Яunä (るな)

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Яunä (るな)

2022/09 執筆初め よく来たね、Яunä(るな)だよ。 しがない小説家だよ。 ゆるゆると気ままに投稿します。 よろしくお願いします。

チューインガム

ガムってまるで人間みたい。 最初は色んな味がして楽しかった日々も、だんだん時間が経って、噛み続けてると味はしなくなる。 貴方への思いが強くなって、貴方のことがどんどん好きになっていくと、その想いがどんどんどんどん大きく膨らんでいく。 でもね、ある日、貴方から言われるの。 「ごめん、別れてくれない?」 「一緒に居ると、疲れるんだよね。」 そう言われて、更に膨らむ勢いは増していく。 「なんで…一緒に居てくれるって言ったじゃん!」 「あの時の言葉は嘘だったの…?」 どんどん…どんどん…膨らんで…。 「…お前のそういう所が嫌なんだよ…。」 離れていく貴方、遠くなる貴方の背中。 そんな背に手を伸ばそうとする私。 でも、届かない。届くどころか、更に遠くなる。 「あ、私、捨てられたんだ、今。」 その時に、私の中で膨らんだガムが破裂する。 最初はあれだけ愛し合って、あれだけ想いを伝えたのに、割れるのは呆気ない。 そして、子供っぽいガムはゴミ箱に捨てられ、お金に染まっていく。 ギャンブル、風俗、酒、煙草。 振られた反動を埋めるためのお金。 そのお金を稼ぐために、今日も働く。 道端には、踏まれて黒くなったガムがへばりついていた。

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チューインガム

お久しぶり&X開設のお知らせ

やあ、お久しぶりです。Яunäです。 リアルが忙しくてなかなか執筆の暇が無かったです。 これからは少しずつ投稿できればいいと思っているので、よろしくお願いします。 −−−−− 話は変わって、この度、当アプリ用のX垢(旧Twitter垢)を作成しました。 作品の進捗や僕の日常、作品の宣伝などを行おうと思っていますので、是非フォローの程よろしくお願いします。 僕のプロフィールからか以下の名前をコピーしてコピペして頂いたら助かります。 「 @RuNa_RuNa_kun 」 よろしくお願いします。 それでは、またいつか。

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お久しぶり&X開設のお知らせ

キスってどんな味?

『キスってどんな味?』 そう目の前の君に聞いてみる 君は「知るわけねーよ!」と知らんぷり やっぱり君はウブな子かわいい子 そんなウブな子が私はすき そんな君の頬にキスをした −−−−− 『キスってどんな味?』 同じ高校に進んだ君にニヤニヤしながら聞いてみる 答えは「甘酸っぱい恋の味」 家で覚えたのかテンプレフレーズ そんな君にこう答えるの 『…なら実際に、キスしてみる?』 −−−−− 『キスってどんな味?』 高校の卒業式後に聞いてみる 答えは「甘いいちごミルクの味」 そう言いながら、君は優しく笑う。 いちごミルクは2人の愛の味 いちごミルクは好きな味 −−−−− 『キスってどんな味?』 LINEで君に聞いてみる 答えは来ずに既読無視 でも、私、知ってるよ? 君はクラブに居るんでしょ? 私の知らないビッチと一緒に −−−−− 『キスってどんな味?』 久しぶりに会った君に聞いてみる 返事は『同じ事を聞くな』 そうだよね、もう社会人だもんね そんな君の薬指には 輝く指輪があるんだもん −−−−− 『キスってどんな味?』 そう君に聞いてみる 返事は何故か帰ってこない 君は目の前に居るのになんでなの もう一度君にキスをする。 “苦くて美味しくない”ストロベリー味 −−−−− 『キスってどんな味?』 知らない人の前で聞いてみる そんなの聞いても意味無いのにね 私の好きな君はもう居ない 居るのは机を叩く人と私 無機質な色の部屋の中でランデブー −−−−− 『キスってどんな味?』 虚ろな目をして私は聞いてみる 目の前には誰も居ないのに ガラス越しの人にこう聞かれる 「それが貴女の最後の言葉ですか?」 私は小さく頷いた −−−−− 『キスってどんな味?』 消えゆく意識の中で聞いてみる 口からはあの時のストロベリーの味 卒業式後のキスの味と同じ感覚 『・・・愛してるよ。』 私ももうすぐ、そっちに行くよ

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キスってどんな味?

