1st sergeant M
3 件の小説1st sergeant M
アメリカ陸軍士官候補生 (Army Junior Reserve Officers Training Corps (JROTC)) 趣味で色々なものを書いて投稿しています。 多少日本語に難があります。読んでいる途中に違和感を感じましたら遠慮せず教えてください
Dream
*** また銃声、それにこれは帝国軍の兵器じゃない 「敵だ。警戒を怠るな」 ここは市街地であり、目に映る建造物が要塞になりうる。 さて、建物にいるであろう敵に対し最も合理的な攻撃方法は、やっぱりこれしかないか。確信はできんがな 手榴弾に手を伸ばし、ピンに指をかける。 「弾よこせ。少なくともマガジン4個だな」 軍曹が口を開いた。 「おい」 軍曹の手首を骨を折る如く掴む 「血迷ったか?クルーマン軍曹」 俺は睨みつけながら続けた 「その判断は部隊全員の命を危険に晒すことになる。1人で突撃など考えるな」 しかし軍曹は俺の手を振り払った。 「私の家族はあいつらによって無差別に殺された!これは復讐だ!報復だ!そして家族の敵打ちだ!」 同じ意味の言葉を並べるんじゃない。 「私がやらずに誰がやるんですか!」 「……」 本気だった。 いや、本気ならずでどうしてそのようなことが言えるのだろうか。 だが部隊の隊員を減らすのは敗北に直結する。 「却下だ」 「なぜですか!!」 「少尉!報告です!」 「今忙しいんだ、MSG。報告は後にし…」 「第二拠点が共和国によって襲撃されました!!」 なんだと…? 「……クソがッ!」 クルーマンは飛び出した。 刹那、クルーマンは認識できないほどの風穴を顔のど真ん中に開けられた。 見るも無様な光景だった。 喋っていたからだろうか、敵は俺たちの場所をある程度把握していた。 そして今、クルーマン軍曹が飛び出したことによって確信へと変わった。 「HQ、こちら第一特殊部隊!座標α10082723にて至急援軍を要s…!」 部下が報告していた瞬間に、手榴弾が窓から入ってきた。 「クソッ…!避けろ!!」 轟音と飛び散る瓦礫と共に目に入ったのは、俺の部隊のメンバー全員の部位が散った姿だった。 耳鳴りがひどい。 頭痛も。 誰かの声がする。 誰だ? 俺の部隊じゃない。 知らない声だ。 「………っ」 起きあがろうとするが、体が痛くてまるで言うことを聞かない。 腕は動くようだ。 「第一特殊部隊、要請をコピーした。30分後ヘリがそこに到着する」 無線からぼんやりとだが声が聞こえた。 司令塔か。 「…待てない……今すぐにきてくれ」 「ハルトマン少尉、それは不可能だ。ここからミッションポイントまで何マイルあると思う?30分だ。たった30分だけ持ち堪えればいい」 知っている声だった。 「…装甲車はどうした?」 「全滅だ。ハルトマン少尉」 不可能だ。 この体もいつまで持つかわからない。 その上30分なんて待てるわけがない。 「わかりました…せいぜい足掻いて見せましょう……!」 「幸運を祈る。少尉」 やむを得ん。 俺は陣痛剤を両足と全身に打った。 すこし違和感はあるがだいぶマシになった。 だが出血量が半端じゃなかった。 クソ…長くは持たないなこれは。 怒りが心の底から噴火するのがはっきりと伝わる。 命令無視、敵襲、味方を全員殺された憤怒、あらゆる複雑な負の感情が奥底から湧き出てきている。 足音が近い 敵だろう 「おい!まだ生き残りがいるぞ!」 敵が怒鳴る声が聞こえる。生き残りがいたと伝えているのだろう。 俺は使えそうな武器を手に取り、気配を感じ、または見つけ次第発砲した。 相手はスクワッドできていたらしい。 「………」 4対1、面白いじゃないか。 「たった1人で部隊を潰す戦場の主役とは…なんたる光栄!!全く最高に愉快じゃないか戦友たちよ!」 クルーマンの死体から強引に抜き取ったマガジンを指し、装填を完了して敵がいるであろう角度に銃口を向ける 「貴様ら同胞の死に感謝を!!」 次の瞬間、また手榴弾が飛んできた。 爆音、衝撃、破片などが俺の命を脅かした。 また耳鳴り、足音が聞こえない。 「クソッタレ共が…!全員ぶっ殺してやる!!!」 感情に任せてフルオートで殲滅する。 合理的とはいえ卑怯で薄情だと思った。 だが俺は止まらない。 弾がなくなったらマガジン交換するだけ。 痛むのなら陣痛剤を打ちまくるだけ。 撃たれたら撃ち返すだけ。 武器が壊れたら敵に武器を奪うだけ。 