くらん

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くらん

転生ロミオとジュリエット 4話

私は、 私以上に卑怯なやつを知らない。 春野さんの、私をいじめるみんなの、 笑い声が響く。 陰口も響く。 みんな見て見ぬフリ。 そんな毎日を、送っていた。 「ねぇ、美桜がまた本読んでるよ。もしかして、前みたいに表紙も内容も男同士のえっちなやつかなぁ、?」 お願い。別の話して。私に目をつけないで。お願いお願いお願いお願い。もう、こんな生活嫌だ。神様、何でもするから…助けて… キャハハッ 甲高い笑い声が聞こえる。 足音が聞こえる。 来るな来るな来るな来るな来るな来るな来るな 「ねぇ今の聞いたぁ?」 「えっ、聞こえなかった。もっかい言ってほしいな。」 取り巻きの桐島麗華さんと、一ノ瀬凛さんが話す。 もしかして、思っていたことを全て声に出していたのだろうか。 息が詰まりそうになる。 気持ち悪くなってきた。 お腹痛い。 頭も痛い。 「大丈夫?過呼吸だよ。 色々言われて、こ・う・ふ・ん、しちゃったのかなぁ?」 「アハハっ!こいつの真似?麗華の言い方こいつみたいにキモかったぁ〜」 「ちょ、ひどくね??こいつの方がキモイだろぉ 誰のこと言ってるか分かるよねぇ、山田美桜さん」 ガラガラガラ ドアが開いた音がする。旧校舎だからか新校舎の音とは全く違う。 もしここに来るのがHRを初めに来た先生じゃなくて樹里だったらどれだけ嬉しかったことか。 でも、樹里はここには来ない。 酷いことをしてしまった上、とある事情で 共校では無くなってしまったから

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恋に問う

恋ってなんだろう 愛ってなんだろう 学校では教わらなかった 誰も教えてくれなかった 好きな人いる?と聞かれた時 分からないから答えることが出来ない 好きってどんな気持ち? 私には分からない あの人が別の人と楽しそうに話す時 寂しくなること? その人には好きな人がいることを知った時、 落ち込んでしまうこと? もしかすると、好きかもしれない でも、好きじゃないかもしれない 分からない 誰かに教わった訳でもないのに好きという感情を知っている人を尊敬する あの人のことも尊敬している 「あの人」の名前は亜希だ。 亜希とは保育園の頃から仲良しで、 亜希の隣にはいつも女の子が居た。 天然タラシでメンヘラ製造機と周りから呼ばれ、 亜希を好きになった人の大半はメンヘラになる。 好きになった人の多くは女性で、 男性には変態な人多い。 亜希は過去にいろいろあり、男性恐怖症だ。 そう知った時、 私は思った 彼女は私が守らなくては しかし最近、 彼氏欲しいなぁ〜と言っていて好きな人と嫁(ネット上)いるし、 これは有罪だろ。私はそう思った それと同時に、好きな人に対する恋愛感情は冷めてしまったのだろうな。 と、ほっとしてしまう自分に嫌悪感を抱いた。 亜希の好きな人は美麗という、犬みたいにフレンドリーで芯が強い人だ。一緒にいて楽しいからずっと親友でいたいと思う。そんな美麗も保育園の頃からの付き合いで、私が来る前から亜希と一緒に過ごしていたらしい。 2人はとても仲良く、相思相愛だ。 この前なんて、亜希が美麗に付き合って下さい。と告白してしばらくし、OKを貰っていた。 2人とはずっと仲良しで居たいし、 私も応援していた。 ここまで来たら付き合うと思うじゃん? 亜希は自分から告白したにも関わらず 「前の告白やっぱなし」って言ったの は? それはないでしょ。ってちょっと失望した 美麗は驚いて声も出ていなかったけど、その後 泣きながら走っていった そうだった、こういう子だった。 私にあの子は釣り合わないからって言って、 あの子を期待させて有頂天の所で突き落として… それでも 親友を傷つけた亜希と いっぱいお話したい、 私だけを見てほしい、 そう思ってしまう私は悪い子なのだろうか きっとそうなのだろう 昔もあったな。こんなこと、 保育園で、おもちゃを譲らなくて、優しくないね。と言われたことがあった。 先生を困らせてしまい、怒られたこともあった。 私は悪い子 いつの間にか、そう思うようになった。 でも彼女は、 亜希はそれを否定してくれた 私は悪い子じゃないと認めるまで、 私に説得し続けると あの時の私にとって、亜希は希望の光だった 今の私にとって亜希は好きな人? いや、そんなはずはない 何かがチクリと刺さったみたい 胸が痛い 今では過去とは反対に、 今の亜希が私を苦しめる原因になっていた 亜希に恋愛感情を抱いているかもしれない 自分も原因になっていた もう、子供じゃない 一人で歩けるようにならなくてはいけない 大切な親友を大切にしなければいけない 好きを自分で否定してはいけない 趣味を否定されたとき、絶望したとき、 自分がどうしたいか考え、 甘ったれずに自分で行動しなければならない 自分を希望の光だった彼女のように 悪い子じゃないよって認めなければいけない 昔の彼女には感謝している。 少し、自分を認めてあげられたから。 今の彼女はあの時の私のように 自分を認められていないのでは無いだろうか。 私は彼女のことは好きだった もう、否定しない。 でも今は2人の親友を大切にしたい。 ずっと一緒にいたい。 最後に一つだけ いつまでも、あなたのことを ━━━━━

