を抱いている ドンッ… (珀斗が誰かに押され倒れる) 「…! 兄ちゃん…!!」 顧問 〈 止めろ!!!!!!! 『ってえ……』 兄ちゃんは右足を打撲していた。 兄ちゃんの姿を見ると、痛すぎて試合どころじゃなかったと思う 「兄ちゃん、行けるって、優勝すんだろ…!」 俺は才能がある兄ちゃんの事が嫌いなはずなのに、何故か無意識に応援してしまう 『……無理だよ…』 「兄ちゃん…行けるから…!! 行ってくれよ…」 これが本当の俺の“素直な気持ち”なのかもしれない。 『…李玖、お前行け……』 「…はっ……?」 俺が試合に行く…? 無理だよ、お兄ちゃんみたいに才能がないのに、 顧問 〈 珀斗…!? 李玖は… 『…俺見たんですよ、この前李玖が朝練している所を…!、 しかもこいつ、この春高のベンチが決まった時、いつメンバーになってもおかしくないようにバスケの練習をしてたんです。 』 「…兄ちゃん、」 兄ちゃん…俺の事見てくれたんだ ちゃんと、見てくれたんだ…!!! 『…李玖、お兄ちゃんからの願いだ。』 『お前が、春高でこのチームを引っ張り、優勝させてくれ。』 引っ張って優勝…?できる訳ないよ、 才能がないのに、! 「できないよ、俺…俺…!!」 『お兄ちゃん信じてるよ、お前は必ず優勝させてくれるって』 『お兄ちゃんの代わりに…』 “任せたぞ、努力者の弟。” 「…!!」 俺はこの言葉を聞いて、舞台へ立った キュッキュッ… 選手達が俺に迫って行くのが見える。 「……ふぅっ…(深呼吸)」 パシッ (李玖が相手のボールを奪う) 俺が練習してるのを思い出して… ドンッドンッ… (李玖がドリブルをする) 颯馬 『りく!!行け!!!!』 「……っ、!」 “任せたぞ、努力者の弟。” 兄ちゃんの言葉を思い出して… 『頑張れ!!!!李玖!!!!!!!』 チームを引っ張り、チームを優勝して見せるんだ!!! シュッ… (李玖がゴールに向かってボールを出す) スポッ (李玖が打ったボールがゴールへ入る) 「……!!」 『…っ…しゃああ!!』 颯馬 「…!!」 顧問 〈 …!! ナイシュー!!李玖!!! 俺は今日、初めてドリブルをし、始めてゴールにボールを入れることができた。 ーーーーーー 顧問 〈 えー、春高、お疲れ様。 俺は人生初春高をでき、そして人生初の 優勝 が出来た 顧問 〈 そして優勝、おめでとう。 『…ナイスだ、李玖!!』 颯馬 「凄かったぞ、シュート。練習した成果が出たんだな」 顧問 〈 ああ、すごかった。お前もやれば出来るじゃないか。 今までお兄ちゃんにしか褒められなく、俺には全く褒められる人が居なかった。 だけど今回の事を思って、俺は遂にチームから認められ、チーム全体に褒められた 「ありがとうございます…! 嬉しいです、!!」 ーーーーーーー 「行ってきます!!!」 『俺も行ってくる!』 そして月日が経ち俺は大学生になり、兄ちゃんは社会人となった 「今日の試合、難しそうだよね」 『だなー。でも俺らなら優勝できる!!!』 「だよな!! 頑張ろうぜ!!」 そして俺は、兄ちゃんと共にバスケ選手になり兄ちゃんと同じ舞台に立つ事になる 『もう努力者の弟じゃないな!』 「だな!笑」 才能 という言葉が無くなればいいのに と思ってた俺が、才能者のお兄ちゃんと舞台に立つのが夢のように思ってしまう。
お前の事が本気で好きだった。