疲れたら疲労を忘れるだけ。 どんな理由があろうとも体を止めない。 俺は止まらない。 殺し続ける。 敵がいなくなるまで。 俺が満足するまでだ。 気づいた頃には、そこは真っ赤に染まる地獄絵図が広がっていた。 無我夢中で殺していたのか。 「…助けて……くれ………俺は同じ人間だぞ………」 生きていたのか。 俺はそいつの髪を掴み上げ、耳元で囁いた。 「同じ言語を喋るんじゃねぇ。帝国人とお前を一緒にするな。さっさと力尽きて死ね」 「…化け物が………」 俺は髪を離した。 重力に任せてそいつはひどく頭を打った。 絶命、いや気絶したのか。 どこまでクソだ。 また腹が立ってきた。コントロールできない。 俺はナイフを出して、感情のままに首を切った。とっくに絶命しただろうに、俺は続けてナイフを振った。少しして、気づいた時に、俺の右手にはナイフ、左手には生首を。 「………」 絶句していた。 自分の行動に。 ズタボロにすれば癒えると思っていた。 少しはマシになると思った。 でも、癒えたのは怒りと俺の自己中的な考えだけ。 俺はもう、とっくに壊れていたんだ。 精神的にも、肉体的にも。 仲間の死体からタグを回収する。 俺はこいつらに細心の敬意を示す。 「誰も置いていったりしない。お前らの英雄っぷりは後世に残されるだろう。先ににヴァルハラんところで待ってろ」 肉体はなくとも、このタグが証明になる。 彼らは逞しく死んだ。 帝国はお前らに対し栄光を讃えるだろう。 ヘリの音が聞こえる。 同時に全身の力が抜けた。 俺の意識が暗転する。 正直、戦争なんて大嫌いだ。 ボロボロになってまで生きるか、そこで死ぬかのジレンマに挟まれた状況など。 あれ、何のために俺は戦場に立っていたんだっけ? 何のために訓練してきた? なぜいまだにトリガーに指を置いているんだ……? これは私が実際に見た悪夢を元に書かれています。 なお、ハルトマンは私の指導者で、クルーマンは私の実の友人で、共に士官候補生として勉強に励んでいます。 なぜ彼らの名前が出てきたのかはわかりません。
独り言
人生、それは人によって感じ方が違うものである。 裕福な家庭に生まれた人の人生は、楽しいのだろうか? 貧しい家庭に生まれた人の人生は、つまらないのだろうか? 俺にはわからない。 俺は裕福でも、貧しくもない。 俺のような凡人の日常は、ただ起きて学校へ登校し、くだらない授業(はなし)を聞かされる。 そこで何かしらのことをして、なんとなく時間を潰す。 やれと言われたことをやればより時間が進む。それが最も早い時間の経過を感じる生き方だ。 反論しても意味はない。ただ面倒くさいことが増えるだけだ。 人間関係?そんなの虚無感しか生まれない。 社会?そんなのはクソだ。 老いた奴らが国や経済などを動かそうが、どうせ何も変わらない。 退屈は刺激すると一見姿を表す。 身をよじれば痛みが響く。 食事はおいしいと感じるし、自分の楽しみの一つに入っていた。 しかし、そんなものがあったとしても俺の退屈は変わらなかった もういっそ死んでしまいたい。 生まれてきたと言うのに何もないなんて意味がないじゃないか。 人生の意味とは何なのだろう 違うな、人生に意味なんかないんだ。 どうせ何にもできないのだ。 それは神とやらが一番わかっている。 つまりあいつらは俺ら期待なんかしちゃいない。 もういいや。 目立たないアパートの部屋で俺は意識を落とした。 ただ、それだけの独り言を言いたかっただけだ。
妖怪少女
「人間なんて大嫌い!!」 どうして…私はただみんなと仲良くなりたいだけなのに… 私の正体を知った人間は、みんな私から離れてゆく 私を嫌い、 私を軽蔑し、 私を差別し、 そして、私をいじめる。 仲良くなったあの子もこの子も…そして、みんな…私の敵だった。 もう、私の仲間と居場所はどこにもない。 私が人と妖怪の間に生まれた半人半妖だから。 生まれつき人間よりも優れた能力を持っていたから。 でも私は、その能力を人間のために使ったんだ。 困っている人を助けたり、人間の子に笑顔を与えたりもした。 それなのに、人間は私を気味悪がった。私を『バケモノ』扱いしたのだ。 常人の域を超えたことができる私は、もう彼らに友達だと思ってもらえない。 誰も私に優しく接しようとしないんだ。 「もう…いいよ…」 私にはもう、人間を信用することはできない。 「みんな…みんな!死んじゃえばいいのに!!!」 もう、どうでもよかった。 罵声だけが甲高く響くのだった。