さや
12 件の小説人生
今日もスマホをいじっただけで、なんでもない1日が終わった。 やっている間は、楽しいが夜になるとなんとなく後悔する。 あぁ。また、1日が終わった。 でも、また明日がある。 そんなことも考えた。 次の日 俺は、会社に向かう途中事故に遭った。 そして、死んだ。 「あぁ、昨日をもっと生きればよかった。」 そう思った時には、もう遅かった…。
人間とは
人間はね、欲深い。 人間はね、すぐ人を羨む。 人間はね、ないものねだり。 人間はね、嫉妬深い。 人間はね、自己中心的。 でもね、人間はね心の奥底で、いつも誰かを思っているんだよ!
極悪非道
俺は、高田 坂時29歳だ。 仕事は、裏社会ではちょいと有名な強盗チームの1人だ。 強盗チームに入るには、試験があるんだ。 試験では、人の冷酷さをみるんだよな。 ほんで、俺は18ん時に試験を受けた。 普通の18歳なら、まだ冷酷さなんて、1ミリもなかっただろうによ。 運悪く、俺の両親は18んときに死んだ。 俺の心は、悲しさや、寂しさの闇にはまってしまったんだ。 それに、親戚も頼れる人もいなかったんだ。 金がなかったんだよぅ。 ほんで、そんときにこの仕事を聞いたもんだから、俺は飛びついてしまったんだよ。 それでな、試験を受けてみたらなんと合格したんだよ。 嬉しいか嬉しくないかは、別として俺は強盗チームの1員になったちゅー訳だ。 ほんで、今回はとある高級マンションの一室から、金貨をごっそり盗んでこいとボスに言われたもんで壁の中に隠れてるんだよな。 壁に耳をつけて、中に人がいるかを確かめた。よし、いないな。俺は長年の経験を生かして華麗な動きで、部屋に侵入したんだ。 完全に、失敗した。 俺が部屋に入ると俺は、すでに銃を持ったスーツ姿の人達に包囲されてたんだよ。 「おお。これは、これは、強盗様。なんても哀れなお姿ですこと。」 女が呟いた。 「いや、まだだ。まだ俺は終わっちゃいない。」 俺は、ほとんど自分に言い聞かせていた。 「そもそも、どうして強盗なんかする?高い金を貰えるからか?」 俺は、とにかく黙っていた。 何か喋ったらあいつの思う壺だ。 「そんなことしていてもいつかは、捕まるに決まっているだろうが。」 女は、静かな声で言った。 俺を試しているようだ。 でもな、俺はそこで気づいちまったんだよぅ。 強盗なんかしても意味なんてないことに。 「君は、まだ若い。いくらでもやり直しが効く。」 いや、違う。 やり直しなんか効かない。 俺は、きっと終身刑だ。 俺がやってきた数々の悪行を考えると、それで済んだらありがたいほどなのだ。 俺がすっかり青くなっているのに気づいた連中は、互いに顔を見合わせた。 「そうだな。俺は悪行から足を洗うよ。でも、これからどうすりゃいい?もう、刑務所行きも同然だよ。」 俺が嘆くと、女が口を開いた。 「今回だけは、見逃してやる。さあ行け。早く。」 その言葉を聞いて、俺は今までにないくらい早く走ったんだよ。ほんで、未来の自分をたぁくさん想像したんだ。 「ボス。あいつは、ダメでしたね。」 極悪非道で、有名な強盗チームは、会議をしていた。 長い沈黙の後、ボスと呼ばれた男は、口を開いた。 「ああ、そうだな。あいつなら耐えられると思ったのに、全く残念だよ。」 「でも、冷酷じゃないと早めにわかって良かったです。あんなやつ、我がチームには、ふさわしくない。」
ガラスの中のイルカ
