カナリア•マシィ
9 件の小説私のトモダチ。
私の友達はみんな可愛い。タイプではないけれど。いい子ばかり。私みたいなゴミが一緒にいていいのだろうかと思うくらいに。1人は、バドミントン部でゲームが大好きな女の子。仮にNちゃんとしよう。1人は、美術部で、絵が上手で将来は漫画家になる夢を持つ、肌が白すぎる女の子。仮にRちゃんとしよう。1人は、誰よりも優しくて、可愛くて、新体操をやっていた影響で、うつ病になってしまった女の子。仮にMちゃんとしよう。そして私。頭はまあいい方で、友人以外に情けなどかけない、クズ人間。 私たち4人は2年生の頃一緒になって、趣味は全員違うのに、馬があった。3年になって、NちゃんとRちゃんが同じクラスで、Mちゃんと、私が同じクラスになった。Mちゃんは、うつ病が悪化して、春休みから入院している。だから、今までに学校に来た回数は、7回だけ。7月から学校へ来るみたいだけど、正直言って心配だ。うちのクラスには、いじめっ子の奴らが、5人いる。しかも、そのうたの1人は小学校の頃、Mちゃんをいじめていたそうた。今は、症状が落ち着いているだけであって、これ以上、悪化する可能性も大いにある。無理をして学校に来ない方が、正直言っていいと思う。 けど、思うんだ。Mちゃんはないも悪いことなどしていない。なぜ、いじめられなければいけない。いじめられるのはお前らの方だろうが。人を見下して、笑って、馬鹿にして。人のこと笑ってる暇あるんだったら、勉強しろよ。なんだよ。テスト15点で頑張りましたって。バカだろ。どこにも行けんだろうが。まあ、行けなくていいと思うけど。人をいじめたんだ。笑ったんだ。バカにしたんだ。いけなくて当然だ。私からすれば、そう言うことをするものは、人間ではないと判断している。だったら、いけないはずだ。人間ではないから。正当だろう。人の心を持たないのだから、人ではない。人間である私たちが、生きていて何が悪い。自分の立場をよく見ろ。変わらんのだよ。私も、お前らも。 もし、私の友達を傷つけるものがいれば、警察沙汰になってもいい、捕まってもいい。それでもいいから、守る。守りきる。私の大切で、大好きなともだちを。
なんか、なぁ…
なんなんだろ。最近、なんもやる気出てこないし、なんかなぁ。寝る気もおきない。受験生だって言うのに、勉強だってできない。ご飯も食べたくない。歌も歌えてない。ピアノも最近弾けてない。 ああ、テストが終わったら、部活が始まる。とても長い部活。文化部で、大会は八月にあるから、早くても引退は八月。おっそい引退だな。入る部活ミスったな。一年は返事しないのはまだいいけど、せめて人の話は聞こうよ。二年も、ちゃんと引っ張ってよ。私たちもう引退するよ。ほんとに入る部活ミスった。美術部にしときゃ良かった。前はゆるゆるで何でもありだったみたいだけど、今はしっかりしてるし、周りとあんまり関わらないで大丈夫。何で美術部にしなかったんだろな。好きな子だっているのに、 もう、学校も部活も行きたくない。学校来ずに、授業受ける方法ってないのかな。 なんかなぁ、なんだかなぁ、最近、1年生の頃に戻ったみたいだ。全員から嫌われて、仲良い子たちから無視されて、仮病で学校休んでた頃みたい。なんかなぁ、どこにも行きたくなくって、誰にも会いたくなくって、何もしたくなくって。2年になってなおったと思ったんだけどな。なおってなかった。なんかなぁ。また、休むはめになるのかな。
天才“みたい”がちょうどいい!