俺の名前は 守本 霞( もりもと かすみ ) 高校1年生 恋愛初心者だ。 そして俺は " 恋をしてる " 。 ?? 「かーすーみー!!おはよう!」 こいつは俺の幼なじみで俺の初恋の人 田中 真太郎 ( たなか しんたろう ) だ。 「おはよう」 『おう!おはよう!!』 こいつは元気で爽やかだけど泣き虫で、 俺の心を撃ち抜いてきた 「てか今日遊べる?」 『……(??(女子)の方を見る)』 「…おーい……」 『あ、ごめん、好きな人見てたわ笑』 でもコイツには別の好きな人がいる。 「おーい…笑 なんなんだよ笑」 コイツの前で嘘笑いなんてしたことが無い。 ちゃんと俺、笑えてんのかな笑 『だって可愛いんだもん!!笑』 「あー…同じクラスの 志水 涙奈 ( しみず るいな ) ちゃんだっけ?可愛いよな」 『…狙うなよ!?!?』 「狙う訳ないよ。笑」 志水 涙奈。 スポーツ抜群 スタイルもよし 髪型もよし。 全てが整ってる。 『あー…話しかけてえ…』 「お前ボーイッシュタイプだっけ?」 髪型はボーイッシュ。なあ、俺だって髪短いよ。 『ロングだったんだけどさ、涙奈ちゃん見ると可愛いって思って…あーー、はっず……』 と顔を赤くなる真太郎はいつもと違く、恋する男って感じで可愛かった 「……そっか…」 涙奈 「…ねえ」 『…俺…??』 涙奈 「そう、真太郎くん…だよね、?LINE交換しない…?」 『…!! いいよ、交換しよ!!俺のQRコードこれね!』 涙奈 「ありがとう、勝手に登録して話しかけるね」 『おう!ありがとな!!』 『なあ、涙奈ちゃんからLINE交換してもらった!』 「へえ…よかったじゃん」 涙奈ちゃんも真太郎も耳が赤くなってた。 多分、両想いなんだろうな 『え、羨ましがってんの〜〜??』 「別に」 『涙奈ちゃんのLINEはあげないからな!!』 「いらねえよ笑」 あー… 女の子には敵わねえよ…笑 「良かったじゃん。LINE繋げて」 『おう!!今年1嬉しいかも!ありがとうなかすみも』 「何が?」 『俺の恋バナ聞いてくれて!』 ポンポン (真太郎が霞の頭を撫でる) 「やめろよお前…笑」 これも “友達として” の頭を撫でるなんだろうな 俺はそんな真太郎も好きだけど ーーーーー 『かすみ!帰ろうぜ!!』 涙奈 「ま、まって」 『…!? びっくりした…どした?』 涙奈 「…一緒に、帰りたい。」 「……」 あー、帰りてえ。 涙奈 「いいかな…」 『いいけど… 霞、ごめんな』 「うん」 「…頑張れよ(小声)」 何してんだ…俺、笑 俺が辛くなるだけじゃん…笑 『…ありがとな!(小声)』 『行こ!』 涙奈 「うん!」 ーーーー 涙奈 「ーーーーーー!?笑笑」 『ーーーー!!』 「……」 何してんだろ…俺。 (重いなあ…) 俺は2人帰る所を最後まで見ていた こいつ、告白しねえよな。流石にしねえか。 『…涙奈ちゃん』 涙奈 「ん?」 『俺、涙奈ちゃんのことが好きです。付き合って下さい』 「…!」 コイツが告白する所を俺は目撃してしまった ( 失恋なんだろうな…笑 ) 涙奈 「…! はい、お願いします。」 「…っ……」 俺はいつの間にかその場から逃げていた。 なんで、なんでだよ… 俺の方が好きだった、真太郎の事 元気なとこも、子供っぽいとこも、意外とオトコっぽいとこも、だけど泣き虫で恥ずかしがり屋なのも 知ってるのは俺だったんだよ…!! 俺の方が、俺の方が…涙奈ちゃんより真太郎のこと分かってんのに…!! ( ほんと、情けねえなあ…笑 ) ピロン♪ しん 《 なあ!!俺、涙奈ちゃんと付き合えた!! 俺は真太郎から来たLINEに対し 霞 《 おめでと、それと俺さ しん 《 ん?なに? 霞 《 すきだ 「好きだったよ」 と打つ手を止めて 霞 《 いや、なんでもない。真太郎おめでとう 初めて真太郎に嘘ついた瞬間だった 「……っ…(泣)」 何俺、泣いてんだよ、 女の子には敵わない って自覚してただろ、! 「……うっ…ひっ…ぐっ…(泣)」 自覚はしてた。 女の子になんて敵わない 。 そう思ってた、だけどアイツの告白する姿 OKする姿を見て俺は改めて真太郎の事を “好きだったんだな” って実感した 「…おれ、しんたろ…のこと、すきだったんだなあ…(泣)」 俺はここで初めて本気で好きだったんだなと実感した。 