短編集 ①

− 絆創膏 − 『これを貼れば痛みなんてすぐ無くなるわよ!』 小さい時、お母さんが私にくれた絆創膏。 私はよく怪我をする子だったから、怪我する度にお母さんが貼ってくれた。 「…痛くない…痛くない…」 数年経った今、私はリスカを隠すために絆創膏を手首に貼っている。 “心の痛み”も無くなるだろうから。 − 僕と君 − クラス1の美男子の君。 目隠れ陰キャの僕とは大違いだ。 クラスの女子に今日もにきゃー!きゃー!と騒がれ、少し嬉しそう。 そんな君に少し嫉妬しちゃう。 『おい、お前、行くぞ。』 「は…はい…。」 五月蝿い女子を跳ね除け、君は僕の元に近寄って強い口調で呼ぶ。 でも、それが君から出される“サイン” 「なぁ、数時間くらい我慢できねぇの?」 『だ…だって…』 「だってじゃないの。」 校舎の裏で、僕は君を壁に押さえつけている。 「はぁ…少しだけだからな…」 僕は君に口付けした。 − ゲーム − 私と彼の出会いはゲームだった。 優しいトーンの声で私の相談にも乗ってくれる。 そんな彼に私は恋をした。 『今度、リア凸しない?』 彼からそう言われた。 どんな人か心配だったけど、きっといい人だと思い、私は承諾した。 1週間後、私は彼に会った。 “彼”ではなく“彼女”だった。 私は再び恋をした。

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短編集 ①

小説ネタ募集と雑談

皆さんこんばんは、Яunäです。 4月が始まって、新学期ですね。 僕は、自分のやりたい事があるので大学卒業後も自力で勉強しております。 やりたい事をやりつつ、息抜きで小説を駄文ですが書かせてもらってます(?) 僕の作品は基本、パッと思いついたテーマに合わせて、殴り書きのように書き進めるのでたまに構成がおかしくなる時があります(本気で書きたい作品はしっかりと練って書いています)。 なので、とてもダークな人間のドロドロとした感情丸出しの作品から、甘酸っぱい恋愛小説、NL、GL、BL、人外と多岐に渡ってしまいます。 それは…その…ごめんなさい…。 色々な小説アプリを使って読者兼作者として書いていたので、仕方ないんです…泣 −−−−− と…ここまで話してきたのですが、ここからはお願いというか…企画というか…についてになります。 端的に言いますと…。 『 僕に何か小説のネタをください 』 最近、色々考えてはいるのですが、なかなか自分的に食いつくようなアイデアが見つからないのです…。 そこで、皆さんにお願いがあります。 この日記のコメントになんでもいいのでキーワードを『3つ』書き込んでください。 (例)『恋愛』『会社』『先輩と後輩』 (例)『自殺』『車の中』『一酸化炭素中毒』 または、曲パロも得意なので、曲の題名を打ってもらっても構いません。 (例)『曲パロ』『高嶺の花子さん』 (例)『曲パロ』『悪ノ召使』 その中からそのまま小説のアイデアになるか、そこからいくつかピックアップして書く形になると思います。 知らない曲が来たら…聞きます…() 皆さん、よろしくお願いします。 それではまた…。 Яunä