俺の会社に一度も水族館に行ったことのない女性がいた。 俺は、週末イルカショーで有名な水族館に彼女を誘った。 当日、俺が水族館へ行くと彼女は、ウキウキした顔で俺のことを待っていた。 「佐伯さん。早いですね!では、行きましょうか。」 彼女は、うなずくと俺に着いてきた。 「魚が沢山いますね。」 彼女は、ガラスにへばりついて魚を見ていた。 「ええ。凄いでしょう?」 俺は、自慢気になって語った。 やっぱり、佐伯さんを連れてきて正解だった。 「佐伯さん。そろそろイルカショーの時間ですから、行きませんか?」 「ええ。」 イルカショーが見れるスポットへ移動して、俺と彼女は席取りを始めた。 「楽しみですね。イルカショー。」 俺が言うと彼女は、小さく頷いた。目は、イルカの水槽に釘付けだ。俺は、ふふっと笑って水槽に目を向けた。 辺りが、暗くなった。 ここのイルカショーは、イルミネーション要素もあるらしい。 ショーは、とにかく見事だった。 イルカは、光に合わせて踊っている。 イルカは、賢いなと改めて思った。 彼女も、イルカ達から目が離せないようだ。 ショーが終わると彼女が涙を流しているのに気づいた。 きっと素晴らしいショーに感動したのだろう。 「ショー素晴らしかったですね。」 俺が言うと彼女は、困惑した顔をした。 「こんな狭い入れ物に閉じ込められて、イルカがかわいそうです。」 彼女は、目に涙をいっぱい溜めて言った。
卵の子
家の前に大きな卵を見つけたよ。 紫色で、白い斑点模様付き! 何が生まれるのかな? 恐竜かな? 鳥かな? 女の子は、るんるんした気分で卵を家の中に入れた。 卵は、どうやったら孵るのかな? 卵の本を取り出した。 −ふむふむ− 卵は、温めるといいみたい。 お布団たくさん持ってきて、卵をふかふか包み込む。 「きっと孵ってね。卵さん」 何が生まれるのかな? わくわく。 ドキドキ。 「はやく生まれてきてね!」 −ぴきぴき− 卵にヒビが入ったよ。 女の子は、大慌て急いで卵を覗いたよ。 少しずつ 少しずつ からがにヒビが入ってく −ピーピー− 何かの鳴く声が聞こえてきた。 からの中から出てきたのは、綺麗な虹色の小鳥だった。 小鳥は、女の子にお辞儀して空に飛びだった。 「ありがとう!」 女の子は、大きな声で叫んだよ!
わたしの恋
君の隣になった。 でも、君は、 こっちをみてくれないの。 違う方を向いて。 他の子と、ふざけあっている。 私は、1人読書に戻った。 でも、全然集中できない。 君が気になってしょうがない。 整った輪郭。 綺麗な目。 柔らかそうな唇。 私は、きっとじっとみていたのかもしれない。 君は、びっくりしたようにこっちを向いて、 「どうしたの?」 と首を傾げる。 私が何も言わないまま、俯いていると私のことを下から覗いてきた。 君の顔が近くにきた。 私は、心臓がとんでもない速さで鼓動をうっているのがわかった。 爆発しそうだ。 私は、俯いたまま真っ赤になっていた。 でも、そんなところ見せられないから。 私は、もっと深く俯いた。 「ふふっ。可愛いな。」 君は、優しい眼差しを私に向けてくれた。 カッコいい。 そう思った。 「ありがと。」 君に言われた。 頭がはてなマークで、いっぱいになってしまった。 きっと、カッコいいと口に出してしまっていたのだろう。 私は、もっと顔を赤くした。 君は、みかねたように優しくハグしてくれた。 私は、君の胸のなかでどうすることも出来ずにいた…。 「綾香好きだよ。」 君は、わたしの耳元で囁いた。 わたしは、君をぎゅっと抱いたまま「私も」と小さくつぶやくだけだった。
好きな人
小学校最後の一年。 私は、君とクラスが離れた。 私は、本が好きだった。 だから、図書委員になった。 仕事を始めてしばらくしてから、君は図書室にくるようになった。 私のことを手伝ってくれた。 やっぱり君は、優しいな。 君は、毎日きた。 だから、私も当番じゃない日でも図書室に行った。 君との会話が楽しかった。 でも、時間は残酷で休み時間なんかあっという間。 卒業も、もう間近。 君ともっと話したかったな。 でも、告白する勇気なんかないから。 今は、こうして1分1秒楽しんでいる。 でも、最後に君は、文化祭に誘ってくれた。 忘れないでよ? 絶対に行くから!