アイツのよくする 肩組み も ハグ も 俺の頭を 撫でてくれる とこも全部、全部昔からの付き合いだからだったんだな。 ( 泣いてばっかでほんとだせえ、) ーーーーーー そして真太郎が付き合った翌日、俺は朝早くから学校へ来ていた (1人の学校は居心地がいいな。) 『かーすーみーくん!おはよ!』 「…なんで!?」 でも何故か真太郎が学校に来ていた。 いつも早く来ないのに…なんで、? 『かすみくんがはやく学校来てるとこ見ちゃったから俺もついて行ったの!気づかなかった??』 「うん…気づかなかった。笑」 なんで期待させんだよ… なんでついてきたんだよ… 彼女優先にしろよ、 『てか俺涙奈ちゃんの彼氏になっちゃった!』 「LINEでも言ってただろ笑」 『うれしかったんだもーーん!!』 「彼氏になっちゃった」 か。 俺はお前の 彼氏 になりたかったよ。 「そっか、笑 マジでよかったな」 良くない、むしろ早く別れて欲しい って思う俺が大嫌いだ 『まじで告ってよかった!お前のおかげだよ〜ほんとに大好き〜…』 「おい、彼女に言えって笑笑」 大好き って言うなよ、好きになるだろ… 『でも俺、お前に感謝してるよ? 恋バナ付き合ってくれたし、相談役にもなってくれた』 『だから俺、お前の事 “相棒”として大好きだ!』 相棒か、笑 嬉しいのに、嬉しくないな…笑 「ありがと、俺も思ってるよ」 『まじー??』 「…それとさ、しん」 『んー?』 俺の気持ち伝えたい。 好きだよ って、言いたい。だけど、言いたくないな、笑 涙奈 「おはよ、しん!」 『るいちゃーん、おはよ!!』 「……」 しん って…俺が、俺だけが呼んでたのに… 『…なんか言った?』 「ううん、なんでも。」 “幸せにね。” 『……うん!ありがとう!』 真太郎はきっと、俺には見せない表情をこれから涙奈ちゃんには見せるんだろうな。 本当はこんな事思いたくもないし 好きにだってなりたくない。 だけど俺は今後も、 「……うん。」 『冷てえなーー!!(笑顔)』 こいつの性格も 笑顔も全てが好きなんだろうな。
貴方にハートを奪われた
私は今日、中学校の入学式をする { おはよ〜!} { おはよ、!} (周りのみんな友達できてるな…) 世の中には SNS というものがあり、多分それでみんな仲良くなっているのだろう。 私は皆より 普通 ではなく、皆と離れて授業をしている ガラガラ… (教室を開ける) 「…おはようございます……」 私のクラスの教室に手をかけ、開ける。 それだけの事なのに何故か緊張した 『お!おはよう!』 周りの生徒の皆には声なんてかけられなかったけど、先生はかけてくれた 「……はい…」 『せんりさんの席、ここだから座っててね』 「わかりました」 私は先生のいる席の方へ行き、窓の外を眺めていた { てかさーーーー…… } { ーーーーー?} 私と同じ学年で私と同じ悩みを持っている 奏 くんには周りに人が集まっていた (友達…作らないとやばいな) ?? 「……」 (??がせんりの肩をトントンとする) 「……は、はい!」 私は初めて人に肩をトントンされ、戸惑っていた (私、なんかしちゃったかな、??) 入学式前だったので、なんかしたか不安になった。 ?? 「…ねえ、せんりちゃん」 「あ、はい!」 ?? 「修学旅行…どこ行ったの…?」 「え?」 それはそれはもう驚いた。 修学旅行どこ行ったの なんて誰にも聞かれないと思っていたから 「えっと…札幌です」 ?? 「そうなんだ…!僕も一緒だよ」 と学ラン姿の先輩は私に向かって笑いかけてくれた。 多分、これを1年生のみんなにやっているんだろうな と思っていたけれど、私にはとっても強い印象となり (…この人には何を言ってもいいんだ。) そう思ってしまった。 この先輩には 何を言っても 話しかけても 相談しても大丈夫なんだって 先輩にしては私に話しかけただけかもしれない。 