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Singing Hero ―プロローグ―

死にたくない。 死にたくない。 誰か、助けて━━。 「大丈夫。今、助けるから」 月明かりに照らされて、銀色の髪がキラキラと輝いていた。 大人っぽくて、どこか神秘的なその姿に、思わず息をのむ。 月明かりに照らされた彼女は、まさに女神だった━━第一印象は、そうだった。 そんな彼女に救われた私は、今日から、新人の魔法少女として戦う。 「魔法少女」と聞いて、あなたはどんな姿を思い浮かべるだろう? 魔法で怪人を倒す、みんなのヒーロー? 誰にでも優しくて、みんなに愛される存在? ━━でも、これはそんな夢みたいな話じゃない。 魔法なんて存在しない。 魔法少女は戦うのが当たり前。 感謝されることも、もうほとんどない。 その過酷さから、今や魔法少女を辞める人は、なんと80%にも上るという。 それでも、なぜ私はこの職業を選んだのかって? それは、私も━━彼女のように、魔法少女に憧れたひとりだったから。 憧れだけじゃうまくいかないことくらい、分かってる。 努力がすべて報われるわけじゃないことも、ちゃんと知ってる。 それでも、私はなりたかったんだ。 魔法少女に━━。

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転生ロミオとジュリエット 3話

あいつの名前は「樹里」 男だけど可愛らしい名前と顔立ちで、1部の女子からモテている。樹里はバスケをしていて、ボールを入れるたびに女子から黄色い歓声がわく。正直、ただの幼馴染だ。と私は思っているけれど、友達は樹里ファンだから、私も樹里が好きなフリをしている。 私は、いつも、周りに合わせてしまう。 あの時も、そうだった。━━━━━━━━ 私は空を見ながら、最近のことのように思い出した。 そう、あれは暑苦しかった夏のこと… 「ねェ…もう、着いたヨ。」 「えっ?」 しまった。 考え事しすぎた。自己紹介したのに全く聞かない愛想悪いやつにみえてないかな?! うぅ、申し訳、ない… 「ふふっ、樹里さンのこと、また聞かせてネ。道案内、ありがとう。美桜」 え?もしかして、考えてたこと全部口に出して、い、たのか、な? ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ どうしよ、どしよ、流石に恥ずいって。この癖、治したはずだったのに。 樹里に会ったからかな? まさか、癖が戻るとは。 昔のことを思い出す。 あの頃、私はいじめられていた。

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転生ロミオとジュリエット 2話

「スみませン、シェイクスピア女子高等学校にハ、どうやっていきまスか?」 声の方へ振り向くと、栗色の髪の女性が居た。少し面倒臭い。そんな気持ちは心の奥に仕舞い、私は親切に道案内することにした。 「あ、ちょうど行き先が同じなので一緒に行きましょうか。」 この人は良い人だって思って貰えるよう、私はとびきり親切に、笑顔でいた。あわよくばそれを先生に報告して、先生が学校に推薦してほしいという気持ちは、顔に出さないよう心がけた。 「私、山田美桜って言います。美桜って呼んでほしいな。あなたは?」 「私ハ…」 一緒に歩いていると、あいつが視界に入った。 すごく、嫌だ。 あいつを見ると、昔のことを思い出すから。

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転生ロミオとジュリエット

少女は夢を見た。 目の前に、美しい光景が広がる。 東洋ヨーロッパのような、おとぎ話のような、 城に、今から忍び込む。 城の庭の壁を慎重によじ登っていく。 静かに。少しずつ。あと、少しで… ガラッ 壁が少し欠け、破片が落ちた。 「だ、誰っ!」 しまった、人が… 「ごめんなさい、つい…好奇心で…」 壁を登りきり顔を上げると、女性が立っていた。 月夜に照らされて輝く栗色の髪、 桃のように美しく色ずいた唇、 雪のように白い肌、 その女性は、天使のようだった。━━━━━━ ピピピピピピ 日が昇る。時計が鳴る。いつもの日常が始まる。 だるい体を起こし、親に回収されたスマホを探す。 スマホないじゃねぇかよ!うちの親はなんでこんなにも隠し上手かねぇ、はぁ、 二度寝しよっかな…… しかし、最近変な夢を見るため、それは断念した。少女は最近、変な夢を見るのだ。どこか懐かしく哀しい夢を。 「美桜〜おーきて!起きなきゃこしょばすよん」 そうだ、紹介が遅れたが、少女の名前は美桜。 高校3年生だ。そして、少女を美桜というこの人は、母親である。見ての通り、とても元気だ。 (うるさいくらい… 美桜はしたくを終えると、この母親に見送られて学校に登校した。 「スみませン、シェイクスピア女子高等学校にハ、どうやっていきまスか?」 この少女に、ロエットに会ってから、 私の人生は変わった… Continue…

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