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小説ネタ募集と雑談

私が貴女と会ったのは1年前。 友達に誘われて行った地下ドルのライブ。 そこで私は貴女と会った。 センターで一生懸命ダンスを踊り、歌を歌い、司会もしっかりこなす。 そんな貴女を見て、私は虜になった。 これが私のドルヲタの始まりだった。 −−−−− その日から、私の生活は貴女中心になった。 学校の行き帰りには貴女が居る地下ドルの曲を聞き、放課後には同じドルヲタの仲間と話しながら帰る。 自分の部屋は、勉強道具が並んでいたが、次第に貴女のグッズが増えていった。 親からは「お前に趣味ができて嬉しいよ。」と笑顔で話してくれた。 私は元々何に対しても興味を持たず、家に帰れば机に向かい、鉛筆を走らせていた。 みんなが流行りの食べ物やアプリ、場所の話をする中、私はそんな物には目もくれず、机に向かっていた。 そんな私についに若者らしい趣味ができたと、とても喜んでいた。 −−−−− 私は、彼女達の握手会にも必ず参加した。 そうすると、最推しの貴女からも、周りのメンバーからも名前を覚えてもらった。 その時は私も嬉しかった… やっと、覚えてもらった… 最推しの一員になれた… 私は、そう思った。 私は高校を卒業し、デザインの専門学校に進学した。 最推しの貴女やメンバーの似顔絵からデフォルメの絵を描くことも趣味になっていた。 昔から、勉強の次に絵が得意で、小学生の時は特別賞をもらったほどだ。 そして、大学生になり、大学の近くの鉛筆や絵の具などを扱うお店でアルバイトを始めた。 店長は若くて優しくて、私の趣味にも繋がるお店だったので、非常に楽しかった。 そして、今でも地下ドルである貴女をずっと推している。 私の友人は地下ドルから韓流アイドルや別の趣味を持ったため、友人のSNSを全てブロックした。 だって、同じ趣味を持たなくなったら“切り捨てる”のが当たり前でしょ…? 私の部屋には、貴女の写真やグッズ、アクリルキーホルダーや色紙までが部屋中に貼られていた。 その中には、私が無断でスマホで撮って保管している物もある。 ストーカー?何を言ってるの? “最推しの為なら、なんでもするよ?” −−−−− 私は、倒れるようにベッドに寝転んだ。 体は前より細くなったかな?でも、まだ歩けるし大丈夫だよね? 1週間前から、貴女が居る地下ドルの全国ツアーがあったの。 その公演を全部回って、全部の握手会に参加したの。 貴女やメンバーは私の事を心配したけど、なんでかな?私、全然大丈夫なのに。 アルバイトも休みがちになってクビにされ、新たにパパ活を始めた。 あんなお店でアルバイトするより、こっちの方がお金を稼げるんだもん、仕方ないよね。 あ、そんな話をしてると、パパさんからメールが来た、また出かけないと。 私は机に置いてあるピルを飲んで、外に出た。 壁、天井、使わなくなった勉強机に大量に貼られた貴女の写真。 その全てにこう書かれていた。 “大好き、愛してる” “誰にも渡さない” −−−−− −−−最近、どうも眠れない。 市販の睡眠薬を飲んではいるが、全然効果が現れない。 今度、改めて病院に行くとしよう 「………ッ!………んぅ、ッ………!」 −−−という問題を頭の片隅に置き、私は今、貴女とレズセをしている。 目の前には居ない、“頭の中”の貴女と行為をしている。 年季の入ったベッドを軋ませながら、指を秘部に入れたまま、腰を少し浮かす。 貴女の手が私の顔に触れる。 少し…暖かい…。 そしてそのまま、深いキスを交わしながら貴女は腰を揺らす。 「んッ…んッ………んぁ………ッ………!」 私は、誰もいない部屋の中で1人、絶頂を迎えた。 迎えた後は、虚しさだけが心に残っていた。 私のスマホが部屋の中で鳴り響いている。 私を沢山指名してくれるパパさんからだ。 内容は「ムラムラしてるから1発ヤらせろ」との事。 私は缶に中途半端に残っていたチューハイを流し込み、外に出ていった。 −−−−− あれから何日過ぎただろう。 病院に行くと「不眠症」だと言われた。それも末期の。 病院からは睡眠薬を処方されたが、初日でゴミ箱に捨てた。 だって、最推しの貴女の行動を全て観察したいから。 私は地下ドルの会場から出禁を食らった。 私はただ貴女がどこで誰と何をしているのか知りたかっただけなのに。 だから、貴女のリュックにバレないようにカメラを付け、監視している。 ところが、ここ数日、カメラの映像が変わらない。 外出をしていないのかカバンを変えたのか、それともカメラがバレたか…。 そう考えながら私は久しぶりにテレビを付けた。すると私の目にありえない映像が映った。 “○○(貴女)が自殺しました。” なんで…?なんで…? 私の頭が混乱する。 そうだ、きっと最近忙しかったしそのせいで……!! “自殺理由は何者かによるストーカー行為で………” 嘘だ……嘘だ嘘だ嘘だ……!! 私の行為が“ストーカー”……?? そんなわけない……!! 私はただ、貴女の写真が欲しくて……。 欲しくて欲しくて堪らなくて……!! 貴女に“認知”されたくて……!! “貴女に愛されたくて……!!” 私は、手首に傷を付けながら叫び、涙を零した。 手首にピリピリとした痛みが走った。 −−−−− 次の日、私は貴女を追うように天に旅立った。 貴女のグッズを抱え、貴女の写真を胸ポケットに入れ、貴女の思い出を全て身に付けたまま、ビルから飛び降りた。 落ちている間に、貴女に出会った時の事、初めて握手会に行った日の事、初めてグッズを買った日の事がフラッシュバックする。 「………死ぬ時は一緒に死のう?」 地面に貴女のメンバーカラーである “赤色の薔薇” が花開いていた。 “貴女にも…見えてるかな…?”