だけど私にとってはとっても勇気付けられた話だった ーーーーーーーーー そして月日が経ち、私も学校に慣れてきた頃私と性別が同じだけど学年が違う先輩と仲良くやっていた 「そういえば、好きな人いないの?」 あい 「え、なに急に」 あい先輩。 私が唯一仲が良く、小学校からの付き合いだったからすぐ慣れて仲良くできた 「いや、小学校の頃いないって言ってたじゃん? 今はどうなのかな〜って」 恋愛の雰囲気がないあい先輩に私は答えてもらおうと愛先輩に期待の目を見せた あい 「実はせんりに言ってないだけで小学校から好きな人いたんだよ」 「え…まじ??」 あい 「うん、今も好きだし」 「…誰!?」 恋愛の面影が無かった愛先輩に 好きな人 がいると知って私は調子に乗り、 誰? と言ってしまった あい 「えっとね〜、同じクラスの大森先輩」 「…!? へ、へ〜そうなんだ…」 大森先輩、それは入学式の時私に声を掛けてくれた先輩だ 「あ、じゃあ私こっちだから!ばいばい」 あい 『あ、うん!ばいばい』 「…やばいやばい、恋の敵やん。私」 愛先輩が大森先輩の事を聞いて私は焦った。 だけどよくよく考えると挨拶しかしない関係だったから大丈夫かな そう思っていた ーーーーー そしてそれから1週間が経ち、何も訪れない平和な日々だった 大森 「そういえばさ、せんりってこちょこちょ弱いの?」 「え、あー…」 大森先輩から話しかけられるのはいつもの事。 だけどそれが違った 「分かんないです」 私は近くに愛先輩がいて、どうゆう答え方をすればいいか分からなかったので適当に 分からない と言ってしまった 大森 「ならやるしかないな…」 といたずら顔で言ってきた私は愛先輩の顔を疑った 「は、はあ?」 大森 「……(大森がこちょこちょをせんりにする)」 「うわっ……」 私は本当にこちょこちょが弱い。本当は暴れそうだった所を止め、冷静に声だけ上げた 大森 「え、弱いんだ」 「は、弱くないですよ笑笑」 笑ってるが本当は怖い。 さっきから愛先輩が見ている気がして あい 「……(せんりの事を睨む)」 「……」 睨まれてる…… 本当に好きなんだ、大森先輩の事 大森 「またな!せんり」 「はい!さようなら!」 私は今日習い事に行く為、親が送り出してくれる (命が……) 親 「どう?学校」 「楽しいよ、みんなと仲良い」 親 「へー…」 私は親になんて言う訳もなく、そのまま黙っていた 本当は愛先輩の事が怖い。だけどそれが多分 学校生活 だから我慢していた 親 「着いたよ、また迎えに来るから」 「ありがとう!」 そして私は習い事に終わり、家の部屋にいる 「疲れたー…」 私はベットに横になり、スマホを見る 「…ん??」 ai 『 大森先輩と仲良いよね 』 ai 『 私が好きなこと知って仲良くしてんの??』 ai 『 せんりに裏切られた気分。 友達やめるね。 』 3件のLINEが来ていた。 それは愛先輩からのLINEだった 「…は?」 私はその後の学校でもこちょこちょされ、みんなから見るとイチャイチャしてるような してないような… そんな空気になっていた 千里 『 なんでそうなったの?てか私じゃなくて大森先輩にいってよ。私からじゃないでしょ』 私は腹が立ち、感情に任せて愛先輩に言ってしまった ai 『 でも私が好きなこと分かってしてるじゃん。言ったよね?私大森先輩の事好きって 』 ai 『 もし私と仲良くしたいなら行動で示して。てか、ジャージの着方とか校則違反だよ?ワラ 私先輩だからね、いちおう』 私はさらにイラついた 先輩だから? なんなんそれ、てか私悪くないんだけど 千里 『 あー、はいはい。もう勝手にやっといて 』 私は腹が立ち、愛先輩のLINEをブロックしてしまった (やばかったかな…) と後悔したが、悪いのはアイツなので私は謝らなかった そして翌朝の朝 大森 「お、おはよう」 「おはようございます!」 