僕はね、昔から少しだけ頭が良かったんだ。けれど、勉強は人一倍嫌いだし、別に僕より頭のいいやつもいる。でも、そいつらって親とか先生とかみんなに期待されてて、生きにくそうだなって思う。 まあ、僕は頭は普通よりちょっと上ってだけで、天才じゃないし、とても生きやすいよ。期待されないってものすごく楽なんだよ。 天才になってみたかった。憧れてた。だから、憧れてた時だけ、ものすごく勉強を頑張っていたんだ。疲れていたよ。毎日勉強、いい点数をとったら、次はもっと上って。勉強、勉強、勉強、勉強。大変だったなぁ。 辛くなって、もう嫌になって、やめたんだ。別に勉強したって、将来使うことってほんの僅かだからね。まあ、点数は下がったけど、悪くはないし、頭いいねって褒められるし、あんま期待されないし。 やっぱ、天才にならなくて良かったよ。天才は疲れるんだ。 天才“みたい”がちょうどいいのさ! 無理をしないのが1番なんだよ。
好きと、嫌いと。
好きなものを好きで何がいけないのだろうか。 私は本が好きだ。書くことも、読むことも。しかし、私には、頭の中の辞書の文字が、とてつもなく少ないらしい。バカみたいに面白くもない小説を、頭の中で書き続けている。一度とてつもなく嫌になった。バカの私を、何もない私を。 音楽が好きだ。聞くのも、歌うのも、弾くのも。けれど、歌は下手だし、弾くのも下手。センスもない。 絵が好きだ。見るのも、描くのも。ヘッタクソの絵を描いて、今回は上手くいったって、ぬか喜びする。 物語が好きだ。読むのも、見るのも、考えるのも。けど、話の構成なんてわかんないし、話の内容も掴めない。 バカで、なんもできない私。好きなものは多いのになんもできない。ああ、バカで、アホで、才能のない自分なんて、嫌いだ。 嫌いって言ったら、そんなこと言ったらダメって怒られる。なんでなの。嫌いなことは嫌いでいいじゃない。 自分が嫌い。バカでアホで何にも出来ないから。 人が嫌い。周りに合わせて、好きなものに嘘ついて。流行りによってたかって。 家族が嫌い。私の好きに口を出して。私の人生を、生き方をバカにして。 大人が嫌い。全部全部、知ってるふりして、なんも知らないくせに。嘘つくなっていうくせに、嘘だらけだし。 ナスと、きのこと、ゴーヤと、辛いもの、お酢を使ってるもの、油っこいもの、甘すぎるもの、全部嫌い。 好きと嫌いがあるから、人であるのであって、どっちも否定しちゃいけないもの。嫌いって嘘をつかないで。好きって嘘をつかないで。好きは好きで、嫌いは嫌い。それでいい。なんか言われてもなんも関係ない。 周りは周りで、私は私、あなたはあなた。 花が好き。虫が嫌い。本が好き。国語が嫌い。音楽が好き。合唱が嫌い。友達が好き。クラスが嫌い。女の子が好き。男の子も好き。どちらかと言うと、女の子の方が好き。チャラい人は嫌い。優しい人は好き。可愛い服が好き。カッコいい服も好き。男装することが好き。メイドカフェが好き。美人が好き。見た目で判断しすぎる人は嫌い。ルールを守らない人が嫌い。周りに流されすぎる人は嫌い。 これでいい。好きも嫌いも。どっちも私。 大っ嫌いだけど、大好きな私なんだ。苦手なものが多いけど、それでも頑張る私、友達を出来るだけ大切にする私、口の悪い私、バカの私、アホの私。全部私だから。好きと、嫌いと、私。
ヒーロー“みたい”がちょうどいい。
俺は昔から、頑張るのが嫌いだった。疲れるのも嫌いだ。誰かの意見で傷ついたり、それで病んだり、めんどくさくって嫌いだ。 俺はら人の話を聞いて解決したりするのは好き。まるで、ヒーローみたいだと言われたこともある。 でもさ、ヒーローってめんどくさい。ヒーローになってしまえば、同じ学校のやつも、この国も、世界の人、悪者だって救わなければならない。助けられなかったら「ヒーローだろ」と言われる。けど、ヒーロー“みたい”だったら、何を言われようが、「俺はヒーローじゃない」って言える。 「おーい、ヒロ!ちょっと相談のってくれよ。」 「はいよ。」 俺は自分の大切な友達、家族だけを救う、ヒーローみたいな人間だ。 ヒーローみたいがちょうどいい。ヒーローみたいが生きやすい。