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沼

家出

ザァァァ… 「…………………………」 大雨の中、私は、蹲っている。 無機質な灰色をしたコンクリートの上で。 親が寝た間に、合鍵を使って抜け出した。 簡単に言うと「家出」だ。 −−−−− 毎日毎日、酷い夫婦喧嘩。 怒号が飛び交い、宙を舞う雑誌や硝子のコップ。 ガシャン…!! 床には硝子の破片が飛び散る。 もうやめて…そんな声も届かない。 挙句にはまるで物に八つ当たりするように2人は私の体や顔を叩く。 硝子の破片で足裏は血が滲む。 もう…耐えられなかった。 −−−−− 大雨の中、私はただただ歩いている。 行き場所も決めずに、ただただ徘徊する。 電柱に付いた街灯を頼りに、ただただ歩く。 まるで私の今の気持ちのようね。 イライラする。 −−−−− 「……………チッ。」 耳から聞こえていた音楽が消え、雨音だけが騒がしく私の耳に入ってきている。 スマホの電源を押すが、画面はつかない。 電源が無くなったのだろう。 使い物にならなくなったスマホとイアフォンをポケットにしまい、再び歩きだした。 「……………はぁ。」 溜息が止まらない。 −−−−− ここはどこなんだろう、かなり歩いた気がする。 そうだ、スマホがあるからこれで調べて…。 スマホを再びポケットの中で握るが、スマホから手を離した。 どこか分からない場所の大きな公園の中にある屋根のあるベンチ。 ここで暫く一休みしよう、時間は分からないが多分1〜2時間は歩いている、流石に脚が痛い。 見窄らしいライトが私を照らす。 「ん。」 頬杖をついて下を向いている私の目の前から炭酸ジュースがどこからか現れた。 見上げると、ジャージを着た1人の女性が立っていた。 無造作にシールが貼られたエレキギターのケースを背負っていた。 「…………………………」 私は炭酸ジュースを受け取った。 −−−−− ますます雨が強くなっている。 もうこれは止むのを待つしかなさそうだ。 隣には、エレキギターのケースを背負ったままベンチに座る女性がエナジードリンクを口に当て、啜っていた。 耳には無数のピアスが開けられており、髪色も黒に赤のメッシュが入ったウルフヘアだ。 「…なぁ…なんでこんな雨ん中歩いてたんだ?」 女性が私に話しかけながら、少し湿った煙草を差し出してくる。 「…家出…した。」 私はそう答えた。 煙草は「未成年なんで」と断ったが、断りきれずに受け取った。 「ふーん…アタシと同じじゃん…。」 女性は煙草を咥え、火をつけた。 煙草特有の焼けた香りがする。 「アタシも、何年か前に家出したの。」 口から煙を吐き出し、女性は話を続ける。 「理由は…なんだったかな…。あ、思い出した、パパのDVかな。ママはアタシを止めたんだけど、あいつはアタシの大切なママをボコボコに殴った。それが許せなくて、あいつを殴ってから家を出た。」 再び、口に煙草を咥える。 「…そう…なんですね…。」 私は、炭酸ジュースを口に含む、シュワシュワと口の中を刺激する。 「…で?」 「で?」 女性がこちらを見ながら話しかける。 何かあるのかと私は女性を見つめてしまった。 「アンタは…なんで家出したの?」 カラコンだろうか、赤色の目でこちらを見つめてくる。 「………両親の毎日の喧嘩です。」 私の手に思わず力が入って、ペットボトルが凹む。 「毎日毎日、しょうもない事で喧嘩して、それでヒートアップすると、物を投げたり、私を殴ったり…散々です…。」 声色にも力が入る。 「…そっか。」 そう言うと、短くなった煙草を地面に落として火を消すと、私の頭に手を乗せる。 「よく今まで耐えたな、偉い。」 その時の女性の顔はかっこよかった。 −−−−− 「お、雨上がったな。」 女性が立ち上がって空を見ると、雨が止んでいた。 「よし、そろそろアタシは帰ろうかな。」 女性が歩き出すと、私は思わず大声で呼び止めた。 「…あの!」 「ん?」 「名前…教えてください…!」 そう言うと、少し驚いた顔をした後、ゆっくりとこちらに向かってきた。 「…燐…そう覚えといて…。」 「燐さん…ありがとうございました…!」 女性、燐さんにお礼を言うと、また、歩き出し、気だるそうに手をあげた。 そして、暗闇に消えていった。 −−−−− この後、私は警察に補導され、無事に家に帰ることができた。 両親からバチボコに怒られた。 まあ、当たり前だよね。 その後、私の周りでは様々な事が起きた。 両親の喧嘩が叔母にバレ、私は暫く児童保護施設に預けられる事になったり。 そこで新しい友達ができたり。 中学を卒業したり。 と様々起きた。 −−−そんなある日 「…そろそろ寝ようかな。」 私は普段着からパジャマに着替えようとした時だった。 パジャマの上着の奥に何かが入っていた。 取り出すと、それはあの時の煙草が草臥れた状態で出てきた。 「…燐さん…元気にしてるかな…」 私はパジャマのまま、保護施設の裏庭に向かった。 私が居る保護施設には小さい裏庭と縁側がある。 私はそこでたまに夜空を見上げる事が多いのだが、今日は違う。 片手に草臥れた煙草、もう片方の手には玄関に置かれていたライターを持って裏庭に向かった。 今日の夜空は生憎雨模様。 “あの時”と同じだ。 私は縁側に静かに座ると、早速ライターに手をかける。 ジュッ…! そしてその煙草に火をつけて口に咥える。 吸うと少し噎せてしまったが、あの時の燐さんの匂いがした。 すると、どこからか声がする。 「噎せるほど美味かったか?煙草。」 その後、私の隣に座る。 私が隣を見ると、あの時のピアスと髪型。 私は目から涙を零した。 私は、半泣きになりながら答える。 「はい…美味しいです…!」