私はいつも通り大森先輩に挨拶し、そのまま学校生活に励んだ 「……係の事で相談が…」 あい 「……」 アイツは今日、無視をしてきた まあLINEで喧嘩したし、当たり前か。と思っていたけれど、流石に後輩が分からない時無視するか? 「……今日私がやりますね」 あい 「あ、うん」 あーー、無性にイライラする。なんで私がこんな目に… そしてイライラしたまま給食になった。ご飯なんて食べれる気がしない 大森 「せんりのばーか」 「はあ?!」 なんでこんなイラついてる時に… だけど大森先輩の笑顔がとっっても可愛く癒されていた。だけど バカ と言われたからにはやり返したい!!そう思っていたが、大森先輩は消えどこかへ消えていった。 だけど私は 見つけて叩いてやろう そう思い、見つけ出そうと他の教室へ入っていく 「……いない…か。」 大森 「みーつけた」 「…へ…!?」 ギュッ (大森がせんりに抱きつく) 私はいつの間にか大森先輩に抱きしめられていた 「は、え、なんですか」 大森 「……」 何故か声も聞こえず、無音のままだったが給食車が運ばれる音がして大森先輩が離れてくれた 「え、…?」 なんだったのだろう。 私は初めての体験をし、とても胸が熱くなった (やば、ドキドキする) " 人の事を本気で好きになる " ということはこの事だろうか。私はこの時、初めて本気で好きな人が出来た気がした。
俺は偽りの完璧人間だ。
俺は昔から 完璧 だとか 流石 だとか言われてきたが、俺は " 完璧人間 " なんかじゃない。 俺はちゃんと苦手なものがあるし、好きな物だってある。みんな俺に期待し過ぎないで。 「ねえ、一宮くん…だよね? 僕に良ければ勉強教えてくれない??」 こいつは俺のクラスで俺の斜め席に座ってる 高橋。 そして俺はこの光景を何度も見てきたからこそ、飽きてきた 俺に勉強教えてもらったらまたどうせいなくなる。 そうゆうもんなんだ 『ここがこうで……これがこう。』 「一宮くんやっぱり天才だね! 僕とは大違いだよ…」 天才 ? そんなこと言われるのはもう飽きた。慣れたし、余計なお世話 『…もう暗いしいいだろ? 家、帰るわ。』 「まって!!」 俺が帰ろうとするとこいつは俺の手を掴み、 「まって」 と止められた 『……なに?まだ分からないところあるの?』 「ちがう…!!」 なんなんだこいつは… 俺になにがしたいんだよ。ムシャクシャする…!! 「……スマホ持ってる?」 『持ってるけど。』 「よかったら、連絡先交換して欲しい」 連絡先…?別にいいけど、何企んでるんだ…?こいつは… 「僕、入学時から一宮くんの事好きだったんだ。」 『……は…?』 好き…?? 俺のことを……?ありえねえ、そんな現実あんのかよ…! 「放課後一宮くんが1人なのをチャンスだと思って、勉強分からないフリして一宮くんに話しかけたんだ。 ごめんな、 天才 って言っちゃって余計なお世話だったよな」 『……!』 こいつは、こいつは… 俺が 天才 なのが嫌って分かってる…のか、? 「僕さ、授業の時から思ってたんだよ。なんで君は完璧なのに友達を作らないんだろう って。 だから僕、 " 完璧じゃない一宮くんの姿見てみたいんだ。 」 完壁じゃない俺の姿…って、人に見せてもいいのか、? そういう…もん、なのか…? 「…だからさ、」 ギュッ (高橋が一宮の手を握る) 「全てを僕にさらけ出して欲しい。僕を頼って欲しい。 僕たちはもう 友達 なんだから」 『……友達…』 俺は初めて 友達 という存在を知った 友達 は弱音を吐いてもいい存在なんだ と初めて実感した。昔から俺は人に弱音を吐く人間じゃなかった。 だけどコイツにならありのままの俺をさらけ出せるかもしれない 『……おう、友達、なろう。』 「…! いいの、!?ありがとう…!!」 俺は高校1年生で初めて " 信用出来る友達 " ができた