足跡
コンクリートには、付かない。 特別なもの。 自然の中にたくさんあるもの。 足跡は、生きている証拠。 ひとり、ひとり、形や大きさは、違うけれど。 自分が頑張って歩いた。 自分が頑張って生きた証拠。 足跡は、どこまでも続く。 自分が生きている限りは。 足跡は、生きている証拠。 自分がいる事を他人が知れる。 足跡は、自分はここにいるよ! と知らせる手紙。 だから、今日も私は足跡をつける。 誰かに拾ってもらうその時まで。
生きる
どんなに辛いことがあっても。 明日は、来る。 今日が終わる。 私を置いて、時間はどんどんまわってる。 命は、みんな平等。 生きる時間は、不平等。 だけども、人生は1番楽しんだ人の勝ちだから。 最後に笑ってこの世を去れたひとの勝ちだから。 私は、今日も生きる。 精一杯生きる。
恋愛屋さん
「キキッー。ギー。」 ドアが軋みながら開いた。 ここは、恋愛屋。愛や恋を買える店らしい。店内は、焦げ茶色の木で、出来ている。天井から、吊り下げられたシャンデリアには、小さな小瓶が、いくつも固定されていて、ひとつひとつ不思議な色を放っている。壁には、色々な薬草が垂れ下がっていた。 「いらっしゃいませ。お客様。」 僕は、はっと息を呑んだ。 ピンク色の髪、整った顔。雪のような肌に、真っ黒な唇。 紫色色のワンピースの上に黒い毛皮のローブのようなものを着ていた。その毛皮は、まだ生きているかのように微かに動いている。 でも1番驚いたのは、そこではない。この女の人は、猫の耳が生えていた。 ゲームの世界などでは、よく見るが本当に猫耳が生えている人には、会うと思っていなかった。 「お客様、ご用件は何でしょう?」 その女の人は、聞いた。 「恋を買いたいんです。」 女の人は、表情ひとつ変えないまま聞いている。 「僕は、好きな人がいます。どうしても、振り向かせたいんです。だから、その子に恋の薬を渡して僕のことを好きにさせたいんです。」 「では、お客様は惚れ薬が欲しいという訳かな?」 女の人は、ゆっくり聞いた。 「あの、、やっぱり無理でしょうか?」 僕は、怖くなって聞いた。 「いやいや、そんなことはないよ。でも、お客様は、そんなもの使わなくてもよろしいかと…。」 僕は、戸惑いながら聞いた。 「では、売っていただけないのでしょうか?」 「いやいや、そんなことはありません。今準備いたします。お待ちください。」 僕は、そわそわしながら待つことにした。 「お待たせいたしました。惚れ薬です。」 女の人の手には、小指ほどの小さい小瓶が収められていた。 その小瓶は、淡いピンク色の光を放っていた。 「あのぅ、お代は?」 僕は、怖くなって聞いた。こんなに素敵なものきっと高いに違いない。ありったけの財産を持ってきたとはいえ、足りる気がしない。 「50万でございます。」 僕は、息が止まった。 高いとは、思っていたがこれまでとは…。 「でも、お客様は、払わなくてもいいですよ。私は、何よりお客様のストーリーを見せてもらえればいいのです。」 女の人は、意味のわからないことを言った。 まぁ、いい。何しろただで、貰えるんだから。僕は、礼を言って店を出ることにした。 僕は、帰り道好きな人、高山を見かけた。ついでだから、今渡しちゃおう。そう思って近づいた。 「高山!実は、お前に渡したいものがあって」 そう言いながら僕は、小瓶を渡した。高山は、少し驚いた表情になった。 「珍しいジュースだ。飲んでくれないか?」 「うん。わかった。」 高山は、ずっと笑顔だった。 「じゃあ、私からも…。」 高山は、小瓶を取り出した。僕は、はっと息を呑んだ。 「同じ小瓶…。」 「どうやら、私たち同じ事をしたみたいね。」 高山は、嬉しそうに言った。 「どう?近くの公園で、一緒に飲まない?」 「うん!そうしよう。」 僕たちは、公園に向かって歩きはじめた。 「カサカサ。」 後ろを振り返ると、恋愛屋の女の人がいたような気がした。