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家出

ゴキブリの味 / MARETU

「…まただ…」 私の上履きには画鋲が入れられていた。 もう、慣れちゃったけど。 「…危ないから捨てないと…」 私は「死ね」や「ゴミ」と書かれたボコボコのロッカーをゆっくりと閉め、画鋲をゴミ箱に捨てた。 −−−−− 「…」 ガラガラ… 「おい!来たぞ!死ね崎だ!」 「今日も来たのかよ、早く居なくなれよな!」 クラスに入って早々、上位カーストの女子に暴言を吐かれる。 「…池崎…です…」 そう独り言を呟きながら机に向かうと、油性ペンで大きく「死ね」と書かれていた。 「おー、気づいたか?」 1人の金髪女子が私の髪を無理矢理掴んでドアに叩きつける。 「自分の物には名前を書かないとって親に言われたから、書いてあげたわよ?感謝しろよな。」 そして、そのまま髪を掴んだまま腕を横に振った。バランスを崩した私は思いっきり地面に倒れた。 「ちょwwwやり過ぎっしょwww」 「こいつにはこれくらいがお似合いなんだ…よっ…!!」 私の腹を蹴りあげる。 「かは…っ…!!」 息が苦しくなる。 「やっばwww」 「昨日クソ親からボロクソに悪口言われてイライラしてたからいい発散になったわwww」 そのまま、彼女達は地面で蹲る私には目もくれず、跨いで何処かに立ち去った。 −−−−− 「ほーら、早く食えよ。」 「い…嫌…」 「いいから食えや!」 複数人の女子に体を動かせなくされて、床に捨てられた私自身の弁当を食べさせようとしてくる。 「なら…こうしてやる…!」 グチャ!!ビチャ!! 弁当の食べ物の上から思いっきり踏みつける、私の顔にまでトマトの中身の汁が飛び散る。 「これなら食えるだろ?あ?」 「…食べます…」 私は反抗する事も出来ない為、そのまま地面でグチャグチャになった弁当の具材のような物を食べる。 「やっばwww残飯処理班じゃんwww」 「こいつ、生ゴミあげても食うんじゃね?www」 私の耳には女の子達の声しか聞こえなかった。 −−−−− 「……………」 私は自分の部屋の隅で蹲っていた。 毎日…毎日…こんなの嫌。 学校に行く度に度重なるいじめの連続。 「…死のうかな…」 そう呟いた時だった。 「お困りでしょうか、お嬢さん?」 低い声がした。 私がゆっくりと前を向くと、白いマスクで目と鼻を覆った高身長な男性が立っていた。 「…不審者なら警察呼びますよ?」 私はスマホを握る。 「待て待て待て〜!怪しい者じゃないですよ〜!」 男性は両腕を前に伸ばして手を振る。 いや、どう見ても怪しい奴でしょ。 「俺、こういう者でして…」 怪しい者は懐から名刺を取り出してくる。 名刺には『なんでも屋』と書かれていた。 「…なんでも屋ってなに。」 そう聞くと、説明してくれた。 「名前の通り、簡単な所なら宿題のお手伝いから難しい所なら“法に触れちゃう事”までなんでもこなしますよ!」 目の前に居る男性は何故かドヤ顔で答える、ドヤるような事じゃないと思うけど…。 「てか、法に触れる事って、大丈夫なの?」 「大丈夫大丈夫!責任は全て“俺”が請け負いますよ!それが“仕事”なので!」 「…おかしな人…助けてもらう事何も無いんで…。」 そう言いつつ俯くと、男性に言われる。 「…あるんじゃないの?例えば...“クラスに居るクソ女に仕返ししたい”とかさ…?」 私はその声に俯くのを止めた。 あいつに仕返ししたい。 あのクソ女に仕返ししたい。 報復をしてやりたい。 「…ほんとにできるの?」 