空の目
俺は、昔から海を見るのが好きだった。 青くて綺麗な海。 今日も、いつも通りの時間に、 いつも通りの浜辺で、 いつも通り海を見る。 そして、いつも通りじゃないことが一つあった。 女の子が一人いた。 その子は白く長い髪をなびかせ、 白いワンピースを着て、 「蒼い空」の色の目で空を見ていた。 綺麗だと思った。 蒼い空の目をこちらに向けて、 その子は口を開いた。 「君、綺麗な目の色だね。 海の色だ。深くて、少しだけ光が差し込む海。」 俺は褒められたことなんてなかったから、 少し嬉しかった。 そして、君に言った。 「君の目も、綺麗だよ。 空の色をしてる。雲一つない空の色。」 君は、驚いたように目を開いた後、 微笑んで、再び口を開いた。 「私、君じゃなくて、 蒼空 白空(そうくう はくあ)。 君の名前は?」 はくあ、という字はどう書くのだろうと、 少し気になった。 君は、期待に満ちた目でこちらを見ていた。 「俺の名前は、涼海 黒瀬(りょうかい こくせ)。 よろしく、ハクア。」 ハクアは、綺麗な髪をなびかせ、 体ごとこっちへ向けた。 「よろしく!ねぇ、漢字どう書くの?」 俺は、砂浜にしゃがみ、 隣に君はしゃがんだ。 そして、適当にそこら辺にあった木の枝をとり、 砂浜に自分の漢字を書いた。 「涼しい海で、涼海。 黒に浅瀬の瀬で、黒瀬。」 そして俺は、木の枝をはくあに渡し、 「ハクアの漢字は?」 と聞いた。ハクアは木の枝を受け取り、 俺が書いた隣に書いた。 「蒼い空で、蒼空。 白い空で、白空。」 綺麗な字だと思った。 透き通ってるような、名前。 俺はこの日から、少しだけ、 “いつも通り”ではない事が、 楽しみになった。
餓鬼
私は何かに飢えている。 何かを食べても腹は満たされない。 何かを飲んでも喉は乾いたまんま。 何かがほしくてたまらない。 「君」の全てを 食べたのに、 飲んだのに、 満たされない、なんで。 「君」から何かが欲しいんだ。 「君」は、いつも私を見ない。 「君」はいつも彼女に、 目に見えない、何かをあげている。 「君」は家族、友人、そして彼女から 何かを貰っている。 その「何か」が、私にはない。 家族はくれない、友人もいない、 「君」だけが、くれたんだ。 「君」の全ては私のもの。 なのに、何かだけは私以外のものでもある。 羨ましいな。 「君」の友人、彼女、家族を食べて、 飲んだら、満たされるカナ? 「キミ」ハ、ワタシのモノ 「キミ」ハ、私にイッタ。 「お前、俺の大事なものに手を出すな! この、餓鬼め‼︎」 「キミ」のタメナノニ。 「『キミ』は騙されてるんだよ、 だから私が助けてあげる♡」 キミはワタシをニラムンダ ウラムンダ キミハワタシノモノ 「餓鬼は、俺が、殺す。 だからどうか、お前らだけは、逃げてくれ」 キミは彼女たちに言った。 クスクスクスクス、笑ってる。 「何してんだ!早く逃げろ‼︎」 彼女たちはキミにいった。 「うっざw正義のヒーローごっこしてるわーw」 「殺すって、やばw」 君は少しずつ、暗くなった。 だから言ったのに。 騙されてる。 「だから、言ったじゃん。 ワタシは、キミをマモルンダ。」 「たとえ、『餓鬼』になったとしても」 2025年、6月3日。 女子高生1人と、男子高校生2人の、 変死体が発見されました。 体には食い荒らされた跡があり、 警察は学校に話を聞くなど、 詳しい調査をしています。 君は、私が守るから。 じゃあ、俺はお前を守るよ。 『餓鬼』。 君からの「何か」をしっかり受け止めて、 私はこれからずっと、満たされる。