「えぇ、ここにサイン頂いたら!」 男性はカバンから古びた紙と羽根ペン、インクを取り出す。 そして男性は、Nameと書かれた下線が引かれた場所を指さす。 私は、その紙にサインをした。 男性は笑顔のまま動じなかった。 −−−−− (昨日の効果、本当にあるのかしら…) 朝も通学路も特に変化がないので、疑心暗鬼になりながら私は自分のロッカーに向かった。 −−−すると。 「…あれ…」 毎朝入れられていた画鋲が1つも無い。 更にはボコボコだったロッカーも綺麗になっており、殴り書きで書かれた「死ね」や「ゴミ」という悪口が無くなっていた。 「…業者が変えてくれたのかな…」 私は普通の上履きを履いて教室に向かった。 ガラガラ… 教室に入ると、あの男性の言っていた通りになっていた。 「おいビッチ!今日も放課後パパ活か?www」 「なんとか言えや!このブス!www」 昨日まで、私を散々虐めていたクソ女が今度は周りに居た仲間から虐められていた。 「な、なんであの子が…」 「あれ、知らねーの?」 隣にやってくるクラスの男子、ふと彼の顔を見た時、“何故”か見覚えがあった。 「なんか、放課後にパパ活目当てで見知らぬ男性と夜に歩いてた所がここの学校の生徒が見つけて、それを先生に伝えたら、その噂が一気に広がったらしいわ、いい気味だよな。」 と、男子は話す。 「…へぇー…」 私はただ、虐められているのをぼーっと眺めていた。 「おらおら〜、なんか言い返してみなよ〜、クソビッチwww」 ドスッ…!! 彼女の腹に腹パンを食らわす。 「…ッ!!」 涙目でただただ殴られる彼女。 でも…なんでだろ…。 可哀想とは思わない…。 なんだか なんだか “ 楽しそうに思えてきた ” 「…君もどう…?」 隣に居た男子が“聞き覚えのある声”で話しかける。 「……………」 「…“やり返すチャンス”あげたんだから…。」 そうだよね…これは私が望んだんだもん… やるしかないよね…。 だって−−−−− 「……………」 私は虐められている女の前に立つ。 自然と手に力が入り、握り拳が作られる。 「……………」 私の前でただただ下を向いているクズ女。 「…なに黙ってんの、クズ。」 私は机に置かれていた水をゆっくりと頭にかける。 「…私が今までどんなに辛い思いしてたのか、わかってるの?」 握られていたペットボトルの形が変わる。 「ねぇ、聞いてるの。」 返事はない。 「…答えてよ!今までどんなに苦しくて辛い気持ちをしてたのか!」 女に空のペットボトルを投げつける。 この後、周りの女の子と一緒に放課後まで虐め続けた。 なに…これ…。 虐めるって…。 クズ女を懲らしめるのって…。 “ 最高に楽しい…!!” −−−−− それから1週間後、あの女はクラスから居なくなった。 理由は、言わずもがな自殺である。 普通はクラスメイトの死に悲しむはずだ。 しかし、私のクラスは“普通”ではなかった。 みんな、彼女の死に喜んだのだ。 バンザイをしたり、抱き合ったりしていた。 でも、私はそんな“普通ではない光景”を“普通だと思っていた” 「…これで良かったんだ…。」 私も、心の中で喜んだのだった。 −−−−− 「さて…と…。俺はそろそろ用済みかな…」 学校の屋上で座る1人の男性。 スーツの上から黒いフードを被っている。 「…いつでもお待ちしてますよー…っと!」 隣に置かれた大鎌を一振りすると、次元の裂け目が生まれ、その中に男性が入っていく。 彼はどこに向かうのか。 それは、“困った人”にしか分からない。 Ёиd ゴキブリの味 / MARETU