時計屋さんの1日
現在、5時。 時計屋さんはいつもこの時間に起きる。 現在、6時。 時計屋さんはこの時間に店を開ける。 現在、7時。 時計屋さんにくるのは、2人だけ。 いつも2人と時計屋さんは、仲良し。 私もいつも遊んでる。 現在、8時。 時計屋さんに人が増え始めた。 さっきの2人は、人が増えると帰って行く。 現在、9時。 人がまた増えた。 現在、10時。 バイトの人が来た。 現在、11時。 人が少し減った。 現在、12時。 時計屋さんは、休憩時間になった。 現在、1時。 休憩時間が終わった。 現在、2時。 また人が増えた。 現在、3時。 人が少し減った。 現在、4時。 客は少なくなって、2人だけ。 現在、5時。 時計屋さんと、2人は仲良し。 現在、6時。 「嬢ちゃん。今日は何して遊ぶ?」 2人は私と遊んでくれる。 「かくれんぼ!」 時計屋さんは終了した。 時計屋さんと、2人は家族。 だから、時計屋さんの家で、かくれんぼ。 私はパパとママはいないけど、2人が優しくしてくれるから、家族! けつえんじょう?では違うらしいけど、 一応、家族にはなっているみたい。 「嬢ちゃん、みーつけた!」 「わぁ!見つかった!」 いつもかくれんぼしている。見つかっちゃうけど、楽しい。 「嬢ちゃん、そろそろ寝るぞ。」 寝る時間になっちゃった。 現在、9時。 私は、いつも時計屋さんに、時間を教えてもらってる。 「時計屋さん、おやすみなさい。」 ゴーンゴーン 現在、11時。 みんなが寝た。あの女の子も、2人も。 おやすみ、みんな。 現在、5時。 「おはよう、時計屋さん!」 今日も、頑張れ。 お嬢ちゃん。
あたたかさに包まれて
僕は寒いのが好きだった。 だって布団の中であったまれるから。 雨が好きだった。 雨の日は家族みんなで寝れるから。 寒い、寒い。 最近ずっと寒い。冬だからじゃない。 雨だからじゃない。 寒い。 家族の空気が、クラスの空気が、ずっと冷え切っている。 だから僕は外に出ない。 部屋でずっと布団の中にいる。 それでも寒い。 今日は好きだった雨。豪雨だった。 強い雨で、雷も鳴ってた。 だけど傘はささなかった。 濡れて帰ったら、前みたいに抱きしめてくれると思った。 お母さんのお下がりのジャンバー。 あったかい。 家に帰ったら、お母さんが言った。 「なんで、夜家を出たの?大雨の中、 傘をささなかったの?風邪引くでしょう⁉︎」 怒られたって思った。 だけど僕は言ったんだ。 「みんな、仲悪いから。」 「お姉ちゃんとお母さん、前みたいに話してないもん。 喧嘩ばっかり。お父さんも帰ってこないし。」 「みんなが仲良くないと、僕嫌だ。」 そしたらお母さんは泣いた。 ごめん、ごめんって謝った。 リビングにいたお姉ちゃんが玄関に来た。この光景を見て、何があったのか聞かれた。 さっきのことを話したら、お姉ちゃんも泣いた。 お姉ちゃんは受験の時期だった。 受験先のことでお母さんと揉めてたらしい。 僕は夜遅くに出歩いてたわけだからお父さんが帰ってきた。 とりあえず、家に入りなさいと言われた。 僕はタオルで体を拭いてからお風呂に入った。出てから、みんなと話した。 お父さんが帰ってこなかったのはお姉ちゃんが高校になるから、お金を貯めるため、 お姉ちゃんとお母さんが揉めていたのは、夢を追いかけたら将来困るかもしれないから。 みんな理由があったんだ みんなが僕を見て言う。 「本当にごめんなさい、あなたの気持ちを考えれていなかった」 僕は半泣き状態だった。 お父さんが言った。 「今日は久しぶりにみんなおんなじ部屋で寝よう。」 お姉ちゃんも賛成だった。 お父さんと僕が隣で、お姉ちゃんとお母さんが隣。 久しぶりに、久しぶりに、 あたたかさに包まれて、みんなで寝た。 幸せだ。