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ゴキブリの味 / MARETU

名前の変更のお知らせ

やあ、みんな、私です。 …久しぶりに顔だしてごめんね…。 リアルの世界で色々あったからね…。 久しぶりに顔だして早々なんだけど、名前を変えようかと思います。 他の小説サイトと名前同じなのは少し面白くないなと思ったんでね。 新しい名前は… 『 Яunä 』だよ。 読み方は…「 るな 」かな…。 次の区切りから思いついた経緯とか話そうかな。 −−−−− 新しい名前にした訳ですが、理由は最初に言った通り、他の小説サイトと名前が同じだとなんだか面白くないなと感じたのと、もう1つあるんです。 まあ、読み方から分かるように、元は『月』という意味のLUNAをもじってます。 夜中…深夜の時間帯ですね、そんな時間にただただ静かにひっそりと、読者に寄り添えるような、そんな名前にしたかったんです。 −−−−− という事で、これからはЯunäとしてひっそり投稿をしようかと思っております。 それでは、また。

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名前の変更のお知らせ

翡翠の日記(1)

皆様、大変お久しぶりです。 紫吹翡翠です。 そして、あけましておめでとうございます(遅い) いやー、また一つ年が過ぎてしまいましたね、早いものです。 今年も、僕の事をよろしくお願いします。 話は変わりまして、なぜ僕が日記を始めたのかと言いますと、こうでもしないと忘れ去られそうで怖いからです(?) つまり、皆様とコミュニケーションを取れるようにしたかったのです。 あまり更新速度は遅めですが、次に上がる作品の進捗や僕の日常の話、また、好きなシチュやアイデアを募集したいと思い設置しました。 まあ、リアルではコミュ障ですが、ネットの世界ではガンガン話すタイプなんで話しかけてくれたら嬉しいです(?) 早速、聞いてみたいのですが、ここにいる小説家の方って実際… “NL”・“GL”・“BL”どれがいいですか? 僕はNLとGL派閥ですね。 まあ、たまにBLも見るかなーって感じですね。 皆様はどうなんでしょう? それではまた。

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翡翠の日記(1)